全国外国人雇用
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全国外国人雇用協会は、採用支援・就活支援の一環として、法人会員と個人会員間の効果的な交流を促すために「有力企業就職フェア」を毎週水曜日14:00に開催しております。 会員であれば無料で参加できますので、貴社の採用にお役立てください(毎週20~60名参加)。参加希望の方は事務局にお問い合わせください。




   
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経営に役立つ入管情報

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外国人雇用に関して経営上留意すべき最新情報をお届けいたします。下記はその一部を抜粋したものです。特別会員であれば、「レポート」ですべてお読みいただけます。 下の「紫色バナー」をクリックしていただくと、そのカテゴリーの情報だけを読むことができます。

Vol.491 外国人が日本を支えている(2019.9.17)
日本人の人口(2019.1.1現在)は10年連続で減少し、1億2478万人になりました。去年1年間に生まれた日本人は92万人と過去最少を記録した一方で、死亡数から出生数を引いた自然減は過去最大の44万人。子どもを産む年代の女性が激減しているので、少子高齢化は止まる気配がありません。日本人の生産年齢人口(15~64歳)は7424万人と61万人減り、日本人全体の59.5%しかいません(過去最低)。その一方、外国人の生産年齢人口は15万人増えて227万人。・・・
Vol.490 日本版DACAを導入せよ!(2019.9.13)
日本で生まれ、日本で育ったローレンスは、15歳の時、東京入管から母親と一緒に日本を出るよう命じられました。ガーナ人と結婚したフィリピン人の母親は日本で彼を出産。離婚後、日本人男性と再婚して在留資格を得たのですが、男性が病気で亡くなると、母子ともに在留資格が更新されず不法滞在に。裁判に訴えましたが、「処分は社会通念に照らして著しく妥当性を欠くとは言えない」と退けられ、控訴も棄却されました。彼は、日本人と同じように暮らしていますが・・・
Vol.489 ビザ発給制限は必要ない?(2019.9.12)
7月1日、日本政府は、韓国に対するフッ化水素などに関する輸出の優遇措置を解除することを発表しましたが、「報復カード100枚のうちの1枚」とも噂されており、追加措置の一つとして「訪日ビザの発給制限」が挙がっているようです。マスコミでは、ビザなしでの滞在期間の短縮や、ビザなし渡航を不可とする案などが報道されていますが、報復措置の色彩が強く、「優遇措置の解除」と比べると、あまりエレガントとは言えません。じつは、正々堂々と実施できる手があります。・・・
Vol.488 入管の裁量は大きすぎる?(2019.9.11)
外国人を収容する施設に係る苦情や批判が絶えません。医療体制の不備や病人の放置、収容者の自殺、収容期間の長期化など、課題は山積しています。長崎県の大村入国管理センターでは6月末にハンガーストライキ中の収容者が死亡しました。痛みがあると訴えても、入管職員から「まだ生きているじゃないか」と言われたり、過去には、収容者の脈が止まっているのを職員が確認していながら、『詐病』と判断したケースさえあったといいます。入管法に違反した外国人の収容や退去強制は・・・
Vol.487 観光業の行く手は険しい?(2019.9.10)
観光業の振興は、アベノミクスにおける数少ない成功例です。高めの数値目標を掲げて、観光ビザを緩和し、クルーズ船を誘致して、地方の観光資源に光を当てるとともに、ホテルの建設ラッシュで関連業界を潤しました。歴代の産業政策の中でも出色の出来栄えですし、この成功がなかったら、安倍政権は窮地に追い込まれていたかもしれません。ただし、本当の試練はこれから。弊害が目立つ京都を筆頭に、「観光公害」や「オーバーツーリズム」という指摘が、全国各地で沸き起こっています・・・
Vol.486 歪んだ政策が犯罪を誘う?(2019.9.9)
6月28日、日本にベトナム人不法就労者を派遣していたとして、会社経営者がベトナムで逮捕されました。「観光ビザ」を取得したベトナム人13人を日本に送り込み、不法就労をさせていた疑いが持たれています。「偽造在留カード」が1~3万円で手に入るようになったので、「出稼ぎ目的」で2年前後で帰国するつもりなら、「観光ビザ」で十分ということなのでしょう。「技能実習」で来日する場合、ブローカーに多額の費用を請求されるため、その借金を返すまでは帰国することができず・・・
Vol.485 『偽造在留カード』で3億円!(2019.9.6)
7月2日、愛知、大阪、埼玉で、在留カードの偽造工場が相次いで摘発され、15人が逮捕された事件で、偽造していたグループの「金庫番」とみられる中国人が捕まりました。この容疑者は不正に入手した口座を通じて、グループが国内の客に前払いさせた偽造在留カードの代金を中国に送金。顧客は主にベトナム人で、1枚あたり15,000~20,000円で売っていたといいますが、3億円以上の売上げがあったと見られていますから、最大で2万人近くに偽造カードを提供した可能性があります。・・・
Vol.484 されど『技能実習』は死なず?(2019.9.5)
「技能実習」に係る外国人の人権問題が絶えません。福井県の繊維工場で火災が発生し、ベトナム人技能実習生が1人亡くなりました。今治タオルの縫製工場でベトナム人技能実習生たちが低賃金かつ劣悪な労働環境で働かされている様子をNHKが伝えたことが大きな波紋を呼んでいます。広島市の実習受け入れ先から「強制帰国」させられたとして、インドネシア人実習生が監理団体などを提訴したことも報じられました。しかし、「技能実習」が廃止されることはないでしょう。・・・
Vol.483 鵜飼は『技人国』に当たるか?(2019.9.4)
コリヴォー・ラリッサ・カテリンさんは、外国人初の鵜匠として、「嵐山の鵜飼」で活躍しています。彼女は、2016年、嵐山の人力車運営会社「えびす屋」に入社し、外国人観光客の窓口担当として働いたと言いますから、「留学」から「技人国」に在留資格を変更したのでしょう。その後、嵐山で観光向けの鵜飼を行っていることを知り、鳥が魚を捕まえさせるという間接的な漁法に興味を持って、「鵜匠になりたい」と思い立ちました。2017年7月から2年間も鵜匠を務めています。・・・
Vol.482 景気は危険水域に突入する?(2019.9.3)
政府が消費税増税を断行することがほぼ決定したため、今後、経営者たちの「守りの姿勢」はさらに強固になっていきます。日銀短観や各種のアンケートでも、景気の弱さが露わになってきました。これまで3回実施された消費税増税の場合、庶民の関心は「駆け込みで買ったほうが得かなぁ?」とか「駆け込み消費の後の景気はどうなるの?」という関心が主でした。しかし、今回は、駆け込み消費の議論などではなく、多くの庶民は「そんなことを議論できる懐具合ではない!」と思っており・・・
Vol.481 専門学校45校は日本人ゼロ(2019.9.2)
長らく「大学・冬の時代」と言われてきましたが、これから訪れるのは、「専門学校・厳冬の時代」になりそうです。少子化で大学が苦しいのは否定できませんが、この比較にならないほどの寒波が専門学校に吹き荒びます。この四半世紀の間に、大学は250校増加しましたが、専門学校は249校も減少しました。少子化に対処しようとした大学が、専門学校が得意としていた看護・医療・IT・機械などの分野に攻めてきたため、専門学校の集客力が弱体化したためです。今後は、それに加えて・・・
Vol.480 特定技能の初年度は数百人?(2019.8.30)
「日系4世ビザ」は、懸念されたとおりになりました。制度導入から約1年経ったのに、在留資格を得たのは43人(6月17日時点)で、法務省が喧伝していた4000人の約1%。サンパウロの人材企業では、「条件が厳しすぎて申請者が少なく、4世の募集はしていない」と打ち明けます。日本語能力の資格や家族の帯同を認めていない点などが敬遠された理由です。このままだと、「特定技能」も同じ結末を辿る公算大。申請してみると分かりますが、必須となっている書類がやたらと多く・・・
Vol.479 入管法を知らないと危険です(2019.8.29)
毎年6月は「不法就労外国人対策キャンペーン月間」として、入管法違反が集中的に摘発されます。今年も関連記事が紙面を賑わしました。中でも驚いたのは、偽造在留カードを所持していた不法残留者を大阪入管の要請で雇った人材派遣会社の中国人社長が、兵庫県警に逮捕された事件です。しかしながら、皆さんの周りでも、類似の事件は十分に起こり得ます。先日、弊協会会員の親族Aが、短期滞在で来日していた友人Bに、家業を手伝ってもらっていたところ、Bが傷害事件を起こして・・・
Vol.478 『留学生30万人計画』の終焉(2019.8.28)
留学生の大量失踪事件は、東京福祉大学が初めてではありません。2001年には酒田短大で留学生の不法就労が事件化し、七尾短大でも問題が露見しました。2002年には萩国際大で風俗店での不法就労が発覚。2004年に城西国際大に関して「幽霊学生」の疑惑が報じられ、2011年には青森大で大量除籍が問題視されるなど、過去から類似の問題は指摘されてきました。ただし、過去の類似事件においては、あくまでも個別の大学の問題として処理されたため、「留学生30万人計画」の是非について・・・
Vol.477 主たる活動は自ら立証せよ!(2019.8.27)
6月21日、福岡入管は、「来日目的の立証がない」「10日間の観光日程が具体的でない」という理由で、大阪G20サミットに反対する韓国人活動家の入国を拒否しました。当人は、法務大臣への異議申し立てを行ないましたが、翌日却下され、韓国に強制的に送り返されました。入管法第7条第2項は、「上陸審査を受ける外国人は、同項に規定する上陸のための条件に適合していることを自ら立証しなければならない」と定めており、申請人に立証義務を課しています。・・・
Vol.476 移民はオール・オア・ナッシング?(2019.8.26)
「外国人」を巡る議論を大別すると、嫌いだから排斥するという「感情論」、人手不足だから必要という「算盤論」、かわいそうだから助けるべきという「人道論」の3つがあり、それぞれが相容れないところで論争しています。ただし、日本経済を支えている製造業は、海外各国に販社や工場を構えて売り上げや利益を上げているわけであり、そこで働いているかなりの数の日本人は、現地では「外国人」です。また、その製造業の商品を買っていただいているお客さまは「外国人」です。・・・
Vol.475 入管職員の不法就労助長罪?(2019.8.23)
6月24日、ベトナム人の不法就労を助長したとして、兵庫県警が入管法違反容疑で逮捕した中国人男性について、神戸区検は、不法就労斡旋の罪で略式起訴。神戸簡裁は、罰金40万円の略式命令を出しました。2018年4月と6月、不法残留などで就労できないベトナム人2人を、確認をせずに人材派遣会社「ワールドビジネスパートナー」に紹介し、結果として、県内の工場に作業員として派遣させた罪です。この中国人男性は、同社の元従業員で、同社社長とともに逮捕されました。・・・
Vol.474 不動産は人口減に勝てない?(2019.8.22)
人口が右肩上がりの時代に築き上げられたビジネスモデルは、これから訪れる本格的な人口減で、崩壊していきます。この大変化に対応できない企業も破綻していきます。注目すべきは不動産業界。居住者が確実に減っていく中でも、新築物件を建てて販売しなければ儲からないビジネスモデルに深く組み込まれてしまっているので、従来のやり方を止めることができません。不動産業界は、日本人人口が減少し、全国的に空き家が激増する中で、個人投資家を煽った仮需でごまかし・・・
Vol.473 香港市民は台湾に移住する(2019.8.21)
香港では、犯罪者を中国に引き渡すことを可能にする逃亡犯条例の改正を巡って、6月9日に、100万人以上が参加するデモが勃発し、同月16日には200万人にまで膨れ上がりました。香港政府はいったん条例を撤回し、沈静化を図っていますが、今後の動静には予断を許しません。そんな中で、香港支持を公言した台湾への移民が急増しています。台湾の居住権を得るには、約2000万円かかるとも言われていますが、今年1~4月には前年比40%増の約400人に達しました。・・・
Vol.472 最低賃金引き上げ論の矛盾(2019.8.20)
安倍政権は、最低賃金に関して、「より早期に全国加重平均が1000円」という方針を明示し、立憲民主党は「5年以内に全国一律で1300円」という公約を掲げました。本来なら、個々の企業に賃金を自由に設定させた上で、労働者における転職の自由を阻害するような悪質な経営者を厳罰に処すればよいだけの話なのですが、最低賃金を引き上げて、経営者や雇用者を締め付けていくという愚かな経済政策が実施されることが既定路線となりました。最低賃金引き上げという政策の背景には・・・
Vol.471 一流の外国人は来日しない?(2019.8.19)
移民に関する議論を聞いていると、①日本はアジアにおいて最も「魅力的な国」である、②ドアを開ければ優秀な外国人が大勢来日する、③来日した外国人は日本での永住を望む、という「暗黙の前提」を感じるときがあります。日本が「出稼ぎ先」として、ある程度魅力的なことは否定しませんが、中国や韓国や台湾と比べて圧倒的に優位かと言えば疑問です。また、「出稼ぎ先」ではなく、「永住先」として日本を選ぶ外国人は、まだまだ少数派でしょう。現場では、「本当の高度人材は・・・
Vol.470 監理団体が初の書類送検に!(2019.8.16)
6月20日、監理団体「国際バンク事業協同組合」の役員2人と法人としての同組合が、技能実習適正化法違反の疑いで書類送検されました。送検容疑は、外国人技能実習機構に対し、実習生の受け入れを統括する「監理責任者」として、組合と無関係の人物の名前を記載した書類を提出した、というもの。昨年12月に、虚偽の講習実施記録を同機構に提出したとして、許可を取り消された事例はありましたが、同法に基づく書類送検は全国で初めてです。今回の事件で明らかになったように・・・
Vol.469 世界中の収容所で問題発生?(2019.8.15)
人権侵害という批判が根強い収容所における外国人の処遇に関しては、近年、収容期間の長期化が問題視されています。1年半以上の収容が急増する中で、隔離した件数や戒具を使用した件数が増えています。ただし、外国人の収容者に対する処遇に問題があるのは、日本だけではありません。米国では、罵詈雑言を浴びせて移民を車でひいた米国境警備隊員や、児童移民に対する不当な扱いが話題になっています。オーストラリアでは、難民施設における収容者による自殺未遂が相次いでおり・・・
Vol.468 留学生には転校支援しない?(2019.8.14)
定員超過の留学生を入学させていた東京福祉大系列の「保育・介護・ビジネス名古屋専門学校」で、在留が認められず30日以内に帰国するよう告げられる留学生が増えています。入管庁による在留期間更新の審査が厳格化しているためで、中には、出席率70%でダメと言われたケースもあるようです。本件で、一番悪いのは専門学校であり、次に悪いのは、監督せずに放任していた県や入管。アルバイトに精を出していた留学生に罪はないとは言いませんが、悪者としてはせいぜい三番手です。・・・
Vol.467 日本を救うのはITやAIなのか?(2019.8.13)
少なからぬ経済学者は、人口減の話になると、「移民を受け入れなくとも省力化投資で賄える」とか「労働生産性を上げるためにIT投資すべき」などと軽々しく論じます。しかし、システムに詳しいわけでもなく、経営をしたこともないのに、よくもそんな戯言が言えるものです。きっと、日本企業や日本国が、どれだけIT投資で失敗してきたのかを知らないのでしょう。無論、有効に活用できれば、ITもAIもロボテックスも、生産性向上に大きく寄与することは間違いありません。・・・
Vol.466 特定技能は期待通りだったか?(2019.8.9)
「特定技能」は、期待の大型新人でした。昨秋は、その指名を巡って、陳情合戦が繰り広げられたものです。ところが、導入から2ヶ月半経った今では、昨秋の熱気はどこへやら。数多くの企業が「様子見」に転じたような静けさです。特に、「技能実習」に慣れ親しんでいる企業では、「特定技能」に乗り換えるのではなく、「技能実習」を堅持する方針を固めたようにも見えます。「外国人受入政策の司令塔を担う」と意気込んでいたはずの入管庁は、具体的な施策に踏み込もうとしません。・・・
Vol.465 アベノミクスは増税で絶命する?(2019.8.8)
6月11日、安倍政権は、「骨太の方針」の素案を公表し、今年10月に消費税率を10%に引き上げると明記しました。自民党も、同じ内容を参院選のマニフェストに書き込みましたから、一時期盛り上がりを見せた「消費税増税延期策」の可能性は極めて低くなりました。景気の足元は極めて弱く、税率引き上げ時に通常見られるはずの「駆け込み需要」すら見られないのではないかという雰囲気が漂い始めました。誤った経済政策の効果により、倒産件数も着実に増加してきました。・・・
Vol.464 シャープ問題はなぜ再発するのか?(2019.8.7)
昨秋、シャープ亀山工場は、約3000人の外国人を解雇しました。彼らを送り込んでいた派遣元の一つである「ヒューマン」という下請会社はいくつもの会社を登記。外国人は、派遣会社と1~2カ月の雇用契約を結び、就労場所はシャープ亀山工場で、業務内容も変わらないのに、契約満了になる前には退職届を書き、また別の関係会社と同様の契約を交わすという形態で雇われていました。この契約形態だと、社会保険の支払義務から逃れられますし、有給休暇を与える必要もありません。・・・
Vol.463 ノルマも出世も不要になったのか?(2019.8.6)
三井住友銀行で始まったノルマ廃止が広がりを見せています。三井住友銀行の前身である住友銀行と言えば、厳しいノルマ管理と信賞必罰で有名な行風だったので、銀行界には衝撃が走りました。証券界では、「ノルマ証券」とまで呼ばれた野村證券が、「猛烈営業」に頼る路線を転換するとのこと。蓋を開けてみれば、ノルマを基準とした評価を止めて、ボーナスを減額するという深謀遠慮で終わるのかもしれませんが、マネジメントとしては分水嶺を渡ったという感じがします。・・・
Vol.462 ついに東京福祉大に鉄槌が下る!(2019.8.5)
6月11日、文科省と入管庁は、3年間で1610人の行方不明者を出した東京福祉大に対して、新たに入学する「学部研究生」への「留学」の在留資格付与を認めない方針を示しました。さらに、各大学に対しては、毎月、所在不明や退学、除籍になった留学生数を文科省に報告することを義務付けます。同省の指導後も改善しない場合は、「在籍管理非適正大学」として法務省に通告され、改善するまでの間、新規に入る留学生への「留学」の在留資格の付与が停止されます。・・・
Vol.461 当局の言うことを軽々に信じるな(2019.8.2)
技能実習先から逃げてきたベトナム人を就労させた疑いで逮捕された人材派遣会社の社長が、入管から採用要請があったと主張した問題で、社長は、「要請がなければ、雇用は絶対しない。危ない橋は渡れない」と語りました。これが、もし事実であれば、入管が不法就労を助長したことになります。これに対して入管は、「不法就労の事実が明らかな外国人の雇用継続を指示することはない」として全面否定。これが当局の実態です。権力を笠に着て、無理筋の要請をしておきながら・・・
Vol.460 フィリピン政府が先にお仕置き?(2019.8.1)
「やっぱり日本だと、政治家とつるんでいる監理団体大手のフレンドニッポンとか日立って、お咎めなしで終わるんだろうなぁ」と思っていたら、フィリピン政府がやってくれました。フィリピンの海外雇用庁は、帰国した元実習生からのヒアリングや独自の調査により、「日立とフレンドニッポンには技能実習のルール違反があった」と認定。「実習生は技術を学ぶのが目的のはずなのに通常の労働をさせられていた」と批判しています。管理責任のある「ホワイト・ダブ」に送り出しの停止を・・・
Vol.459 親子離れ離れは米国だけじゃない(2019.7.31)
2018年4月から、米国政府が不法入国者の取り締まりを強化したため、メキシコとの国境から不法入国して拘束された親子が引き離される事案が相次ぎ、「児童虐待ではないのか」という声が沸き起こり大騒動になりました。今では、トランプ大統領ですら、不法移民の親子を引き離す政策を再開することはないと明言しています。この間日本では、子どものいる非正規滞在外国人を入管が拘束し、施設に収容する際、子どもを親から分離して児童相談所に保護を依頼する事案が急増。・・・
Vol.458 テリー伊藤の兄が入管法違反?(2019.7.30)
6月1日から、「不法就労外国人対策キャンペーン月間」が始まり、当局が摘発を強化し、逮捕事例をマスコミに垂れ流していることもあって、不法就労助長罪に関するニュースが毎日のように報道されています。6月7日には、就労資格のない外国人を働かせていたとして、テリー伊藤の実兄が入管法違反(不法就労助長)容疑で書類送検されました。オーバースティの中国人2人を就労させていたようです。マスコミは大きく取り上げましたが、単純な不法就労助長罪です。・・・
Vol.457 アルバイト先が摘発される?(2019.7.29)
6月6日、東京福祉大学系列の「保育・介護・ビジネス名古屋専門学校」において、定員を大幅に超える留学生を受け入れているという疑いが浮上し、愛知県が立入調査を実施しました。「国際教養学科」には約2100人(定員の約9倍)、「国際ビジネス情報学科」には約800人(同約10倍)を入学させたと報じられています。東京福祉大学並みに批判の対象になっているのが日本語学校。「悪の権化」のように描写する記事が出回り、良心的な運営の日本語学校まで叩かれています。・・・
Vol.456 入管に協力したら逮捕された?(2019.7.26)
6月3日、不法滞在のベトナム人を工場に派遣したとして、不法就労助長の疑いで逮捕された派遣会社の中国人社長は、入管捜査の協力者だったようです。昨年6月頃、雇用して派遣予定だったベトナム人が不法滞在ではないかと疑い、大阪入管に相談。入管の担当者から、「適切な時期に一斉に摘発したい」と言われ、雇用を継続して摘発に協力するよう求められたため、雇い続けました。それなのに逮捕されたので、「不当逮捕だ」と主張。結局、この社長は、6月5日の夜に釈放されました。・・・
Vol.455 大都市集中をどう回避する?(2019.7.25)
6月3日、自民党の「外国人労働力受入れに関する合同会議」が「特定技能」で働く外国人について、大都市圏への集中を防いで地方にも定着させていく観点から「思い切った対策を重ねて講じるべき」と提言しました。本気で大都市圏への集中を防ぎたいのであれば、オーストラリアやカナダのように、在留条件に居住地域や就労地域の限定を設けるべきです。もしくは、「特定技能」の外国人が転職する際には、在留資格の変更許可が必要ですから、変更許可のガイドラインに・・・
Vol.454 製造業派遣の大手は野放し?(2019.7.24)
6月3日、またもや「製造業派遣」で、派遣会社の社長が逮捕されました。兵庫県内にある携帯電話の部品製造工場に外国人7人を派遣した疑いです。技能実習生として来日したベトナム人を不法就労させたとして、入管法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕されたのは、兵庫県尼崎市にある人材派遣会社「ワールドビジネスパートナー」の中国人社長。不法就労していたベトナム人らは、関東や九州の技能実習先から失踪した後、闇サイトを通じて同社にアクセスしたとみられています。・・・
Vol.453 消費者はチョイ高も許さない?(2019.7.23)
3月の景気動向指数が低下し、6年2カ月ぶりに景気の基調判断が「悪化」に転じました。「アベノミクスの効果は終焉した」という感じがしますが、その後公表されたGDPは、消費と設備投資が不振であったにもかかわらず、大幅な輸入減に助けられ、2期連続のプラスになりました。エコノミストの間では悲観派が急増していますが、政府は景気回復の旗を降ろしていません。しかし、「チョイ高商品」が全く売れない現実を直視すれば、「景気は悪い」と判断せざるを得ません。・・・
Vol.452 入管庁は司令塔になれるか?(2019.7.22)
東電は、福島第一原発の廃炉作業について、入管に確認した上で、「特定技能」は受入可と判断。実際、「従たる業務」で従事することを禁じる法令はありません。そこで、特定技能外国人を受け入れる方針を打ち出したところ、批判の矢面に。入管は、「そのような回答をしたことはない」と否定に転じ、「所管省庁が判断すること」と責任を回避。5月21日には、厚労省が、慎重な対応をとるよう求める通達を発出したことを契機に、東電は、その翌日、受入凍結を公表しました。・・・
Vol.451 製造業派遣は撲滅されるか?(2019.7.19)
5月31日、人材派遣会社の社長が、留学生や技能実習生7人をケーキ工場などに派遣して、不法就労させたとして逮捕されました。今年3月、7人が工場から帰宅する際に、警官から職質を受けて不法就労が発覚し、逮捕されたことが切っ掛けだったと報じられていますが、留学生の不法就労が職質でバレたとすれば、「毎日8時間働いています」とか「学校には通っていません」と回答したということなのかもしれません。いずれにしても、不法就労は必ずバレると覚悟すべきです。・・・
Vol.450 人手不足は手抜きでしのぐ?(2019.7.18)
無責任な経済学者やエコノミストは、未だに「人手不足は賃上げすれば解決する」と主張していますが、経営の現場には、「量(労働量)」と「価格(賃金)」以外にも大事な変数があります。それは「質(サービスの品質)」です。建設現場がわかりやすい事例です。建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに、2017年には498万人と3割弱も減少。恒常的な人手不足に見舞われています。レオパレス21のアパートでは屋根裏の界壁がないことで世間を賑わし、ダイワハウスでも・・・
Vol.449 大本営発表を鵜呑みにするな(2019.7.17)
5月30日、「N1ビザ」の告示が公布されました。新聞各紙は、「留学生の就職、宿泊・外食でも」「飲食業も可能に」「専門外の接客業OKに」など入管の振り付けのまま記事を書いています。「技術・人文知識・国際業務」でも許可されてきたのに、「これまでは宿泊や外食や小売では許可されなかった」という書き振りです。しかも、このビザで「数千人」が就労するという大本営発表を垂れ流す体たらく。N1の合格率は約30%ですから希望者が2万人いれば数千人になるはず・・・
Vol.448 経済学は移民をどう考える?(2019.7.16)
「移民」に係る議論は感情論になりがち。異文化に対する懸念を煽る「攘夷派」と人道主義一辺倒の「開国派」は水と油ですから、交わりようがありません。エコノミストも、極論どうしの論争に煽られて、イデオロギーに塗れた論調に陥りがちです。この点、「経済学」がどう論じているかというと、移民肯定派が大勢ですが、「移民は米国のGDPを増やすが、移民以外の米国人が得る利益は小さい」とか「第1世代と第3世代の移民は、コストが税収を上回る」という主張もあります。・・・
Vol.447 大山鳴動して鼠一匹なのか?(2019.7.12)
5月下旬、「特定技能」に係る試験結果が続々と公表されました。外食業の技能試験では347人が合格。宿泊業でも280人が合格し、介護でも84人の合格者が出ました。業界では、特定技能に特化したマッチングサイトを開設したり、日本語教育やトレーニングセンターに商機を見出すなど、一部で盛り上がりを見せています。しかし、これらは、外国人個人に対する必要条件に焦点を当てた試みにすぎません。じつは、「特定技能」は、従来の在留資格とは異なり、外国人個人の審査ではなく・・・
Vol.446 観光業は持続成長できるか?(2019.7.11)
日本は、2017年に観光収入の世界ランクでトップテン入りしました。2013年には21位でしたから大躍進と言ってよいでしょう。観光客数も、2010年に第30位、2014年第22位だったのが、世界12位ということなので、経済政策としては大成功だったと言えます。これに気を良くした日本政府は、2020年に訪日外国人数4000万人、2030年6000万人を目指していますが、「オーバーツーリズム」や「観光公害」という指摘が急増している中で、永続的な右肩上がりを達成できるか疑問です。・・・
Vol.445 技能実習は特定技能に勝つ?(2019.7.10)
日本政府は、外国人技能実習制度の「宿泊業」について、現在は1年しか認められていない技能実習を2年目以降もできるように制度を改正することを決めました。この措置により、「宿泊業」で約3年の実習を経験すれば、新たな在留資格「特定技能」に無試験で移行することが可能になります。じつは、北大阪高等職業技術専門校は、3年間在留する技能実習生に義務づけられる「3級」の検定試験の対策講座を開講しています(計12時間の2日間コース)。つまり、表向きは・・・
Vol.444 最低賃金2000円という虚妄(2019.7.9)
安倍政権は、地方の所得水準を引き上げて、「アベノミクス」の果実を全国に波及させるという名目で、最低賃金を全国平均で1000円に引き上げる方針です。山本太郎参議院議員の「れいわ新選組」は「最低賃金1500円」を掲げ、現場を知らない経済学者は「最低賃金2000円」を主張します。自民党が弱い選挙区の最低賃金は低水準ですし、「全国一律1000円」を掲げる共産党のお株を奪う側面もあるので、政治的には正しいのですが、最低賃金の引き上げで失敗した韓国を無視しています。・・・
Vol.443 移民は『移民』と呼ぶべきだ?(2019.7.8)
中川正春・衆議院議員が、2012年に内閣府特命大臣(共生社会)に就任した際に「移民基本法を作りたい」と発言したら抗議が殺到。その後、「外国人材」という言葉に言い換えたそうですが、それだけ「移民」という語感に反発する人が多かったということなのでしょう。しかし、その結果、「移民」という言葉はタブーとなり、日本政府は、実習生や日系人などの裏口で受け入れながら日本社会を維持してきました。完全な「二枚舌」です。その結果、「そこにある不都合な現実」を・・・
Vol.442 終身雇用は消えてなくなる?(2019.7.5)
経団連会長が「終身雇用を前提とすること自体が限界になる」と口火を切ると、経済同友会代表幹事も「終身雇用は制度疲労を起こしている。もたない」と呼応し、トヨタ自動車の社長も「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言しました。追い込まれたというべきなのかもしれませんが、ついに、日本の大企業が「終身雇用」の改革に乗り出します。「日本的経営」と呼ばれてきた雇用慣行は終焉を迎えます。国境や業種を超えたグローバルな競争が厳しさを増す中・・・
Vol.441 国は移民支援を怠ってきた?(2019.7.4)
4月16日、22年ぶりに公立の夜間中学が埼玉県川口市に開校しました。入学試験はなく、県内に住む16才以上で、在留資格があれば、日本語がまったく出来なくても入学が可能です。現在、夜間中学があるのは、9都府県に33校。夜間中学に通う全生徒1687人のうち8割の1356人が外国人です。日本国憲法は、子どもに小中学校の教育を受けさせる就学義務を保護者に課していますが、義務があるのは「国民」で、外国籍の子どもは対象外。義務教育年齢の外国人のうち1万6000人以上が・・・
Vol.440 ヘイトスピーチは沈静化する?(2019.7.3)
ある監理団体が、来日直後の外国人実習生に1カ月間、日本語や生活習慣を教えるための研修施設を大阪府摂津市に建築することを計画しました。1500世帯が暮らすこの地区では反対運動が勃発。「住環境の破壊ダメ!絶対!」「子ども達の安全・安心を守れ」というのぼりが、住宅の軒先ではためき、「地区の真ん中に外人がどんと来られたら困る」「不法就労や犯罪に走る可能性がある」などと不安の声が渦巻きます。反対署名も1万筆近く集まりました。今も建設は見通せません。・・・
Vol.439 日本企業は給料が低い?(2019.7.2)
日本企業の給与が、欧米どころか、アジアより見劣りするようになりました。日本企業の場合、大卒の初任給は20万円台でボーナスを合わせて年収300万円前後が相場ですが、シンガポール企業であれば、初任給で年収600万円がオファーされることもあります。中国企業ファーウェイが、日本の新卒エンジニアに初任給40万円を提示したことも話題になりました。日本の給与水準は、OECD 35カ国中18位。上位のルクセンブルクやスイスはもとより、米国、ドイツ、フランスに劣後。・・・
Vol.438 スペインも反移民に転じる?(2019.7.1)
4月28日、スペインで総選挙があり、下院ではサンチェス首相率いる中道左派・社会労働党が第1党になりましたが、「不法移民は強制送還」「モロッコ国境に壁を作る」と公約する新興右翼政党VOXが24議席を獲得。独裁者フランコに関する苦い記憶があるので、有力な極右政党が出てこなかったスペインにおいて、極右政党が国政に進出したのは1978年の民主化以来初めてです。VOXは、EUに対して、国境検問の再開を廃止したシェンゲン協定の凍結を要求しています。・・・
Vol.437 働き方改革は『働くな改革』?(2019.6.28)
平成時代、日本の国際的地位は一貫して低下しました。GDPの規模で言えば、当初、中国は取るに足らない存在でしたが、2010年に日本に追いつき、今では2倍近い規模になりました。日本の1人あたりのGDPは米国より高く、生活も豊かでしたが、あっという間に逆転され、かなり差がつきました。ところが、未だに日本人は「日本は経済大国であり、日本人は優れている」という思い込みから抜け出せていません。残業の上限規制を導入し、GWを10連休にしました。・・・
Vol.436 特定技能は増やす気がない?(2019.6.27)
鳴り物入りで今年4月から導入された「特定技能」ですが、期待が大きかっただけに、「残念な感じ」が漂い始めました。その大きな原因のひとつは、推進役であるはずの入管庁が、「制度は創ったので後はよろしく」「試験関係は所轄官庁の問題だから、そっちに聞いてくれ」というスタンスを崩さず、当初公言していた「司令塔的な役割」をまったく果たしていないからです。とは言うものの、入管庁自体は、「外国人の受け入れは仕事が増えるだけなので増やしたくない」と本音では思っている・・・
Vol.435 外国人問題は日本人問題?(2019.6.26)
建設労働者にIDカードを保有させ、就労データを管理する「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の運用が始まりました。外国人にはCCUSの加入が義務付けられましたが、CCUSは、外国人のためのものではありません。元々は、技能を「見える化」することによって、技能に応じた賃金を保障することを通じて、建設労働者全体の処遇を改善するための仕掛けでした。処遇が改善されない原因の一つは、日給ベースで計算し、稼働日数によって月給が変動する「日給月給制」。・・・
Vol.434 横綱白鵬は帰化できるのか?(2019.6.25)
「外国人を受け入れるか否か」という問いの裏側には、「日本人とは何か?」という難題が存在します。「外国人(=外国国籍)は受け入れない」という主張は、「日本人(=日本国籍)は受け入れる」ことを含意し、「日本人」と認定されたら、受け入れることになるからです。この点で、テニスの大坂なおみ選手の「二重国籍」や白鵬の「帰化」は、重要な争点を提供します。「帰化」の対象には比較的容易になり得るので、実質的な審査基準はともかくとして、表面的なハードルは高くありません。・・・
Vol.433 カナダも反難民に転じるのか?(2019.6.24)
カナダが、自国以外の国で既に難民申請をした場合、カナダで再申請することを禁止する方針を固めました。米国で受け入れを拒否された難民申請者が国境を越えてカナダ国内に大量に流入していることが背景にあります。保留中の難民申請の数は20万件を超え、審理待ちに平均20カ月かかるのが現状。国境近くの自治体は、申請手続を待つ難民のために古いスタジアムや公民館を住宅施設として再利用していますが、この費用負担を巡って政府との間に軋轢が発生。・・・
Vol.432 社保未払いは不許可になる?(2019.6.21)
4月26日、法務省は、「出入国在留管理基本計画」を発表しました。入管政策の指針となる重要な公文書なのに、報道各社のコメントがほとんどないのは、分厚くて読みたくないからなのかもしれません。じつは、基本計画には、「特定技能外国人の受入れに関する審査に当たっては,受入れ機関における社会保険制度上の義務及び納税義務の履行状況を確認することとし,一定程度滞納等をした受入れ機関については特定技能外国人の受入れを認めないこととする」と明記されています。・・・
Vol.431 偽装留学生を根絶やしにする?(2019.6.20)
日本語学校修了者の7割以上に対して、日常会話レベルの日本語能力試験に合格することを求めることになりそうです。3年連続で下回った場合は受け入れ禁止の対象に。具体的には、言語力を6段階で評価するCEFR(欧州言語共通参照枠)で下から2番目の「A2」レベル以上。ただ、「A2」は、日本語能力試験で言えば「N4」相当ですから、まじめに授業を受けて勉強している留学生であれば、さほど問題にはなりません。問題は授業に出ない留学生。全生徒の出席率については・・・
Vol.430 入管法改正で偽造が増える?(2019.6.19)
「風が吹くと桶屋が儲かる」という諺があります。「風が吹く➡土埃が目に入る➡盲人が増える➡盲人は三味線を弾く➡三味線の胴を張る猫の皮の需要が増える➡猫が減る➡ねずみが増える➡ねずみが桶をかじる➡桶屋が儲かる」という論理で、一見すると全く関係がないと思われる場所・物事に影響が及び得ることの例えですが、近年では、「可能性の低い因果関係を無理矢理つなげてできたこじつけの理論」を指すようです。「精巧偽造在留カード横行 入管法改正で拡大の恐れ」という記事・・・
Vol.429 初年度見込みは大幅未達?(2019.6.18)
4月26日、法務省は、新たな在留資格「特定技能1号」を初めて認定しました。今回認定された2人のカンボジア女性は、和歌山県の技能実習生。受け入れていた大阪府の農業関連会社が申請して、認められたといいます。「特定技能」の受け入れ人数は、初年度で32,800~47,550人と見込まれていましたが、この新しい在留資格を申請したのは27人だけ。初年度の見込みが正しいと仮定すれば、初月申請者の100倍の水準に相当する3,000人近い人数が6月以降毎月許可されていく・・・
Vol.428 衰退を防ぐには移民しかない?(2019.6.17)
世界的に著名な投資家であるジム・ロジャーズは、「若者は日本から出ていくべきだ。国の借金が天井知らずに増え、人口が減少している。これは簡単な算数だ。足し算と引き算ができればわかる。問題は悪化する一方だ。50年後に誰がこの借金を払うのか。私ではない。他の誰も払わないだろう。だから若者には解決策がない」と説き、昨年秋に日本株をすべて売却したことを明らかにしました。唯一の望みとして、「移民を歓迎した国は成功して繁栄している」と指摘しましたが・・・
Vol.427 特定技能は原発向きなのか?(2019.6.14)
4月18日、東京電力ホールディングスは、「特定技能」の外国人労働者を福島第一原発の廃炉作業などで受け入れる方針を明らかにしました。東電や協力企業の社員が1日平均で約4000人働いている職場では、現時点で約30人の外国人が放射線業務従事者として登録しているようです。人道主義的な批判はさておくとして、入管法的には、かなりリスキーな選択です。いかに指示したところで、原発に馴染みのない国にいるN4の外国人に被曝リスクを完全に理解させることは不可能。・・・
Vol.426 入管は特高警察のままなのか?(2019.6.13)
収容者に対する非人道的扱いが、全国の入管で蔓延しているという批判が止みません。歴史を振り返ると、戦前は、特高警察を所管する内務省が、警察行政の一環として入国管理を担っていました。敗戦に伴い、占領軍によって内務省が解体され、特高警察も解体されましたが、大日本帝国において朝鮮人らを取り締まっていた官吏たちの多くは、公職追放を免れたため、入管業務の従事者として引き続き雇用されることになりました。そういう状況下、旧特高関係者が少なからぬ比率を占めていたため・・・
Vol.425 外国人が十分に理解できる?(2019.6.12)
同じ社内で外国人と働くことが増えると、問題になるのがコミュニケーションです。単に、言葉の意味の問題ではなく、文化の差異とか、考え方やアプローチの違いからくる勘違いなど、本気で一緒に仕事をしようと思えば思うほど、日々のマネジメントにおける悩みは深まるものです。中でも怖いのが、「理解していない」のに「ハイ」と応えるケース。同国人から、「何か言われたらハイと答えておけばいい」と教えられて、理解しようともせずに「ハイ」を連発する輩は少なくありません。・・・
Vol.424 フレンドニッポンはお咎めなし?(2019.6.11)
昨年12月27日、協同組合クリエイティブ・ネットは、実習前の講習を十分に実施しなかったにもかかわらず、外国人技能実習機構に「受講させた」と虚偽の報告をしたため、監理団体としての許可が取り消されました。同組合から派遣されていた7人のタイ人女性は、講習期間中に「実習」に従事していただけでなく、「講習を受けている」と嘘をつくよう指示されていました。さらに、その「実習」は、事前の計画内容とは全く異なっていたと言います。その事例との関係で気になるのが・・・
Vol.423 消費税増税で景気が死ぬ?(2019.6.10)
4月18日、自民党の萩生田幹事長代行は、10月の消費税増税に関し、景気次第で延期もあり得るとの考えを示しました。「景気はちょっと落ちている。6月の日銀短観で、この先は危ないと見えてきたら、崖に向かってみんなを連れて行くわけにはいかない。違う展開はある」と述べたのです。この発言を巡って永田町は大騒ぎ。菅官房長官は、「リーマン・ショック級の出来事が起こらない限り引き上げる予定だ」と火消しに回り、日本商工会議所の三村明夫会頭は「信じられない」と批判しました。・・・
Vol.422 結局自治体に丸投げか?(2019.6.7)
自治体に対するアンケートによれば、外国人の適正処遇に関して懸念を表明する向きが47%と半数近くを占め、適正処遇を「確保できる」と「どちらかといえばできる」の計20%を大きく上回っています。生活支援については、「多くの企業は外国人受け入れのノウハウがない」として、国や県などによる後押しが必要との意見が散見されます。国としてのリーダーシップを発揮せずに、押し付けるだけの現状に自治体の不満は高まるばかり。外国人住民の受け入れ体制に関する調査でも・・・
Vol.421 5人に1人が70歳以上!(2019.6.6)
2018年10月1日時点の日本の人口は、前年比▲26万人の1億2644万人で8年連続の減少となりました。減少数・減少率ともに1950年以来、過去最大で、70歳以上が総人口比で初めて2割を超えました。5人のうち1人が70歳以上であり、4人で1人の高齢者を支えています。遠くない将来、70歳以上が4人に1人になり、3人に1人に向かっていくのは必定であり、そうなったときに2~3人で1人の高齢者を支えられるのか、という誰も否定できない厳然たる難問がそこに控えています。・・・
Vol.420 外国人の育成には苦労する?(2019.6.5)
2018年10月末時点の外国人労働者数が146万人となり、この10年間で約3倍に増え、外国人比率も2%を超えましたが、オフィスで一緒に働いているという企業は、まだ少数派かもしれません。外国人労働者が、工場などの現場ではなく、日本人と同じように職場で働くようになると、従来の日本人向けの業務運営では立ち行かなくなることが実感できるようになります。外国人労働者の育成に携わった日本人の8割以上が「苦労した」と回答した調査があります。その理由を見ると・・・
Vol.419 アクセルとブレーキを両方踏む?(2019.6.4)
「特定技能」は、実務家の検証を経ることなく、既存制度の継ぎ接ぎの上に、雑多な要望を混ぜこぜにしてしまった在留資格なので、様々な部分で不都合が出てきます。離職する外国人の転職支援を義務付けるというのは、その最たる事例ですが、銀行口座や携帯電話でも政策の矛盾が表面化しています。「特定技能」では、すべての外国人の銀行口座を開設するように求めていますが、金融庁は、銀行に対して、マネーロンダリング対策を強化することを要請しており、安直な銀行口座の新設を戒めています。
Vol.418 ルックイーストと言われても?(2019.6.3)
92歳にして政権に復帰したマレーシアのマハティール首相は、「ルックイースト政策」を再度提唱し、「物事に失敗した時に恥ずかしい、忸怩たる思いだと感じることは日本人の中に染みこんでいる。そして期待や信頼に応えるためにさらに一生懸命の努力を重ねる。こうした美徳をマレーシア人が見習うことこそが成功への道である」と力説しました。「最近の日本人社員は転勤を嫌がり、アルバイトよりもやる気がない」とか「アルバイトはバイトテロを起こす」という事実を知ったら・・・
Vol.417 日本人が京都に行かない?(2019.5.31)
2018年に京都市内の主要ホテルに泊まった日本人客数は前年比9.4%減で、4年連続のマイナスになりました。河原町から四条大橋を通って祇園、東山に至る一角は連日、歩道を埋め尽くさんばかりの外国人観光客でごった返しており、足の踏み場もないほど。錦市場は、地元の高齢者らが外国人観光客に追い出された感じです。路線バスは時間通りに運行されず、宿泊施設の建設ラッシュで「京都らしさ」が失われるなど、「観光公害」や「オーバーツーリズム」が喧伝されています。
Vol.416 製造業派遣は実刑になるのか?(2019.5.30)
4月15日、専門職の在留資格で入国させたベトナム人を工事現場に派遣し資格外の単純労働をさせたとして、入国管理法違反(不法就労助長)の罪に問われた事件の判決があり、懲役1年の実刑・罰金100万円が言い渡されました。被告は起訴内容を否認しましたが、裁判長は、斡旋した人材派遣会社役員とのメールのやりとりなどから「不法就労するという認識があったと強く推認される」として退け、「外国人の適正な管理を害する犯行で悪質性は軽視できない」と指摘しました。・・・
Vol.415 国が関与すればうまく行く?(2019.5.29)
「特定技能」の議論に絡めて、「韓国に学ぶべき」と語る人たちは、「韓国のように、ブローカーの関与を排除し国が仕切るべき」と声高に主張します。しかし、韓国においても、外国人労働者の生活環境は厳しいままであり、性的暴行や給料不払など、日本の「技能実習」でお馴染みの光景が、「雇用許可制」の下で繰り広げられています。不法残留者や外国人犯罪が問題視され、外国人労働者に関するトラブルが社会問題化しています。国の関与で問題がなくなるのなら、「特定技能」の転職問題は・・・
Vol.414 賃上げすればバスは走る?(2019.5.28)
最近、「人手不足は労働条件が酷い会社の泣き言だ」とか、「人手不足を解消したいなら賃金を上げればいい」という現実を無視した短絡的な議論が幅を利かせています。そういう論者たちは、佐賀県に行き、昭和自動車の社長に対して、自説を唱えていただきたいと思います。昭和自動車は、佐賀県内で運行するバス26路線の再編を検討しています。バス運転手の3割以上が60歳を超えており、若手の補充も見込めません。50万円の入社祝い金を講じて、年に40~50人を雇っていますが・・・
Vol.413 外国人のことがわかってない(2019.5.27)
4月14日、日本国内で初めて「特定技能」の試験が行われました。宿泊業の試験が全国7カ所で行われたのですが、結局、全国で試験を申し込んだ761人に対して、実際には391人しか受験せず、申込者の半数程度(受験率51.4%)にとどまり、受験料を納付していない外国人も散見されました。外国人を雇ったことのある経営者であれば、「権利は主張するが、義務を果たすかどうかはわからない」という外国人労働者の性癖を痛いほど思い知らされています。・・・
Vol.412 『タコ部屋』なんて知らないよ(2019.5.24)
東京福祉大学における失踪留学生の事件が、マスコミで大きく取り上げられています。すでに文部科学省と法務省も動き始めましたから、何らかの処分が下されるのだろうと推察されます。ただ、日本のマスコミは、「叩いても良い」という判断を下すと、「真実の報道」ではなく、「エンターティンメントとしてのでっち上げ」を始めるという悪い癖があります。ある週刊誌は、「いろんな国の人が集まり“タコ部屋”みたいな中で勉強します」というべトナム人研究生の告白を紹介しています・・・
Vol.411 300万人市場が開花する?(2019.5.23)
2018年末時点の在留外国人数は273万1093人となり、過去最多を更新しました。政府は、在留資格「特定技能」の創設による就労拡大の新制度で、5年間で最大約34.5万人の受け入れを想定していますから、5年後には300万人の外国人が日本に住んでいることが予測されます。300万人という規模は、第10位の静岡県には届かないものの、茨城県を超える水準であり、福井・徳島・高知・島根・鳥取の5県分に匹敵する人口ですから、今後、在留外国人をターゲットにした市場は・・・
Vol.410 留学生アルバイトは激減する?(2019.5.22)
4月5日、柴山昌彦文部科学大臣は、問題となっている東京福祉大学に限らず、退学・除籍・所在不明や不法残留となった留学生が一定の数を超える複数の大学に対して調査を行っていることを明らかにしました。具体的な調査先としては、日本経済大学の名前が挙がっています。今回の留学生失踪事件は、東京福祉大学1校だけの問題では収まらなくなってしまったようです。「留学生30万人計画」は数合わせに終わり、「留学生50万人計画」などが打ち出される見込みもほぼ無くなりました。・・・
Vol.409 偽装難民のブローカーはOK?(2019.5.21)
2018年に難民認定を申請した外国人は、前年比▲47%の10,493人。就労目的の申請を防ぐために、昨年1月から入管が適用した運用厳格化が奏功したのだと思われます。難民認定されたのは42人で前年の20人より増えたほか、人道的な理由で日本滞在が許可された外国人も40人いました(前年45人)。人権派の方々は、「庇護された比率は未だに1%未満だ」と批判しますが、明らかな「偽装難民」が数多く跋扈している現実を見ると、入管だけを責めるのは筋違いのような気もします。・・・
Vol.408 認定証明書の偽造が始まる?(2019.5.20)
3月27日、日本語能力試験の自分名義の認定証明書1枚を偽造したとして、有印公文書偽造の疑いで、ベトナム人が逮捕されました。本物の証明書は、国際交流基金と日本国際教育支援協会が発行するのですが、中国等で顔写真や名前が入った認定証明書1枚を偽造したようです。「特定技能」においては「N4」が必要ですし、「技能実習」の「介護」においても2年目に「N3」が求められます。また、日本語学校では、日本語試験の合格率で「留学」の枠が決められるようになります・・・
Vol.407 外国人は常にかわいそうか?(2019.5.17)
「杉並外国語学院」と名乗る日本語学校が、ベトナム人から学費等を受け取り、行方をくらますという詐欺事件がありました。被害者は66人に上り、被害額は1人当たり約100万円。ベトナムの平均年収は約30万円と言いますから、被害者のショックは甚だしいはずです。法務省の認可を受けておらず、学校運営にも実態がなく、HPも盗用など、本当にヒドイ事件ですし、技能実習生に関する人権侵害についても、是正すべき点が多々あります。ただ最近気になるのは、事実の裏付け・・・
Vol.406 留学生ビジネスに異変あり?(2019.5.16)
日本語学校の経営にとんでもない逆風が吹き始めました。昨年末に公表された「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」によれば、在校生の日本語能力試験の結果を公表するように義務付けられるほか、その合格率によっては「留学ビザ」の対象校から外されるだけでなく、在校生が検挙された場合には、当局のブラックリストに掲載されて、各種のビザ審査に活用されることになります。実際、昨年から一部の国からの留学生に関しては、既にビザの許可率が著しく下落しています。・・・
Vol.405 医療費未収金をどうする?(2019.5.15)
厚生労働省の調査によると、昨年10月において、外国人患者を受け入れた全国1965の病院のうち、2割近くの372病院で医療費が回収できていないことが分かりました。未収金は約3000件発生しており、1病院あたりの平均金額は約42万円でしたが、21病院では100万円を超え(最高は1423万円)、被害総額は1億円近くでした。悩ましいのは、不払いの主犯に違いないと見込まれていた外国人旅行者が、件数ベースでは23%に過ぎず、在留外国人が77%も占めていたこと。・・・
Vol.404 『最賃引き上げ』という宗教(2019.5.14)
近年、日本の経済政策は、荒唐無稽なものに成り果てました。「物価を上げれば、景気は良くなる」という宗教が失敗し、「労働時間を短縮すれば、生産性は向上する」という戯言がとんでもない誤りだと気付きつつあるにもかかわらず、今度は、「最低賃金を上げれば、生産性が上がる」という邪教を広めようとする宣教師たちが増えています。最低賃金を引き上げて、経済を悪化させた韓国の失政を見れば明らかなのに、「うまくやれば大丈夫」という根拠不明のご託宣を垂れ流しています。・・・
Vol.403 東京福祉大だけではない?(2019.5.13)
3月26日、文部科学省は、留学生700人が行方不明になっている問題で、法務省と連携して、東京福祉大学に立ち入り調査を行いました。また、同月29日には、全国の大学に対し、除籍者・退学者の「理由」についても報告を求めました。東京福祉大は、「本来なら大学合格が難しい、成績が悪かった学生を研究生制度によりたくさん救ってきた」と主張しましたが、柴山文部科学大臣は、「留学生の在留期間を延ばすため名目上、研究生として受け入れているのではないか」と一蹴。・・・
Vol.402 人質司法に屈しないために(2019.5.10)
3月8日に、108日間の拘留の後、カルロス・ゴーン前日産会長の保釈が認められたと思ったら、4月4日に再逮捕。これが、「自由の見返りに自白を強要する人質司法」の恐ろしさ。海外からは「人権無視」「時代錯誤」「第三世界のようだ」「前近代的」「中世のような規則」と侮蔑されており、WSJ紙は、「カルロス・ゴーンよ、気をつけろ。日本は自白させるためなら何でもする。日本では容疑者が自らの『悪い行い』を認めることでやっと自由への道のりが示される。・・・
Vol.401 入管庁は『共生』を目指す?(2019.5.9)
4月1日、法務省の外局として「出入国在留管理庁」が発足しました。外国人労働者の受け入れ拡大を推進する中で、司令塔的な役割が期待されています。山下法務大臣は開庁式で、「共生政策はわが国の将来像にも影響を与える重要なもの」と激励し、記者会見した佐々木長官は、「新しい時代に外国人との共生という、新しい社会をつくっていく」と意気込みを語りました。ところが法令を見ますと、入管法第1条は、「本邦に入国し、又は本邦から出国するすべての人の出入国の・・・
Vol.400 ブローカー対策で頭を悩ます?(2019.5.8)
米国で「出産ツーリズム」が問題になっています。国籍取得に関して、米国では、親の国籍で決まる「血統主義」ではなく、出生地で決定する「出生地主義」を採用しているため、米国で出産することにより子どもに米国籍を与えたいと考える妊婦が後を絶たず、それを商売にしているブローカーもいるため、ひとつの産業になっています。一説によれば、毎年3~8万人が15,000~50,000ドルの費用(VIPは100,000ドル)を支払って、「出産ツーリズム」で訪米するとも言われています。・・・
Vol.399 企業は悪と決め付けてよい?(2019.5.7)
3月29日、技能実習生の失踪や死亡について調査していた法務省のプロジェクトチームは、失踪者5218人のうち721人に、実習先による不正行為の疑いがあったとの報告書を公表しました。最低賃金割れや不当な残業、外出制限などの扱いを受けていたようです。確かに、技能実習制度を利用していた企業の一部に、極めて悪質な雇用主がいたことは事実です。しかしながら、今回導入する「特定技能」の雇用主が全員「性悪」であると決め付けて、本来「技能実習」に適用した上で・・・
Vol.398 オーバーワークは恩赦できる?(2019.4.26)
スイスには不法就労者が76,000人いるとされ、そのうち13,000人がジュネーブ州に住んでいると言われています。そのジュネーブでは、2015年に地元当局が始めた不法就労者合法化事業「パピルス・プロジェクト」に基づき、不法就労者3,500人に就労許可を発行しました。1,757人が審査中で、却下されたのはわずか7人でした。反対する政党も一部にありますが、現在のところは、概ね肯定的に受け止められているようです。一方、日本では、退去強制手続中の外国人に関する長期収容が・・・
Vol.397 値上げでよくなるはずなのに?(2019.4.25)
焼き鳥チェーン大手の鳥貴族は、「全品均一価格」で急成長してきましたが、2014年の上場以来、初の赤字決算に転落する模様です。2017年10月に、人件費や食材の仕入れ価格の高騰を理由に、全品280円均一から298円均一への値上げに踏み切ったのですが、4カ月後の2018年1月から客数減が顕著になり、値上げが一巡した後もズルズルと縮減しています。既存店売上高は、2019年1月時点で13カ月連続の前年割れになりました。値上げを機に客離れが起き、客数が減少して・・・
Vol.396 不法移民を助けると犯罪?(2019.4.24)
昨年12月、イタリアで、人道的理由による難民の滞在許可を廃止する法律が制定されました。戦争や政治的迫害以外の理由による難民に対して居住許可や身分証明書の発行ができなくなり、多くの難民が不法滞在状態に陥ることになります。この法律に対して、「憲法に謳われている人権を侵害する」と主張して、パレルモ市長が反旗を翻します。政府高官は、「不法移民を助けるものはイタリアを憎んでいる」と述べ、法的手段に訴える方針を表明。市長たちは受けて立つ構えです。・・・
Vol.395 メイドインジャパンとは何か?(2019.4.23)
今年2月、資生堂は、福岡県における新工場設立を発表。ライオンは香川県で、ユニ・チャームは福岡県で、日清食品は滋賀県で、各々新工場を稼働する予定です。このように大企業の一部で製造拠点を国内に回帰させていることを以て、「Made in Japan」というブランド価値が復興しているというノスタルジックな記事が散見されるようになりました。日本の「匠の精神」が再評価されているというのです。しかし内実を覗くと、「Made in Japan」であっても、「Made by Japanese」では・・・
Vol.394 日系4世の二の舞になる?(2019.4.22)
省令や運用要領を読み込むと、「特定技能」という在留資格は、「技能実習」で散々叩かれた法務省が、自らが責任を逃れたい一心で、すべての責任と義務を、雇用主と登録支援機関に押し付けた制度なのではないか、という邪推に襲われます。内心では、「特定技能の外国人なんて、別に入って来なくていい」と思っているから、雇用主の義務の範囲を広げ、責任を重くした上に、山盛りの書類提出を求めているのではないか、とすら感じてしまいます。例えば、「特定技能」の受入企業には・・・
Vol.393 イチローは『外国人』だった?(2019.4.19)
3月21日、イチロー選手が引退を発表しました。会見で「アメリカでは僕は外国人ですから。このことは外国人になったことで人の心を慮ったり、痛みが分かったり、今までなかった自分が現れたんですよね。体験しないと、自分の中からは生まれないので、孤独を感じて苦しんだことは多々ありました。その体験は大きな支えになると思います」と語ったことが話題となり、SNSでは、「人生に一回はマイノリティーの立場を経験してみるのが良い」など支持する投稿が相次ぎました。・・・
Vol.392 警察は無理やり自白させる?(2019.4.18)
3月19日、偽装結婚をして在留資格の更新を申請したとして、入管難民法違反の罪に問われた千葉県の男性とフィリピン人女性の夫婦に、東京地方裁判所が無罪を言い渡しました。2014年に結婚した2人は、2018年に妻の在留資格を更新する際に、婚姻関係を続けていると嘘の申請をしたとして、入管難民法違反の罪に問われていました。裁判官は「婚姻の実態があった」と判断してくれましたが、警察の捜査は、完全な決め付けでした。女性は「自白」すれば夫は助かると思い・・・
Vol.391 留学ビザは締め上げられる?(2019.4.17)
東京福祉大学が「研究生」として受け入れた留学生700人が所在不明となった事件が大騒ぎになっています。授業に数回出席するだけで来なくなるケースも多く、「偽装留学生」と知りながら受け入れていた疑いも浮上しています。「不法就労の温床になり得る」という指摘もあり、今後、当局が厳しく対応していくことは火を見るよりも明らか。実際、今年1月1日時点の不法残留者は5年連続で増加しており、そのうち4,708人が「留学ビザ」で、前年比14.8%も増えています。・・・
Vol.390 移民に対して銃を乱射する?(2019.4.16)
3月15日、ニュージーランドで死者50人を出す銃乱射事件が起きました。イスラム教徒を狙った白人至上主義者は、侵略者である移民から逃れられる場所は残されていないことを世界に知らしめると語りました。人口474万人のニュージーランドは毎年6万~7万人の移民を受け入れており、欧州系住民が早晩7割を切ると見られています。先住民のマオリと共生する努力を続けてきた歴史もあり、少数派に寛容な社会として知られてきました。1893年に世界で初めて女性参政権を・・・
Vol.389 入管が人権擁護を強制する?(2019.4.15)
3月12日、14カ月にわたり東京入管に収容されているクルド人の難民申請者が体調悪化を訴えたものの、入管は何ら対応せず、心配した家族が呼んだ救急車を2度も追い返すという事件がありました。過去に必要な診療を受けさせずに、収容者を死亡させた事例があるだけに、批判が高まっています。この問題の根が深いと感じざるを得ないのは、加害者である入管の責任官庁が、人権擁護を担当している法務省だという喜劇的な事実です。基本的人権を守る役割を担っている官庁が・・・
Vol.388 なぜ素直に感謝しないの?(2019.4.12)
改正入管法を巡る昨秋の臨時国会は、最悪の凡戦でした。移民なのに「移民ではない」と言い張る与党が「筋金入りの嘘つき」ならば、ヒドイ事例ばかりあげつらって揚げ足取りに専念する野党は「批判ばかりの毒舌家」。「ウソつき」と「毒舌家」の争いに呆れ果てたというのが経営者たちの本音だと思います。どのような主張を展開するにせよ、議論の土台は、現実を素直に直視すること。私たちの生活は、農業、漁業、工場などのあらゆる分野で外国人に支えてもらっています。・・・
Vol.387 特定技能には健康診断義務(2019.4.11)
フランスでは、移民を含むすべての人に対して、教育と医療を受ける権利を保障しており、移民局は「フランスの医療保険に必ず加入しなさい」と指導しています。低所得や無職の人には、保険料が免除され、ほぼ無料で医療を受けられる健康保険制度があるほか、不法滞在者向けの国家医療扶助というシステムまであります。どんな立場の人でも、人間として、医療から排除されない仕組みがあり、医療通訳も整備されています。日本では、今般、「特定技能」の在留資格を取得する外国人に・・・
Vol.386 訪日3000万人は大成功?(2019.4.10)
2018年の訪日外国人は、累計3119万人に達し、2020年の政府目標4000万人が射程圏内に入ってきました。その一方、「観光公害」も顕在化。京都市右京区の「竹林の散策路」では竹への落書きが問題となり、北海道美瑛町でも観光客に畑が荒らされポプラの木がダメになりました。金沢市の近江町市場では、観光客の急増で地元客が遠のいてしまいましたし、奄美大島南部の鹿児島県瀬戸内町ではクルーズ船の誘致に絡んで「自然が破壊される」として反対運動が起きました。・・・
Vol.385 外国人を差別してしまう人たち(2019.4.9)
コンビニの外国人店員の拙い日本語が話のネタになっています。タレントの中居正広が冠番組で、「『お釣り千円で』って言ったら、『ずりせんですか? ちょっとすいません。店長さん、店長さん。ずりせん。ずりせん。なんですか?』って言ってた」と発言したことが「差別」とされ、話題になりました。一方、ある芸人が、新宿のファミリーマートで、「特定のお客様から人種差別と言わざるを得ない発言がありました。今後このようなことがあれば、差別として強力に抗議いたします。・・・
Vol.384 行政書士でもわからない?(2019.4.8)
「特定技能」に関して、「行政書士でも分からない」という声が出ています。法務省や担当官庁の説明会に参加しても、「詳細があやふや」「詳しい内容が分からない」などの不満が募るばかりで、ほとんどの関係者が「特定技能」を理解しきれていない状況であると言っても過言ではありません。「特定技能」を理解することの難しさは、「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」を一読するだけでもわかります。参照条文が多く、禁止事項が山盛りに・・・
Vol.383 留学生の失踪は問題ない?(2019.4.5)
早稲田大学に次ぐ5000人の留学生が在籍している東京福祉大学で、700人の留学生が行方不明になりました。「研究生」として入学した2700人の留学生のうち、4分の1以上が所在不明となり、大学から除籍されました。「失踪」と言えば、「技能実習」というのが定番でしたが、今後は「留学」が問題になるかもしれません。不法残留者の推移を見ると、筆頭の「短期滞在」を除けば、「技能実習」の次が、「留学」で増加傾向にあります。「特定技能」の場合、1人でも・・・
Vol.382 ブローカーと組むと免許剥奪?(2019.4.4)
海外の送り出し機関が「特定技能」で沸き立っています。「技能実習」と異なり、キックバックを求める監理団体と組む必要がなくなるため、日本の人材会社と提携できれば大儲けができると見込んで、メールや電話でセールス攻勢をかけています。「費用について,直接又は間接に当該外国人に負担させない」という部分も好感されており、「技能実習」と異なり、本人が搾取されないということで、自分勝手なバラ色のイメージが流布しています。しかし、改正入管法において・・・
Vol.381 移民受入で日本が壊れる?(2019.4.3)
外国人労働者の受入増に反対する論者が反撃の機会を窺っています。「社会が分断化される」「日本社会が壊れる」「日本人の美徳が損なわれる」「日本文明が死ぬ」など、言葉も激しさを増してきました。もちろん、外国人を受け入れることによって、無視できない摩擦は生じます。軽視できない問題も数多く発生するでしょう。悲惨な事件が起こるかもしれません。しかし、だからと言って、「外国人は受け入れるべきでない」と決め付けるのは短絡的です。それは、「殺人に使われたから・・・
Vol.380 『翻訳・通訳』で虚偽申請!(2019.4.2)
3月12日、フィリピン人の在留資格を虚偽申請したとして、神奈川県の行政書士が入管法違反で逮捕されました。昨年2月から50~100件の虚偽申請に関わり、計約300万円の報酬を受け取ったようです。約100人の留学生の在留資格を不正変更し、倉庫やレストランなどで単純労働をさせたとして摘発された人材派遣会社の事件から芋蔓式の逮捕です。虚偽申請の手口は、王道の「翻訳・通訳パターン」。勤務先において「翻訳・通訳」の実態が皆無だったため、虚偽が立証されました。・・・
Vol.379 卒業したアルバイトに要注意!(2019.4.1)
2月26日、入国管理法違反(資格外活動)の疑いで、契約社員のベトナム男性(22)が逮捕されました。昨年10月以降、佐賀県鳥栖市内の飲食店で契約社員で働き、在留資格に属していない報酬を受ける活動を行ったという容疑です。男性は「留学」の在留資格を持っていましたが、昨年9月に福岡市の専門学校を退学になっていたため、「資格外活動」であるアルバイトに従事する権利を失ったのに、アルバイトをしていたというものです。留学生のアルバイトは、本来の在留資格を・・・
Vol.378 根拠もないのに外国人排斥?(2019.3.29)
厚生労働省は、外国人労働者の受け入れが拡大するため、健康保険から給付を受けられる扶養家族について、日本国内に居住していることを原則にします。現行制度では、外国人労働者の扶養家族が日本に生活の拠点がなくても健康保険から給付を受けられましたが、自由民主党内で「医療費が膨張する」「保険にただ乗りされる」との懸念が表明されたため、国内居住を要件に加えた上で、市町村が、加入者の資格の取得や失効について企業や語学学校に確認できるようにする方針です。・・・
Vol.377 アホな政策で企業が殺される(2019.3.28)
愚かな経済政策は、経営者に過度な負担をかけ、死に至らしめます。直近で言えば、「働き方改革」とか「最低賃金の毎年引き上げ」ということになるのだと思います。経済と経営のメカニズムを熟知しない素人たちが、万人受けを狙って、「残業時間を減らして、時給を上げれば、生産性が向上して、経済は良くなる」という宗教を流行らせて、法律まで作ってしまいました。その結果はと言えば、大企業の「働き方改革」を実現させるために下請企業で残業が増え、1人で対応していた仕事に・・・
Vol.376 良く調べてから記事にしてほしい(2019.3.27)
「法務省、コンビニの外国人雇用を緩和」という記事のタイトルを見て小躍りしました。「大手コンビニの一部による熱意ある陳情が功を奏して、『技術・人文知識・国際業務』の業務範囲に関する解釈が緩和されたのかも?」と期待したからです。当記事は、「コンビニなど小売業で急増する外国人店員の大半は・・・留学生だ。法務省は留学生を引き続き正規採用したいという業界の声に応え、今春に告示改正と呼ばれる手続きを取る」と指摘し、「入国管理法改正で恩恵がなかった職種に・・・
Vol.375 日本語能力は高いほどよい?(2019.3.26)
介護分野の日本語要件が緩和されます。介護は2017年11月に技能実習の対象に加わりましたが、➀入国時にN4の合格が必要で、②2年目に入る際にN3の合格が義務付けられていたため、人気が集まらず、昨年10月末時点の来日者数は247人に留まっていました。この状況に危機感を覚えた日本政府は、技能評価試験に合格した場合、➀日本語を継続的に学ぶ意思を表明し、②介護の習熟のために必要な日本語を学ぶ、という条件を満たせば、N3の合格を義務付けないことにしました。・・・
Vol.374 大企業も摘発しないと不公平?(2019.3.25)
3月9日、不法残留していたベトナム人男性4人を自動車部品製造会社に派遣していた業者が、入管法違反(不法就労助長)容疑で逮捕されました。またしても製造業派遣です。派遣業者は、「働く資格があると思っていた」として容疑を否認していますが、知りながら派遣したのか、在留カードを確認しなかったのか、偽造在留カードで騙されたのか、がポイントになります。問題は、派遣先の自動車部品製造会社です。リスクが自分に降りかからないように、在留カードはわざと・・・
Vol.373 移民か否かでは論評したのに?(2019.3.22)
改正入管法について、安倍首相が「いわゆる移民政策ではない」と言い張ることについて、昨秋から、マスコミや識者は、国連やOECDの定義を掲げて散々批判を繰り返し、「移民か否か」に関する自説を数多く垂れ流してきました。「いわゆる移民政策」という表現自体、定義が曖昧であり、明確な定義を示さないことによって、都合よくその場その場で解釈して逃げおおす「官僚答弁」の典型的な手法。安倍首相の論理に無理があることは明白です。未だに、この「移民禅問答」に・・・
Vol.372 介護問題は賃上げで解決?(2019.3.21)
「2025年問題」と呼ばれる難問があります。2025年は人口の多い「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者になる年。後期高齢者が増えれば、それに比例して要介護者も増えます。各地方公共団体も人材確保に動き始めました。介護事業者の人手不足は本当に深刻。特別養護老人ホームは、割安なので入所希望者が多いのですが、所定の職員数が確保できないため、受け入れられないというケースが頻発しています。全産業の平均月給が304,300円なのに、訪問介護員の平均月給は・・・
Vol.371 日本人と同じに扱えばよい?(2019.3.20)
「特定技能」の外国人を雇う気満々の経営者も少なくありません。でも、「日本人と同じように扱えばいい」と思っていませんか? マクリーン事件の最高裁判決(1978年)においても、「憲法による基本的人権の保障は、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものと解すべきである」と判示されていますから、憲法上は「日本人同等でよい」ような気がします。じつはその考え方、「特定技能」については大間違い。というのは、今回の入管法改正で、アファーマティブ・アクション・・・
Vol.370 入管法に精通する法的素養?(2019.3.19)
東京行政書士会によれば、法務省は、入管への申請取次を登録支援機関に認める方針のようです。現在でも、企業や学校には、外国人社員や留学生に係る申請取次を認めているので、「登録支援機関には認められない」という理屈は見出し難く、そもそも行政書士の資格試験に入管法が入っていない以上、「行政書士は入管法の専門家だ」と主張するのも気が引けます。現実問題として、入管法に詳しくない申請取次行政書士が多数存在していることも事実ですし、東京行政書士会は・・・
Vol.369 セクハラの苦情は頭が痛い?(2019.3.18)
「特定技能」には、実務上の問題が数多くあります。例えば、受入企業には、「相談又は苦情の申出を受けたときは,遅滞なく,当該相談又は苦情に適切に応じるとともに,当該外国人への助言,指導その他の必要な措置を講ずること」が求められているのですが、法務省は、「当該機関の責めに帰すべき事由に該当する事由としては、例えば、相談、苦情に適切に対応しなかったことなどの理由で特定技能外国人が行方不明となる事態を発生させた場合を想定しています」と国会答弁。・・・
Vol.368 お上の景気判断を信用するな(2019.3.15)
毎月勤労統計の不正調査で、2018年の実質賃金の大半がマイナスになる可能性があることがわかりました。アベノミクスが成功しているという裏付けとされてきた証拠の重要部分が否定されたことになり、大騒ぎになっています。お上は、「第2次安倍政権発足とほぼ同時に始まった景気拡大局面が、戦後2番目の長さとなった」と自画自賛していましたが、「そんなに景気良くないよね」という庶民感覚の方が正しかったことが立証された形です。そもそもアベノミクスは・・・
Vol.367 日立だったら送検されない?(2019.3.14)
技能実習機構が、法令違反による計画不認可で99人を解雇した日立製作所ならびにグループ会社に対し、改善勧告や改善指導を行ったようです。必須業務とされる「プリント基板の作業」を外注し、「電子機器組み立て」の習得を目的とする実習生には必須業務をさせなかったというのですから、悪意のある法令違反。本来なら、刑事事件として扱うべき事案です。確かに、技能実習機構は行政処分権限しか持っていませんが、警察や検察に委ねればよいだけ。ところが勧告や指導で手仕舞い・・・
Vol.366 行方不明に弁護士が絡む?(2019.3.13)
盗みを働いた実習生でも、「誠実に働こうと思っていたのに」と告白すれば、悲劇のヒーローとして扱われるようになりました。そういうムードの中、「特定技能」は摩訶不思議な制度に。典型的なのが、「外国人の責めに帰すべき事由によらないで、雇用契約を解除される場合において、転職支援を行わなければならない」という義務と、「企業の責めに帰すべき事由により、外国人の行方不明者を発生させた場合、1年間、特定技能外国人を雇用できない」という罰則です。・・・
Vol.365 大学は受益者負担しないの?(2019.3.12)
昨秋の参議院法務委員会で、山下法務大臣は、受け入れる外国人労働者に関する日本語教育や研修などの費用について、「外国人に直接、間接に不当に負担させてはならないと法務省令で規定する」と断言しました。実際、公表された省令では、「一号特定技能外国人支援に要する費用について,直接又は間接に当該外国人に負担させない」と明記されています。マスコミにおいても「利益得るのは企業、なら責任を」とか、「外国人労働者を雇う企業に行政コストを負担させるべき」・・・
Vol.364 母国語で説明しなさい!?(2019.3.11)
経済新聞の記事を読んで仰天しました。「労働条件、母国語で説明を 外国人雇用指針を改定」という見出しで、「賃金などの労働条件を示す際、母国語で説明するなど外国人の理解を促す」「健康診断などの際にも母国語で説明することを求めた」とあったからです。そんなことが義務付けられたら、ベトナム人を正社員として初めて雇う際に、通訳を手配しなければならず、コストと手間が馬鹿になりません。疑問に思ったので、厚生労働省が公表した外国人雇用指針の改定案等を確認すると・・・
Vol.363 日本は偽造カードだらけ?(2019.3.8)
2月19日、偽造した在留カードを隠し持っていたとして、大阪市に住む中国人男性が入管法違反の疑いで逮捕されました。自宅からは、偽造された在留カード50枚と無地のカード7000枚に加え、プリンターやレターパックが見つかったといいます。男は「1日に40枚ほど偽造カードを作った」と供述しており、6000枚以上偽造した可能性があります。「SNSでこのバイトを見つけた。ブローカーの指示を受け1日に40枚ほど偽造カードを作った」と供述しているようです。・・・
Vol.362 バスケ留学生はビザ取消?(2019.3.7)
国際バスケットボール連盟(FIBA)が、日本の高校でプレーする留学生について、「留学目的」ではなく、「競技目的」での来日であると判断したため、18歳以下の国際移籍に関する規則を順守するよう、日本協会に昨年11月に通達したことが明らかになりました。FIBAは、18歳未満の移籍に関しては、十分な教育環境の提供やFIBAの若手支援基金に対する1人当たり3000スイスフランの寄付などを条件としています。昨年6月、コンゴ民主共和国から来た延岡学園高の留学生が・・・
Vol.361 赤ん坊を捨てたら日本人?(2019.3.6)
新生児を民家の敷地に遺棄したとして、保護責任者遺棄の疑いで、中国籍の技能実習生が逮捕されました。泣き声を聞いた通行人が、ポリ袋に入れられていた男児を発見。命に別条はありませんでした。容疑者は自宅で1人で男児を出産したといい、「会社に知られたら、日本にいられなくなってしまう。日本人の家に赤ちゃんを置けば育ててくれると思った」と供述しているようです。この事件を契機に、改めて「外国人労働者」を「人」として扱わない「技能実習制度」に批判が集まっています。・・・
Vol.360 説明会に出てもわからない?(2019.3.5)
「特定技能」の説明会が法務省主催で全国開催されています。会場からの質問には、公表文書をなぞる程度の内容で応じるだけで、踏み込んだ問いには、「地方の労働局に問い合わせてください」「想定外の質問。今のところ未定だ」「決まっていないことがまだ多くある」と回答するなど、中身が煮詰まっていないことが露呈しました。そもそも、制度の説明が1時間弱ですから、枠組と手続を話して終わり。実務上の悩みには十分に答えてくれません。3月19日に開催予定の東京での説明会は・・・
Vol.359 行方不明が大問題になる!(2019.3.4)
「特定技能」は、実習生からの移行を数多く見込んでいますが、昨年の臨時国会では、技能実習制度において、長時間労働や低賃金が原因で失踪が相次いでいることが大問題となりました。それで法務省は、プロジェクトチームを設置。技能実習生の失踪原因などの調査結果を3月末に公表し、その結果に基づいて、制度改善のための具体的な提言をする方針であるといいます。この「失踪問題」の煽りを受けたのが「特定技能」。1人でも行方不明者を発生させてしまうと・・・
Vol.358 N1じゃないと日本語はダメ?(2019.3.1)
関係者が期待していた「特定活動」の素案がまとまりました。日本の大学や大学院を卒業した留学生の就職先を広げるための施策なのですが、接客業など日本語を主体的に使う業務について、「特定活動」を与える際に日本語能力試験で最もレベルが高い「N1」を条件にしたと聞き、実務経験豊富な「N2」以上で十分と考えている現場を無視した決定に呆れ果てました。そのほか報じられた「在留資格の改革」は、中小企業に就職する外国人留学生の在留資格に関する手続を簡略化するといいながら・・・
Vol.357 やはり製造業派遣はヤバい!(2019.2.28)
2月19日、熊本県の工場で、入管法違反(資格外活動や不法残留)の疑いで、ベトナム国籍の技能実習生ら12人が逮捕されました。技能実習の在留資格を持つ2人が資格外活動の許可を受けずに同工場で補助作業員として働き、報酬を受け取った容疑で、他の8人がオーバースティ、残り2人は偽造在留カードの所持疑いでした。12人は一軒家2棟に6人ずつで暮らしていましたが、同じ派遣会社から工場に派遣されたと話しており、県警は派遣元の会社からも事情を聴いているといいます。・・・
Vol.356 転職リスクと転職支援リスク(2019.2.27)
「特定技能」が解禁される4月が迫ってきました。地方からは、「気仙沼でイカの塩辛をつくっていた外国人労働者が、東京の総菜屋やパン屋に行ってしまう」「外国人労働者が地方から賃金の高い大都市圏に流出してしまう」「雇って育てても、結局は東京に行ってしまう」「東京や大阪など大都市圏に集中し、人手不足がより深刻な地方に向かわない」「地方で就職しても1年と持たない」という「転職リスク」が懸念されています。その一方、「転職支援リスク」は認識されていません。・・・
Vol.355 日本語教育は企業任せ?(2019.2.26)
日本語指導が必要な外国籍の児童生徒は約3万4千人で、この10年で1.5倍に増えたといいます。日本語でコミュニケーションできなければ、日本で生活するのに不自由するのは当たり前なのですが、現時点において、「外国人に対する日本語教育」に関する法律はありません。そこで、超党派の議員たちが、この国会で「日本語教育の推進に関する法律」を成立させようとしています。大変結構なことだとは思いますが、国がしっかりとやってくれるのかと思ったら・・・
Vol.354 帰国旅費は企業で負担?(2019.2.25)
日本商工会議所は、改正入管法の省令で定めている帰国旅費の企業負担に対して、「本人が自己負担すべき」と反論しました。新聞などでは、さらりと「本人が帰国旅費を捻出できない場合は負担することを受け入れ先に義務付ける」などと一文で片付けていますが、実務的には結構頭の痛い問題です。条文は、「外国人が特定技能雇用契約の終了後の帰国に要する旅費を負担することができないときは,(企業が)当該旅費を負担する」と定めた上で、支援計画に関して・・・
Vol.353 入管法は落とし穴だらけ?(2019.2.22)
2月15日、外国人留学生に在留資格の虚偽申請をさせ、不法就労させたとして、川崎市の会社員と、会社員が実質的に経営していた人材派遣会社の元社員ら計5人が不法就労助長の疑いで逮捕されました。通訳として働くとして申請したにもかかわらず、倉庫や介護施設で働かせていたという容疑です。「ウチには関係がない話だ」と思われるかもしれません。しかし、入管法には至る所に「違反」の落とし穴があります。例えば、「特定技能1号」では転職自由なのですが、・・・
Vol.352 入管は無法地帯なのか?(2019.2.21)
大村入国管理センターで一昨年、男性職員が中国人男性に「ボケ」「あほんだら」など暴言を発し、規則違反行為で厳重注意処分を受けていたという事実が発覚。続いて、東京入国管理局の施設に収容中のクルド人難民申請者が昨年5月、職員に抵抗したとして取り押さえられた際、首に怪我をしたことがわかりました。さらに、大阪入国管理局に収容中の韓国人男性が施設外の歯科医院で2016年に治療を受けた際、同意なく7本以上抜歯され、精神的苦痛を受けたなどとして・・・
Vol.351 留学生の採用は増えない?(2019.2.20)
就職支援会社大手のディスコは、2018 年度に外国人留学生を「採用した」企業は予定を含めて全体の 34.1%、また2019 年度の採用を見込んでいる企業は 53.1%に上り、外国人の採用が着実に広がっていると指摘しました。ただ、過去の調査を遡ると、「採用見込み」と答えた企業の割合は、2016年を境に反転。また、「採用した」と答えた企業の割合も2016年をピークに下がっているだけでなく、「採用見込み」と答えた企業の割合に遥かに届かないことがわかります。・・・
Vol.350 成功事例も報道してほしい!(2019.2.19)
2018年10月末の外国人労働者が146万人を超えました。在留資格でみると、「技能実習」が30.8万人で、「留学」が29.8万人と、「永住者」の28.7万人を抜き去りました。もちろん「技術・人文知識・国際業務」の21.4万人を遥かに上回っています。「技能実習」と「留学」が1位と2位で、両者を合わせれば4割以上を占めているので目立つのは仕方ありませんが、マスコミではヒドイ事例ばかりが報じられ、技能実習生や留学生アルバイトは完全なマイナスイメージです。・・・
Vol.349 日本は起業大国になれるか?(2019.2.18)
政府は、留学生の起業希望者に「特定活動」の在留資格を与え、最長1年の滞在延長を認める方針です。日本で学んだ知識や経験をもとに、世界に羽ばたくビジネスを日本で創業したり、日本に残って出身国との橋渡し役になることを期待していると言います。お役所仕事なら、「外国人起業活動管理支援計画」を策定するように、ペーパーワークでよいのですが、本当の「起業」は、予想外の災いと戦い続ける「試練」です。「起業」において、当初計画の通りに成功する事例など皆無。・・・
Vol.348 日産自動車は大丈夫か?(2019.2.15)
2月3日、日産自動車は、欧州向けのSUVの次期モデルの生産について、英国工場から九州工場に切り替えると発表。英国のEU離脱が迫る中、EU向けの乗用車輸出に10%の関税がかかる懸念もあり、合理的な判断という気もしますが、九州工場で生産して輸出するというのは少し奇妙です。英国工場では数百人の雇用増が見込まれていたので、九州工場でもその程度の雇用増が必要。ところが日産は、技能実習生を200人以上使っており、昨年6月にその不正使用が発覚したばかり。・・・
Vol.347 トランプ大統領が抱える矛盾(2019.2.14)
1月23日、ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王、米メキシコ国境に壁を建設するドナルド・トランプ米大統領の計画を「狂気の沙汰」と非難し、移民に対する「恐怖感によって私たちは苛立っている」と述べました。米メキシコ国境については昨秋以降、中米から米国を目指す移民集団の北上により、不法移民や国境壁建設を巡る議論が激化しています。興味深いのは、トランプ米大統領一族が経営するゴルフ場で、不法移民を雇っている疑いが浮上していること。・・・
Vol.346 小売りも『特定技能』参入?(2019.2.13)
日本スーパーマーケット協会の川野幸夫会長は、「特定技能」の受入業種に「小売業」も含めるよう関係省庁に要請していく意向です。業界を所管する経済産業省等に対し、他の小売業団体とも連携して、要請活動に取り組んでいく考えだと言います。しかし、「特定技能」の詳細は必ずしも明らかになっておらず、コスト高になるという懸念から、求人企業や国内で応募する外国人は限られるのではないかという見方が台頭しています。実際、受入業種である「外食業」では・・・
Vol.345 偽造カードで芋蔓式捜査(2019.2.12)
1月31日、オーバーステイの中国人を不法に働かせていたとして、入管法違反容疑で、横浜市の内装業ら中国籍の男女3人が逮捕されました。改修工事現場等で在留期間を過ぎた中国籍の男女10人を内装工として働かせたという疑いです。容疑者ら3人は、空港などで中国人に声をかけ、偽造の在留カードを作るように指示。横浜市内の住居に住まわせた上で、就労以外の外出を禁じていたといいます。昨年11月に偽造在留カードを所持した容疑で、中国籍の男女12人が逮捕されたのですが・・・
Vol.344 東京への集中をどう避ける?(2019.2.8)
「特定技能」に関する審査が法務委員会で再開されると、大都市圏への集中を避ける具体的な方法について質問が集中しました。在留外国人の居住範囲を制限する政策についてはオーストラリアやカナダに先例があり、現行入管行政の枠組の中で、在留外国人に許容する行動範囲を指定することができるので、やろうと思えば明日からでもできるのですが、法務省も国会議員も、人権侵害と批判されるのを恐れて、自分からは言い出しません。というのは、憲法に抵触する惧れがあるからです。・・・
Vol.343 技能実習生で偽装請負?(2019.2.7)
愛知県の青果卸会社が技能実習生の雇用で、偽装請負を行っていたという疑惑が報じられました。関連の農業生産法人に雇用されて、北海道の農家などで農作業に従事しているベトナム人技能実習生21人が解雇された問題から発覚。担当役員が「青果卸会社では実習生に教えるような社員はいなかった」と証言しているのであれば、「技能実習」という建前が崩れてしまうので、在留資格等不正取得罪に該当することになります。かなりあからさまな入管法違反ですが、この手の違反は・・・
Vol.342 偽装留学生をどう考える?(2019.2.6)
外国人労働者に係わる問題に詳しく、丁寧な取材を基に、緻密で切れ味鋭い記事を書く優れたジャーナリストがいます。日本においては、この分野のナンバーワンと言っても過言ではなく、記事を読むたびに、新しい情報や鋭い切り口に勉強させられることが少なくありません。ブータンの留学生を巡る諸問題やその裏事情、偽装留学生を産み出す構造を切り取って見せる手腕は見事の一言に尽きます。批判している主旨も一々ごもっとも。ただ、読後感が今ひとつスカッとしません。・・・
Vol.341 在留カード読取装置を購入?(2019.2.5)
在留カードの偽造拠点とみられるワンルームマンションの一室が家宅捜索され、偽造された在留カードなど5000点が押収されました。1枚当たり70元(約1100円)という破格の安値で、2ヶ月間で1000枚以上を製作したようです。気になったのは、「外国人を雇用する事業所には中小企業も多く、『偽造を見破るチップの読み取り機を設置するなどの設備負担を嫌い、導入しないところもある』(関係者)」と指摘して、あたかも読み取り装置を持たない雇用主が悪いかのような記事があったこと。・・・
Vol.340 『留学生』と『特定技能』(2019.2.4)
298,980人の外国人留学生が、昨年5月時点で在籍していたことが分かりました。「留学生30万人計画」の達成は確実になりましたが、文部科学省からは、その後のビジョンが聞こえてきません。「偽装留学生」という批判が高まり、入管庁が管理強化に走る中で、「特定技能」が認められた手前、「留学生50万人計画」なんて掲げるべきではないという政策判断なのでしょう。しかし、日本に求められているのは実務的な解決策。新在留資格の「特定技能」で海外から大量に呼び寄せるのは・・・
Vol.339 米国がビザの緩和に転じる?(2019.2.1)
トランプ政権は米国人労働者の保護を名目に、H-1Bなど就労ビザ発給の審査を厳格化。IT業界からは優秀な人材の流出につながりかねないとの懸念が表明されていましたが、1月11日、トランプ大統領は、IT技術者など高度技能を持つ人を対象とした「H-1B」ビザを保有する在米外国人について、在留を保証するとともに「米市民権獲得の可能性も開ける」と表明しました。同月20日には、不法入国した若者の強制送還を免除する「DACA」を3年間延長する妥協案も示しました。・・・
Vol.338 大坂なおみと二重国籍問題(2019.1.31)
1月26日、大坂なおみ選手がテニスの全豪オープンで優勝しました。「日本人初の全豪OP優勝」「日本人初の世界ランキング1位」「東京五輪金メダル有力候補だ」などマスコミは大騒ぎ。大坂選手が「謙虚」で「抹茶アイスが好き」であり、「朝ごはんに、コンビニのおにぎりを食べたこと」などから、「彼女は日本人だ」という共通認識が醸成されてきたのかもしれませんが、日米の二重国籍である彼女はハイチ人の誇りでもあります。日本の国籍法によれば、彼女は22歳になる今年秋までに・・・
Vol.337 なぜ三菱自には優しいのか?(2019.1.30)
1月25日、法務省と厚生労働省は、三菱自動車やパナソニックなど4社の技能実習計画の認定を取り消しました。27人分の取り消しを受けた三菱自動車の場合、岡崎市の工場で実習生に計画に記載した半自動溶接作業ではなく、部品の組み立て作業という明らかな「資格外活動」をさせていました。「現場担当者の認識違い」と説明していましたが、そもそも全員分の溶接作業を行える設備がなかったことが判明。同様の不適正な受け入れを約10年間にわたって続けていたとも言います。・・・
Vol.336 景気は後退期に入った!(2019.1.29)
昨年の人手不足倒産は、前年比22.0%増の387件と最多記録を更新しました。昨年12月の景気ウオッチャー調査では、家計・企業・雇用の3部門が揃って悪化し、全体の景況感が2017年3月以来の低水準に低下。「生活意識に関するアンケート調査」でも、個人の景況感DIは▲32.0と、6年ぶりの低水準で、アベノミクスが始動する直前の水準にまで落ち込んでいます。昨年12月に発表された日銀短観では、3カ月先の「業況判断DI」が現状よりもかなり悪化する見通しになっています。・・・
Vol.335 法務省は『正義の役所』?(2019.1.28)
技能実習生と言えば、「失踪者」が多いということが広く知られるようになりましたが、昨年末に「死者」も多いという情報が飛び交いました。技能実習生の死者数は、2010年からの8年間で174人。そんな中、日本国際研修協力機構は、それまで公開していた死者数に関するデータを削除しました。改正入管法の国会審議において、法務省は、失踪動機で最も多かったのは「より高い賃金を求めて」で87%だったと説明していましたが、本当の最多は「低賃金」で67%だったことが判明。・・・
Vol.334 経営者を殺せば良くなる?(2019.1.25)
入管法改正が成立して以来、攘夷派の矛先は、外国人を雇用する経営者に向かっています。「改正入管法はブラック企業を延命させる」「消滅しかかっていたブラック企業が復活する」「無能な経営者、低生産性の企業には廃業してもらえばいい」「業界の新陳代謝が遅れ、経営効率の悪い中小企業が生き残る」などとして、外国人に頼らざるを得ないような企業は破綻してしまえばよいと説きます。こういう主張を展開する評論家は、自ら多数の従業員を雇用してビジネスを運営した体験がありません。・・・
Vol.333 カナダは移民100万人受入れ(2019.1.24)
「家族の虐待から逃れてきた。帰国すれば殺されるかもしれない」などとSNSを通して助けを求め、タイで保護されていたサウジアラビア人女性が話題になっていました。この女性は、イスラム教を捨てたと話しており、それが事実であれば、サウジアラビアでは死刑で罰せられる罪に当たります。カナダは、国連難民高等弁務官事務所の要請を受けて、この女性を難民として認定。カナダのトルドー首相は、「カナダは女性の人権のために立ち上がることの重要性を理解している」と述べました。・・・
Vol.332 誹謗中傷への対処法を考える(2019.1.23)
外国人材に関与する雇用企業や人材会社、行政書士等は、入管法等のリスクに晒されています。マーケットが勃興期であり、支配的な大手がおらず、大小入り混じった群雄割拠の局面だけに、ライバルを蹴落とすための誹謗中傷も日常茶飯事です。ある行政書士法人は、昨年末、正式な取材を受けることなく、一方の言い分だけでゴシップ記事を書かれてしまいました。謂れのない言い掛かりだったため、内部では報道元に対する抗議や訴訟を提起する声も聞かれました。・・・
Vol.331 偽造在留カードが氾濫する!(2019.1.22)
2018年は「偽造在留カード」が氾濫した年でした。偽造カードの所持や行使などに関する全国の摘発件数は昨年10月末までに523件に上っています。最多だった一昨年1年間の400件を既に超え、2013年の5倍近くに増加。中でも、偽造された在留カードを所持していたなどとして、入管難民法違反容疑で摘発されるベトナム人らが全国で急増しているのが特徴的です。ベトナム人の摘発は、2013年は0件でしたが、2017年は163件で2016年の51件から3倍超に急増しています。・・・
Vol.330 社会保険がチェックされます!(2019.1.21)
先月28日、法務省は、改正入管法の関連政省令案を公表し、「意見公募」を開始しました。新聞等では、「報酬額は日本人と同等以上」「報酬は預貯金口座に振り込む」「帰国旅費を工面できない場合は受入先が旅費を負担する」「対象者を18歳以上と規定」などが例示されているのですが、その陰で、とても重要な「入国管理法施行規則」の改正案が潜り込んでいました。それは、社会保険の加入状況の確認です。早晩、すべての在留期間の更新審査の際にチェックされる可能性があります。・・・
Vol.329 国連移住グローバルコンパクト(2019.1.18)
外国人労働者の人権を軽んじていると非難轟々の安倍政権ですが、じつは、入管法改正の裏側で、移民の人権を保護する国際的な動きに協調していました。それは、「国連移住グローバルコンパクト」への賛成です。世界の移民は2億5800万人(総人口の3.4%)ですが、難民と異なり、国際的なルールがありませんでした。昨年12月19日、国連総会は、移民保護等を目的とする初の枠組みであるこの決議を採択します。日本は米国と袂を分かち賛成に回ったのです。・・・
Vol.328 計算通りに来てくれるのか?(2019.1.17)
入国管理法が改正され、4月から「特定技能」で外国人労働者の受け入れが拡大されると喧伝されていますが、「外国の単純労働者にとって、日本は魅力ある働き場所ではない」「中国の山間部まで募集をかけないと集まらない」「韓国、台湾と日本の賃金格差も円安の進行でなくなった」「働き盛りの人が来日するわけだから家族が帯同できない在留資格では大変だ」「フィリピン人は移住を考えたとき、日本よりもカナダを選ぶ」など、「本当に来日してくれるのか」という疑問が噴出しています。・・・
Vol.327 入管は嘘をついてもよい?(2019.1.16)
大阪入管は、施設の収容者に薬を渡す時間を間違え、それを隠すために投薬時間の記録を書き換えたとして、処遇部門に勤務する50代の男性職員を減給1カ月の懲戒処分にしたと発表しました。男性職員は書類送検され、大阪地検が虚偽有印公文書作成・同行使罪で不起訴処分(起訴猶予)にしたといいます。職員は昨年6月16日午後1時ごろ、かぜの症状を訴えた収容者に薬を渡して飲ませたのですが、その後、「救急常備薬投与簿」に投与時間を午後3時と偽って記入したといいます。・・・
Vol.326 受入体制は整っていない(2019.1.15)
東京商工リサーチの調査によれば、「人手不足」を感じている日本企業は約7割に達し、外国人を「雇用したい」企業は5割を超えているようです。現在雇用している企業は約3割で、雇用を検討しているのは1割超なのですが、その対象はというと「技能実習」が35.2%で、「日系人・永住者・日本人の配偶者等」が22.7%。「技術・人文知識・国際業務」などは11.6%にすぎません。業種別でみると、農・林・漁・鉱業で「技能実習生」が8割超で突出し、建設業64.9%、製造業52.3%・・・
Vol.325 建前でごまかすのは止めよう(2019.1.11)
改正入管法の議論では、「技能実習」の闇が露見しました。低賃金・賃金不払・労災・失踪という諸問題が解決されず、「特定技能も技能実習生の二の舞いになる」と懸念する声が聞かれます。実際、建設業では、「特定技能」の先駆けともいえる「技能実習」の延長が認められていますが、4割の企業で未払賃金等の問題が発覚しました。「技能実習」では「建前」が崩壊し、法令違反の塊となっています。「特定技能」では、建前と実態の乖離を縮小する効果が期待されていますが、果たして・・・
Vol.324 留学先は米国から日本へ?(2019.1.10)
ビザの厳格化に走るトランプ政権の下で、2017年度において米国の大学に入学した海外留学生の数は前年比▲6.6%。2年連続の減少です。米国で学ぶ留学生は100万人を超える規模。留学生が支払う授業料等は420億ドル(約4兆7660億円)と言いますから、財務状況が悪化する大学が出てくるかもしれません。留学生が米国を選ばない理由のナンバーワンは「留学ビザ」ですが、「米国に歓迎されていない感覚」や「米国における身体的安全」という指摘も多かったようです。・・・
Vol.323 天皇が外国人受け入れに言及!(2019.1.9)
12月23日、天皇陛下は、「今年、我が国から海外への移住が始まって150年を迎えました。この間、多くの日本人は、赴いた地の人々の助けを受けながら努力を重ね、その社会の一員として活躍するようになりました。こうした日系の人たちの努力を思いながら、各国を訪れた際には、できる限り会う機会を持ってきました」と日系人の苦労を偲び、強い思いを語られました。続いて、「そして近年、多くの外国人が我が国で働くようになりました。私どもがフィリピンやベトナムを訪問した際も・・・
Vol.322 外国人の不正はあるのか?(2019.1.8)
入管法改正による外国人労働者受け入れ拡大の機運が高まると、「外国人による健康保険の不正を正せ!」という声が自民党を中心に沸き起こりました。市区町村の調査権限の強化や写真付きの在留カードの提示を求めることに加え、海外に居住する被扶養者を保険から外すことが検討されています。しかし、2018年1月から市区町村の国保窓口で疑いがあれば入管に通報することになったものの、2018年5月末時点までに通報された件数は2件で、いずれにおいても不正は確認できませんでした。・・・
Vol.321 法務省は受入増大に反対?(2019.1.7)
散々揉めた挙句に成立した改正入管法ですが、じつは、外国人労働者の受け入れ拡大に対して、担当省庁の法務省が反対しているという噂があります。「法務省は法案成立に積極的でない」「法務省内部では拒否反応が強い」「法務省は、規制は大好きだが緩和は嫌いだ」など、耳を疑うような内容です。実際、69名もの外国人実習生が亡くなっていたという悲惨なデータが参議院で明らかになったのは、改正案の成立を邪魔したいと願う法務省内からのリークという説まであるようです。・・・
Vol.320 2019年の日本経済を予測する(2019.1.4)
2018年は、「労働者不足」が表面化した年でした。経営者たちは人口が毎年40万人減るという逆風の中で守りに徹しています。経営者が守りに徹すれば、賃金や待遇が大幅に改善されることはありませんから、就労者も守りに徹します。そして、就労者=消費者が守りに徹すれば、値上げを織り込んだ戦略は失敗に終わります。そうなれば、ますます経営者は守りを固めます。そういう中で「人手不足倒産」が増加してきました。この膠着状態を打破しなければ、日本経済は復活を遂げません。・・・
Vol.319 入管は攘夷派に同感する?(2018.12.28)
入国管理法の改正は決まりましたが、「拙速な外国人材の受け入れに、きっぱりNO!」「多民族共生社会や多文化社会は世界でも実現した試しのない空論だ」「新たな下層階級が日本にできて、重大な人権問題に発展する」「外国人単純労働者の受け入れは、日本人の生存権をも脅かす」「外国人同士の争いが、日本社会に別の新たな民族問題を引き起こす」「AI・ロボット・自動運転技術に徹底的な投資を行うことが先決である」など、攘夷派は巻き返しを図って意気軒昂です。・・・
Vol.318 兵隊よりも下士官候補?(2018.12.27)
日本企業で働く外国人のマインドセットは、日本人とは異なります。専門性を度外視してチームワークでの成果を競う日本型は、専門スキルの存在を前提にJob Descriptionで働くスタイルとは異質。不明確なキャリアパスに不安になり、年次主義に不満を覚えて、出世が遅い現実に直面すると、外国人は転職していきます。長くても3年以内のキャリアアップやスキルアップを求める外国人に年功序列型の人事体系は向きません。かと言って、外国人に合わせれば、・・・
Vol.317 違法派遣で罰金200万円!(2018.12.26)
ニセコ町の「ヒルトンニセコビレッジ」で、就労資格のないベトナム人を不法に働かせたとして、入国管理法違反(不法就労助長)の罪に問われた人材派遣会社社長の判決が下りました。懲役1年6カ月・執行猶予3年・罰金200万円。裁判官は「入国管理行政への悪影響は大きく、刑事責任は軽視できない」と判示しました。ベトナム人7人を10ヶ月間、ホテルに派遣して清掃業務に従事させたことが、重大な犯罪であると断ぜられたのです。しかし、今回の事件でホテルは罪に問われませんでした。・・・
Vol.316 外国人は地方に行け?(2018.12.25)
「特定技能」については、大都市圏に外国人が集中しないような措置を講じることになりました。地方の最低賃金が大都市圏よりかなり低い(東京都985円・鳥取県762円)ので、外国人労働者が都市部に集中するという懸念に応えたものです。実際、入国管理法には、居住地あるいは行動地域を制限する仕組みがありますから、その方式を準用すれば、居住地あるいは就労地を制限することは簡単にできます。類似の政策は、オーストラリアやカナダで先例があり、無理筋というわけではありません。
Vol.315 受入コストは誰が負担する?(2018.12.21)
外国人労働者の受入れを拡大する改正入管法に関連し、年末までに、「外国人の受け入れ共生のための総合的対応策」が策定されることになっています。識者たちからは、「基本は“生活者”として受け入れていくことを考えるべき」「外国人労働者を仲間として受け入れ、その人権を最大限に尊重する多文化共生社会を創っていく」などの意見が寄せられていますが、受け入れるためのコストを誰が担うのかという点については、国に期待する声が多いようです。・・・
Vol.314 ゴーン逮捕は外国人排斥か?(2018.12.20)
日産自動車の会長であり、ルノーや三菱自動車をも束ねていたカルロス・ゴーン氏が逮捕されてから1ヵ月が経過しました。報酬の虚偽記載については、「支払は確定しておらず、期待権にすぎないため、記載義務はない」「投資家の判断に大きな影響を与える重要事項とは言えず、虚偽記載といえる水準にない」など様々な議論がありますが、それらは専門家と今後の成り行きに任せるとして、この事件が海外からどう見えるかについては留意しておく必要があります。・・・
Vol.313 特定技能は認定OKとなる!(2018.12.19)
海外居住者に関する在留資格の認定申請について、「短期滞在」と「永住者」だけを対象外としている入国管理法の建て付けから言えば、「特定技能」についても「可」とするしかないと見られていましたが、日本政府が、アジアを中心とした8カ国で日本語試験を実施するほか、「農業」の特定技能試験(1号)について、ベトナム・中国など海外7カ国で実施するなど、例外扱いではなく、「認定申請可」であることが確認されました。じつは、「技能実習」関係者にとって、かなりのダメージです。・・・
Vol.312 法律改正では解決しない?(2018.12.18)
政府は、新在留資格「特定技能」で受け入れる外国人労働者数は、2019年度に最大4.8万人になると試算しています。実際、ロイターの調査では、77%の企業が「特定技能」の新設を「歓迎する」という結果が出ました。日刊工業新聞社のアンケートでも、外国人労働者の受け入れに62.1%が「賛成」し、「特定技能」にも51.7%と過半数が賛成しています。ところが、北海道では、約7割が外国人労働者を雇用する考えがないという調査結果が出ており、京都市のアンケートでも同様の結果が出ました。・・・
Vol.311 特定技能も虚偽に塗れる!(2018.12.17)
入国管理法の改正案が成立しました。内容のほとんどが政省令に丸投げなので、「特定技能1号」に必要な「相当程度の知識または経験」は、特定技能試験でどのように判定されるのかが全くわかりません。筆記なのか実技なのか、誰が合否を判定するのかという具体的な仕組みについては、「法務省令で定める」というだけ。3年間の経験がある技能実習生は、試験を受けずに「特定1号」へ在留資格を変更できるので、それと同等の「技能」を求めるということなのでしょう。・・・
Vol.310 中国の少子高齢化は半端ない!(2018.12.14)
日本以上に激しく急速な少子高齢化が、今後中国に襲い掛かります。「一人っ子政策」の影響で、25歳以下の世代では女性が男性より3000万人も少ないという歪な人口構成になってしまい、出産適齢期の女性が激減しているので、出生数を伸ばしようがありません。出生率の低下と平均寿命の延長を背景に、世界各国で少子高齢化問題が浮上していますが、中国の場合、出産適齢期の女性が少ないので、高齢化のスピードが他国よりも遥かに速いのです。親2人を介護せざるを得ない独身男性が激増・・・
Vol.309 日本語学校を悪者にする?(2018.12.13)
11月25日、留学生総勢600名を擁する日本語学校の理事長が自宅で殺害されました。怨恨による犯行の可能性についても捜査されているようです。入国管理法改正の渦中で、「"出稼ぎ”を食い物に…バブルに沸く日本語学校業界」「借金漬けの留学生、介護のバイトやめられず」など、日本語学校を犯罪者扱いする記事が増えているだけに、心が重くなります。しかし、日本語学校が、アジアの人々に「ジャパニーズ・ドリーム」を与えており、少数ながらも成功者がいることも事実。・・・
Vol.308 派遣先でも逮捕される時代(2018.12.12)
12月初、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で入国させたベトナム人3人を東北地方の工事現場に派遣し、資格外の単純労働をさせたとして、入国管理法違反(不法就労助長・斡旋)の疑いで、東京都の人材派遣会社社長(派遣元)や建設会社社長(派遣先)ら8人が逮捕されました。人手不足の現場や工場に、「技術・人文知識・国際業務」を派遣している業者は数多く存在しますが、「現場研修」の余地は少ないので、ほとんどが不法就労。この事件では、「派遣先」も摘発されました。・・・
Vol.307 留学生を活かす人事とは?(2018.12.11)
経団連は、就活の日程ルールを廃止することを決めました。「徒弟制度的な育成計画では求められる水準に届かない」「外国人材や留学生の採用が困難」として、新卒一括採用のあり方にも問題を投げかけています。終身雇用とOJTを前提に、採用時に担当業務や配属先を限定することなく、会社が業務と配属を指示する日本独自の「新卒一括採用+メンバーシップ型雇用」が時代に合わなくなってきたので、世界標準である「通年採用+ジョブ型雇用」に切り替えざるを得なくなったということでしょう。・・・
Vol.306 偽造カードは1万円で買える(2018.12.10)
11月26日、職務質問を切っ掛けに、メガソーラー建設の工事現場で働いていた中国人の男女11人が入国管理法違反(不法残留・旅券不携帯)の容疑で逮捕されました。さらに調べていくと、同じ工事現場で働いていた中国人の男女46人が失踪したこともわかりました。これらの中国人は、千葉県の下請業者が雇用しており、元請会社に提出された「在留カード」の写しには、「永住者」や「定住者」と在留資格が記され、就労制限の有無の欄も「就労制限なし」と記載されていたといいます。・・・
Vol.305 技能実習は法令違反だ!(2018.12.7)
「技能実習」の延長線上に「特定技能」を設計した時点から危ぶまれていたことではありますが、法案審議の中で「技能実習」の筋悪さが際立ってきました。しかし、不可思議なのは、「技能実習」における労働基準法違反は責め立てるのに、「技能実習法(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)」違反を咎める声がないということです。技能実習法第9条第1号は「修得等をさせる技能等が、技能実習生の本国において修得等が困難なものであること」と明記しています。・・・
Vol.304 『年末特別警戒』に備えよ!(2018.12.6)
11月下旬あたりから不法就労の摘発が立て続けに報じられています。不法就労助長・不法残留の疑いで、三重県でスナック店を経営している台湾人女性とタイ人女性ら3人逮捕されたほか、埼玉県でもエステ店の中国人経営者ら女性3人が不法就労助長・資格外活動で摘発。栃木県でも、不法就労助長の疑いで風俗店従業員の男性が逮捕されています。また、埼玉県では、解体業者の社長と中国人の妻が、不法滞在している中国人男性を解体工事現場などで働かせたとして逮捕されました。・・・
Vol.303 外国人増で賃金が下がる?(2018.12.5)
外国人労働者の受入増に対して、「労働需給が緩和されるから反対」という声が散見されるようになりました。大別すると、①「人数が増えると賃金が下がる」という素朴な「労働需給論」、②「生産性の低い企業は破綻すべき」とする「破綻推進論」、③「AIやロボット化で人手不足は解消される」とみる「AI万能論」に分かれます。これらの論者の過ちは、「賃上げ➡消費増➡売上増➡利益増➡賃上げ」という経済の好循環を思い描いており、賃上げが現状打破の端緒になるとみていることです。・・・
Vol.302 自治体は共生に頭を抱える!(2018.12.4)
入国管理法改正案を巡り、外国人住民の多い太田市や大泉町など全国15市町で作る「外国人集住都市会議」は、山下法務大臣宛てに多文化共生の推進を求める意見書を提出しました。「生活者としての支援」という視点から、日本語教育の支援、社会保険の加入促進、共生を推進するための「外国人庁」の設置などを求め、「外国人は労働者であるとともに生活者であることが十分に認識されない中、中長期的な共生施策を伴わない外国人材受け入れは地域社会に大きな混乱を招く」と警告しています。・・・
Vol.301 入管に丸投げすればよい?(2018.12.3)
入国管理法改正案は衆議院を通過しました。自民党議員ですら「いくらでも問題点は出てくる」と自白するスカスカの内容です。山下法務大臣は、特定技能1号で求められる「相当程度の知識または経験」を、「監督者の指示を理解し、正確に業務を遂行することができる、自らの判断で業務を遂行できる能力」としましたが、説明を求められると、「所管省庁が緊密に連絡を取り合った上で今後決めていく」とかわしました。経団連が求める「判断基準の明確化」や「プロセスの透明化」は無視された形です。・・・
Vol.300 6人部屋に17人収容?(2018.11.30)
大阪入管の収容施設で、暴れた外国人男性の収容者17人を6人部屋に閉じ込め、約24時間にわたり施錠したことが明らかになりました。入管は、自由時間が終了しても、部屋の一つに大勢の収容者が集まったままで、居室に戻るように命じても動かなかっただけでなく、職員に暴言を発し、窓やドアを叩くなど暴れたため、部屋を閉鎖したとの主張しています。収容者らは「狭い部屋への監禁」と非難しますが、入管が説明しているとおり、仕方のない処置だったのかもしれません。・・・
Vol.299 一蘭事件を教訓に活かせ!(2018.11.29)
1年前、外国人の就労をハローワークに届け出ていなかったとして、豚骨ラーメン店「一蘭」の本社や「道頓堀店別館」が家宅捜索されました。今年3月には、留学生を「週28時間」を超えて勤務させていた容疑で、社長や店長ら計7人と法人「一蘭」が書類送検され、罰金刑が課されました。その一蘭では、「週28時間」に注意するよう毎月指導しており、全国70店舗の中で問題があったのは道頓堀店だけ。「週28時間超」の留学生10人の中には、「学校が長期休暇中」と虚偽申請した者もいました。・・・
Vol.298 野党は対案を提示すべきだ!(2018.11.28)
野党議員の有志が、入管法改正案への対案をまとめました。現行の技能実習制度を温存する政府案に対し、技能実習制度を段階的に廃止して、新たな「外国人一般労働者受け入れ制度」を創設する案です。産業や地域毎に総量規制を設けた上で、職業選択の自由や家族の帯同を認めます。最初から労働者として在留できるよう日本語教育や社会保障などの受け入れ態勢を整備し、所管省庁の垣根を越えて生活支援に責任を持つ「多文化共生庁」を創設するという内容になっています。・・・
Vol.297 飲食業界は自殺する気か?(2018.11.27)
入国管理法の表面しか眺めていない論者は、「特定技能」に、「外食」が入り、「コンビニ」が外れたことをもって、「外食の勝ち・コンビニの負け」という短絡的な記事を書いていますが、入管行政の現場はもう少し複雑です。外食業界を所管する農林水産省は、「受け入れるのは店長・チーフレベルの人材」と宣ってハードルを上げているらしく、外食業の業界団体「日本フードサービス協会」はそれに盲従して、「アルバイトのような存在ではなく、一定レベル以上の人材を集めていく」などと公言・・・
Vol.296 なぜ日立は摘発されないの?(2018.11.26)
11月半ば、技能実習生に目的外の「産業廃棄物処分場業務」をさせたとして、不法就労助長の疑いで、技能実習生受入団体の役員と産廃会社役員ら3人が逮捕されました。2017年2~3月頃、「とび職種」の在留資格しか持たないベトナム人男性5人を、産廃処分場を運営する会社役員の2人に紹介。会社役員2人は同年2月頃から2018年10月にかけ、実習生5人を処分場で不法に就労させたといいます。そのほかにも、10月半ばには、技能実習生を、ホテルの清掃員として違法に斡旋・・・
Vol.295 経済政策が韓国を殺す?(2018.11.22)
韓国経済が疲弊しています。文在寅政権は、「所得主導成長論」を掲げて、「賃上げすれば景気は良くなる」という前提で経済政策を運営しました。2010年に4110ウォンだった最低賃金は2017年に6470ウォンになっていましたが、2018年に16.4%上昇(7530ウォン)させ、2019年にはさらに10.9%上昇させて8350ウォン(約835円)にすることを決定。その上、今年の7月1日からは労働時間の上限を、残業を含めて週52時間に短縮することを柱とした改正勤労基準法も施行。・・・
Vol.294 留学生が激減する?(2018.11.21)
東京入国管理局が、留学生の在留資格審査を厳格化しはじめました。今年の4月期は77.7%が許可されましたが、10月期は65.6%の交付に留まった模様です。国別にみると、バングラデシュが58%から3%へ、スリランカが51%から3%へ、ネパールが48%から8%へ、ミャンマーが74%から20%へと激減しています。日本語学校は、今年8月711校にまで急増し、10年前の1.8倍になりましたが、突然の交付激減に、経営不振に陥る日本語学校が出かねない勢いです。・・・
Vol.293 技能実習を廃止できるか?(2018.11.20)
法務省の国会提出資料に誤りが見つかりました。技能実習生の調査に関し、「87%が『より高い賃金を求めて』失踪した」との説明でしたが、その割合が「67%」だっただけでなく、失踪動機の「低賃金」「契約賃金以下」「最低賃金以下」の3つを合算して「より高い賃金を求めて」と解釈したものであったことが判明。「許しがたい改竄」だとして野党が猛反発。新設する「特定技能」は、「技能実習」の延長という色彩が強いだけに、「技能実習」における問題と不手際は、そのまま・・・
Vol.292 日本人は生産性が低い?(2018.11.19)
経営の現場を知らない経済学者の中には、「人手不足なのに賃金が上がらないのはなぜだ?」と悩んでいる人々が少なくありません。そのため、「ただでさえ賃金が上がっていないのに、こんな状況下で外国人労働者を入れると、賃金が上がらなくなってしまう」と騒ぎ始めた輩もいます。しかし、就業者1人当たりのGDPを眺めると、2000年度820万円➡2005年度824万円➡2010年度794万円➡2016年度830万円➡2017年度820万円ですから、労働生産性が上がっていないことを確認できます。・・・
Vol.291 またまた派遣で入管法違反(2018.11.16)
不法残留を知りながら中国人男女2人を工場に派遣して働かせたとして、人材派遣会社社長と名古屋市在住の中国人が入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕されました。両容疑者が共謀して、不法残留した中国人の男女を作業員として、富山県小矢部市にある工場で働かせていたようです。この食品工場は伊藤ハムの子会社が運営。伊藤ハムは、「在留、就労状況は確認していたが不法との認識がなく、このような事態が発覚し大変驚いている。チェック体制をより強化していきたい」と答えました・・・
Vol.290 日本人とは何者なのか?(2018.11.15)
トランプ米大統領が、大統領令によって、米国で生まれた子どもに自動的に市民権を与える『出生地主義』を転換させるという考えを表明しました。市民権を得た移民が祖国の親族を呼び寄せる「移民の連鎖」を断ち切るとして、大統領選時から唱えてきた考えです。日本は、トランプ氏が理想とする「国籍制度」である「血統主義」を採用。日本国籍を取得するには、父か母かが日本人でなければならず、外国で生まれた場合は一定の手続きを取らないと日本国籍を取得することができません。・・・
Vol.289 社会保険はどうすべきか?(2018.11.14)
山下法務大臣は、「悪質な社会保険料の滞納者に対しては在留を認めないことを検討している」と述べ、在留期間の更新を審査するための指針を改定する意向を示しました。現行のガイドラインは、許可・不許可の考慮事項として「納税義務の履行」などを挙げ、2010年4月からは申請時に窓口で保険証の提示も求めていますが「提示できないことで資格変更や期間更新を不許可とすることはない」との立場でした。今後は、社会保険料を滞納している外国人には在留を認めない方向になると思われますが・・・
Vol.288 『外国人お断り』が増える?(2018.11.13)
入国管理法の改正がどうなるかはともかくとして、従来以上に、日本人が外国人と接触する機会は増えてくると思われます。果たして、そのとき、日本人が「おもてなし」の精神を貫けるかどうかというと少し不安があります。実際、各種のアンケートでは、「外国人が多いマンションは、日本人の7割が住むのをためらう」と答えていますし、三重県伊賀市の調査では、賃貸住宅の仲介で「家主から外国人については断るように言われた」ことがあるのは78.6%にも上ります。・・・
Vol.287 人道主義か法律違反か?(2018.11.12)
イタリア南部に、人口の4分の1が外国人というリア―チェという村があります。ゴーストタウン寸前だった村を救ったのがルカーノ氏。難民の人々を受け入れ、廃屋を修復して住居を確保しビザを手配しました。また、国からの助成金で地域通貨を発行して、織物やガラス細工などの技術を難民たちに教えて、自分たちで働いて、毎日の糧を得られる経済圏を構築しました。この成功により、2016年に「フォーチュン誌」で世界のリーダー50人のひとりに選ばれました。・・・
Vol.286 受入上限は設けないのか?(2018.11.9)
外国人労働者の受け入れを拡大する入国管理法改正案を巡り、11月1日、山下法務大臣は「数値として上限を設けることは考えていない」と述べました。「客観的な指標で人手不足を確認し、国内人材の確保などを行ってもなお外部人材の受け入れが必要と認められる業種に限り、人手不足の状況に応じた数の外国人材を受け入れる」と説明。状況によっては受け入れの一時停止もありうるとし、「実質的な判断で上下するので上限規制は設けない」と語りました。・・・
Vol.285 評論家たちは沖島へ行け!(2018.11.8)
「外国人労働者を入れると、低賃金労働者を前提とするビジネスモデルが変革しないから反対」という声が一部から出ています。中には、「経営者が極限まで追いつめられれば、生産性向上の道が開ける」という勇ましい声も。しかし、ビジネスモデルを大きく変革するためには、①対象とする市場が今後大きく成長するので投資に見合うこと、②一段上の生産性のレベルに労働者が成長する見込みがあること、③その投資を行う場所としてその地が最適であること、という条件が必要です。・・・
Vol.284 大企業はリスクが小さい?(2018.11.7)
外国人材を紹介するビジネスに数多くの企業が参入していますが、入国管理法を十分に理解しているか否か甚だ疑問です。少なからぬ企業は、「大企業への紹介であれば問題ないだろう」と思い込み、自ら入国管理法を学ぶことなく、外国人材を紹介していますが、かなり大きなリスクを冒しています。大企業の人事部の役目は「採用」であって、「コンプライアンス」ではないので、入国管理法に詳しい人事担当は稀。問題が起きないように業者が諸対策を講じるのは当たり前と思っています。・・・
Vol.283 上から目線で人は来ない!(2018.11.6)
在留資格「特定技能」を新設すると、外国人労働者が大勢訪れるという想定で議論されがちですが、本当にそうでしょうか。既に数多くの日本企業では、技能実習生の労働に頼る構図ができあがっていますが、「技能実習」の評判が素晴らしいかと言うと決してそうではありません。日本で働いていた中国人の技能実習生たちは自国の経済発展とともに急減していきました。それに代わって増えたのが、ベトナム人です。2012年におけるベトナム人の出稼ぎ先を見ると、日本は第4位に過ぎませんでした・・・
Vol.282 トランプ大統領と麻生財務大臣(2018.11.5)
中米ホンジュラスから米国を目指し、数千人規模のキャラバン(移民の集団)が徒歩で北上を続けています。ホンジュラスは、ギャングと麻薬密輸が横行する国で国民の多くが貧困に喘いでおり、米国で働き祖国に仕送りすることを夢見ています。これに対し、トランプ大統領は、国境に5200人の軍隊を派遣し、米軍部隊がキャラバンに発砲する可能性について「そうならないことを願っている」と述べる一方、群衆が投石等をした場合は「銃器による攻撃とみなす」と警告しました。・・・
Vol.281 拙速論は説得性がない!(2018.11.2)
予期されたことではありますが、安倍政権の「特定技能」に対して、野党やマスコミから「拙速だ」「腰を据えた議論を」などの「拙速論」が出てきました。反対するのであれば、「日本語基準はこうすべき」とか「この条件を充たす場合は家族滞在を認める」などの対案を述べるべきなのに、具体策は一切出さずに、長々と審議することを求めています。「特定技能」が美しいとは決して思いませんが、現状維持が最善ではない以上、何らかの対案を出すのが野党としての責務ではないでしょうか。・・・
Vol.280 世論は外国人受入OK?(2018.11.1)
これから、外国人労働者の受け入れを拡大する制度を含んだ改正入国管理法が国会で議論されますが、世論の受け止め方は、おおむね好意的なようです。日本経済新聞・読売新聞・時事通信では、賛成が過半数となり、毎日新聞でも、「賛成」が47%と「反対」の32%を上回りました。ただし、「移民」については区々。日本経済新聞では、日本での永住に関しても、賛成が過半数を占めましたが、毎日新聞においては、「永住を認めるべきだ」の40%が「永住を認める必要はない」の38%と拮抗。・・・
Vol.279 自民党劇場に一喜一憂?(2018.10.31)
入国管理法改正案について、自民党の中で激論が戦わされています。10月22日に政府案の説明を受けた自民党法務部会では、23~25日に業界団体等から意見を聴き、26日には法案を了承する運びだったのですが、移民政策や治安の懸念、受入規模の明示や総量規制の必要などを問う意見が出たため、結論を持ち越し。29日の法務部会では了承されたものの紛糾。マスコミは「自民党劇場」に振り回されている感じです。内部分裂かのごとく報じられていますが、さすがに自民党は老練。・・・
Vol.278 インバウンドに日本を託す?(2018.10.30)
9月の訪日客数は前年比▲5.3%の215万9600人となり、5年8カ月ぶりに減少しました。大阪を襲った台風21号と北海道の地震がダブルで効きました。関西国際空港の9月の総旅客数は前年比▲47.9%と大幅減。2018年度上半期で見ても、国内・国際線を合わせた総旅客数は、前年同期比▲1.5%の1391万人にとどまり、7年ぶりに前年を下回りました。高島屋大阪店やフグ専門店「玄品ふぐ」、ラオックス等では、一時期、客数が2~3割減ったようです。訪日外国人数は・・・・
Vol.277 留学生の就職は難しい?(2018.10.29)
2017年に外国人留学生が、日本国内での就職を目的に行った在留資格変更許可申請に対し、入管は、2万2419人を許可しました。2016年より2984人増えて過去最多となりましたが、許可率は2年連続で減少し、80.3%まで落ち込みました。2011年の93.9%と比べると13.6%ポイントの大幅下落。許可率低下の一因は、専門学校の留学生増加。専門学校の場合、学習内容と就職先での職務内容の関連性が重視され、厳しく審査されがちだからです。じつは、学歴別にみると、・・・
Vol.276 日本維新の会が正論を吐く!(2018.10.26)
10月24日に召集された臨時国会では、外国人労働者の受け入れ拡大のために新たな在留資格を創設する入国管理法改正案を巡り、徹底審議を求める野党は、召集前から「会期延長」を取り沙汰するなど対決色を強めています。反対一色に見える野党の中で、片山虎之助・日本維新の会共同代表が、個人的な意見と断りながらも、「移民政策をどうするのか、きちんと正面から議論する時が来ている」と正論を吐きました。「人手不足で日本の経済社会が動かなくなってきている。・・・
Vol.275 同じ資格外活動なのに?(2018.10.25)
10月19日、法務省は、技能実習生を計画にない東京電力福島第1原発事故の除染作業等に従事させたとして、建設会社3社について、3年間の実習生受入停止や注意喚起の措置を講じたことを発表。政府は、外国人実習生に除染作業を行わせることを禁止する方針を示していますが、除染作業が短期間だった先については注意喚起にとどめました。法務省は「除染は技能実習の趣旨にそぐわない」との見解を示しているものの、入国管理法に照らせば、明白な「資格外活動」。・・・
Vol.274 イエメン難民を受け入れる!(2018.10.24)
韓国では、済州島に上陸して難民申請したイエメン人の集団が問題となってきましたが、481人の75%に当たる362人に1年間の滞在を許可し、就労することや国内を自由に移動することを認めました。思い切った判断であることは間違いありません。一部のイエメン人が、SNSに銃を持った写真を掲載していたことについても、「男として勇敢さを誇示しようと、銃を持って写真を撮った人もいれば、結婚式のお祝いの行事に出席し、他人の銃を借りて写真を撮る場合もある」として許容しました。・・・
Vol.273 地価上昇に小躍りするな!(2018.10.23)
7月1日時点の基準地価は、商業地が+1.1%の上昇に転じ、全用途でも27年ぶりに下落から上昇に転じました。ニセコ、祇園、歌舞伎町、雷門に象徴される「外国人パワー」の寄与で地価が上昇しました。一方、「外国人パワー」を拒否する国もあります。住宅価格が10年で2倍に跳ね上がったニュージーランドは、外国人による中古住宅の購入を禁止しました。マレーシアでも、ジョホールバルでの巨大開発で外国人が不動産物件を購入することを禁じる方針を明らかにしました。・・・
Vol.272 野党は政府案を批判する?(2018.10.22)
臨時国会が10月24日に召集される運びとなり、安倍政権が打ち出した外国人労働者の受け入れ政策に対して、野党から批判の声が挙がり始めました。立憲民主党の枝野幸男代表は、「事実上の移民政策」と批判し、「堂々と受け入れるかを議論せず、なし崩し的にやるのは最悪だ」と主張しています。しかし、立憲民主党は、「国民との約束」の中で、「人種や性などによる違いを尊重し、社会を彩る多様性こそが、その社会を豊かで、活力あるものにするのです。多様性は、強さです」と謳っています。・・・
Vol.271 自衛隊も人手不足に悩む!(2018.10.19)
自衛隊が窮地に陥っています。自衛官の応募者数は、33,534人(2013年)から27,510人(2017年)に減少。採用数は4年連続で計画を下回り、兵隊レベルの充足率は73.7%。6.5%だった女性自衛官の比率を9%に引き上げ、募集の年齢上限を26歳から32歳に引き上げますが、このまま採用難が続けば、国連PKO活動を止めざるを得ないという声も。それもそのはず。日本国内は、正社員の不足を訴える企業が過半数。人手不足倒産が前年比4~5割増で、求人難による倒産は倍増。・・・
Vol.270 どの業界が自民党に強いのか?(2018.10.18)
10月12日、新しい在留資格の骨子が公表されました。対象となるのは、「不足する人材の確保を図るべき産業上の分野」とされています。候補に挙がっているのは、農業、介護、飲食料品製造業、建設、造船・舶用工業、宿泊、外食、漁業、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造、電子・電気機器関連産業、自動車整備、航空の14分野と言われていますが、これら以外の業界は黙っていません。自民党も、来年度は、統一地方選(4月)や参院選(7月)がありますから・・・
Vol.269 警察は証拠を偽造する?(201810.17)
10月11日、愛知県警の警部補と巡査部長が虚偽有印公文書作成・同行使で書類送検されました。2人は、別の署員が職務質問したフィリピン人男性が不法残留にあたると判断。入管難民法違反(不法残留)で現行犯逮捕し、捜査書類を作成したのですが、男性が不法残留を裏付ける旅券等の書類を持っていなかったため、同法違反(旅券不携帯)容疑で現行犯逮捕したように装い書類を再作成。巡査部長は男性の目の前で当初の捜査書類を破り捨てており、同席した通訳の指摘によって問題が発覚。・・・
Vol.268 『特定技能』は転職できる!(2018.10.16)
10月12日、来春、新設される在留資格「特定技能」の骨格が示されました。「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種の資格を創設。「1号」は相当程度の知識と経験保有者が対象ですが、在留期間は通算5年が上限で、家族の帯同は不可。ただし、所管省庁が定める一定の試験に合格すれば「2号」に移行でき、家族帯同や在留期間の更新が可能になります。画期的だったのは、「特定技能」の外国人に「転職」を認めたこと。これは、マーケットを劇的に変えるインパクトを内包しています。・・・
Vol.267 留学生を戦力化できるか?(2018.10.15)
安倍政権は、外国人労働者の受け入れ拡大へ大きく舵を切りました。今後、日本企業は、国内で外国人を本格的に活かすことが求められます。ところが報道されるのは、最下層で「部品」として活用する事例ばかり。経営職への抜擢や管理職への昇進は話題にのぼりません。短期間での昇格や高給を求める優秀な外国人材は、年功序列賃金の下で昇給・昇格基準が曖昧なまま、長時間労働を強いられることには耐えられません。給与水準が母国よりも低ければ、日本企業で頑張る価値はゼロ。・・・
Vol.266 日本語教育はどうする?(2018.10.12)
外国人労働者の受入拡大に備えて、新たな「日本語能力テスト」が導入されます。「職場で円滑に意思疎通する実践的な力」を重視するという名目で、電話応答やスケジュール確認など仕事で使用する語彙や表現を出題し、外国人の受入条件として活用する模様です。理屈はこねていますが、要するに、現在の「日本語能力試験」が難しすぎるという批判に応えたのでしょう。興味深いのは、日本語能力テストを所管するのが「国語施策・日本語教育」を担う「文化庁国語課」ではなく・・・
Vol.265 『外国人庁』が必要です!(2018.10.11)
法務省は、来年4月に「入国在留管理庁」を新設するため、入国審査官や入国警備官など536人の増員を求めました。「管理」を主旨にした「庁」が立ち上がります。じつは、入国管理局を「庁」に格上げする構想は、以前から提言されていました。2004年4月、経団連が「外国人庁」あるいは「多文化共生庁」の創設を求めたのを皮切りに、2009年12月には、外国人集住都市会議が外国人関連の施策を一元的に担う「外国人庁」の設置を求めて緊急提言しました。・・・
Vol.264 大企業だと雇止めで許される?(2018.10.10)
今春以降、技能実習生を「資格外活動」で不法就労させていたことが相次いで報じられました。そんな中、日立が、該当する技能実習生20人に対して、実習途中の解雇を通告。実習計画の認定が得られず、在留資格が更新されなかったとして、解雇予告手当(1ヶ月分の給料)を支払ってお払い箱にしました。技能実習生たちは収まりません。新幹線の排水パイプ付けなど「本来の『電気機器組み立て』技能が学べない単純作業ばかりだった。私たちに非はなく不当だ」と訴える構えを見せています。・・・
Vol.263 オリンピック前にコケるのか?(2018.10.9)
9月の日銀短観で大企業の業況判断指数が悪化しました。製造業は3期連続の悪化でリーマン・ショックの影響が響いた2009年3月以来の低迷。非製造業も、訪日外国人客の減少が響き、2年ぶりに悪化に転じました。無論、楽観的に見れば、日米の貿易摩擦はひとまず小康状態。原材料高は世界景気の好調による需給逼迫の反映と見れば、「凶」ではありません。台風や地震による悪影響も一過性でしょうから、円安が進めばプラス面が多く、「心配する必要はない」という見方もできます。・・・
Vol.262 日本人女性すら活かせない(2018.10.5)
女性の就業率は、過去最高の70%を記録し、就業者数も過去最多の2962万人に達しました。女性の失業率は、男性の2.5%を下回る2.3%。政府は、2022年度末までに子育て世代の女性(25~44歳)の就業率を80.0%に高める目標を掲げていますが、この比率はすでに76.7%ですから、それほど余力はありません。つまり、女性の就労率が上がっても、人手不足問題は解消しません。しかも、女性の活用方法を見ると、非正規が主で、役員や管理職への登用は遅れています。・・・
Vol.261 許可に浮かれてはいけません(2018.10.4)
資格外活動などで2017年に在留資格が取り消された外国人が前年比91人増の385人に上り、過去最多になりました。在留資格別では「留学」が最多の172人とほぼ半数を占めています。具体的には、「留学生が学校を除籍された後に,アルバイト又は犯罪行為(詐欺・窃盗等)を行って在留していた」とか「留学生が学校を除籍された後に,3ヶ月以上本邦に在留していた」という事例が紹介されています。留意すべきは、「技術・人文知識・国際業務」が第3位にランクインしたこと。・・・
Vol.260 振り込め詐欺も人手不足?
帝国データバンクによれば、2018年7月において、「正社員が不足している」と答えた企業が7月として初めて過半数を超えました。人手不足で絶好調だった人材派遣業界も、派遣社員における実稼働者総数の伸びが明らかな鈍化傾向を示しており、スタッフの確保に苦慮しています。郵便局が郵便配達を平日だけにとどめることを検討する中、福山通運は、日曜日の企業向け配達の停止を決定しました。「人手不足」がいよいよ供給サイドのボトルネックになってきています。・・・
Vol.259 日本語なんてどうでもいい?(2018.10.2)
介護職に関しては、「特定活動(EPA)」「介護」「技能実習」という在留資格に加えて、「特定技能」が新設されます。「技能実習(介護)」では、9割のEPA受入施設が日本語能力試験N3以上を求めたことを受け、「入国時N4・1年以内N3」という基準を定めましたが、これが大不評。ベトナム政府は「1年で帰国となると社会問題になる」として消極的。人手が集まらない現場は「言葉が通じなくても行動で示してくれればいい」「大切なのは心だ」として、日本語基準の緩和を求め始めました。・・・
Vol.258 偽装難民はいなくなったか?(2018.10.1)
今年1~6月に日本で難民申請した外国人は、5586人にとどまり、前年同期比から▲35%となりました。難民申請者が減少したのは8年ぶりです。2010年3月以降、難民申請をする人が急増。2010年は1202人でしたが、2017年には1万9629人にまで膨れ上がりました。このため、入管は、今年1月から、申請から2カ月以内に書面審査を進め、「借金取りから逃げてきた」など「明らかに難民に該当しない」と判断した申請人に対しては、就労を認めない方針で臨みました。・・・
Vol.257 なぜ留学生が罰せられるの?(2018.9.28)
大阪市の観光系専門学校「日中文化芸術専門学校」は、2017年時点で定員(418人)超えの560人が在籍。今年5月には580人に達しました。「主に日本人が対象」「留学生は一部」とし、府の認可を受けて3年前に開校したのですが、蓋を開けると95%が留学生。大阪府が是正を求めても対応が鈍く、業を煮やした大阪入管が「定員超過を認めない」と通告。7月以降に期限切れとなった同校の留学生は資格更新ができなかったと報じられました。この専門学校は、昨秋から一部の行政書士の間で噂に・・・
Vol.256 日系人でも共生できない?(2018.9.27)
2018年6月末の在留外国人数は263万7251人で,半年前に比べて75,403人増加し、過去最高を記録しました。300万人の大台を超えるのは時間の問題です。増えるのはよいとして、問題は受け入れ方でしょう。というのは、これまで日本は、血縁関係のある「日系人」の受け入れにすら失敗しているからです。在日日系社会が直面している現実は甘くはありません。日系人は35歳で孫を持ち、少なからぬ子供たちは学校から落ちこぼれて不良化します。・・・
Vol.255 観光頼みには限界あり!(2018.9.26)
台風21号の直撃で関西国際空港が一時閉鎖され、日々刻々と復旧が図られているものの、関西経済に与えたダメージは、かなりのものがあるようです。大阪城の来館者が半減し、黒門市場が閑散となり、ホテルのキャンセルが大量発生するなど一部では悲鳴に近い声も上がりました。北海道地震の影響で観光離れが起きたり、西日本豪雨や大阪北部地震の影響で韓国からの旅行客が前年よりも減るなど、観光業は、ビジネスの本質上、環境変化による大きなアップダウンが避けられません。・・・
Vol.254 外国人に美容師は無理?(2018.9.25)
「技能」は、悩ましい在留資格です。広い範囲で認められるように思われがちですが、入国管理法上は、調理、建築・土木、製造・修理、宝石・毛皮加工、動物調教、石油探査、パイロット、スポーツ指導、ソムリエしか認められていません。これら以外の「技能」は、在留資格では何の価値も持たないのです。このため、外国人の美容師は、日本の国家資格を取得したとしても、日本では働けません。腕前はプロでも、在留資格がないので帰国するしかないのです。・・・
Vol.253 国連人権理事会に物申す!(2018.9.24)
8月16日、国連人権理事会は、「日本政府は福島第一原発事故の除染作業で搾取され、被曝している数万人にも及ぶ除染作業員を至急保護すべく行動すべきだ。除染作業員には外国人労働者や亡命希望者、ホームレスが含まれている。我々は、被曝リスクについて騙して作業に従事させるという搾取について深く懸念している」という声明を発表しました。これに対して日本は、「政府として真摯に対応してきたにもかかわらず、特別報告者が一方的な情報に基づいて声明を出したことは遺憾だ」と抗議。・・・
Vol.252 スウェーデンも反移民へ?(2018.9.21)
9月9日、スウェーデンで総選挙が行われ、反移民を掲げる「スウェーデン民主党」が大躍進。ドイツ、オーストリア、ハンガリー、イタリアと続いてきた反移民の潮流は止まるところを知らないように見えます。スウェーデン(人口1000万人)は、移民に寛容な国でしたが、国民の4人に1人が移民系になる中で、2015年の難民危機に国民1人当たりで最大の移民(16万人)を受け入れたこともあり、「スウェーデン市民よりも移民を大事にするのか」という幅広い批判を呼び起こすことになりました。・・・
Vol.251 一蘭と串カツだるまの共通点(2018.9.20)
豚骨ラーメンチェーン「一蘭」が大阪市内の店で外国人留学生を不法就労させたとして、大阪区検は、法人としての同社と社員4人を入管難民法違反罪で略式起訴しました。大阪簡裁が罰金(30万~50万円)の略式命令を出して決着。ハローワークに届けずに外国人を雇用したとして、雇用対策法違反でも書類送検されましたが、社長が起訴されることはありませんでした。2017年11月末にガサ入れされて大々的に報道され、今年3月に書類送検。今回の決着に至るまで、1年の歳月が経過しました。・・・
Vol.250 『特定技能』が動き出す(2018.9.19)
「特定技能」が動き始めました。菅義偉官房長官は「既に多くの業種から受け入れの意向が示されている。今後現場のニーズを踏まえて幅広い検討が行われていく」と述べて、「建設」「介護」「農業」「宿泊」「造船」という当初の5業種に限定しないことを断言しました。「製造」(産業機械・素形材・電気電子等)や「水産」「食品加工」が有力と報じられています。「特定技能」の産みの母ともいえる「技能実習」は77職種を対象にしていますが、創設された1993年4月の時点では17職種でした。・・・
Vol.249 この際全部出しちゃえば?(2018.9.18)
「入国・在留審査要領」の開示において、黒塗りにした部分が透けて中身が読める状態になっていたことが発覚しました。マスコミは、法務省がミスをしたと責め立てていますが、問題視すべき点を完全に間違っています。情報公開法は、不開示情報を除いて、行政文書の開示を義務付けています。しかし、「犯罪の予防…その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」を「不開示情報」としているため・・・
Vol.248 製造業派遣で資格外活動(2018.9.17)
製造業への外国人派遣ビジネスが絶好調です。「派遣スタッフの就業者数が前年比4割増」とか「就業者数が2万人を超えた」「派遣先も登録者も右肩上がり」など景気の良い話が聞こえてきます。中には、中国の大学と提携して現地の学生を採用し、日本企業に派遣する企業すら出てきました。機械を使った実習研修を実施し、工場などの製造スタッフとして取引先の企業に派遣する予定だと言います。人手不足に苦しむ製造業のニーズが強いのは事実です。しかし、問題は「在留資格」。・・・
Vol.247 イタリアはEUを解体する?(2018.9.14)
イタリアがEUを激しく揺り動かしています。移民を乗せた救助船の上陸を拒否し、EUに受け入れの分担を要求。加盟国間の「平等な負担」を主張し、受入分担について決着しなければ、「EU拠出金の支払いをやめる」とまで言い出しました。イタリアは、EUの難民申請ルールの抜本的見直しを求めましたが、EUは6月末の首脳会議で結論を先送り。これに不満なイタリアは、「EU予算についての議論であらゆる手段を検討し、われわれにとって不都合なことを阻止する」と声高に叫びます。・・・
Vol.246 日本は選ばれるのか?(2018.9.13)
マスコミでは、未だに「ビザを緩めたら外国人がどんどんやってくる」という前提で議論している識者がいて面食らうときがあります。確かに、今のところ、東南アジアの労働者にとって、日本は「稼げる国」の代表格。しかし、経済格差は縮小する一方であり、中国・韓国・台湾は「人材輸入」の競合国に台頭してきています。建設業では、外国人なしでは現場が回らないにもかかわらず、待遇が改善されません。かつて大多数を占めていた中国人たちは、日本を選ばなくなりました。・・・
Vol.245 菅長官すら入管に屈する?(2018.9.12)
菅義偉官房長官が「留学生の希望者の大部分が日本で働ける制度をつくるため、業種の幅をさらに広げるような在留資格をつくりたい」と宣言し、最近頑なな運用になっている「技術・人文知識・国際業務」の運用が緩和されるのか?と思いきや、月給25万円以上で日本語を使う職場で働く「本邦大学卒業者」という「特定活動」を新設することで決着しそうです。日本経済新聞によれば、初任給25万円以上の会社は、日本全国で89社しかありません。これで「就労支援」は無理でしょう。・・・
Vol.244 どこが起業促進なのか?(2018.9.11)
「在留資格」に関する記事は、役人から説明された内容の一部を切り貼りしただけの粗悪品が多いので極上品は少ないのですが、「外国人起業家向けビザ 規制緩和 シェアオフィスも」には呆れました。「経営・管理」の取得を緩和するため、「一定の条件を満たした起業家にはシェアオフィスでも在留資格の取得を認める方針だ」という報道です。「事務所」の定義は、「日本標準産業分類一般原則」が準用されており、「年単位で賃貸されたシェアオフィスはダメ」という法はありません。・・・
Vol.243 手取り2万円で不法残留(2018.9.10)
7月19日、看護師として働く夢を追って来日したベトナム人の女子留学生が、奈良地裁で出入国管理法違反罪(不法残留など)で懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を受け、1週間後に母国に強制送還されましたが、公判では日本語学校で学ぶ外国人の過酷な現実が浮かび上がりました。この留学生は2015年1月に来日し、2年間の予定で宮崎県内の日本語学校で学び始めたのですが、アルバイト先として、その日本語学校の系列の介護施設での労働を強制されました。・・・
Vol.242 外国人の悪用 vs 日本の詐欺(2018.9.7)
自民党で「在留外国人に係る医療ワーキンググループ」が本格活動を開始しました。医療目的で入国する場合は、国民健康保険に加入できず全額自己負担となるため、目的を「留学」や「経営」と偽って国保に加入し、少ない自己負担で高額治療を受ける事案が増えているほか、海外での治療費を還付する海外療養費や出産育児一時金などの不適切な利用が目立つため、こうした外国人による「悪用」を撲滅するのが狙いです。国民健康保険の財政事情は良くなく、「悪用」は許し難い蛮行です。・・・
Vol.241 入国在留『管理』庁が発足(2018.9.6)
来春、入管が5000人を超える「庁」に格上げされます。その名称は「入国在留管理庁」。安倍政権が「移民政策ではない」と公言している以上、「移民庁」は無理だとしても、「入国在留庁」や「外国人庁」がベターだとは思いますが、「在留」が入っただけ、報道されていた「入国管理庁」よりはマシ。しかし、だからと言って、安堵すべきではありません。部署として、「出入国管理部」のほかに、「在留管理支援部」を設けると報じられていますが、ここに本音が透けて見えます。・・・
Vol.240 賃上げで景気は良くなる?(2018.9.5)
富裕国だったベネズエラが大変なことになっています。「21世紀の社会主義」を掲げ、賃上げや所得補填などで富裕層の富を貧困層に分配したところ経済が破綻。生活に困窮した人々が「移民」となって隣国に押し寄せています。この惨状を見た韓国の主要紙が「韓国もベネズエラの二の舞になる」として文在寅政権の経済政策を大批判。経営の現場を無視した賃上げ政策の撤回を求めています。「最低時給1000円」を掲げる「所得主導成長論」が想定していたシナリオは実現していないと指摘。・・・
Vol.239 技能実習生よりも留学生!(2018.9.4)
8月下旬、菅義偉官房長官は、「外国人材がいなければ日本経済は回らないのが現実だ」と指摘し、「日本語を習得し、日本の良き理解者になった留学生が就職できずに失意の思いで国に帰る。そうしたことは避けるべきだ」と述べました。さらに、「卒業した留学生が日本に残って就職するのは36%にとどまっている。希望者の大部分が日本で働ける制度をつくるため、業種の幅をさらに広げるような在留資格をつくりたい」と語りました。全国外国人雇用協会は、当面の活動方針として・・・
Vol.238 150年前のほうが近代的?(2018.9.3)
失踪した技能実習生や偽装留学生を評して、「出稼ぎ目的とはケシカラン」と論じる人もいるのですが、明治元年から20世紀の半ばまでに日本は100万人を超える「移民」を送り出しました。元々彼らのほとんどは数年働いて故郷に帰ることを目的とした「出稼ぎ」でした。来日している外国人の「出稼ぎ」たちは、当時の「日本人移民」に似た境遇にあります。当時の日系人の苦労を偲んで涙するのであれば、来日している「出稼ぎ」たちの暮らし向きにも手を差し伸べるべきでしょう。・・・
Vol.237 いつの間にやら景気後退?(2018.8.31)
8月28日、政府は「月例経済報告」で、国内景気の基調判断を「緩やかな回復基調が続いている」として2ヶ月連続で据え置きました。「戦後2位のいざなぎと並ぶ景気回復になった可能性が高い」との認識を示しています。しかし、最前線で売上や顧客の動向を直視している経営者に聞けば、「戦後第2位の景気回復だ」と手放しで喜んでいる人など誰もいないでしょう。いつまで経っても消費者が財布のひもを緩めず、個人消費が盛り上がってこないからです。・・・
Vol.236 アマゾンはカナダが好き?(2018.8.30)
アマゾンは、50億ドル超を投じて、「第2本社」を建設し、最大5万人を雇用する予定です。誘致に計238の都市が名乗りを上げましたが、20都市までに絞られた候補地の中に、米国以外で唯一カナダのトロントが残りました。カナダのトルドー首相は、「カナダではどんな宗教でも人種でも全てのバックグラウンドの人々を歓迎する」と強く主張し、多様性と多文化主義、オープンでフレンドリーなコミュニティーと移民政策を「カナダの強み」としてアピールしました。・・・
Vol.235 技能実習機構は無能なのか?
三菱自動車・日産に続いて、日立でも、技能実習生が「資格外活動」を行っている疑いが発覚しました。「外国人技能実習機構」は、技能実習適正化法に違反している可能性があるとみて検査に入ったと言いますが、これで厳しい処分が出ないとすれば、留学生アルバイトの週28時間超過だけで、逮捕や書類送検の憂き目に遭っている経営者や店長がかわいそうすぎます。こういう輩を懲らしめるために、既存の「国際研修協力機構」とは別に、わざわざ新設したのが「外国人技能実習機構」。・・・
Vol.234 高齢者が働けば何とかなる?(2018.8.28)
5月の就業者数が、過去最高を更新しました。これまで最高だった1997年6月を21年ぶりに上回ったのです。この背景には、高齢者の就労があります。65歳以上で働いている人数は、2006年に500万人を突破し、2017年は807万人に達しました。この5年間で211万人も増加し、就業者全体の12%を占めています。調子のよいマスコミは、「アラ古希正社員100万人時代へ 団塊が戦力」「高齢者が人手不足救う」「45歳以上は金の卵」などと持ち上げていますが・・・
Vol.233 入国審査官はかわいそうだ!(2018.8.27)
2018年の訪日外国人は、8月15日に過去最速で2000万人を突破するなど急増していますが、最前線でチェックする入国審査官が増強されなければ、問題が生じることは避けられません。3月25日、成田空港では、待ち時間が3時間を超えました。入管は、審査待ちの間に顔写真撮影や指紋採取を完了できるようにし、日本人向けに自動化ゲートを導入しましたが、人手が足りないのです。一方で不法入国の手口が巧妙化し、手術を受けて指紋を偽装するケースがあるなど一時たりとも気が抜けません。・・・
Vol.232 日本は本当にスゴイのか?(2018.8.24)
「日本はスゴイ」「日本はカッコイイ」「日本が好き」という番組のオンパレード。「勘違いが少なくない」「いつまでも過去の栄光にしがみついている」「ノスタルジーが過ぎる」という代物が少なくないのですが、きっと多くの視聴者は癒されたいと思っているのでしょう。その一方、経済政策はと言えば、「労働時間を少なくすれば、労働生産性が上がる」とか「人口が減れば生産性が向上する」「人手不足になればイノベーションが起こる」など、これまた筋違いのオンパレード。・・・
Vol.231 偽装難民にビザはやらない!(2018.8.23)
8月上旬、就労資格のないフィリピン女性2人をパブで雇用したとして、フィリピンパブの韓国人経営者が逮捕されました。ホステスだった女性2人は昨年12月に入国。「集団レイプの被害に遭った」と主張して、名古屋入管に対して難民認定申請中でした。現時点においても、「偽装難民」は少なからず生息しているようです。マスコミでは、難民問題を巡る欧米における混迷を嘆いたり、難民支援に好意的な主張が目立ちますが、日本の入管が気にしている気配はありません。・・・
Vol.230 解説者は気楽でいいですね(2018.22)
外国人労働者の受入増に反対する論者たちは、自ら闘いのリングに上がることなく、お気楽な解説を垂れ流します。一部の大学教授たちは、「人口減少は生産性を向上させる」「国際競争力のない産業は淘汰させて、輸入で代替すればよい」などと主張。その主張が正しいとすれば、日本の大学は、国際競争力がない業界の代表格ですから、まずは大学を淘汰すべきでしょう。テレワークで対処すべきと語る論説委員は、自ら指揮を執って革新的な新聞社になり、お手本を見せるべきです。・・・
Vol.229 入管に対して実力行使?(2018.8.21)
安倍政権が打ち出した新たな「外国人労働者受け入れ策」を巡って、百家争鳴の状況になっています。そうした議論や報道が、建設的で具体的な政策論の醸成につながっていけばよいのですが、8月16日の夕方、27歳の日本人男性が、トラックを運転して東日本入国管理センターの敷地内に侵入。中央ホールの自動ドアのガラスを割るという事件が勃発しました。警察に出頭した容疑者は、建造物侵入や器物損壊などの疑いで逮捕されましたが、動機は報道されていません。・・・
Vol.228 移民政策はウソだらけ?(2018.8.20)
安倍首相は「移民政策はとらない」という呪文を唱えています。「移民」を「入国の時点で永住権を有する者」と定義し、「移民政策」を「国民人口に比して一定程度のスケールの外国人、その家族を、期限を設けることなく受け入れることで国家を維持していく政策」だと説明していますが、国連では「通常の居住地以外の国に移動し、少なくとも12か月間当該国に居住する人」のことを指し、EUでは「3か月以上EU圏内に留まるEU市民権を持たない人」と定義しています。・・・
Vol.227 インバウンドに喝を入れる!(2018.8.17)
和歌山県の高野山は、年間140万人が訪れる名所ですが、米国出身の僧侶が、宿坊を利用した外国人客がネットに書き込んだコメントに「喝」を入れ、話題になっています。「スタッフの対応が素っ気なかった」という批判に対し「何のためにここに来たんだ」と反論。「出されたベジタリアンフードは変な味だった」というコメントには「それは日本の精進料理なんだよ。F●CK YOU」と回答。観光客のマナーの悪さに辟易としていた人々の気持ちを代弁した面もあるかもしれません。・・・
Vol.226 犯罪はベトナム人が格上?(2018.8.16)
在日ベトナム人の数は約26万人で、外国人全体の10%程度に過ぎませんが、外国人犯罪の3割をベトナム人が占めています。2017年に全国の警察が検挙したベトナム人の犯罪は5140件と前年から約6割増え、国籍別で中国人を抜いてトップになりました。この5年間で見ると3.5倍の急増。73万人いる在日中国人を凌駕するのですから、驚異の犯罪率です。ベトナム人に人気のSNSを見ると、犯罪絡みのアルバイトが多数掲載されています。月6万円前後で窃盗する実行役を募集したり・・・
Vol.225 移民はプラスかマイナスか?(2018.8.15)
福岡市が留学生を受け入れる経済効果は年間230億円だそうです。屋台の効果は53億円で、福岡マラソンは25億円と言いますから、福岡マラソン10回分のプラス効果。外国人問題を語る際には「労働力」の観点が強調されがちですが、「消費者」や「納税者」の側面を無視することはできません。西欧15カ国の分析結果でも、「移民」は移住から5年以内に受け入れ国の経済にプラスに働くという結論が得られています。・・・
Vol.224 在留カードは預かってよい?(2018.8.14)
8月1日、保有していた「在留カード」とキャッシュカードの名義が異なっていたため、あるベトナム人男性は、他人名義のキャッシュカードを譲り受けた疑いで逮捕されましたが、その後の捜査で、誤認であったことが判明。釈放された後、自分の「在留カード」を携帯せず、他人の「在留カード」を提示したとして、改めて逮捕されました。「在留カード」の不携帯は入国管理法違反であり、罰金刑(20万円以下)に相当します。現場で問題となるのは、「在留カード」を預かることの是非。・・・
Vol.223 シンガポールを真似できるか?(2018.8.13)
シンガポールでは、「少子高齢化」が社会問題となっています。2015年時点で17.9%という60歳以上の人口割合は、2050年には40.4%になると予測されています。出生率は1.24ですからかなり深刻です。東京23区とほぼ同じ面積の中に人口が561万人。外国人を受け入れて成長することを基本方針としており、労働人口の3分の1を外国人が占めています。女性の外国人ヘルパーが妊娠したり、工事現場の外国人労働者が怪我して働けなくなったら在留できなくなります。・・・
Vol.222 外国人起業家は増える?(2018.8.10)
マスコミでは、「外国人起業家を呼び込んで日本経済を活性化する」という話がよく出てきます。ゲーム・アニメの翻訳や日本文化の紹介サイトの運営を手掛けるスペイン人社長やレストランでの食事代の一部を寄付するサービスを提供するベトナム人社長、ECサイトを運営するウクライナ人社長、翻訳のクラウドソーシングを商う米国人社長、資産管理アプリを開発するオーストラリア人社長、eラーニングサービスに特化した中国人社長など、魅力的な起業家たちが紙面を飾ります。・・・
Vol.221 『技能実習』が『留学』に勝つ?(2018.8.9)
7月になって、文部科学省の科学技術・学術政策局長と国際統括官が収賄罪容疑で立て続けに逮捕されました。一つだけ明らかなことは、文部科学省の影響力が極めて弱いものになるということです。本来であれば、今秋の国会で「日本語教育推進基本法」が成立することに伴い、「日本語教育」の所管省庁として、大学・専門学校だけでなく、日本語学校を含めて牛耳る予定だったのに、法務省が「入管庁」を新設して、文部科学省の権益をごっそり持っていきかねない状況になっています。・・・
Vol.220 外国人を戦力化できるか?(2018.8.8)
経済学者やエコノミストなら、「日本人が減る以上、外国人材を受け入れるべきだ」と唱えるだけでよいのですが、外国人を雇う経営者は、雇う以上、戦力化しなければなりません。外国人は、厳然たる事実として「日本的な企業文化」を共有していません。教育や研修や選抜によって文化を共有できる外国人のみを受け入れるという選択肢はなくはありませんが、実務的には、明文化した「自社の企業文化」を採用時に提示した上で「異文化を受容する」という方向に舵を切らざるを得なくなります。・・・
Vol.219 日本が食い物にされる?(2018.8.7)
日本に大量の外国人を受け入れるということになると、良くも悪くも、様々な問題が続々と表面化してきます。というのは、日本における現行の諸制度が「日本には日本人しかいない」という前提で設計されているからです。以前より、「偽装結婚」をして在留している外国人が「遺族年金」を狙っているとか、中国の家族を扶養していることにして税金を軽減しているとか、中国人が中国の病院で出産する場合も出産一時金を支払うのは行き過ぎだ、という話は出ていました。・・・
Vol.218 『老人大国』に未来はある?(2018.8.6)
2025年になると、医療費は現在の42.3兆円から57.8兆円へと膨らみ、健保組合の4分の1は解散の危機に。2030年代になると、3分の1が空き家になり、道路や橋、上下水道がボロボロに。2040年代、大学の倒産や統廃合が続出。大都市でも介護施設や介護サービスが不足していきます。2060年には高齢者が約4割。国民の8人に1人が認知症に。和歌山県や北九州市の人口が毎年消えていきます。そんな状況下、10年後の「日本」について中学生や高校生に尋ねてみると6割超が「不安」。・・・
Vol.217 『入管庁』に格上げする?(2018.8.3)
政府は、法務省入国管理局を「入国管理庁」に格上げすることを検討しています。日本語教育や医療面での支援もあると説明されていますが、「受け入れを増やすからこそ、入国管理を強化したい」という想いがビンビン伝わってきます。中国は、今年3月、「国家移民管理局」を立ち上げ、基本方針として「サービスの最適化」を掲げています。韓国は、今年5月、「管理」という単語がマイナスのイメージを与えるとして、「出入国管理事務所」を「出入国・外国人庁」に名称を変更しています。・・・
Vol.216 行政書士が職業を紹介?(2018.8.2)
外国人の紹介や派遣のマーケットが拡大しているので、新規業者が多数参入しています。市場が活性化することは良いことなのですが、問題はコンプライアンス。外国人の紹介や派遣は、職業安定法・労働者派遣法・入国管理法という難解な法令の連立方程式を解いていく作業です。例えば、「副業で30万円以上稼いでいる講師もいる」として4000人の外国人が登録している「フラミンゴ」。講師と顧客の契約をアレンジしているだけという立場なのでしょうが、入国管理法違反に抵触しています。・・・
Vol.215 子供の出生数は半減した!(2018.8.1)
今年1月1日現在の日本人の人口は、前年より37万人少ない1億2521万人でした。人口減少は9年連続で減少幅は過去最大。人口37万人と言えば、長野市・豊橋市・高崎市とほぼ同じですから、この規模の都市が1年で消滅するインパクト。さらにショッキングなのが出生数。昨年よりもさらに減少して95万人。1971年の日本では年間200万人が生まれていましたから、この50年弱で半分以下になっています。出生数半減という「悲惨な現実」を見れば、放置して何とかなる状況とは思われません。・・・
Vol.214 マイナンバーで摘発する!(2018.7.31)
安倍政権は、外国人労働者の大幅受入れに舵を切りましたが、「入管や警察による入管法違反の摘発が緩むのではないか」と期待すると痛い目に遭います。実際、「骨太の方針」には、自民党の一部から治安悪化の懸念が出たことを踏まえて、「法務省、厚生労働省、地方自治体等が連携の上、在留管理体制を強化し、不法・偽装滞在者や難民認定制度の乱用・誤用者対策等を推進する」という一文が加えられました。また、当局者の意向を反映した新聞記事を見れば、「管理強化」のオンパレードです。・・・
Vol.213 外国人との共生は可能か?(2018.7.30)
安倍政権は、外国人労働者の大幅受入増を決定しました。総じて賛成論が多いものの、「外国人との共生」に関しては、準備不足や懸念を表明する向きが多いのも事実。「仲介業者による中間搾取を防ぐ仕組みの整備、日本語学習や医療面の支援なども必要だ」「外国人を一時的な労働者とみなしての受け入れは禍根を残す」などの意見に対して真摯な回答が求められます。また、「人として受け入れる」のか「労働力として使う」のかという大きな政治判断が求められています。・・・
Vol.212 トランプ大統領は不人気?(2018.7.27)
日本においてトランプ米大統領は「悪役」です。トランプ氏の支持者はほとんどテレビに出てきませんし、ポジティブに評価する専門家にもお目にかかりません。流されてくるニュースはネガティブな内容ばかり。ところが、直近の世論調査によると、トランプ大統領の支持率は45%と就任以来最高になったと言います。マスコミ情報を鵜呑みにするのは危険です。「米キニピアック大による世論調査」に関する7月5日の報道を例に取りましょう。時事通信と共同通信のニュースが対照的です。・・・
Vol.211 攘夷派の反撃が始まる!(2018.7.26)
安倍政権は「外国人労働者の受入拡大」に踏み切りました。世論は、総じてポジティブですが、攘夷派はいずれ反撃に出ます。現時点の反対論は、「すぐ外国人労働者に頼るのは安易だ」「人口減少対策として外国人に依存するのは問題の先送りだ」「根本的な問題は解決しない」という「問題は解決しない論」と、「移民受入は実質賃金を引き下げる」「移民を入れると企業の生産性が上がらない」「人手不足だからこそ労働生産性が上がる」という「人手不足は受容すべき論」が主流。・・・
Vol.210 経産省が受入拡大に走る!(2018.7.25)
安倍政権が6月15日の「骨太の方針」に「一定の専門性を有し、即戦力となる外国人材に関し、就労を目的とした新たな在留資格を創設する」と明記したことを契機に、様々な業界が動き出しました。どうも、当初報道されていた建設、農業、介護、造船、宿泊の5分野では収まりそうにありません。マスコミは、「食料品製造、鋳造、金属プレスなどを追加する見込み」「非製造業では漁業などを念頭に置く」「サービス業など業界が求める分野については幅広く対象にしていく」などと報道。・・・
Vol.209 ブローカーは信じちゃいけない(2018.7.24)
月に不法残留のベトナム人を白馬村のホテルに斡旋したとして理容業を自営していたブローカーが逮捕されましたが、別の容疑で今月再送検されました。その容疑とは2016年12月にベトナム人労働者の「在留カード」のコピー1通を改変し本物と装ってホテル関係者に提出し行使したというもの。在留期間や許可年月日等を偽造していたようです。このブローカーから紹介を受けて働かせていた白馬村のホテルの会社役員2人も「在留カード」の実物で身分確認をしていなかったとして送検されました。・・・
Vol.208 「移民大国」の自覚を持て(2018.7.23)
「特定技能」による外国人労働者の受入拡大が打ち出される3ヶ月前、70人を超える自民党議員が参加し、「地域の農林水産業振興促進議員連盟」が発足。会長に就任した竹下亘・自民党総務会長は、その時点ですでに、「農業の将来を考えると、移民政策も含めて国会でも議論し、国民のコンセンサスを確立する必要があります。今は実習生として受け入れていますが、このままでいいのか。放置しておくと不法就労が増えます。外国人ゼロではもう農業はやっていけません」と断言していました。・・・
Vol.207 韓国で「偽装難民問題」!(2018.7.20)
いま韓国は、「難民問題」で大騒ぎになっています。内戦下の中東イエメンから大勢の亡命希望者が来韓。「韓国のハワイ」として知られるリゾート地・済州島がビザ不要だったため、LCCの直行便があったマレーシアを経由して殺到しました。ノービザで入国した後に難民申請すると審査期間中は滞在できます。難民認定されなくても訴訟すれば最長3年の滞在が可能になるので、日本の「偽装難民問題」に類似した現象が突如沸き起こったのです。外国人排斥派の韓国人の怒りが爆発します。・・・
Vol.206 芋蔓式捜査でブローカーも・・・(2018.7.19)
7月3日、外国人技能実習生を受け入れる監理団体幹部による不法就労斡旋事件で、ネパール人夫婦を幹部に紹介したとして、千葉県市川市のネパール人派遣社員が入国管理法違反(不法就労斡旋)の容疑で逮捕されました。「技能」の夫と「家族滞在」の妻を監理団体に紹介し、毎月、監理団体から1人あたり月5000円の報酬を受け取っていたほか、夫婦からも8万円の謝礼を受領していました。この事件は、昨年11月、不法就労で逮捕されたタイ人男女3人が切っ掛け。・・・
Vol.205 「特定技能」と「技能実習」(2018.7.18)
政府が6月に公表した「骨太の方針2018」の目玉は、外国人労働者の受け入れを拡大する新しい在留資格「特定技能」ですが、報道内容を精査すると、「技能実習」の延長として設計される可能性が高く、仕上がりが心配です。というのも、「技能実習」の実態を見ると、実習計画にない除染作業をさせたり、月給6~8万円で200時間を超える時間外勤務をさせて300万円の賃金を未払いしたり、残業をさせて計画倒産したり。耐えられなくなった技能実習生は、職場から失踪して、犯罪に手を染めます。・・・
Vol.204 欧州は移民とともに漂う(2018.7.17)
EUが、難民問題で大揺れに揺れています。特に6月中旬から月末にかけては、これまでにないほど緊張感が高まりました。100万人を超える難民が押し寄せた2015年の難民危機を切っ掛けに、極右政党が勢力を増し、各国において反移民・反難民の政権が誕生しています。イタリアの新政権は、誕生するや否や、難民流入を阻止するための実力行使に出ます。地中海を渡って、イタリアに上陸しようとする難民を乗せた救助船の入港が拒否されると、EUが右往左往し始めます。・・・
Vol.203 入管は裁判所よりも偉い!(2018.7.13)
2007年8月、難民認定を求めて入管を訴え、2011年3月に勝訴が確定したスリランカ人男性が、改めて難民申請したところ、再度不認定になったため、2015年8月に2回目の訴訟を起こしました。この男性は、少数民族のタミル人。政府軍との内戦で、義兄が殺されただけでなく、政府から反政府武装勢力に協力しているのではないかと疑われたため、2006年秋にやむなく出国。兄や妻・次女は他国で難民認定されています。結局、東京地裁による7月5日の判決においても彼が再び勝訴しました。・・・
Vol.202 大学院に行っても無駄?(2018.7.12)
日本人にとって、大学院(特に文系)というのは、学界を目指す人か、社会に出たくない人というのが相場なので、大学院に行っても年をとるだけで「就職に有利になる」という話はほとんどありません。ところが中国は逆で、学業成績が良い大学生は大学院を目指すのが当たり前。中国では文系・理系を問わず、大学院卒の方が就職に有利なので、就職のために大学院を目指すので、大学院入試も大学受験並みに競争が激しいようですが、日本の大学院は不人気なので「ガラガラ」の状態。・・・
Vol.201 その結婚は本物か偽物か?(2018.7.11)
7月3日、店で働く外国人女性に「偽装結婚」をさせたとして、フィリピンパブの経営者が逮捕されました。日本人男性に報酬を与えて婚姻届を出させ、「日本人配偶者」の在留資格を取らせたのです。入管は、この手の「偽装結婚」を見破るため、同居の有無をチェックします。問題は本当の「結婚」で別居している場合。ある中国人女性は「偽装結婚」の疑いで逮捕されましたが、不起訴処分になりました。しかし、寝室が異なることを理由に、入管は在留期間の更新を認めず、強制退去処分に・・・
Vol.200 知らなかったことにすればいい?(2018.7.10)
週28時間を超えて、ベトナム人留学生3人を自身の経営するホテルで清掃業務等に就かせたとして、ラブホテルチェーン「ファイン」の運営会社会長ら役員3人が逮捕されました。会長は、「留学生の労働時間に上限があるとは知らなかった」と容疑を否認しましたが、社員らは容疑を認め、会長から「法律を知らなかったことにしろ」と口裏合わせを指示されたようです。週85時間も勤務していた留学生もいたようですが、そもそもラブホテルでの清掃業務に留学生を従事させた時点で違法です。・・・
Vol.199 サッカーは外国人枠を撤廃?(2018.7.9)
スポーツは「社会の縮図」です。日本社会に「在留資格」があるように、スポーツにも「外国人枠」があります。「日本人選手を強化するために、外国人枠を撤廃せよ」と説く開国派と「外国人枠が緩和されたら、日本人の出場機会がなくなる」という攘夷派の論争は、「日本経済のために外国人労働者を受け入れよ」と説く開国派と「外国人を受け入れたら、日本人が働く職場が奪われる」という攘夷派の論争と瓜二つです。そんな中、サッカー界では、「外国人枠」撤廃の動きが表面化。・・・
Vol.198 ドイツも難民政策で揺れる(2018.7.6)
独メルケル政権が、難民問題で揺れています。メルケル首相率いるキリスト教民主同盟は、キリスト教社会同盟(CSU)と半世紀以上統一会派を組んでいるのですが、CSUが離脱しかねない政局になっています。CSUは、バイエルン州の保守政党なのですが、難民排斥を唱える極右政党「ドイツのための選択肢」が台頭。10月に控える州議会選挙で大敗する危険性を感じたCSUは、内相を務めるゼーホーファー党首が、一部難民を国境で送り返すという方針を打ち出し、メルケル首相と激しく対立します。・・・
Vol.197 コンビニは本当に単純作業?(2018.7.5)
外国人留学生がいなければ、コンビニは24時間営業を維持できません。全国のコンビニでは、留学生が4万人働いており、東京の深夜帯だと6~7割の店舗で外国人が就業しています。本来、留学生は「勉強」が本文であり、「就労」することは不可。アルバイトは「裏口=資格外活動」で特別に認められています。世界に通用する日本の製造業を代表するのがトヨタなら、日本の非製造業を代表するのはコンビニ。しかし、そのコンビニを支えているのが、「裏口入学の留学生」だとすれば悲しい限り。・・・
Vol.196 弁護士が偽装難民を指南?(2018.7.4)
世界の難民が過去最高の6850万人になりました。しかし、世界中で排外的な動きが目立ちます。難民に厳しいのは、米国のトランプ大統領だけでなく、欧州でも反難民の勢力が力を増しています。ハンガリーでは、難民支援を「犯罪」とする法案まで準備しました。かくいう日本も入管が排斥の旗を振っています。2017年は、過去最高の2万人が難民申請しましたが、認定したのは20人。満足しない入管は、就労目的の「偽装難民」を排除するために、今年1月にさらなる厳格化策を導入しました。・・・
Vol.195 国家でも親子は引き離せない(2018.7.3)
トランプ米政権が、5月に不法入国者の親子を分断してしまう「ゼロ・トレランス」(不寛容政策)を発表してから、2000人以上の子どもたちが移民の親から引き離されました。これに対し、「家族を引き離すな」「親子分断は子供の虐待」と抗議するデモが全米各地で発生。党派を超えて反対の輪が広がり、メラニア大統領夫人ですら支持できないことを公表。多くの州知事が国境に州兵を派遣する大統領令に造反し、航空会社も子どもたちの移動に協力できないと公言するなどの大騒動に。・・・
Vol.194 民泊から攘夷が始まる?(2018.7.2)
安倍政権は、2025年までに外国人を50万人受け入れることを決めました。この報道を聞いて、「日本は外国人に優しくなる」と予測するのは早計です。実際は逆で、これから日本は外国人に対して厳しくなるでしょう。外国人の受け入れに反対する「攘夷グループ」は、これから「外国人はこんなに悪いことをする」という主張を声高にするようになります。日本人は、旅行客として一時的に日本を訪れる外国人にはとても優しいのですが、いざ日本に住むとなると、少なからぬ人たちが拒否感を示します。・・・
Vol.193 外国人なしには成り立たない(2018.6.29)
「首都圏の台所」である茨城県の現場で、出荷作業をしているのは高齢者と外国人。「農家の平均年齢は70歳。ほとんどの農家に実習生がいる。実習生がいなければ農業は続けられない」という声も。農業に従事している外国人の割合は、30代では約6人に1人、20代では約2人に1人に達しています。広島県は全国一の生産量を誇るカキの産地ですが、担い手不足が深刻な20代~30代では、漁業従事者の約2人に1人が外国人。高知県で伝統のカツオ1本釣りを担う3人に1人は外国人ともいいます。・・・
Vol.192 学校が違法労働に加担する?(2018.6.28)
昨年、学校関係者の間で話題になった動画があります。動画には、教室の後ろで留学生10数人が集まり、ポーカー賭博に興じている様が映っていました。教室の前方では授業が行われているのですが、机の上には1000円札や小銭が無造作に置かれていて、前を向いて授業を聞いているのは女子生徒1人だけ。これじつは、ある専門学校の授業風景なのです。日本語学校では、出稼ぎ目的の「偽装留学生」が横行しており、「学校が違法労働に加担している」と糾弾しているジャーナリストもいます。・・・
Vol.191 一蘭は中国で処罰されるか?(2018.6.27)
中国の刑法は、犯罪行為を「質」と「量」で捉えます。「質」とは「何を犯罪とするか」という構成要件のことで、「量」とは社会に与える影響(盗んだ金額や行為の悪質さ)を指し、「質」と「量」が揃って初めて「犯罪」になります。中国では、「法律違反=犯罪」ではなく、お金を盗んだとしても少額だと「犯罪」にならないのです。一方、日本の刑法は「犯罪」を「質」だけで捉えますから、何をしたかだけで「犯罪」かどうかが決まり、「量」は関係ありません(量刑の部分で情状酌量はある)。・・・
Vol.190 入管は3000円でも許さない!(2018.6.26)
東京入国管理局成田空港支局で勤める20歳の男性職員が、同僚の財布から現金を盗んだ容疑で逮捕されました。成田空港内にある職員用の男子更衣室で、ロッカーにあった同僚職員2人の財布から3000円を盗んだ疑いが持たれています。入管側から被害届があり、警察が防犯カメラの映像を確認したところ、犯行の様子が映っていたようです。入管職員による盗みは確かにニュースですが、3000円が見当たらないだけで、入管が大騒ぎしたという事実のほうがもっと驚きでした。・・・
Vol.189 治療目的で留学する?(2018.6.25)
安倍政権は、単純労働を賄うために50万人の外国人労働者を追加で受け入れることを決断しました。これからは、「攘夷グループ(外国人排斥派)」から、外国人を受け入れた場合のマイナス面が強く喧伝されるようになります。例えば、訪日外国人による医療費不払い問題。けがや病気で病院を受診した外国人患者が医療費を支払わない事案が続出しています。外国人患者を受け入れた病院のうち35%で医療費未払いが発覚しており、かなり高額に上っているケースもあります。・・・
Vol.188 イタリア新政権でEUが瓦解?(2018.6.22)
ヨーロッパが揺れています。10日に、地中海を渡り欧州に向かう難民ら630人を乗せた船の入港をイタリアのサルビーニ副首相が拒否。11日にスペインが人道的な見地から同国への入港を認めると、サルビーニ氏は「イタリアの勝利」と勝ち誇りました。これに対し、仏のマクロン大統領が12日に「イタリアは責任感が欠如している」と批判すると、イタリアは13日に予定されていた経済財政相の訪仏を取りやめ、15日に予定されていた仏伊首脳会談の中止も示唆。難民問題の深刻さを物語る出来事でした。・・・
Vol.187 地震で外国人が強盗する?(2018.6.21)
6月18日、大阪府北部で震度6弱を観測した地震の後、「在日外国人の窃盗・搾取・強盗にはくれぐれもご用心を」とか「外国人って地震に慣れてないから、真っ先にコンビニ強盗始めるか、空港に殺到するようです」などのデマがSNSに投稿されました。大阪府が「未確認の情報をむやみに拡散しないで」と呼び掛けるなど一騒動になりましたが、こうした差別的な投稿を非難する声も相次ぎ、「大きな地震や災害が起きると差別主義者がデマを流すのでご注意を」などの投稿があったことは救いでした。・・・
Vol.186 芋蔓式捜査は有効で迅速!(2018.6.20)
6月12日、不法残留のベトナム人4人を清掃員として働かせていたとして、横浜市で派遣会社を営む会社役員が入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕・送検されました。捜査の発端は、5月24日午後、北海道警察が、倶知安町内のスーパーで万引した疑いで、ベトナム人男性を任意で聴取したこと。捜査の過程で、ホテルで働く従業員の寮として使われていた一軒家に出入りしていた外国人の集団を発見し、5月26日に、ベトナム人男女14人を現行犯逮捕しました。・・・
Vol.185 アベノミクスは賞味期限切れ?(2018.6.19)
「骨太方針」には、2019年10月の消費税率10%引き上げによる景気の落ち込みを回避するための対策が明記されました。安倍政権は、「それほど景気は良くない」という現実を認識しているのだと思います。2018年1~3月期の国内総生産(GDP)は、実質で前期比▲0.2%。2015年10~12月期以来、9四半期ぶりのマイナス成長でした。野菜やガソリンなど身の回り品の値上がりで個人消費が低調。生活実感に近い名目GDPを見ると▲0.4%、年率で▲1.5%の惨憺たる状況です。・・・
Vol.184 不法就労助長は摘発される!(2018.6.18)
神奈川県では、中国人の在留期間を延長するため虚偽の申請をしたとして、虚偽申請の疑いで、会社役員男性、その長男の行政書士、次男の会社役員が逮捕されました。昨年8月、東京入国管理局に虚偽の書類を提出し、中国人女性の在留期間を1年間延長させたというのです。中国人女性は「報酬と毎月の手数料を渡していた」と供述しており、容疑者が役員を務めるペーパーカンパニーで雇用している体裁を取り繕い、入管に虚偽申請する手口によって、47人から計700万円の報酬を得ていたようです。・・・
Vol.183 「特定技能」で一体どうなる?(2018.6.15)
安倍首相が「一定の専門性・技能を持つ即戦力の外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを早急に構築する」と宣言し、「特定技能」の新設が決まりました。50万人超の外国人労働者を受け入れる改革を評して、「ベルリンの壁が崩壊した」という声も。就業している留学生(26.0万人)と技能実習生(25.8万人)を合わせた規模の人数(就業者の約4割)を数年間で受け入れるというのですから、大胆な政策であることは間違いありません。ただし重要なのは、制度の中身です。・・・
Vol.182 入管と文科省の闘いが始まる(2018.6.14)
国内で生活する外国人に対する日本語教育の充実を目指す「日本語教育推進基本法」が制定される流れになりました。国と地方自治体に対して日本語を教育する責務を負わせた画期的な法律です。とはいえ、上述した美しい政策理念はともかくとして、入管にとって、この法律は頭痛の種。現在入管は、「留学ビザ」の権限を一手に握っているため、法律上「私塾」の扱いにすぎない日本語学校を支配下に置いていますが、この牙城に、文部科学省が挑戦してくるかもしれないからです。・・・
Vol.181 特定技能試験は利権になる(2018.6.13)
日本政府は、在留資格「特定技能」を新設して単純労働を担う外国人を受け入れるようですが、この政策は、日本の入国管理政策に物凄く大きな変化をもたらします。というのは、「特定技能」の許可を得るためのハードル(日本語試験と技能試験)がものすごく低いからです。日本語能力の基準は原則、日本語能力試験の「N4」。建設と農業については、「N4」すら求めません。「除草剤を持ってきて」という質問に該当する写真を選択できればOKというのですから試験などないも同然。・・・
Vol.180 偽造カードの社員を派遣?(2018.6.12)
愛知県知立市の人材派遣会社の社長が、不法滞在のベトナム人3人を自動車部品製造工場などに派遣していた容疑で逮捕されました。3人のうち1人は、3月下旬、愛知県豊田市内で職務質問されたときに不法残留容疑で現行犯逮捕され、残り2人も同様に逮捕されたのですが、3人のうち2人は「偽造在留カード」を持ち、1人は他人名義の「在留カード」を所持していました。このため、当社長が、ベトナム人3人が不法滞在と知りつつ、彼らを雇って派遣したのではないかと疑われているのです。・・・
Vol.179 それでも技能実習が好き?(2018.6.11)
三菱自動車が2016年以降、岡崎製作所で受け入れたフィリピン人技能実習生65人のうち33人を実習内容とは異なる仕事の現場で働かせていたことが明らかになりました。溶接技能の習得が目的であったのに、車体の組み立てや、実習計画より簡易な溶接を日常的にさせていたようです。提出した実習計画は完全な虚偽。法務省が厚生労働省と調査に入ることになりました。そして、三菱自動車と同じような虚偽事件が日産自動車でも発覚しました。技能実習の現場は、あまりにも杜撰で悲惨で欺瞞です・・・。
Vol.178 反移民が世界中に拡散?(2018.6.8)
イタリアで反移民政権が誕生し、スロバキアでも反移民を掲げる野党が第1党になりました。フランスは、不法入国に対して禁錮1年の処罰を導入する厳格な移民法案を検討しています。オーストリアでは、難民申請者に対し、携帯電話を当局に引き渡すとともに、最高840ユーロ(約11万円)の支払いを義務付ける法案を閣議決定しました。伝統的に「多文化主義」を掲げるオーストラリアでも、以前はタブーであった移民制限論が表面化し、実質的に年間の受け入れ枠を縮小しました。・・・
Vol.177 入管は外国人を虐待する?(2018.6.7)
大阪入国管理局で職員に押さえつけられた際に右腕を骨折したとして、収容中のトルコ人男性が、国に450万円の損害賠償を求めて提訴しました。2017年7月、鎮痛薬の服用時に確認のため口を開けさせようとした職員の態度に腹を立てた男性が本を壁に投げつけたところ、職員7~8人が男性を別室へ連行し、転倒させて右手をひねり上げ、後ろ手に手錠をかけられ押さえつけられたというのです。男性が激しい痛みを訴えたところ、病院に搬送されて右上腕骨折と診断され、2日後に手術を受けました。・・・
Vol.176 偽造在留カードが1500枚!(2018.6.6)
茨城県警は、偽造在留カードを提供したとして、中国籍とベトナム国籍の男女15人を逮捕しました。首謀者とみられる中国人は約1400万円の収益を得たようです。オーバースティの外国人から、ブローカーを通じてSNSで注文を受けると、顔写真を付けて中国国内の工場に発注し、国際宅配で受け取っていました。偽造カードの大半は、就労制限のない「定住者」。1枚あたり5,000円~20,000円で30人近くのブローカーが売り捌き、茨城県内だけでなく栃木や神奈川など11都府県で販売されました。・・・
Vol.175 「特定技能」は筋が悪い?(2018.6.5)
安倍政権は、最長5年の「技能実習」を終えるなどした外国人が、さらに最長で5年就労できるように、「特定技能」という在留資格を新設する方向を打ち出しました。外国人労働者の本格拡大に舵を切ったと見てよいでしょう。しかし、「技術移転を通じた国際貢献という建前もかなぐり捨て、労働力確保のためのなりふり構わぬ制度案」とか「10年間、家族の呼び寄せも認めず、その後の永住申請も認めない。労働者の人権保障も多文化共生も考慮しない」という批判が湧きおこっています。・・・
Vol.174 不法就労対策キャンペーン!(2018.6.4)
タクシー会社「日の丸交通」が外国人ドライバーを増員しています。11カ国出身の23人が在籍し、今後も積極採用の方針です。同社社員でポーランド出身のファビオラさんは、マスコミの露出度も高いのですが、在留資格はおそらく「永住者」。その場合、何も問題は生じません。乗務員業務は単純労働とみなされて、「技術・人文知識・国際業務」の許可が困難なので、他の外国人社員は、「観光業務に従事する高度人材」として「国際業務」の在留資格で申請しているはず。・・・
Vol.173 台湾は移民政策に踏み込む(2018.6.1)
5月15日、台湾は「新経済移民法」の草案を公開し、「高い専門性を持つ外国人」のみならず、「中程度の技術水準を持つ外国人」を受け入れ、年間183日以上7年間台湾に居住すれば永住ビザを認めるという方針を示しました。「中程度の技術水準を持つ労働者」は、「技術者や高度プロフェッショナル従業員の補佐、機械操作、組み立てなどに従事する労働者」を意味し、12万人不足しているとされていますが、受け入れる際の月給の下限を上位70%の水準に設定しました。・・・
Vol.172 除染作業は「技能実習」?(2018.5.31)
ベトナム人の技能実習生が、原発の除染作業に携わっている実例が続々発覚しています。ベトナムには原発自体が存在しておらず、「日本の技術を移転する」という大義名分が全く当てはまらない業務です。その上に搾取するのですから最低最悪。原発事故による帰還困難区域での建物解体工事に従事した技能実習生には1日あたり6600円の危険手当が支払われるはずなのに、1日あたり5000円近くピンハネされ、累計で160万円も搾取されていました。しかも、賃金台帳が改竄されていたというのです。・・・
Vol.171 人口減少を放置するのか?(2018.5.30)
2017年10月1日時点の日本人は、前年より37.2万人少ない1億2465万人となりました。年間減少数は過去最大です。外国人(206万人)を含む総人口でも▲22.7万人減で、7年連続のマイナス。高齢者比率は27.7%を占め、過去最高を更新しました。人口減が続く地方を見れば、高齢者が過半数の「限界集落」が目立ち、共同生活を維持することが困難化。子供がいなくなり、小学校が閉校し、修繕が必要な橋すら着手できなくなっています。今後は、都市部の高齢化が深刻化してきます。・・・
Vol.170 白馬のホテルで芋蔓式逮捕(2018.5.29)
北安曇郡白馬村のホテルに不法残留のベトナム人の男性2人を従業員として斡旋したとして、入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで、理容業を営む山田治也容疑者が逮捕されました。2人は留学や外国人技能実習で入国したといいます。警察は、この2人を含むベトナム人男女5人を不法残留の疑いで逮捕していましたが、このうちの男性1人を雇った疑いで、ホテルを実質的に経営していた男性を逮捕するとともに、会社役員ら4人を書類送検しました。・・・
Vol.169 外国人が来日すると迷惑?(2018.5.28)
安倍政権は訪日外国人4000万人に向かってひた走っていますが、「負の報道」も増えてきました。民泊の陰の部分や、外国人観光客によるゴミ不法投棄・マナー違反もさることながら、外国人が病院で治療を受けた後に医療費を支払わないケースが多発しているというのは、ただでさえ赤字に苦しむ健康保険を危機に陥れる仕打ちなので、大問題としてクローズアップされるに違いありません。そうなれば、「観光客歓迎=外国人許容」のムードが「外国人排斥」の方向に一挙に反転する危険性もあります。・・・
Vol.168 医療保険で入国制限します!(2018.5.25)
日本滞在中に病気やけがで治療を受けた外国人旅行者が医療費を支払わずに帰国してしまう事例が急増。医療機関の35%では医療費の未払いを経験しており、医療通訳等の費用についても83%が請求していません。また、訪日客の3割が医療費をカバーする旅行保険に未加入という報道もあります。この状況を受けて、自民党のプロジェクトチームは、不払い経験のある訪日客の入国審査を厳格にし、再度の不払いの恐れがあれば入国を拒否する提言案をまとめました。・・・
Vol.167 留学生減で大学が死ぬ!(2018.5.24)
日本の18歳人口は、1966年における249万人(団塊の世代)がピークでした。大学受験者数のピークは進学熱が高まった1992年で、当時の18歳人口は205万人(団塊ジュニアの世代)。ところが、2017年度に18歳人口は120万人とピーク比半減。2018年以降は加速度的に減少し、2024年頃までに大学入学者数(60万人)は1割減、2040年には2割減少して、入学定員が10万人も余剰になるという試算があります。こうなると、大学の死活問題になることは必至。このことを「2018年問題」と呼びます。・・・
Vol.166 ダイバーシティ本番がくる!(2018.5.23)
「ダイバーシティ」とは、多様な人材を巧みにマネジメントすることを意味します。しかし日本企業の場合、強固な「おじさん社会」が形成されているので、「ダイバーシティ=女性活用」という趣旨で語られる場合が少なくありません。そんな日本でもすでに4割近くが外国人と仕事をしており、外国人と関わる機会が今後増えると予測している人が7割もいます。外国人と一緒に働くことについては賛否相半ばしているようですが、IT系のベンチャーでは、社員の過半数が外国人という日本企業も出てきました。
Vol.165 日本商工会議所が吠える!(2018.5.22)
4月26日、日商は、現制度では「単純労働」と見られがちな業務に従事できる「中間技能人材」という在留資格を創設すべきという意見書を公表しました。政府が提唱する「特定技能」よりはマシですが、「単純労働」に外国人を押し込めてしまうという意味で、「悪手」と言うべきでしょう。それよりも、同じ意見書に記されている「わが国の大学等を卒業した外国人留学生が引き続き日本で就労できるよう、卒業生に特化した在留資格を創設」のほうが筋の良い施策です。
Vol.164 ベトナム人は中国人より悪い?(2018.5.21)
2017年における外国人の犯罪検挙件数は、前年から3000件ほど増えて1万7000件余りでしたが、国籍別で見ると、ベトナム人の検挙件数が5140件で前の年の1.6倍に急増し、中国人を抜いて初めて最多となりました。刑法犯の9割近くが窃盗(4割が店舗での万引き)で、グループで見張りや実行役、盗品の運搬役などと役割分担し、ベトナムで人気の高い日本の化粧品や衣料品を大量に万引きして、本国に送るケースが多かったといいます。また、空き巣の摘発が365件(前年12件)と大幅に増加しました。
Vol.163 移民問題で大臣が辞任!(2018.5.18)
4月29日、英国のラッド内務大臣は、「不法移民の国外退去に関して、内務省は目標となる人数を定めていない」と議会に説明していたことが事実と異なることが明らかになったため辞任しました。英首相に対し、数年間で不法移民の10%を退去させる目標を進言していたようです。英国では、カリブ海諸国から移民した人々たちが強制退去のリスクに直面していることが政治問題化。親の旅券で入国し、自身の旅券を持たない一部の子孫らが「不法移民」と誤認されたという問題が浮上していました。
Vol.162 黒塗り報道が報じなかったこと(2018.5.17)
外国人の在留資格を審査する際のマニュアルを法務省入国管理局が開示した際、電子データの「黒塗り」部分が外せる状態だったため、当該情報がインターネット上に流出したことが分かりました。これに対して、上川法務大臣は「誠に遺憾」と述べています。しかし、情報公開法は、「公にすることにより、違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれがあるもの」以外は開示せよと定めています。審査の公平性を担保するためにもすべて公開すべきではないでしょうか。
Vol.161 自民党は移民賛成に傾く?(2018.5.16)
田村憲久元厚生労働大臣が、4月下旬のテレビ番組で、「毎年30万人、40万人、人口がこれから自然減なんですよね。生まれる数と亡くなる数を見ていくと。それをどれだけ外国人でカバーするか、全員その方々を『移民』という形、『永住権』でカバーするというのはナンセンスだと思う。日本人が就かなくなった、または人が足らないという分野に関しては管理をする中で一定期間で帰っていただくという形で回していく方が文化の軋轢があるとかいろんなことは起こらないのではないか」と述べました。
Vol.160 人手不足で企業が殺される?(2018.5.15)
人手不足が深刻化しています。この5年間で求人数は25%増えましたが、求職者は25%減りました。飲食店ではランチをやめたり、開店時間を短縮したり、閉店したりする例が目立ちます。昨年におけるコンビニの休廃業・解散・倒産は206件で最多記録を更新しました。賃上げをしても、その分を価格に転嫁できないため、人手不足が景況感にも影を落とし始めています。ある工務店の経営者は、「このままだと人手不足に殺される」と嘆いています。
Vol.159 入管に通報すれば報償金!(2018.5.14)
入国管理法第66条は、「第62条第1項の規定による通報をした者がある場合において、その通報に基いて退去強制令書が発付されたときは、法務大臣は、法務省令で定めるところにより、その通報者に対し、5万円以下の金額を報償金として交付することができる」と定め、入管に対する通報を奨励しています。ちなみに同法第62条第1項は、「何人も、第24条各号(退去強制事由)の一に該当すると思料する外国人を知つたときは、その旨を通報することができる」としています。
Vol.158 中国が移民管理局を設立!(2018.5.11)
中国は、外国人の滞在・居住・永住や難民管理を担当させるため、公安部の下に「国家移民管理局」を新設する方針を示しました。中国在留外国人は84万8500人(2013年)ですから日本の半分程度に過ぎませんが、その段階で「中国で暮らし、働く外国人が増えてきており、移民管理サービスの需要が高まっている」として、「移民局」を設立する先見性には敬服せざるを得ません。その一方、日本は「移民」を否定しているので、先進国であれば当たり前の組織である「移民省」や「移民局」がないのです。
Vol.157 2人に1人は老人になる?!(2018.5.10)
2045年に秋田県の高齢化率は50.1%に達し、2人に1人が老人になると予測されています。人口は2015年から▲41.2%も減少。青森県▲37.0%、山形県▲31.6%と東北地方の人口減が目立ちます。青森県今別町では7割も人口が減る見通しですが、その上を行くのが奈良県川上村。30年後に人口が8割減となり、1313人の村民が270人にまで減る見込みです。スーパーやガソリンスタンドが出て行ったため、いまは村が主体になって、移動型のスーパーを運営していますが、それも立ちいかなくなるでしょう。
Vol.156 入管なら虚偽も許される?(2018.5.9)
東京入国管理局では、トルコ人男性収容者が虫垂炎の手術後、患部の痛みを訴えたのに職員が約1カ月間、診療を受けさせず放置した上、長期間、医師の診療を受けさせなかった事実を隠すため、手続文書に虚偽の発症日を記載していました。元々虫垂炎を発症した時も、激しい腹痛を訴えたにもかかわらず、職員が「容態観察」として20時間以上、診療を受けさせず、膜炎を併発させました。医療関係者からは「診療が遅れていたら腹膜炎から敗血症になり死に至る可能性もあった」との指摘も出ています。
Vol.155 移民規制で経済が停滞!(2018.5.8)
米国では、IT技術者らが取得する「H-1Bビザ」の発給が厳格化。サンフランシスコのIT企業では、外国人の従業員を積極的に採用する先は8%にとどまり、外国人雇用を減らす企業が33%を占めたため、技術者の4割が米国を去ることを検討。米国経済は大きなダメージを被ると予測されています。EUから離脱する英国では、直近1年間で、EU域内からの純移入者が5年ぶりに10万人を下回り、移民流入を規制すれば、生産および雇用の伸び鈍化につながる可能性が高いとする報告書が公表されました。
Vol.154 新聞配達は不法就労だ!(2018.5.7)
新聞配達の現場では、不法就労が慢性化しているとようです。新聞配達は、留学生の労働力なしでは回らない典型的な職場のひとつ。配達以外に広告の折り込み作業もあり、週28時間以内ではとても終わりません。ひどいのが残業代の扱い。残業代を払うと、「週28時間超」の不法就労を認めたことになるので、「週28時間以内」という制限を逆手に取り、残業代を支払わないのだといいます。技能実習生に関しては、残業代の未払い問題が頻繁に報道されていますが、新聞配達の奨学生もそうだというのです。
Vol.153 airbnbはガサ入れされるか?(2018.5.2)
3月下旬、訪日観光客向けに無許可で送迎する「中国式白タク」に加担したとして、中国の大手配車アプリ「皇包車」を運営する中国企業の関連会社「日本皇包車」を対象に家宅捜索が実施され、道路運送法違反の疑いで同社の前代表が逮捕されました。警察は、アプリ運営会社である「皇包車」と「都市型ハイヤー」の免許を持つ「日本皇包車」の役員が一部重複していることを重視。両社は一体であり、ハイヤーの運転手でない中国男性に配車したことが「白タク行為」にあたると判断したと見られます。
Vol.152 茨城は詐欺師だらけなのか?(2018.5.1)
技能実習が「日本の優れた技術をアジアの若者に伝える国際貢献」であるという建前を本気で信じている人は誰もいません。2017年における技能実習生の失踪は、過去最高の7,089人となりました。ある中国人実習生は、「逃亡する実習生はみんな知っていることですが、茨城は在日中国人の詐欺師だらけです。知人の紹介以外は慎重になったほうがいいです。茨城で騙されたり逮捕されたりは、ほんと多くて悲惨です」と証言しています。つまり、「在日中国人が中国人を陥れる」構造があるというのです。
Vol.151 自治体の半数が消滅する!(2018.4.27)
2010年から2040年の間に若年女性(20歳~39歳)の人口減少率が5割を超える市区町村は全体の半分にあたる896に及び、1万人未満になる523の自治体は消滅の危機に陥るといいます。人口が少なくなると、バスが来なくなり、高齢者は買い物や病院に行けない。病院自体の数が少なくなる。実際、2006年に財政破綻を表明した北海道夕張市では、小学校6校が1校に、中学校3校が1校になり、図書館・集会所・集会施設の大半を廃止しました。200床以上あった市立総合病院は、19床の診療所に変わりました。
Vol.150 中国人が日本人化する?(2018.4.26)
「精日」というネットスラングが中国で話題になっています。「精神的日本人」を指し、「自分は中国人だが精神的には日本人である」と主張する若者を意味するのですが、江蘇省南京市で旧日本軍の軍服を着たコスプレ姿で写真を撮りインターネットに公開した中国人男性が15日間拘留されるなど、旧日本軍の愛好家の行動が物議を醸しています。中国の王毅外相が「精日」のことを「中国人のクズだ!」と罵倒したことで話題になりましたが、国家を侮辱する者を厳罰に処す立法すら検討されています。
Vol.149 移民の議論は始まるのか?(2018.4.25)
経済団体「新経済連盟」の三木谷浩史代表理事は、「移民受け入れの議論を始めるべきだ」とぶち上げ、「移民基本法」の制定を働きかけ、受入目標の設定を求めていく方針を明らかにしました。その半年ほど前、単純労働者を含む非技術的分野の受け入れに関して「検討の場」を早期に設置するよう政府に求めた日本商工会議所は、自由民主党と人手不足の解消が急務だとの認識で一致。高村正彦自由民主党副総裁は「人手不足は経済成長の阻害要因になっている」と応じました。
Vol.148 欧州で反移民が止まらない(2018.4.24)
4月上旬ハンガリーで総選挙が行われ、「反移民」を掲げる与党が大勝利を収めました。中欧、ポーランド、オーストリアで、「反移民」の流れが勢いを増しており、EU内の亀裂が広がる可能性があります。3月のイタリア総選挙ではポピュリズム政党の「五つ星運動」と極右の「同盟」が躍進。ドイツでも極右「ドイツのための選択肢」が最大野党に。フランスでも極右のルペン氏が昨年の仏大統領選で2番手につけました。こうした欧州の動向を例示し、「移民などありえない」と主張する人もいます。
Vol.147 パソナが入管を動かす!?(2018.4.23)
人材派遣のパソナグループは「パソナ総合研究所」を開設。塩崎恭久前厚生労働大臣を招聘し、「専門性の高い外国人高度人材の確保や労働力不足を解消するためにも移民制度を構築すべき」との認識を表明しました。アドバイザリーボードは錚々たる顔触れで、「社会のあり方の変革に向けた“発信”を行ないます」とぶち上げた以上、何か仕掛ける肚でしょう。これまでもパソナは、国家戦略特区の枠組を活用しながら、地域を限定した家事支援や就農に関して、外国人労働者の受け入れを勝ち取ってきました。
Vol.146 戦争難民は難民ではない!(2018.4.20)
内戦が続くシリアから逃れて来日したものの、「難民」と認められなかったシリア人男性が国を訴えましたが、敗訴しました。原告は、「この判決に従えば、世界中のシリア難民が難民と認定されない。化学兵器も使用された。そこから逃げてきた私の状況を全く理解してもらえなかった」と主張しており、弁護士やジャーナリストも「戦乱を逃れて国を離れたシリア人が難民でなければ、だれが『難民』と認められるのか!」と憤ります。気持ちは分かるのですが、入国管理法の条文はそうなっていません。
Vol.145 一蘭摘発は他人事でない!(2018.4.19)
ラーメン「一蘭」の不法就労助長に関する解説記事が経済誌に掲載されました。「永住者」は問題ないとか、「就労ビザ」の場合「活動」が限られているとか、「留学」だと週28時間超はダメという基礎知識を説明した後で、「もし外国人の不法就労が行われた場合、法人や社長だけでなく、現場レベルの責任者も刑事責任を問われる可能性が高い。社長よりも、現場責任者である社員が厳しく刑事責任を追及された事例もある」と警告しました。しかし、この解説では、実際にどう対処すべきか分かりません。
Vol.144 スイスは不法就労者を救う(2018.4.18)
13,000人の不法滞在者を抱えるスイスのジュネーブ州は、2015年秋、長期不法就労者を合法化するという「パピルス・プロジェクト」を立ち上げました。合法化を申請する要件は、経済的に自立していることを証明すること、ジュネーブに連続して10年以上居住していること、基本的なフランス語が話せることなどであり、決して高いハードルではありません。これまでに、不法就労者1,093人が滞在許可証を受け取り、申請却下や国外退去となったのはたった4人だけといいます。
Vol.143 偽装留学生の暴露は続く?(2018.4.17)
佐賀県鳥栖市の日本語学校「日本文化教育学院」で不当な退学処分を受けたとして、スリランカ国籍の男性が損害賠償を求めた訴訟において、原告の男性は、留学前に担当者の女性や同校の理事長らから「仕事は二つできる」「月200時間は働くことができる」と説明されたと主張しました。スーパー玉出、串かつだるま、一蘭などで、週28時間超のアルバイトが発覚して書類送検されており、業界では、「東京オリンピックが来るのだから、建設業界のように特別措置も考えるべき」という声が上がります。
Vol.142 民泊は「悪」で決まりだ!?(2018.4.16)
大阪市は無許可の民泊施設を一掃するため、4月に「違法民泊撲滅チーム」を発足させます。市内の違法民泊は1万室を超えており、大阪府警と連携して取り締まりを強化。改正された「旅館業法」は、「民泊新法」と同時に6月に施行され、無許可営業の罰金が上限3万円から100万円にUP。立入検査の権限も明確化されました。「民泊新法」に対しては、6~7割の自治体が規制条例を作る方針です。住環境悪化を懸念する地元の声の背後の背後には、過剰規制とも言われる「旅館業法」の存在があります。
Vol.141 技能実習生大国を目指す?(2018.4.13)
政府は、最長5年間の「技能実習」を修了した外国人に、さらに最長5年間就労できる「特定技能」という在留資格を与える方針です。技能実習生は「特定技能」と合わせて、最長10年間働き続けられることになります。技能実習制度は既得権益と化しており、多くの政治家がその利権に預かっています。技能実習制度を否定することが難しいことは分かりますが、技能実習制度が「インチキの塊」というのは周知の事実。「ダメなものはダメ」と観念して根本的に改革しなければ、事態は改善されないのです。
Vol.140 欧州で反移民が勢力を増す(2018.4.12)
2018年3月初、イタリアの総選挙において、EUに懐疑的で、移民に厳しい「五つ星運動」が第1党になりました。反EU・反移民を掲げる「同盟」を合わせると、下院の得票率は過半数を占めます。2013年以降、北アフリカからイタリア沿岸へと流入した移民は69万人を超え、貧困率が高まっています。この選挙では、イタリア初の黒人上院議員が誕生しましたが、皮肉なことに反移民を掲げる「同盟」の候補者でした。「差別主義の防波堤となりうる健全で管理された入国管理を支持する」と主張しています。
Vol.139 正規就労が2割未満の現実(2018.4.11)
日本国内で雇用されて働く外国人労働者は127.8万人、外国人を雇用する事業所は19.4万事業所にのぼり、いずれも過去最高を記録しています。日本国内の全就業者のうち約51人に1人が外国人であり、2009年と比較すると約2.2倍の増加になっています。産業別には、宿泊業、飲食サービス業が最も高い依存度(25人に1人が外国人)になっています。他方、これを「在留資格」で見ると、「技術・人文知識・国際業務」など就労を目的とした「就労ビザ」で働いているのは全体の18.6%にとどまっています。
Vol.138 「介護」が大暴れしています(2018.4.10)
「介護」が大暴れしています。まず、「技能実習」の枠内に「介護」を入れました。その上で「在留資格」に「介護」を新設し、5年までの在留を認めて更新可に。これで「永住者」にも変更可能です。さらに、昨年12月8日に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」において、3年以上の実務経験に加え、実務者研修を受講し、介護福祉士の国家試験に合格した外国人には在留資格「介護」を認める方針を打ち出しましたから、帰国前提の「技能実習」で来日した外国人が永住できる道が拓かれました。
Vol.137 難民指南の「日本の母」逮捕(2018.4.9)
愛知県警が年初に入国管理法違反容疑で逮捕したフィリピン国籍のヒガ・ルシア・グアリン容疑者は、就労先を求めて来日するフィリピン人たちの間で「日本の母」と呼ばれていました。難民申請の手続を熟知していたヒガ容疑者は、来日したフィリピン人や中国人、ベトナム人らに難民申請の方法を指南。マンションの住所を提供した上で働き口を紹介し、その対価で稼いでいたようです。ヒガ容疑者のマンションを住所地として難民申請をした外国人は昨年9月から今年2月まででなんと93人もいました。
Vol.136 日本企業数は半減すべきか?(2018.4.6)
生産年齢人口が2015年から2060年までに3264万人減るから、企業数も現在の約352万社から131~204万社に減らすべきと主張するエコノミストがいます。かつて1企業あたりの社員数が25人だったのが、現在16人程度であることを問題視し、最低賃金を引き上げて零細企業を淘汰し、大手に統合すべきと論じます。しかし、「日本では人口減少に伴い需要自体が減るので、作っても買う人がいなくなります」と指摘しておきながら、需要増について語らないのは、エコノミストとして邪道なのではないでしょうか。
Vol.135 国よりも地公体に期待する(2018.4.5)
日本人として生まれても外国籍を取ると日本国籍を失うとする国籍法の規定は憲法違反だとして、欧州在住の元日本国籍保持者ら8人が国籍回復を求める訴訟を東京地裁に起こします。国籍法は「日本国民は、自己の志望によって外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」として、二重国籍を認めていません。このため、二重国籍となった場合、22歳までか取得後2年以内の国籍選択が義務づけられています。現在の日本の法制は、人々が国境を越えるようになっている「現実」に対応していません。
Vol.134 派遣会社は確信犯なのか?(2018.4.4)
静岡県焼津市の人材派遣会社と社長夫婦が、就労資格のないフィリピン人を水産加工会社に派遣したとして不法就労助長の疑いで書類送検されました。日本有数の水揚げ量を誇る焼津においても水産加工業の人手不足は深刻で、派遣会社の男性社長は、「働かせれば働かせるほど利益になる。法律違反と分かっていたが利益を優先させた」と供述したといいます。この事件が発覚したのは、派遣されていたフィリピン国籍の男女8人が就業していたことがバレたのが発端。8人のうち6人が「偽装難民」でした。
Vol.133 将来への不安を解消せよ!(2018.4.3)
マスコミでは、「景気は良い」という論調が未だに主流ですが、安倍政権が求めている「3%の賃上げ」は実現できず、実質賃金は▲0.9%。これでは、誰も「手元にお金が増えた」とは感じません。売るほうも買うほうも価格にはシビアです。最大の要因は「将来への不安」。誰もが自分の生活に手一杯で、企業も将来の業績悪化を懸念しています。若者の約6割が「将来のことを考えると、今、お金を使うこと全般に積極的になれない」と答える中で、各企業も明るい将来の見通しを掲げることができません。
Vol.132 出稼ぎなのに仕送りを受ける(2018.4.2)
ハノイ郊外の農家を父に持つあるベトナム人女性は、送り出し会社で1年ほど日本語を勉強した後、来日しました。約130万円かかった費用は、両親が借金をして工面しましたが、家賃を引かれても月約9万円が手取りとして残る計算で、3年間働けば貯金ができる見込みでした。日本では、食堂を運営する会社に雇われて、学校の食堂などで働きましたが、仕事がない時が多く、給料は時給制で、寮費を引かれると手取りが15,000円の月も。日々の食費にも困り、父親から計20万円を仕送りしてもらったといいます。
Vol.131 高齢者と女性だけで対処できる?(2018.3.30)
空前絶後の「人手不足」の状況下、安倍政権は、高齢者と女性の社会進出を促すことで、「働き盛り世代」の人口減少のマイナスを相殺しようとしています。事実として、高齢者に関しては、定年や再雇用で収入が減る「60歳の崖」を緩やかにする動きが広がってきました。安倍首相が施政方針演説で「女性が輝く日本」を創ると明言したのは2013年2月ですが、女性就業者が2859万人に上るなど、働く女性は5年間で200万人増えました。子育て期に就業率が下がる「M字カーブ」現象も解消されつつあります。
Vol.130 トランプ大統領は二枚舌なのか?(2018.3.29)
トランプ米大統領は、移民に関する「家族呼び寄せ制度」に反対し、合法の移民が家族や親戚を米国に呼び寄せることによる「連鎖移民」を攻撃しています。ところが、配偶者であるメラニア夫人は、「家族呼び寄せ制度」を利用して、スロベニアの両親に「永住権」を取得させたと報じられました。この制度こそ、トランプ大統領が「連鎖移民」として攻撃している対象そのもの。彼は、呼び寄せ対象を配偶者と未成年の子供に限定すべきと主張していたはずですが、夫人の両親だけは例外なのでしょうか。
Vol.129 投資増なら生産性は向上?(2018.3.28)
経済学者の一部には、「人口が減っても問題はない。なぜなら、人手不足を補うためにIT投資が活発になり、労働者一人当たりの生産性が上がるからだ」と主張する方がいます。それが正しいのなら、過疎の村は生産性が向上するはずですが、そんな事例は聞きません。人手不足感は年々高まるばかりなのに、2017年の機械受注は5年ぶりの前年比割れになりました。人手不足が顕著な非製造業の弱さが目立つといいます。ローソンのように、人手不足に伴う設備投資が増加し、減益になった例もあります。
Vol.128 「ズルズル移民」で良いのか?(2018.3.27)
2月下旬に、安倍首相が外国人労働者の受入拡大をぶち上げたことを契機に、「移民に関する議論」が俄かに活発化しています。渋々であれ、積極的であれ、現実的には「移民受入」は致し方ないという世論が優勢という感じもしますが、「いわゆる移民は受け入れない」という建前を崩さないままだと、ズルズルと外国人が増えることになります。そうなると、本来必要な日本語教育や社会規範の修得を国として講じることができません。じつは、この「ズルズル移民」。日本の専売特許ではありません。
Vol.127 移民政策は取りません!?(2018.3.26)
「インフレ2%を達成する」として「異次元」の金融緩和を始めた黒田総裁は、達成時期を6回も先送りしましたが、批判されても「企業経営者に根付いたデフレマインドが問題である」として涼しい顔。要するに、経営者が賃上げをしないから「2%」にならないと強弁しています。黒田理論によれば、日本における労働生産性の上昇率は1%。この場合、実質賃金が1%上昇しないと生産性の向上分に見合いません。したがって、インフレが2%になるとすれば、3%以上の賃上げが必要になるという論理です。
Vol.126 佐川改竄事件と入管行政(2018.3.23)
「官邸」と「官僚」の権力闘争という観点から、「前川前次官の反乱➡厚労省データ捏造事件➡佐川改竄事件」という流れを眺めると、立法・司法・行政を牛耳ってきた「官僚」たちによるマネジメントの綻びを感じます。これまで「官僚」は大臣すら軽視してきました。各省庁の「官僚」のトップが集まる事務次官会議が政府の最高意思を実質的に決定してきたという経緯もあります。こうした「官僚主権」に業を煮やした「政治家」たちは「政治主導」の流れを創り、「官邸」が人事権を握り始めます
Vol.125 賃上げ3%にこだわる理由(2018.3.22)
「インフレ2%を達成する」として「異次元」の金融緩和を始めた黒田総裁は、達成時期を6回も先送りしましたが、批判されても「企業経営者に根付いたデフレマインドが問題である」として涼しい顔。要するに、経営者が賃上げをしないから「2%」にならないと強弁しています。黒田理論によれば、日本における労働生産性の上昇率は1%。この場合、実質賃金が1%上昇しないと生産性の向上分に見合いません。したがって、インフレが2%になるとすれば、3%以上の賃上げが必要になるという論理です。
Vol.124 入管は何でもありなのか?(2018.3.20)
大阪入管の職員が、不法残留でベトナム人男性の収容手続を取った際、裁判所の令状や本人の同意を得ず、アパートへ強制的に立ち入り、パスポートを捜索したとして男性本人と妻から住居侵入等の疑いで告訴されましたが、大阪地検は、嫌疑不十分で不起訴としました。本当に裁判所の令状なしに踏み込んだとすれば、とんでもない蛮行です。家宅捜索は、基本的人権を侵害する行為なので、令状なしに勝手に実施することは認められません。
Vol.123 「しずお農場」より「技人国」!(2018.3.19)
北海道士別市の「しずお農場」では、経営者自らベトナムに赴き、実習生候補の面接を行ないました。その結果、給料のピンハネや斡旋料を取られないからということで3人の募集に150人が殺到し、優秀な若者を採用できたと言います。さらに、日本語検定合格による昇給制度を導入して、日本語能力を磨かせるだけでなく、賃金を日本人並みの20万円に設定しました。ある評論家は、これを「ドイツ式」として称賛し、他企業も真似したほうがよいと推奨しています。
Vol.122 偽装難民狩りが本格化する!(2018.3.16)
東京入管と名古屋入管は、昨年11月6日~12月1日を「集中摘発努力期間」と定めて、不法残留や資格外活動などの入国管理法違反を厳しく取り締まりました。その結果、摘発した外国人は計341人。その27.5%に当たる94人は難民認定申請者でしたが、摘発された後に、そのうちの80人が難民認定申請や不認定への異議申立を取り下げたといいます。難民認定申請者94人のうち81人は、申請してから6カ月未満なのに働いており、法務省は「94人の大半が就労目的の申請だったといえる」と分析しています。
Vol.121 外国人が日本に来なくなる?(2018.3.15)
日本で働く外国人労働者は128万人に達しました。外国人労働者比率は2%にすぎませんが、もはや外国人なしには、少なからぬ産業界はまともに稼働できなくなっています。ところが、日本の「働く国としての魅力」は、61カ国の内、52位にとどまっており、「労働時間が長い」「人事考課が分かりにくい」「昇進が遅い」という問題点が挙げられています。先進国の中でとりわけ給料が良いわけでもなく、アジア諸国との賃金格差は急速に縮まっています。上海よりも平均給料が低いという指摘もあります。
Vol.120 人口減と企業減を軽視する?(2018.3.14)
会社数も社員数も増大しないのにオフィスビルがどんどん建っていきます。住民が急増するわけでもないのにシェアハウスが増築されています。2020年までには現在のオフィスストックの10%に相当する床面積が市場に供給されるというから凄い。じつは、日本人人口の減少よりも怖いのが日本企業数の減少。1980年代に530万社超だった日本企業の数は380万社を割り込み、ピークから▲30%前後。それに対し、日本人人口は2006年1月のピークから▲1.2%。生産年齢人口もピークから▲12.9%にすぎません。
Vol.119 偽造在留カードは重罪でない?(2018.3.13)
2月下旬、偽造の在留カードや学生証等を販売し、500万円を売り上げたベトナム人男性2人が逮捕されました。偽造在留カードは、国外に発注して中国から客に発送した模様ですが、各々自分名義の偽造カードを所持した疑いと、アルバイトの面接を受ける際に偽造カードを提出した疑いがかけられています。偽造カードを使用した者は1年以上10年以下の懲役に処せられますし、使用目的で偽造・変造された在留カードを所持した者も、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
Vol.118 人手不足で事故が多発する?(2018.3.12)
建設業における労働災害での年間死亡者数は3年ぶりに増加に転じる模様です。1月~9月の死亡者数は225人で前年比+10%。最も多いのが墜落・転落ですが、人手不足と労働災害死亡者数の関係が気になります。2011年度頃までは人手が充足するに伴い、死亡者数が減っていたのですが、2013年度以降は、建設投資1兆円当たりの建設業就業者数が20年前と同じ水準にまで落ち込みました。当時の死亡者数は年間800人。人手不足が現場に無理を強き、安全確認の人手が足りず、事故件数が増えているのです。
Vol.117 警告したのに罪に問われる(2018.3.9)
人気ラーメンチェーン「一蘭」が外国人留学生10人を不法就労させたとして、社長・労務担当社員・店長ら計7人と法人としての同社が、入国管理法違反(不法就労助長)容疑で書類送検されました。「留学」の在留資格で認められている法定の週28時間を超えて働かせた疑いだといいます。最長で週39時間以上働き、月21万円を得た留学生もいたようです。「一蘭」では、各店舗の従業員の勤務時間を本社で管理できるシステムになっていましたが、法令遵守は徹底できませんでした。
Vol.116 日本の大学はなめられている(2018.3.8)
一部の日本の大学や大学院において、教授に対する「煙酒作戦」(贈り物によって成績等を優遇してもらおうとする行為)が、中国人留学生等の間で蔓延しているという指摘があります。特に、地方の大学や都内の新設校においては、日本人の入学生が激減する中、定員割れを補充してくれる外国人留学生はとても大事な「上客」です。それで、一部の留学生は、「留学生だから大目に見てもらえる」という甘えを持ってしまうのだというのです。「なめられている」と言っても過言ではないでしょう。
Vol.115 一蘭が不法就労助長罪に!(2018.3.7)
昨年11月末に家宅捜索を行った人気ラーメンチェーン「一蘭」に関し、大阪府警は外国人留学生らを違法に働かせたとして、不法就労助長の疑いで社員らと法人を書類送検する方針を固めました。本社で労務管理を担当する社員らがベトナム人留学生らを大阪の店舗で週28時間を超えて働かせたという疑いが持たれたようです。ハローワークへの届出違反という「判定勝ち」を固めた上での摘発でしたから、大阪府警の「負け」はなかったわけですが、「叩けばホコリが出るだろう」という読みが的中した形です。
Vol.114 人手不足倒産が加速する?(2018.3.6)
2017年の倒産件数が8年振りに増加する中で、「人手不足倒産」が106件の大幅増加となりました。仕事は増えているのに働き手が足りないので仕事を受けられずに事業継続を断念せざるを得ない、という現象が全国各地で発生しています。象徴的なのがコンビニです。国内市場が飽和状態となる中で競争が激化し、人手不足も経営に追い打ちをかけています。昨年の倒産件数は5年連続で増加して51件と過去2番目に高い水準。休業・解散と倒産を合わせると年間で初めて200件を超えました。
Vol.113 海外情勢は入管に追い風か?(2018.3.5)
現在、米国で最も注目されている政策論争が「DACA」です。DACAとは幼少期に親に連れられ米国に入国した不法移民の若者を送還から猶予する措置のこと。トランプ大統領が撤廃方針を打ち出し、撤廃後の政策対応を巡り国中が大激論。米国には不法移民が約1100万人いると言われており、トランプ政権は彼らに対して厳しい措置を断行しています。今年の難民受入上限を昨年の11万人から4万5,000人に削減し、不法移民の取締りは厳格化され、2017年中の逮捕は前年より3割多い14万3000人に達しました。
Vol.112 4000万人をおもてなしする?(2018.3.2)
2017年に日本を訪れた外国人旅行者は2869万人(前年比+19%)となり、5年連続で既往ピークを更新しました。観光ビザ発給要件の緩和や格安航空会社やクルーズ船の増便が要因と報じられています。日本政府は、2020年に4000万人に増やす目標を掲げていますが、毎年2割程度の増加ペースを維持すれば、達成できる見込みがついてきました。目標を達成するためには、欧米からの旅行者を増やしたり、日中だけでなく夜間も観光を楽しめる環境を整備したりすることが課題となると言われています。
Vol.111 難民申請2万人・認定は0.1%(2018.3.1)
2017年に難民認定を申請した外国人は、前年比80%増の1万9628人となり、7年連続で過去最多を更新しました。その一方、難民として認めた人数は前年から8人減の20人。約20,000人の申請に対して、難民認定率は0.1%で、1,000人に1人の確率です。直近の統計で比較しますと、カナダ、米国、ドイツ、英国、フランスは遥か彼方であり、最も難民に厳しいイタリアですら遠い存在。韓国と比べても異常な低さであるという事実は否定できません。日本は韓国より人道的でないと見られているのです。
Vol.110 スポーツ界は移民を讃える?(2018.2.28)
平昌冬季五輪が閉幕しました。今回の米国チームには、アジア系アメリカ人が大勢参加。日本人の両親を持つフィギュアスケートの長洲未来選手は、米国で生まれた正真正銘の米国人です。米国人女性初のトリプルアクセルを決めて注目を集めたのですが、偉業を讃えようとした大手新聞紙の記者が「Immigrants: They get the job done(移民は仕事を成し遂げる)」とツイートしたところ、「人種差別だ」という炎上を引き起こしました。スポーツ界においても「移民」は微妙な問題なのです。
Vol.109 在留資格制度は改善される?(2018.2.27)
2018年2月20日の経済財政諮問会議において、安倍晋三首相は、専門的な知識や技術を持つ外国人労働者の受け入れ拡大を検討するように指示しました。入国管理法を改正して在留資格の対象を拡大することをも含めて、この夏にまとめる「骨太の方針」に盛り込む方針です。近年にない朗報です。しかし手放しでは喜べません。というのは、安倍首相が「家族の帯同は基本的に認めない」と釘を差しているからです。日商の提案を受けた形で、韓国の「雇用許可制」に似た制度を新設する思惑を感じます。
Vol.108 安倍首相は現場の声を聞け!(2018.2.26)
2017年の現金給与総額は月平均で31万6907円で4年連続で増加しました。基本給を示す所定内給与は0.4%増の24万1228円、残業代を示す所定外給与も1万9565円と2年ぶりに増えたようです。しかし、消費者物価が原油価格の上昇などを受けて、2016年に比べて0.6%上昇したため、賃金の伸びを相殺し、2017年通年の実質賃金は2016年に比べて0.2%減り、2年ぶりのマイナスになってしまいました。物価の伸びに賃金の伸びが追いついていないのです。これで、どんどん消費が伸びるわけがありません。
Vol.107 偽装留学生が世にはびこる!(2018.2.23)
ブローカーから「日本に留学すれば月20万~30万円は簡単に稼げる」と唆され、150万~200万円もの借金を抱えて、出稼ぎ目的で来日した「偽装留学生」を含めて、留学生の数は29万1164人になりました。この5年間で増えた留学生のうち、ベトナム、ネパール、パキスタン、ミャンマー4カ国だけで8割。。留学生が働く現場は、コンビニや飲食店だけでなく、弁当などの製造工場、宅配便の仕分け、ホテルやビルの掃除、新聞配達など。もはや留学生の労働力なしでは成り立たない職場も多いようです。
Vol.106 日系4世が働けば解決する?(2018.2.22)
法務省は、海外在住の日系4世の若者に、就労できる「特定活動」の在留資格(最長5年間)を与える新たな制度を導入することを決定しました。日本語能力試験N4レベルの語学力などが条件で、18~30歳を対象に年間4000人を受け入れる計画です。日系2世や3世は「定住者」の在留資格で自由に働けますが、4世は、日本に住む3世と暮らす未成年で未婚の実子のみ「定住者」として長期滞在が認められ、原則として就労はできませんでした。
Vol.105 人助けのつもりが法令違反に!(2018.2.21)
英語を教えて収入を得たい外国人2200人と、教わりたい日本人をマッチングする学習アプリ「フラミンゴ」を運営しているベンチャー企業があります。経営者は、「日本は外国人にとって生活しづらい。留学生の中には、睡眠時間を削って、時給が高い深夜バイトで食いつないでいる人もいます」と語り、時給1000円、週28時間でフルに働いたとしても11万2000円しか稼げない現状を批判。「日本で暮らす外国人がもっと稼ぐことのできる場をつくりたい」と思って起業したようです。
Vol.104 過疎の村は生産性が上がる?(2018.2.20)
経済学者に人口減少が日本経済に与える影響を尋ねると、「1人当たりGDPはイノベーションで伸びる。供給側の事情を見ても行き詰まっている社会の方がイノベーションの動機は大きくなる」とか「労働力不足になると飲食店が自動食器洗い機を買うようになる。最新の皿洗い技術が広く使われるようになり、そうした投資が行われれば日本経済の生産性は大幅に向上する」と答えてくれます。要するに、人手不足になると省力化投資が増えて労働生産性が上がるから日本経済は成長するというのです。
Vol.103 定住者の在留カードに注意!(2018.2.19)
昨年12月、偽造在留カードを使った容疑でベトナム人男性2人が入国管理法違反で逮捕されました。2人は技能実習生でしたが、オーバースティになりSNSを通じて偽造在留カードを3万円で購入。在留資格の欄には就労に制限のない「定住者」と記されていました。一方、今年2月、偽造在留カードの密輸を企てたとして、中国人留学生が逮捕されました。北京から羽田空港に入国する際、偽造在留カード93枚を密輸入しようとしたようです。スーツケースからはデータ未入力のカードが1150枚も出てきました。
Vol.102 留学生30万人計画は達成?(2018.2.16)
2017年5月1日時点において、国内の大学や日本語学校に在籍する外国人留学生は26万7042人となり、前年よりも11.6%増加し、過去最多を記録しました。今年も同程度の増加を示すことになると仮定すれば、今年5月に、外国人留学生の数は29万8019人になります。こうなると「留学生30万人計画」まで、あとたった1981人ですから、おそらく目標の2020年を1年前倒しして、2019年には「30万人」の大台を達成するものと思われます。
Vol.101 今後の流行は「偽装転勤」か?(2018.2.15)
2月2日、焼き肉用の網の洗浄工場で中国人を違法に働かせていたとして、韓国人で会社社長の朴聖熙容疑者とインターネット広告会社社長の全永博容疑者が逮捕されました。去年9月から先月まで朴容疑者が経営する千葉県市川市の焼き肉用の網の洗浄工場で中国人男性7人を違法に働かせたと見られています。全容疑者の会社は実体のないペーパーカンパニーで、中国の関連会社から転勤させるという名目で在留資格を得させたようです。ひょっとすると今後の流行は「偽装転勤」になるのかもしれません。
Vol.100 誤った経済政策の悪影響は?(2018.2.14)
日銀によると、足もとの景気が1年前と比べて「良くなった」と答えた割合から「悪くなった」と答えた割合を引いた値は、▲11.9ポイントであったものの、マイナス幅は前回の調査より1.6ポイント縮小し、景気に対する受け止め方は改善。一方、暮らし向きに「ゆとりが出てきた」と答えた割合から「ゆとりがなくなってきた」と答えた割合を引いた値は、▲33.7ポイントとなり、前回の調査より1.8ポイント悪化しました。景気の受け止め方が改善したにもかかわらず、暮らし向きが悪化しているのです。
Vol.99 韓国の真似をしても成功しない(2018.2.13)
技能実習制度の問題を指摘する識者が増えてきました。韓国に学べという論調も見られます。かつて韓国は、現在の日本と同様、実習の名目で「裏口」から労働力を補っていました。仲介業者に多額の費用を払って訪韓する実習生はより良い給料を求めて大量に失踪。そこで韓国は「外国人労働者は受け入れない」という建前を捨て、「正面」から受け入れる「雇用許可制」を2004年に導入。仲介業者の搾取を撲滅し、韓国語能力試験の得点だけがハードルになったので、日本に行くよりも稼ぎが良くなりました。
Vol.98 新宿区新成人の外国人は5割(2018.2.9)
東京23区の「新成人」8万3400人のうち、8人に1人に当たる1万800人余りは外国人です。新成人に占める外国人の割合は、新宿区で45.7%と半数を占めているほか、豊島区で38.3%、中野区で27%と、23区のうち6つの区で、その割合は20%を超えています。5年前と比較すると、日本人が1.05倍でほぼ横ばいで推移している中で、外国人は2.54倍。区ごとに見てみると、江戸川区が2.1倍、新宿区が2.2倍、北区が2.9倍、豊島区が3.4倍となっており、中野区に至っては、なんと5倍の増加率です。  
Vol.97 企業内転勤で資格外活動?!(2018.2.8)
「企業内転勤」で在留資格を得た中国人に「資格外活動」をさせたとして、福岡県のマッサージ店の経営者らが入国管理法違反容疑で逮捕されました。「企業内転勤」の在留資格を持つ中国人の女2人を店舗でマッサージ師として働かせたというのです。勤務していた中国人女性は、東京都の情報処理事業会社「ブライトアース」の中国の子会社から、同社に企業内転勤する名目で在留資格を取得。同社は活動実態がないペーパーカンパニーとみられ、同社の代表取締役も入国管理法違反容疑で逮捕されました。  
Vol.96 KKKが讃える日本の難民政策(2018.2.7)
米国の白人至上主義の秘密結社「KKK」の地区リーダーが、集会の演説において、「日本人はナショナリズムを信奉しています」「日本は2015年に難民を27人しか受け入れませんでした」「私は一部の白人文化よりも、日本の文化を尊敬します」「白人が弱くなっているからです。恥ずかしいことです」とし、日本の難民政策を称讃しました。1月15日から、入管は、KKKから称賛された難民政策をさらに厳格化することを決定しました。KKKが日本の難民政策をさらに称讃することは間違いないのでしょうが・・・。
Vol.95 働く外国人18%増の128万人!(2018.2.6)
日本の企業で働く外国人労働者は127万8670人と既往最大値を更新しました。国別では中国人が最も多く37万2000人、次いでベトナム人が24万人、フィリピン人が14万6000人となっていますが、特にベトナム人は一昨年と比べて+40%近く増えています。産業別では「製造業」が38万5000人、清掃などの「サービス業」が18万9000人、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの「卸売業、小売業」が16万6000人となっており、留学生と技能実習生だけで40%以上を占めています。
Vol.94 ベトナム人は犯罪に走るのか?(2018.2.5)
ベトナム人による犯罪が増えています。茨城県では、空き巣に入り貴金属を奪ったとしてベトナム人3人が住居侵入と窃盗で逮捕されました。兵庫県でも同様の罪で1府3県で空き巣を繰り返し885万円相当の被害をもたらしたベトナム人の男5人が捕まりました。姫路市内のドラッグストアで万引を繰り返したベトナム国籍の男女3人が逮捕され、神奈川県では違法送金をした罪でベトナム男性が検挙されました。また、東京都や静岡県では、偽造された1万円札を使った罪でベトナム人が摘発されています。        
Vol.93 一蘭は同情してもらえるのか?(2018.2.2)
2017年11月29日、人気の豚骨ラーメン『一蘭』が、外国人の就労をハローワークに届けていなかったという雇用対策法違反容疑で、道頓堀店別館だけでなく、福岡市の本社に家宅捜索を受けたという事件は、飲食業界に衝撃を与えました。焼肉店店長は、「昔は不法就労があれば店側は警察に呼ばれて、油を絞られる程度で済んでいました。今はそうはいきません。自分たちも刑罰の対象になりますから」と説明しながら、「外国人労働者は書類をチェックします」と語り、自己防衛の重要性を指摘しています。
Vol.92 入管政策で政府が閉鎖される!(2018.2.1)
予算が成立せず歳出の根拠が失われた場合に政府機関を閉鎖する「政府閉鎖」が米国で発生しました。移民政策を巡る与野党協議が不調に終わったことが原因です。争点となったのは不法移民への対応。トランプ大統領は、子どもの時に親に連れられて米国に来た不法移民の若者を強制退去にしない救済制度「DACA」を廃止する方針を表明したのですが、民主党は救済策の維持で合意できない限り、つなぎ予算案の採決に応じないと主張。トランプ政権や共和党は反発し、政府閉鎖に陥ったというのです。
Vol.91 偽装留学生の実態は隠せない!(2018.1.31)
元勤務先の日本語学校を相手取り、損害賠償訴訟を起こした日本語教師がいます。学校が提携するベトナムの日本語学校に派遣されていたのですが、「まるで自分が、奴隷貿易の片棒を担いでいるような気持ちでした」と当時を振り返り、「どう考えても、今の状態は異常です。日本語学校を正常なものにするためには、現場を知る教師がもっと声を上げるべきだと思います」と語りながら、自らの学校が「偽装留学生」を受け入れ、違法就労を黙認していることに対する罪悪感を表明しています。
Vol.90 元入管次長の行政書士を逮捕!(2018.1.30)
1月24日、中国人女性が経営する大阪市西成区のカラオケ居酒屋について、運営会社の設立登記手続を無資格で代行した疑いで、大阪入国管理局元次長が逮捕されました。各紙の記事はほぼ同じですが、「見出し」が違いました。入管に対して遠慮する義理のないロイター通信は「大阪入国管理局の元次長を逮捕」とズバリ。入管と距離がある西日本新聞は「大阪入国管理局の元次長を逮捕 中国人の店不正登記疑い」と題しましたが、他紙は・・・。
Vol.89 中国人社員に忠誠心を求める?(2018.1.29)
日本企業は採用において、特殊技能ではなく、学力・自己管理能力・協調性を重視し、新卒者を好みます。これは「会社が新卒社員を研修して一人前に育てていく」という方針に基づくものですが、「自分で何とかする」という中国人のキャリア形成の考え方とは真逆。一方、日本企業は、「苦労して育成した人材が辞めたらどうしよう」と常に懸念しています。一人前に育てる方針は、一定の「忠誠心」を前提にしているのですが、「中国では、少しでも給料が良ければすぐに転職する」のが現実だからです。
Vol.88 インバウンドに死角はないのか?(2018.1.26)
2018年の訪日外国人旅行者数が年間3200万人に達する見込みの中、新税の「国際観光旅客税」の税収が初年度から60億円も見込まれており、新聞やTVでは「インバウンド」の文字が「(訪日外国人)」という「脚注」とともに飛び交っています。しかし、その一方で、京都などでは従来見られなかった外国人観光客と地域住民との軋轢が生じているなど「観光公害」が発生していたり、華やかな「インバウンド報道」の陰であまり目立ってはいませんが、白タクやヤミ民泊の摘発が着実に増えています。
Vol.87 ご高説より具体的な対策がほしい(2018.1.25)
新春座談会では高齢の識者たちが登場し、「悲観的になるのではなく、対処法をどうするかを考えたらいい」「変えることへの強靱な意志を持たないと」などという一般論を展開しています。雇用問題に関しても、「女性と高齢者の就労を促進すれば、2030年でも約6400万人を維持できる」とか「定年は70歳を過ぎてもいい」という高説を述べた上で、「企業も意識を変えないといけない」と説教してくれるのですが、これらの識者たちのほとんどは、自ら創業して多くの雇用を維持した経験がありません。
Vol.86 自動小銃か・日本脱出か?!(2018.1.24)
投資家のジム・ロジャーズ氏は、「もし私がいま10歳の日本人ならば、AK-47(自動小銃)を購入するか、もしくは、この国を去ることを選ぶだろう。なぜなら、いま10歳の日本人である彼、彼女たちは、これからの人生で大惨事に見舞われるからだ」と予言します。「日本はGDPの240%、1000兆円を超す巨額赤字を抱えている。その上、猛烈なペースで進む人口減少社会に突入したため、借金を返済できない。30年後に40歳になる日本人には、老後を支える人もカネもない」と語ります。
Vol.85 入管審査はAI化されるのか?!(2018.1.23)
2018年は「AI(人工知能)」が本格化する年になるのかもしれません。教育・婚活・保険・小売・工場・酪農・広告・医療・不動産など活用範囲が広がり、採用面接でもAI化が進みました。注目すべきは、官公庁での利用です。農林水産省ではAIで食品流通を効率化し廃棄ロスを削減する計画に着手しますし、経済産業省では国会答弁への活用に挑戦しています。栃木県宇都宮市ではAIで移住相談に応じていますし、道路管理や保育施設の割り振り・戸籍業務などに活用する地方公共団体も出てきています
Vol.84 ウティナン判決に見る入管リスク(2018.1.22)
不法滞在のタイ人女性の子として日本で生まれ育ち、東京入国管理局から強制退去処分を受けた甲府市の男子高校生ウティナンさんが、1年間の在留特別許可を得ることになりました。彼は、不法滞在発覚を恐れて母親と共に国内を転々とした後、支援団体の協力で中学2年から登校を始め、現在は高校3年生。滞在許可を求めて東京入管に出頭しましたが、強制退去処分になったため、処分取消を求めて提訴しましたが、地裁・高裁で敗訴。最高裁への上告を取り下げ、東京入管に再審査を求めていました。
Vol.83 入管行政を読むなら産経を読め(2018.1.19)
毎日新聞は「川口のクルド人」という特集を組み、日本最大のクルド人集住地区である川口市を取り上げ、難民認定を求める彼らの声を代弁しました。行間からは入管行政に対する批判が滲み出ています。同様のスタンスを採るのが朝日新聞。母国の内戦から逃れ、人道配慮で日本に暮らすシリア男性が妻子を呼び寄せられずに悩んでいる姿を記事にするなど、反入管の立場が明らか。その対極にあるのが産経新聞。難民に対する恩情を感じさせる記事は少なく、移民についても排斥的な論調が目立ちます。
Vol.82 技能実習はやはり奴隷制度だ!(2018.1.18)
技能実習生として働いた縫製会社を逃げ出したミャンマー人女性の家族が、母国の送り出し機関から失踪防止目的の違約金を支払うよう、損害賠償請求訴訟を起こされました。当事者の女性は2015年に来日し、派遣先の縫製会社でミシン工として最長16時間/日働き、月給12万円を受け取っていましたが、腸の病気で手術した結果、残業ができなくなって帰国を迫られたため、逃げ出したようです。日本政府は、法律によって、こうした違約金契約を禁じていますが、まったく効果がないことが判明しました。
Vol.81 日本の近未来は介護業界に聞け(2018.1.17)
「介護」にまで技能実習制度を拡張することについては、「対人サービス」として初めての受入れとなるだけでなく、在留中に国家資格に合格した場合に「介護」の在留資格で在留し続ける措置が検討されているなど、実質的な「移民」の大々的な受入れが始まるとして批判する声があります。しかし2025年には、介護職が253万人必要と予測されている中で、介護福祉士の資格が取得できる専門学校や大学の入学者数は定員の45.7%と過去最低。日本人だけで介護サービスを維持することは不可能です。
Vol.80 ついに偽装難民最期の日は来た(2018.1.16)
2018年1月12日、法務省は、難民申請後2カ月以内に書面審査によって、申請者を「難民の可能性が高い:Ⓐ」「明らかに難民に該当しない:Ⓑ」「同じ理由での再申請:Ⓒ」「ⒶⒷⒸ以外:Ⓓ」の4種類に区分した上で、Ⓑ・Ⓒ・Ⓓ(再申請に限る)には在留資格を与えず、審査と並行して、強制退去手続を進めることを文書で公表しました。Ⓓ(再申請を除く)に関しては、申請の6カ月後以降に在留資格を与えますが、実習先を逃げた技能実習生や退学した留学生らの就労は認めない方針です。
Vol.79 コンビニ業界は入管戦略を誤った(2018.1.15)
実習先からいなくなる技能実習生が急増しています。2017年前半の半年間で3205人が失踪し、史上最大規模になる勢いです。法務省幹部は「遺憾だ。分析しないと何が原因か示せない」と洩らしたそうですが、技能実習という制度自体が「筋の悪い偽装」なので、問題が生じるのは当たり前。本来であれば、「筋の悪い偽装」であることを認めた上で入管制度の改革を打ち出すべきですが、そういう気配は一向に見られません。ところが、この「筋の悪い偽装」に今頃になって参戦を表明したのがコンビニ業界。
Vol.78 どこもかしこも人手不足で大童(2018.1.12)
コンビニが加盟する業界団体「日本フランチャイズチェーン協会」が、外国人技能実習制度の新たな職種として、コンビニの運営業務を加えるよう、国に申請するようです。そんな中、日本政府は、介護現場で新たに受け入れる外国人の技能実習生が介護福祉士の国家試験に合格した場合、日本で働き続けられるように在留資格の制度を見直す方針を決めました。また、パイロット不足に直面した国土交通省は、外国人操縦士の在留資格緩和に動き出しています。どこもかしこも人手不足で大童です。
Vol.77 入管審査が多忙を極めている(2018.1.11)
入管審査が多忙を極めています。在留資格変更の業務量を見ると、2017年10月に受理した申請件数は全国合計で5万件を超え、9月を2割以上上回っただけでなく、前年比+60.2%もの増加を示しました。東京入管の前年比(+45.7%)もかなりの高水準なのですが、名古屋の+74.4%はもとより、福岡・高松・仙台・札幌に至っては2倍を超えています。入国審査官も懸命に処理しており、同月の処理件数は前年比+36.5%を記録しましたが2万件にすぎず、同月末の在庫は3万件・前年比+81.3%に達しました。
Vol.76 週28時間超で懲役2年の有罪(2018.1.10)
経営する日本語学校の外国人留学生を週28時間を超えて働かせたとして、入管難民法違反罪(不法就労助長)に問われた清掃作業員派遣会社社長に懲役2年・執行猶予3年が言い渡されました。法人としての派遣会社は罰金100万円(求刑罰金100万円)となりました。裁判官は判決理由で「17人もの留学生を取引先に派遣して労働に従事させた組織的な犯行で、強い非難に値する」「多いときには許可された時間の約2倍働かせた。違法になると説明せずに留学生に合意させた」と指摘しています。
Vol.75 2018年の入管行政を予測する(2018.1.9)
2017年11月時点における完全失業率が2.7%と24年ぶりの低水準になったことが端的に表しているように、日本国内は完全雇用の状態になっており、経営者や雇用者からみると、「人手不足」は危機的な水域に入っています。ところが、日本銀行は、物価上昇率が目標の2%に達しないのは「人手不足の度合いが不十分だからだ」と公言し、当局は、「雇用供給の削減」という愚かな政策を大々的に推進しようとしています。「人手不足」の上に、さらに「人手不足」を加速させようというのです。
Vol.74 偽装難民の次は偽装留学生だ!(2018.1.5)
2017年は「偽装難民」に大鉈が振るわれました。出入国管理政策懇談会が「難民認定制度の見直しの方向性」を打ち出す頃合いを見計らって、2014年秋頃からスタートした「偽装難民キャンペーン」はじわじわと広がり、2015年2月に偽装申請を指南していたネパール人が逮捕されると一気に加速。入管は、同年9月に「難民認定制度の運用の見直しの概要」を取りまとめ、悪質ブローカーの摘発実績を積み重ねながら、世論の熟成を待ち、2017年央から一挙に「偽装難民狩り」を本格化させた感じがします。
Vol.73 日本人は棄てる・中国人は買う(2017.12.25)
中国人による「土地」購入が問題視されています。2017年11月、自民党「安全保障と土地法制に関する特命委員会」が意見聴取したところ、中国資本による北海道の土地買収が急速に進む実態を踏まえて、「主権国家の日本の中に別の国ができてしまう」という意見が開陳され、外資による土地購入の直接制限を求める意見が相次ぎました。「北海道は中国32番目の省になる」「北海道が中国の“北海省”になる日も遠くない」「これは武器を持たない、目に見えない戦争だ」などという言説も流されています。
Vol.72 日本人は2000人に激減する?(2017.12.22)
テレビや書店では、未だに「ジャパン・アズ・ナンバーワン」的な番組や書籍が目立ち、「上から目線」で中国を論じていますが、その認識は大きく誤っています。「世界に影響を与える人物ランキング」において、習近平主席が4位で、安倍首相は37位であるという世界の現実を直視すべきです。1億2700万人(2015年)だった日本の総人口は、40年後に9000万人を下回り、100年以内に5000万人を下回ると予測されています。200年後には1380万人、300年後には約450万人に減るとも言われています。
Vol.71 ブローカーには絶対に近寄るな(2017.12.20)
2017年11月末、資格外活動幇助の疑いで、不法就労目的のタイ女性を受入先につなぐ「ブローカー」が逮捕されました。10月には、ベトナム人がSNSで集めた技能実習生を紹介した韓国人が捕まりましたし、7月にはクルーズ船で観光入国した中国人に職をアレンジした日本人が摘発されました。在留資格を不正に変更させて仕事先を斡旋したネパール人の仲介人や、失踪した技能実習生を囲い込んで300人近くに仕事を世話していた帰化中国人、留学生を自らが運営する人材派遣会社で働かせた日本語学校経営者、偽装難民の申請を指南したネパール人やベトナム人などが次々と捕まっています。
Vol.70 在留カードは現物を確認せよ(2017.12.19)
ベトナム人男性が「在留カード」を偽造して使用した事件が露見しました。在留期限が切れた男性は在留期限が残っている「在留カード」を借用し、「在留カード」の写しを偽造。その写しを利用してアルバイトをしていました。偽造されたのは「在留カード」そのものではなく、「在留カード」の画像データ。カードそのものを偽造しなくても、アルバイトの採用面接で提出するのは「在留カード」の写しだったので、画像をプリントして提出すれば「在留カード」そのものは必要なかったと供述しています。
Vol.69 やっぱり技能実習は茶番です!(2017.12.18)
技能実習制度については、2017年11月から技能実習適正化法が施行され、正常化が期待されていますが、実態を見ると、広島市の食堂運営会社に受け入れられたものの、手取りは雀の涙で、待遇の改善を求めた途端に帰国させられたり、片目を失明する労災に遭いながら、自主退職扱いにされて、十分に補償を受けられなかったり。パワハラやセクハラや賃金未払が横行しており、悲惨な事例が後を絶たず、毎年5000人以上が失踪しています。
Vol.68 「創業準備ビザ」は吉報です?(2017.12.15)
日本経済新聞は、「経済産業、法務両省はアジアなどの外国人起業家を呼び込むため、2018年度にも全国で『創業準備ビザ』と呼ばれる新たな在留資格を認める調整に入った」と報じました。もしも、この報道が事実なのであれば、会社登記や事務所賃借などの条件不足で「経営・管理」が許可されなかった外国人たちにとって吉報になり得ます。実務において、事務所や資金等のハードルで苦しめられている申請人が多数存在するからです。ただし、入管の実際の運用を見てみないと何とも言えません。
Vol.67 一蘭ショックに対応できるか?(2017.12.14)
留学生アルバイトを雇っている企業が、「一蘭ショック」に戦々恐々です。2017年11月末、大阪府警が、人気ラーメン店「一蘭」の店舗で働いていたベトナム女性を資格外活動の疑いで逮捕したことをきっかけに、当該店舗だけでなく、福岡にある本社の家宅捜索を行ったニュースは、全国を駆け巡りました。NHKを始めとして、日本テレビ、産経新聞、読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞など大手はすべて扱ったと言っても過言ではありません。毎日放送は、家宅捜索の様子を実況中継していました。
Vol.66 有事の難民に対応できるのか?(2017.12.13)
2017年11月23日、秋田県由利本荘市で、北朝鮮から漂着した男性8人が発見されました。このような漂着者は珍しくありません。11月15日にも、石川県の能登半島沖で北朝鮮国籍の男性3人が救助されています。同時期に山形県鶴岡市でも漂着船が発見されていますし、今年1月に福井県美浜町、昨年12月には青森県深浦町と新潟県佐渡市、同11月には京都府舞鶴市で、それぞれ1隻ずつの漂着船が発見されています。今回の8名は帰国を望んでいるので、中国等を経由して帰国させることになると思われます。
Vol.65 偽装の建前か・現実の共生か?(2017.12.12)
アジアの中で、日本は「高度外国人材にとって最も魅力がない」ようです。世界では63カ国中51位。日本政府は、「日本版高度外国人材グリーンカード」を創設して、最短で在留期間1年での永住許可申請を可能にしたことを喧伝してきましたが、世界から全く相手にされていません。一方、人手不足が深刻な地方では、外国人との共生が始まっています。観光客だけでなく、外国人の経営する店が増えてきたため、長野・白馬駅前では、横文字の看板が目立つようになりました。
Vol.64 偽装留学生の実態が発覚する!(2017.12.11)
スリランカ人留学生の男性が学費滞納を理由に退学処分になったことに対し、日本語学校に慰謝料254万円を求めて提訴しました。男性は2016年、同校を「母校」とするスリランカの日本語研修学校で「仕事は二つできる」「時給800円で月200時間稼げる」と説明を受け、現地での仲介手数料や1年分の学費60万円のため150万円を借金しました。当初は弁当工場と運送会社を掛け持ちし、月20万円を稼ぎ、借金返済のため10万円を母国に送金していましたが、入管から指摘されて仕事が減ってしまいました。
Vol.63 在留外国人の消費力に期待する(2017.12.8)
7~9月期のGDPは、7期連続のプラス成長となりました。2012年12月に始まった景気回復局面は、「いざなぎ景気」を超えることが確実となりました。上場企業 4社に1社が最高益になる見込みであり、日本経済は絶好調に見えます。しかし、売上高の増加要因は、輸出と値上げとM & Aであり、国内市場は拡大していません。「いざなぎ景気」では、民間消費が毎年10以上伸びていましたが、今回の景気拡大局面では0%台。アパレルや自動車は国内市場の縮小が止まらず、工場や店舗の閉鎖が続いています。
Vol.62 専門学校は慎重に選びましょう(2017.12.6)
韓国のマスコミが報道した製菓専門学校は、生徒550人のうち80人を韓国人が占めており、韓国人の入学希望者が毎年120人に上ります。ところが、調理師やパイロット等などサービス職は10年以上の韓国での実務経験がなければビザの発給を受けられないため、ほとんどの生徒が卒業後に日本で就職する夢を諦め、韓国に戻っているようです。じつは、そういう事情にあるのは、この製菓専門学校だけではありません。専門学校に対しては、入管の審査が厳しく、就労ビザが取りにくいというのが実情です。
Vol.61 ハローワーク届出洩れで摘発!(2017.12.5)
2017年11月29日、豚骨ラーメン店の一蘭が摘発されました。大阪府警は現場となった道頓堀店だけでなく、福岡市にある本社まで家宅捜索。不法就労したベトナム女性は3月に専門学校を除籍されたのに4月以降も働いていましたが、「在留カード」を確認するだけでは、学校を除籍されたか否かは分かりません。だから、一蘭に「不法就労助長罪」を適用して立件するのは骨が折れます。そこで出て来たのが、外国人が就労することをハローワークに届け出ていなかったという「雇用対策法違反」容疑。
Vol.60 難民申請者には絶対に近寄るな(2017.12.4)
「難民申請」した外国人を就労資格がないのに解体現場で働かせたとして、入国管理法違反(不法就労助長)容疑で、解体業の経営者らが逮捕されました。無許可で就労した疑いで、インド人とバングラデシュ人の男性6人も逮捕されています。一方、兵庫県では、口紅など化粧品61点を盗んだとして、ベトナム国籍の男女3人が逮捕されました。3人はいずれも留学ビザで入国し、現在は「難民申請」中だといいます。要するに、「偽装難民」は「悪者」で、その関係者も「悪者」だというのです。
Vol.59 小池都知事は入管政策が苦手?(2017.12.1)
2017年1~6月に難民認定を申請した外国人は8561人と過去最多を更新。入管は「誤った形で就労等を意図する外国人に伝わり、難民認定制度を乱用または誤用する者の増加につながっている」と主張しています。その一方、難民認定の運用が狭量すぎるとして「サンクチュアリ・シティ」を提言する声もあります。そんな中、小池東京都知事が「国際金融都市・東京構想」を打ち出しました。性的マイノリティーであるLGBTの同性パートナーが在留資格を得やすくなるよう国へ働きかけていくと宣言しました。
Vol.58 ラーメン一蘭がガサ入れされる(2017.11.30)
とんこつラーメンチェーンの「一蘭」で働いていたベトナム人女性が入国管理法違反(資格外活動)の疑いで逮捕されました。女性は「悪いことだと知りながら働いていた」と容疑を認め、大阪府警は大阪市中央区の店舗や福岡市の本社を家宅捜索し、他にも不法就労している従業員がいないか調べた上で、組織的な関与の有無を捜査するとしています。同社については、外国人を雇い入れた際に必要な届け出を怠っていた雇用対策法違反の疑いもあり、雇用記録を押収して詳しく調べると報じられています。
Vol.57 行政書士はAIに駆逐される?(2017.11.29)
46.7%の人が「行政書士は、将来、AIやロボットに置きかわる」と予想しています。また、会計監査係員、税務職員、行政書士、弁理士などは、「機械にとって代わられる可能性が高い職業」と指摘する研究者も多いようです。また、「簡単な行政手続・登記手続は行政書士の力を借りなくても自分でできることが増えている。これらの申請もITの力や個人番号制度の利用でもっと簡単に誰でもできる時代が来る。そうなると社会的に不必要になるのは、士業の連中である」と語る実務家もいます。
Vol.56 飲食業は「技人国」じゃない?(2017.11.27)
茨城県の農家が、不法就労助長の容疑で逮捕されました。「資格外活動違反」に相当するのだと思われますが、「資格外活動」という専門用語は、世の中的にはあまり知られていません。そもそも、この「活動」という概念が分かりにくい。「ビザさえ下りれば、何をやってもいい」というポジティブな捉え方から、「とにかく単純労働はダメ」というネガティブな思考まで、人それぞれなのですが、出所不明の噂話や聞きかじりの断片的な知識で決め付けている人が多いのも事実です。
Vol.55 日本の将来は韓国を後追いする(2017.11.24)
1993年韓国は「産業研修生制度」を導入しました。「産業研修生制度」では、研修生に対する人権侵害が頻発し、職場からの失踪、不法滞在が増加。2002年に不法滞在の比率が6割超に達するなど社会問題化したため、2004年に「雇用許可制」へと転換。転職を制限するという大枠を維持しながら、韓国と相手国との間で二国間協定を結んで、政府の直接管理下に置くことにより、中間搾取を排除しました。この「雇用許可制」への転換は、一時高く評価されましたが、近年、深刻な病状を再発させています。
Vol.54 難民申請中を雇うと狙われる!(2017.11.21)
「難民申請から6ヶ月以内の外国人の就労」を摘発する事例が目立っています。今年2月にベトナム人を工場に派遣したとして人材派遣会社の代表取締役が逮捕されたことを皮切りに、5月にはミャンマー人を不法に働かせたとしてビル管理会社会長が摘発され、7月にはフィリピン人夫婦を働かせた疑いで清掃会社の代表取締役が捕まり、10月にはベトナム人を不法に働かせたとしてスーパーの採用担当が逮捕されました。11月上旬にも、入国管理法違反の疑いで、京都府の人材派遣会社役員らが逮捕されています。
Vol.53 入管行政は複雑骨折していく!(2017.11.20)
在留資格制度の行方を占う上で、破天荒な事態が進行しています。それは、国家戦略特区制度における外国人の農業就労です。国会答弁で当局は、対象外国人は「高度人材ではない」と認めていますから、素直に受け止めると、「単純労働の外国人は受け入れない」という大原則を転換したようにも見えます。さらに言うと、対象外国人に関して、技能実習制度の修了者を想定しているので、「日本の技術を海外に移転する」という技能実習制度の建前を放棄したようにも感じられます。
Vol.52 白タクも違法民泊も摘発される(2017.11.17)
訪日中国人客を相手に無許可でタクシー営業をしたとして、中国籍の男3人が道路運送法違反の疑いで逮捕されました。空港や観光地で訪日外国人客を相手にする「中国式白タク」に関する本格的な逮捕です。警察は、容疑者らの車が多くの荷物を持つ訪日客を乗せて関空と大阪市内を何度も行き来するのを確認し、白タクとして営業していると判断しました。中国語の配車アプリを介して、訪日客からの依頼を受けて営業していた「白タク」は7回にわたって関西空港から大阪市内に40人を運送したといいます。
Vol.51 技能実習の膨張が歪みを産む!(2017.11.15)
平成25年3月、広島県のカキ養殖加工会社で勤務していた中国人の実習生が経営者ら9人を殺傷する事件がありましたが、今年7月にも熊本県警が20代の女性を刃物で襲って負傷させたとして強盗殺人未遂の容疑でベトナム人実習生を逮捕しました。警察に摘発された実習生は、平成24年に331人でしたが、平成28年には1387人に達しました。群馬県では、現時点で失踪した実習生が82人に上っており、昨年1年間の計88人を上回る見込みです。入国から1年半以内での失踪が64%を占めています。
Vol.50 偽装留学生は摘発されていく?(2017.11.13)
11月から入管が「偽装難民」に対する処罰を本格化する、というニュースが発信されましたが、「偽装難民」の次は、「偽装留学生」が処罰の対象になりそうな雲行きになってきました。全体の6割超を占める中国やベトナムなど5カ国からの留学生の一部が、実際は“出稼ぎ”を目的とした「偽装留学生」化している実態を問題視した法務省入国管理局は、受け入れ審査の厳格化を求める文書を各地方の入国管理局に発付し、不法就労や不法滞在の温床となっている現状の適正化に乗り出すようです。
Vol.49 行政書士は法律のプロなのか?(2017.11.10)
他人名義でキャバクラ店の営業許可を申請して無許可営業を手助けしたとして、行政書士が逮捕されました。じつは、行政書士が逮捕された事例を拾い上げると、近年だけでも、入国管理法違反、司法書士法違反、弁理士法違反、電磁的公正証書原本不実記録・同供用、偽造有印私文書行使、建設業法違反、戸籍法違反、公選法違反、銃刀法違反、業務上横領、窃盗など、犯罪のオンパレード。「行政書士は頼れる街の法律家」と宣伝されていますが、法律家なのに逮捕される事例が多いのではお話になりません。
Vol.48 審査は標準処理時間を超える!(2017.11.8)
入管による審査の「標準処理期間」は「2週間~1ヶ月」と公表されています。また、海外在住の外国人が在留資格認定証明書の交付を求める場合は「1ヶ月~3ヶ月」。この長さは、審査実務の現場感覚とは大きく懸け離れているので、法務省が公表している「在留審査処理期間」で確認してみると、在留資格変更に関して一番長いのは「経営・管理」で48.2日。「標準処理期間」の最大値を5割以上超えています。入管が、「技術・人文知識・国際業務」に33.3日も費やしていることには留意が必要です。
Vol.47 難民申請者は急にいなくなる?(2017.11.6)
入管が申請6ヶ月後から一律に日本での就労を許可する現在の運用を撤廃することを決めたため、年間1万人を超す申請者はほとんどが就労できなくなりそうです。今後は申請2ヶ月以内に簡易審査を行い、在留資格が「留学」や「技能実習」の申請者のほか「短期滞在」の申請者のうち申請理由が「母国で借金取りに追われている」などの「明らかに難民に該当しない申請者」、そして、不認定となったにもかかわらず申請した「再申請者」については、在留期限後、強制収容される扱いに変更されるようです。
Vol.46 技能実習制度は黒転白になる?!(2017.11.1)
入国管理法を学び技能実習の実態を知れば、この制度が筋悪であるということは誰でもわかります。だから良心ある人たちは「人材不足を補うためのものではない」と嘘をつき、コンビニの店舗運営を技能実習の対象とすることに反対します。ある弁護士は「技能実習制度には根本的な欠陥があり、多くの人権侵害事件を引き起こしている」と非難し、「コンビニ店舗運営の社員教育のためなら企業内転勤や研修の制度を使うべきだし、留学生のアルバイトを卒業後に雇用するという方法もある」と指摘します。
Vol.45 JITCOは無罪でTATOOは有罪?(2017.10.30)
2017年度上半期の企業の倒産件数は前年同期比で9年ぶりに前年を上回りました。景気が良い都市圏では人が採用できない零細企業が倒産し、景気が悪い地方では人手不足倒産が起きにくくなっています。広告費をかける体力がない中小企業では社員やバイトが抜けていき、オペレーションが回りません。時給を上げて引きとめようとしても人件費は増える一方で、オーナーは休日もなしに出勤しなければならない。結局、どこかの段階で破綻してお店を畳むしかなくなるという負の連鎖が起きているのです。
Vol.44 ヒト不足倒産がやってくる!?(2017.10.26)
職場でのパワハラが原因でうつ病を発症したカンボジア人の技能実習生が労災認定されましたが、そういう惨状等を改善するために国が設けた宿舎の規定は公表から3カ月で反故にされました。鳥取県の繊維企業は、外国人技能実習生に違法な長時間労働を課したため書類送検され、ある部品メーカー社長は「若い人を雇っても将来に責任は持てない」と割り切り、自分の代で工場を畳む決意をしながら、技能実習生の採用で人繰りを凌いでいます。こんな外国人雇用で企業の未来が明るくなるわけがありません。
Vol.43 技能実習の資格外活動は不問?(2017.10.24)
NC旋盤の作業に関して、裁判官は「『技術』の在留資格に見合う活動に関する規定は曖昧であり,『技能実習2号』の対象職種であっても『単純』に分類されるなど,入国管理法上の専門的技術又は知識を要する業務は,社会通念上の専門性,技術性との認識と異なっている」とする原告の主張を退け、現場監督者が「単純作業である」と評価したことと原告が「初心者であっても1週間でできるかもしれない」と陳述したことを根拠に、NC旋盤の作業を「資格外活動」であると認定しました。
Vol.42 人材派遣会社営業部長も逮捕!(2017.10.23)
不法就労助長罪の容疑による逮捕が相次いでいます。10月18日にスーパーマーケットの採用担当者と紹介業者が逮捕されましたが、翌19日にも就労資格のない技能実習生を不正に労働させた容疑で、会社役員と韓国籍の会社員が逮捕されました。さらに、在留資格がないと知りながらベトナム人を物流会社で働かせていた疑いで、人材派遣会社の営業部長が逮捕されました。専門家であるはずの人材派遣会社営業部長は「外国人を雇ったことは間違いないが不法残留とは知らなかった」と容疑を否認しているようです。
Vol.41 採用担当者が逮捕されました!(2017.10.21)
就労資格のない外国人を東京都墨田区のスーパーマーケットで働かせていたとして、日本人男性2人が逮捕されました。逮捕された団体役員とスーパーの採用担当者は、不法残留や難民申請中のベトナム人を月に200時間以上働かせたと報じられています。団体役員は、ベトナム人を採用担当者の勤める会社に紹介し、管理費名目でこれまでに約320万円を受け取っていたようです。 興味深いのは、団体役員が、「在留カードを確認していたので、不法就労とは知らなかった」と容疑を否認している点です。
Vol.40 アベノミクスには期待できない!(2017.10.20)
日銀は「労働需給の引き締まりが続く中、賃金コスト吸収のための対応にも自ずと限界がある」とし賃金も価格も上がると見ていますが、戯言としか思えません。イオンの岡田社長は「脱デフレは大いなるイリュージョン」と喝破しましたが、現状は、需要増に牽引される「好景気」ではなく、単なる「人手不足」。需要が弱いから値上げしたらお客さまは離れるだけ。それを熟知しているから、経営者は値上げではなく、供給を絞っています。廃業する中小企業の約半分が黒字という異常事態を直視すべきです。
Vol.39 参政権よりも在留資格を論じよ!(2017.10.18)
「希望の党」は、政策協定書に「外国人参政権に対する反対」を盛り込みました。外国人参政権は、長年来の政治的な争点であり、憲法改正においても議論が分かれています。現行憲法は、国政への参政権を認めていませんが、地方参政権まで禁止するものではないと解されており、川崎市や広島市のほか、北海道の市町村では、住民投票に外国人も参加できる住民投票条例を制定。でも、日本に在留している大多数の外国人が求めているのは、参政権などではなく、基本的人権の尊重と在留資格の安定性です。
Vol.38 入管行政の周りは偽装だらけ?(2017.10.16)
10月初、店舗で働くフィリピン人の女と金を貸した客や店員らを「偽装結婚」させたとして、パブの経営者が逮捕されました。今年上半期に難民認定を申請した外国人は過去最多の8561人となり、前年比1.7倍の増加でしたが、多数の「偽装難民」が紛れ込んでいると報じられています。そのほかにも、就労目的の「偽装留学生」や「偽装滞在」が問題視されているなど入管行政の周りは「偽装」だらけ。しかし、冷静に見れば、そんな「偽装」などちっぽけに見えてしまう巨大な「まやかしの制度」があります。
Vol.37 通訳ガイド解禁は有利に働く?(2017.10.13)
6月に成立した「通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律」が来年1月4日に施行されます。従来、「通訳案内士」でなければ、有償の通訳ガイドは禁じられていましたが、来年からは無資格であっても対価をもらった通訳ガイドができます。無論、この制度変更には反対論もあります。ただでさえ、無資格の「闇ガイド」が跋扈し外国人観光客を食い物にした事例が目立っており、国会でも議論が白熱しました。この制度変更をビジネスと在留資格との関係で見れば、プラス面を期待することができます。
Vol.36 世界情勢は入管を支持する!?(2017.10.10)
ドイツで反難民を掲げる新興政党が第3党に躍進しました。難民に寛大だった政府は厳格化に転じましたが、国民は納得しませんでした。オランダでは移民排斥を唱える党が第2党に。フランスでも反移民で知られる党首が大統領の決選投票に進みました。オーストリアでは「国を難民に奪われてはならない」と訴える党が浮上し、イタリアでも右派政党が台頭しています。米国は難民受入の上限を半減させ、不法移民が押し寄せているカナダは、「避難先としてカナダを当てにするな」と言い始めました。
Vol.35 入管の裁量権は万能なのか?(2017.10.6)
強制退去とした入管の処分は違法として取消しを求めた訴訟において、イラン人男性が勝訴しました。不法入国した男性は日本でブラジル人女性と結婚し、長女を含めた家族3人で住んでいました。判決は「強制退去させれば日本で生活の基盤を持ち日本で暮らすことを希望する家族と離れて暮らすことになり、重大な不利益を及ぼす。家族の不利益を軽視し男性に不利な情状のみを重視した処分は裁量権を逸脱している」としました。この判例は、入管の裁量権にも一定の限度があるという事実を示しています。
Vol.34 技能実習より技人国を活用せよ(2017.10.4)
日本の少なからぬ産業や日本人の豊かな生活が、技能実習生によって支えられているという事実は否定できません。その一方、岐阜や愛知の縫製業者が実習生に対する賃金が最低賃金を大きく下回っていたり、職場から大量失踪したり、実習生を使っていることが理由で、2020年の東京オリンピックで日本の農産物が料理に使えないという深刻な問題が発生しています。この背景には、ある公的機関がピンハネしているため、技能実習生に皺寄せが行くという事情があるのですが、あまり報道されていません。
Vol.33 武装難民と偽装難民が悩みの種(2017.10.1)
麻生太郎副総理兼財務相が、北朝鮮で有事が発生すれば日本に武装難民が押し寄せる可能性に言及し、「警察で対応できるか。自衛隊、防衛出動か。じゃあ射殺か。真剣に考えた方がいい」と発言したことが物議を醸しましたが、「難民が船に乗って間違いなく漂着する。不法入国で10万人単位。どこに収容するのか」という指摘は間違っていません。入国者収容所の定員は2000人に満たないからです。ただでさえ「偽装難民」に悩まされているのに、「武装難民」まで漂着したら、入管はお手上げです。
Vol.32 ヤミ民泊が外国人を排斥する?(2017.9.26)
「外国人観光客のインバウンドが凄い」という報道は、日本人の「外国人嫌い」を若干緩和しましたが、最近、インバウントのデメリットが取り沙汰されています。民泊の8~9割を占める「ヤミ民泊」は、ホテル・旅館業界からすれば営業妨害ですし、騒音などで迷惑を被る近隣住民は被害者です。民泊施設を利用して覚醒剤を密輸する事件も起きました。インバウンドで悪いことが起きているということになると、外国人労働者を含めて、「外国人排斥」のムードが一挙に醸成される危険性があります。
Vol.31 「技人国」で現場研修ができる!(2017.9.23)
9月22日、「『クールジャパン』に関わる分野において就労しようとする留学生等に係る在留資格の明確化等について」が公表されました。「現場研修」について、従来は「採用当初のOJTは,業務習熟のために必要な研修として認められます。他方で,OJTの期間が当該外国人の在留期間の大半を占めるような場合には認められません」という概念的な指導でしたが、現場研修(単純作業)が「技術・人文知識・国際業務」の範囲内であることを複数の事例で認めたという点で「画期的」です。
Vol.30 在留資格の戦略で将来が決まる!(2017.9.22)
日本フランチャイズチェーン協会が「外国人技能実習制度」の対象職種にコンビニの店舗運営を加えるべく申請するようです。人手不足に焦る気持ちは分かりますが、極めて筋が悪い戦略です。正々堂々と入管を説得し、「技術・人文知識・国際業務」を勝ち取った企業の努力を無にする悪手でもあります。この点、際立っているのが、外国人従業員100人を目指す日の丸交通。観光業務に従事する高度人材として、「国際業務」という在留資格を取得させた上で乗務以外の部門への配置も検討するといいます。
Vol.29 ユニクロの真似をしてはいけない(2017.9.21)
ミャンマーから隣国バングラデシュに脱出したロヒンギャ難民が37万人に達する中、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井社長は100万ドルの個人寄付を申し出ました。ユニクロは、2015年11月、3年間で総額1000万ドルを国連に資金援助するとともに、国内外で難民100人を雇用することを公表するなど難民支援を積極的に打ち出しています。それでは、ユニクロを見習って難民を雇用すべきでしょうか。それは、あまりお勧めしません。
Vol.28 在留外国人が年金財政を救う!?(2017.9.20)
年金財政を1兆円改善させる方法があります。それは、厚生年金を支払った外国人に対して、在留資格の変更や在留期間の更新を認めるという政策です。留学生に対しても出席率80%以上を条件として、「週28時間以下」という上限を廃止し、厚生年金を納めたら「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更を認めることにすれば効果絶大。「永住者」でない在留外国人にとって厚生年金は支払う意味がありません。「年金を負担すれば在留資格を認める」というだけで、年金財政は劇的に改善します。
Vol.27 アニメで在留資格が出るのか?!(2017.9.19)
「アニメやデザイン、調理などを学ぶ外国人留学生が卒業後に日本で就職しやすくなるよう、在留資格を緩和する」という報道がありました。入管審査の現場を知らずに政策を論じるとこういうことになります。求人企業がいるのかという根本的な疑問だけでなく、運用上の基準である「月給20万円」をクリアできるかという問題もあるのですが、入社当初の研修期間に限り認めていた単純業務を中長期計画の提出を条件に一定期間認める方向に議論が進むのであれば、悪い話ではないのかもしれません。
Vol.26 入国管理法は移民を受け付けない(2017.9.18)
シリアは、2011年、アサド政権が民主化を求める市民のデモを弾圧したことを切っ掛けに内戦に突入。反アサド派に外国から過激派が加わる一方で、「イスラム国」が支配地を広げるなど混乱を極めています。逃げる人々の波は、2015年「欧州難民危機」となって世界を揺るがしました。それに対して日本は、5年かけて留学生150人を受け入れるという方針を公表。入国管理法は、「永住者」としての「難民」を受け入れられない体系になっているので、苦肉の策として「留学」での受入にした背景があります。
Vol.25 外国人なしで日本は成り立つのか(2017.9.17)
東京入管の審査が厳格化しています。専門学校における専攻と業務の関連を極めて厳しく追及し、申請者本人に対して電話で質問を浴びせるなど、2年前であれば許可された事例が不許可のオンパレード。偽装難民を一掃するという方針の余波が通常の在留資格変更の判断に影響しているように見えます。地方に目を転じると、外国人が増えなければやっていけない市町村が激増しており、少子高齢化はアジア全体の問題。こんな対応をしていると、アジアの人々が来日しないようになってしまわないか心配です。
Vol.24「偽造カード」に気を付けよう!(2017.9.16)
偽造の「在留カード」が出回っています。当初は中国人の偽造が目立ちましたが、ここ数年はベトナム人やインドネシア人の摘発も増えています。在留資格欄を「永住者」「日本人の配偶者等」という就労制限のない資格に書き換える手口が多いようです。本物は傾けると絵柄の色が変化しますしICチップが入っています。でも、極めて精巧な「偽造カード」があるのも実情。雇用主ができるのは「在留カード等番号失効情報照会」で確認し、いまの「在留資格」を得た経緯や背景をヒアリングすることです。
Vol.23 入国管理法を理解していますか?(2017.9.15)
「技術・人文知識・国際業務」を取得した韓国人正社員は、日本人正社員と同じ業務であれば何でもできるのでしょうか? 中華料理のコックとして「在留資格」の許可を得た中国人は店舗が忙しくなった場合、ホール係の代わりに来店客から注文を取れるでしょうか? ネパール料理の料理長として「在留資格」を得たネパール人料理長は雇用主が亡くなった場合に店長業務を担えるでしょうか? 入国管理法はかなり難解な法律ですが、法律違反の有無を判定する裁判長は「知っていて当然である」と一刀両断です。
Vol.22 入国管理制度に嘘はないのか?(2017.9.14)
法律や行政に嘘やインチキがあると「法」は信頼を失い、法治国家は機能しません。その意味で日本は失格です。というのは、法律と行政に大きな3つの嘘があるからです。まずは「自衛隊は軍隊ではない」という嘘。次に「パチンコは博打ではない」という嘘。最後に「技能実習は単純労働ではない」という嘘です。法令は「技能実習」について「申請人が修得しようとする技能、技術又は知識が同一の作業の反復のみによって修得できるものではないこと」と定めていますが、実態は単純作業ばかりなのです。
Vol.21「私は知らなかった」は有罪です(2017.9.13)
雇用主が絶対に知っておくべきは、入国管理法第73条の2第1項です。留学生を週28時間超働かせただけで、「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金」に課されてしまうを知らない雇用主は少なくありません。しかし留意すべきは、続く第73条の2第2項。「知らないことを理由として、同項の規定による処罰を免れることができない」と明記しており、「不法就労であることを知らなかった」という言い訳を封じているのです。「知らなかった」と言い張っても裁判では無罪になりません。
Vol.20 入管は留学生アルバイトを憎む(2017.9.11)
今回の入国管理法改正では、留学生のアルバイトに関して、厳しい内容が含まれています。これまで在留資格が取り消されるのは、「留学」の場合、「学校に通う」という「主たる活動」が3ヶ月を超えて行われないときに限られていたのですが、改正後の入国管理法では、「学校に通う」という「主たる活動」を行っていないときに、アルバイトという「資格外活動」を行っただけでOUTになるのです。学校に在籍していても、授業に出ずにアルバイトばかりしていれば、在留資格が取り消され、強制退去にもなり得ます。
Vol.19 外国人材活用が生き残る肝になる(2017.9.8)
有効求人倍率は7月に1.52倍となり、バブル期の1.46倍を超え、1974年2月以来43年5カ月ぶりの高水準となりました。2.8%を記録した7月の完全失業率においては、女性の失業率が1993年5月以来の低水準。少なからぬ企業は、将来の人手不足を見越して、長期で雇える正規社員の雇用を拡大していますが、働き盛りの日本人は年間60万人近く減少しており、人手不足で苦しむ日本企業が日々1700社も生まれることを示しています。稀代の人手不足を乗り切るためには、外国人材の活用が不可欠です。
Vol.18 難民問題は対岸の火事ではない(2017.9.7)
ミャンマーでは、少数派のイスラム教徒であるロヒンギャの武装勢力に対して、治安部隊が掃討作戦を断行しているため、住民の被害が拡大しており、隣国のバングラデシュに避難したロヒンギャは、12万人を上回りました。日本のマスコミは、人道的な立場から早急な解決を求めるコメントを発していますが、日本におけるロヒンギャ問題を知らないのではないでしょうか。群馬県の館林市には、亡命してきた200人近くのロヒンギャの人々が「無国籍」のまま、就労許可を与えられることなく放置されています。
Vol.17 日本はトランプを批判できない(2017.9.6)
9月5日、米国は、オバマ政権時代の合法的在留措置(DACA)を数カ月後に廃止することを決定しました。DACAとは、16歳までに米国に不法入国した30歳以下の若者を対象とする恩赦であり、2年間強制送還を免れられることに加え、就労資格も得られるので、対象者は「ドリーマーズ(夢見る人々)」と呼ばれています。日本のマスコミは、トランプ米大統領を批判していますが、彼らは、日本の入国管理法であれば、疑問の余地なく強制送還の対象。マスコミが垂れ流す報道を無前提に信じない癖を付けたいものです。
Vol.16 外国人の受入は犯罪を増やす?!(2017.9.4)
外国人犯罪に関する報道が増えています。実質的な外国人比率は1.9%なので、人口比に応じた数字であると評価することができないわけではありません。しかし、個別の犯罪における外国人比率に目を転じると、盗品等関係、強盗致死傷、強盗、殺人、薬事関係、傷害、窃盗、強姦が4.5%~8.3%の高水準。この数字を見ると、「外国人を受け入れると犯罪が増える」という入管や警察の主張を退けることは困難であり、日本では「外国人労働者を大々的に受け入れるべき」という議論にはならないと考えた方がよさそうです。
Vol.15 今こそ「河野私案」を再考する(2017.9.3)
いまから10年以上前の2006年に公表された「今後の外国人の受入れに関する基本的な考え方」(通称、「河野私案」。)を知っている方はいらっしゃるでしょうか。「河野私案」は、来たる人口減衰を踏まえた上で、あるべき入国管理制度を真正面から検討した意欲溢れる報告書でした。法務副大臣としてプロジェクトチームを立ち上げ、各方面からのパブリックコメントを踏まえた上で策定された「河野私案」は、いま読み返してみても色褪せることなく、現在の入管行政の問題点を的確に指摘しているように思えます。
Vol.14 入国審査官は超多忙なのです!(2017.9.2)
法務省は、2018年度概算要求において、入国審査官の増員約300人を要求しました。外国人観光客の出入国が一段と増えると推測されるため、入国審査官を2015年度からの5年間で約1,000人大幅増員するという計画はあるものの、増員の中心は、新千歳・羽田・成田・中部・関西等の空港が予定されていますから、在留資格変更の許可業務を担当する入国審査官の増員は、+5%程度と見るべきでしょう。一方、在留資格変更申請に関する受理件数は、前年比2割増。入国審査官は激務になるばかりなのです。
Vol.13 裁判官は不法就労を憎むのです(2017.8.31)
昨春、「留学ビザ」のベトナム人を週28時間を超えて働かせたとして、「スーパー玉出」が書類送検されましたが、裁判において会社100万円・人事部長70万円の罰金が科されました。裁判長は、「外国人の不法就労は我が国の出入国管理政策の根幹に反するものということができ、このような外国人による不法就労を容易にさせる不法就労助長行為は、外国人の就労活動の適正な管理を図ろうとする入国管理法の趣旨を没却するものであって、我が国の出入国管理秩序の根幹を乱す悪質な行為である」と一刀両断でした。
Vol.12 訪日外国人は犯罪者なのか?!(2017.8.29)
訪日外国人に絡む犯罪記事が取り上げられるようになってきました。「医療ツーリズム」に係る無免許手術や自家用車による「白タク営業」のほか、金塊の密輸入や偽造クレジットカードによる商品詐欺など、「日本は安全なのに、外国人に絡んで犯罪が多くなってきている」という印象が滲み出ています。警察や入管は、外国人絡みの犯罪が発生すると、マスコミに対して必要以上にプッシュします。結果的に、外国人排斥につながる世論が形成されてくると、外国人雇用に対する批判に飛び火してくる可能性があります。
Vol.11 外国人が健康保険を蝕んでいる(2017.8.23)
外国人に対する医療の充実化が叫ばれる一方で、「医療費不払い」という問題が浮上しています。観光で訪日したタイ人女性が急病に倒れ、運よく一命を取り留めたものの、手術等に要した治療費1800万円が宙に浮いてしまいました。旅行保険に加入しない訪日外国人が、病気やけがで病院にかかった場合、請求される高額の医療費を支払わないまま出国してしまうのです。わが国の健康保険は、少子高齢化を背景に構造赤字が問題視されているので、「外国人ただ乗り論」が出てくると、排外的な世論につながりかねません。
Vol.10 留学生は年功序列を嫌うのです(2017.8.18)
マスコミでは、外国人留学生の就職事情に関する誤った情報が、未だに数多く流れています。「入社後は、日本人とまったく同じようにキャリアを歩んでもらうことを確認しています。年功序列や終身雇用の考え方も含めて納得できるかを聞きます」などという建前論では、優秀な外国人は誰も入社しません。3ヶ月毎の実力評価で、先輩を1年で追い抜けると思うのが、彼らの「常識」であり、「年功序列」や「年次による人事」という気が遠くなるような長期競争は、彼らの想像を超えています。
Vol.9 取り調べの罠に気を付けましょう(2017.8.14)
始めからストーリーありきで、自白を求めて脅し付ける「決め付け捜査」。入国警備官や警察は、「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金」というストライクゾーンを狙って、事前にストーリーを組み立てた上でやってきます。あなたの落ち度を探し、不備を見付け、あなたが罪を認める自白を求めて脅し付けてきます。この決め付けに対抗するためには、事前の準備が欠かせません。入国管理法を熟知し、合法性を立証するための証拠を作って保管するだけでなく、合法性に対する確信を培っていく必要があります。
Vol.8 許可率が高い入管はどこなのか?(2017.8.1)
2016年における各地方入管の許可率(在留資格変更)が明らかになりました。トップは周南(山口県)で、審査件数126件のうち不許可は1件だけ。ほとんどの変更申請が許可されています。第2位は鹿児島で、第3位は高松でした。その一方、最下位となったのは和歌山で、トップの周南とは12.7%もの差があります。ワースト2位は宮崎で、ワースト3は宇都宮でした。少し広げた首都圏で見ると、トップは甲府で、最下位は品川。JRで2時間移動しただけで、8.2%も許可率が異なるのです。
Vol.7 串カツだるまはさらし者にされる(2017.7.27)
7月26日、留学生に法定時間を超えて働かせたとして出入国管理法違反の罪に問われた串カツ店「だるま」の運営会社と、同社の店舗統括部長の判決が出ました。裁判官は求刑通り同社を罰金50万円、部長を同30万円とする有罪判決を言い渡し、「会社は不法就労を助長しないよう組織的に取り組むべきだったのに利益を優先させた。責任は重大だ」と指摘しましたが、略式命令で終わっていたものをわざわざ公判にして晒し者にしたわけです。こんなことをされたら、人事担当役員は溜まったものではありません。
Vol.6 串カツだるまは略式を却下された(2017.7.18)
人気串カツ店「串かつだるま」が留学生を不法就労させた事件は、大阪区検が3月に略式起訴して終結する予定だったのですが、大阪簡裁が公判を開くという異例の展開になりました。このため、裁判所に社長が出廷し、「店舗運営の考えが甘かった。恥ずかしい思いで反省している」と謝罪させられ、店舗統括部長は「アルバイトが不足し、労働時間を短くすると店舗運営に支障が出ると思い、すぐには改善できなかった」と供述。「たかが週28時間オーバーでしょ」と思っていると、とっても痛い目に遭いそうです。
Vol.5 改正入管法による逮捕が出ました(2017.7.5)
今年1月に施行された入国管理法が適用されたことによる逮捕者が、全国で初めて出ました。中国人の在留資格を継続させるため、自分の事務所で働いているなどと嘘の申請をしたとして、元警察関係者の行政書士が逮捕されたのです。今年2月、依頼された中国人の在留資格を継続するため、自身の事務所で通訳などの仕事をしているなどと嘘の申請書を東京入国管理局に提出したようです。今後、この手の摘発が増えることに留意すべきです。行政書士は、入国管理法に詳しい専門家に依頼することをお勧めします。
Vol.4 難民雇用はとっても危ないのです(2017.6.16)
偽装難民のミャンマー人にホテルの清掃をさせていた会社の経営者が逮捕されました。じつは、4月下旬に家宅捜索が入った瞬間に、雇われていた約60人のミャンマー人は、あっという間に連絡が取れなくなったといいます。このため同社は、業務に大変な支障をきたし、大事な取引先を失いました。その上に逮捕されたのですから、泣きっ面に蜂。ただ、気を付けるべきは、難民申請者に頼っていたために、逮捕される前の時点でビジネスが回らなくなっていたということ。難民申請者を雇うのは本当にリスキーです。
Vol.3 マクリーン裁判を再考しましょう(2017.5.28)
入国管理法における法務大臣の広範な裁量権を認めたマクリーン判決は有名ですが、マクリーンが勝訴した東京地裁の判決文は、あまり知られていません。改めて読み返してみると、東京地裁判決の方が法の正義に適っており、デモに参加しただけで「政治活動」であると騒ぎ立て基本的人権を無視した入管側に軍配を上げた最高裁の弱腰が際立つように感じます。特に最近、トランプ政権になり、米国の司法が、行政の行き過ぎをリアルに牽制している姿を見せ付けられると、そのたびに彼我の違いを思い知らされます。
Vol.2 資格外活動にはリスクがあります(2017.5.24)
大阪の加工食肉会社「フードアシスト」の社長が、本来の在留資格と違う内容の仕事で外国人女性を働かせたとして逮捕され、会社が書類送検されました。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で来日したネパール籍の25歳~32歳の女性5人を、同府河内長野市内の工場で勤務させたという容疑です。先月、留学生を週28時間超働かせた罪で焼き肉店が略式起訴され、罰金刑が課せられましたが、この事件もどうなるのか予断を許しません。高をくくることなく、今から対策を打っておくことをお勧めいたします。
Vol.1「週28時間超」で起訴される時代(2017.4.28)
留学生に法定上限を超える長時間労働をさせたとして、大阪区検は、不法就労助長の罪で、大阪市内で4店舗を運営する老舗焼き肉店「アジヨシ」を略式起訴しました。2015年1月~12月、市内の3店舗で、週28時間しか働けない外国人留学生をアルバイト従業員として雇い、法定上限を超える長時間労働をさせたとして、昨年12月に大阪府警が書類送検した結果です。区検は同様に書類送検された同社の社長ら7人については不起訴処分としましたが、賢明な経営者であれば、今から対策を打っておくべきです。
Vol.486 歪んだ政策が犯罪を誘う?(2019.9.9)
6月28日、日本にベトナム人不法就労者を派遣していたとして、会社経営者がベトナムで逮捕されました。「観光ビザ」を取得したベトナム人13人を日本に送り込み、不法就労をさせていた疑いが持たれています。「偽造在留カード」が1~3万円で手に入るようになったので、「出稼ぎ目的」で2年前後で帰国するつもりなら、「観光ビザ」で十分ということなのでしょう。「技能実習」で来日する場合、ブローカーに多額の費用を請求されるため、その借金を返すまでは帰国することができず・・・
Vol.485 『偽造在留カード』で3億円!(2019.9.6)
7月2日、愛知、大阪、埼玉で、在留カードの偽造工場が相次いで摘発され、15人が逮捕された事件で、偽造していたグループの「金庫番」とみられる中国人が捕まりました。この容疑者は不正に入手した口座を通じて、グループが国内の客に前払いさせた偽造在留カードの代金を中国に送金。顧客は主にベトナム人で、1枚あたり15,000~20,000円で売っていたといいますが、3億円以上の売上げがあったと見られていますから、最大で2万人近くに偽造カードを提供した可能性があります。・・・
Vol.470 監理団体が初の書類送検に!(2019.8.16)
6月20日、監理団体「国際バンク事業協同組合」の役員2人と法人としての同組合が、技能実習適正化法違反の疑いで書類送検されました。送検容疑は、外国人技能実習機構に対し、実習生の受け入れを統括する「監理責任者」として、組合と無関係の人物の名前を記載した書類を提出した、というもの。昨年12月に、虚偽の講習実施記録を同機構に提出したとして、許可を取り消された事例はありましたが、同法に基づく書類送検は全国で初めてです。今回の事件で明らかになったように・・・
Vol.464 シャープ問題はなぜ再発するのか?(2019.8.7)
昨秋、シャープ亀山工場は、約3000人の外国人を解雇しました。彼らを送り込んでいた派遣元の一つである「ヒューマン」という下請会社はいくつもの会社を登記。外国人は、派遣会社と1~2カ月の雇用契約を結び、就労場所はシャープ亀山工場で、業務内容も変わらないのに、契約満了になる前には退職届を書き、また別の関係会社と同様の契約を交わすという形態で雇われていました。この契約形態だと、社会保険の支払義務から逃れられますし、有給休暇を与える必要もありません。・・・
Vol.460 フィリピン政府が先にお仕置き?(2019.8.1)
「やっぱり日本だと、政治家とつるんでいる監理団体大手のフレンドニッポンとか日立って、お咎めなしで終わるんだろうなぁ」と思っていたら、フィリピン政府がやってくれました。フィリピンの海外雇用庁は、帰国した元実習生からのヒアリングや独自の調査により、「日立とフレンドニッポンには技能実習のルール違反があった」と認定。「実習生は技術を学ぶのが目的のはずなのに通常の労働をさせられていた」と批判しています。管理責任のある「ホワイト・ダブ」に送り出しの停止を・・・
Vol.458 テリー伊藤の兄が入管法違反?(2019.7.30)
6月1日から、「不法就労外国人対策キャンペーン月間」が始まり、当局が摘発を強化し、逮捕事例をマスコミに垂れ流していることもあって、不法就労助長罪に関するニュースが毎日のように報道されています。6月7日には、就労資格のない外国人を働かせていたとして、テリー伊藤の実兄が入管法違反(不法就労助長)容疑で書類送検されました。オーバースティの中国人2人を就労させていたようです。マスコミは大きく取り上げましたが、単純な不法就労助長罪です。・・・
Vol.454 製造業派遣の大手は野放し?(2019.7.24)
6月3日、またもや「製造業派遣」で、派遣会社の社長が逮捕されました。兵庫県内にある携帯電話の部品製造工場に外国人7人を派遣した疑いです。技能実習生として来日したベトナム人を不法就労させたとして、入管法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕されたのは、兵庫県尼崎市にある人材派遣会社「ワールドビジネスパートナー」の中国人社長。不法就労していたベトナム人らは、関東や九州の技能実習先から失踪した後、闇サイトを通じて同社にアクセスしたとみられています。・・・
Vol.451 製造業派遣は撲滅されるか?(2019.7.19)
5月31日、人材派遣会社の社長が、留学生や技能実習生7人をケーキ工場などに派遣して、不法就労させたとして逮捕されました。今年3月、7人が工場から帰宅する際に、警官から職質を受けて不法就労が発覚し、逮捕されたことが切っ掛けだったと報じられていますが、留学生の不法就労が職質でバレたとすれば、「毎日8時間働いています」とか「学校には通っていません」と回答したということなのかもしれません。いずれにしても、不法就労は必ずバレると覚悟すべきです。・・・
Vol.430 入管法改正で偽造が増える?(2019.6.19)
「風が吹くと桶屋が儲かる」という諺があります。「風が吹く➡土埃が目に入る➡盲人が増える➡盲人は三味線を弾く➡三味線の胴を張る猫の皮の需要が増える➡猫が減る➡ねずみが増える➡ねずみが桶をかじる➡桶屋が儲かる」という論理で、一見すると全く関係がないと思われる場所・物事に影響が及び得ることの例えですが、近年では、「可能性の低い因果関係を無理矢理つなげてできたこじつけの理論」を指すようです。「精巧偽造在留カード横行 入管法改正で拡大の恐れ」という記事・・・
Vol.424 フレンドニッポンはお咎めなし?(2019.6.11)
昨年12月27日、協同組合クリエイティブ・ネットは、実習前の講習を十分に実施しなかったにもかかわらず、外国人技能実習機構に「受講させた」と虚偽の報告をしたため、監理団体としての許可が取り消されました。同組合から派遣されていた7人のタイ人女性は、講習期間中に「実習」に従事していただけでなく、「講習を受けている」と嘘をつくよう指示されていました。さらに、その「実習」は、事前の計画内容とは全く異なっていたと言います。その事例との関係で気になるのが・・・
Vol.416 製造業派遣は実刑になるのか?(2019.5.30)
4月15日、専門職の在留資格で入国させたベトナム人を工事現場に派遣し資格外の単純労働をさせたとして、入国管理法違反(不法就労助長)の罪に問われた事件の判決があり、懲役1年の実刑・罰金100万円が言い渡されました。被告は起訴内容を否認しましたが、裁判長は、斡旋した人材派遣会社役員とのメールのやりとりなどから「不法就労するという認識があったと強く推認される」として退け、「外国人の適正な管理を害する犯行で悪質性は軽視できない」と指摘しました。・・・
Vol.380 『翻訳・通訳』で虚偽申請!(2019.4.2)
3月12日、フィリピン人の在留資格を虚偽申請したとして、神奈川県の行政書士が入管法違反で逮捕されました。昨年2月から50~100件の虚偽申請に関わり、計約300万円の報酬を受け取ったようです。約100人の留学生の在留資格を不正変更し、倉庫やレストランなどで単純労働をさせたとして摘発された人材派遣会社の事件から芋蔓式の逮捕です。虚偽申請の手口は、王道の「翻訳・通訳パターン」。勤務先において「翻訳・通訳」の実態が皆無だったため、虚偽が立証されました。・・・
Vol.374 大企業も摘発しないと不公平?(2019.3.25)
3月9日、不法残留していたベトナム人男性4人を自動車部品製造会社に派遣していた業者が、入管法違反(不法就労助長)容疑で逮捕されました。またしても製造業派遣です。派遣業者は、「働く資格があると思っていた」として容疑を否認していますが、知りながら派遣したのか、在留カードを確認しなかったのか、偽造在留カードで騙されたのか、がポイントになります。問題は、派遣先の自動車部品製造会社です。リスクが自分に降りかからないように、在留カードはわざと・・・
Vol.367 日立だったら送検されない?(2019.3.14)
技能実習機構が、法令違反による計画不認可で99人を解雇した日立製作所ならびにグループ会社に対し、改善勧告や改善指導を行ったようです。必須業務とされる「プリント基板の作業」を外注し、「電子機器組み立て」の習得を目的とする実習生には必須業務をさせなかったというのですから、悪意のある法令違反。本来なら、刑事事件として扱うべき事案です。確かに、技能実習機構は行政処分権限しか持っていませんが、警察や検察に委ねればよいだけ。ところが勧告や指導で手仕舞い・・・
Vol.363 日本は偽造カードだらけ?(2019.3.8)
2月19日、偽造した在留カードを隠し持っていたとして、大阪市に住む中国人男性が入管法違反の疑いで逮捕されました。自宅からは、偽造された在留カード50枚と無地のカード7000枚に加え、プリンターやレターパックが見つかったといいます。男は「1日に40枚ほど偽造カードを作った」と供述しており、6000枚以上偽造した可能性があります。「SNSでこのバイトを見つけた。ブローカーの指示を受け1日に40枚ほど偽造カードを作った」と供述しているようです。・・・
Vol.357 やはり製造業派遣はヤバい!(2019.2.28)
2月19日、熊本県の工場で、入管法違反(資格外活動や不法残留)の疑いで、ベトナム国籍の技能実習生ら12人が逮捕されました。技能実習の在留資格を持つ2人が資格外活動の許可を受けずに同工場で補助作業員として働き、報酬を受け取った容疑で、他の8人がオーバースティ、残り2人は偽造在留カードの所持疑いでした。12人は一軒家2棟に6人ずつで暮らしていましたが、同じ派遣会社から工場に派遣されたと話しており、県警は派遣元の会社からも事情を聴いているといいます。・・・
Vol.353 入管法は落とし穴だらけ?(2019.2.22)
2月15日、外国人留学生に在留資格の虚偽申請をさせ、不法就労させたとして、川崎市の会社員と、会社員が実質的に経営していた人材派遣会社の元社員ら計5人が不法就労助長の疑いで逮捕されました。通訳として働くとして申請したにもかかわらず、倉庫や介護施設で働かせていたという容疑です。「ウチには関係がない話だ」と思われるかもしれません。しかし、入管法には至る所に「違反」の落とし穴があります。例えば、「特定技能1号」では転職自由なのですが、・・・
Vol.343 技能実習生で偽装請負?(2019.2.7)
愛知県の青果卸会社が技能実習生の雇用で、偽装請負を行っていたという疑惑が報じられました。関連の農業生産法人に雇用されて、北海道の農家などで農作業に従事しているベトナム人技能実習生21人が解雇された問題から発覚。担当役員が「青果卸会社では実習生に教えるような社員はいなかった」と証言しているのであれば、「技能実習」という建前が崩れてしまうので、在留資格等不正取得罪に該当することになります。かなりあからさまな入管法違反ですが、この手の違反は・・・
Vol.337 なぜ三菱自には優しいのか?(2019.1.30)
1月25日、法務省と厚生労働省は、三菱自動車やパナソニックなど4社の技能実習計画の認定を取り消しました。27人分の取り消しを受けた三菱自動車の場合、岡崎市の工場で実習生に計画に記載した半自動溶接作業ではなく、部品の組み立て作業という明らかな「資格外活動」をさせていました。「現場担当者の認識違い」と説明していましたが、そもそも全員分の溶接作業を行える設備がなかったことが判明。同様の不適正な受け入れを約10年間にわたって続けていたとも言います。・・・
Vol.332 誹謗中傷への対処法を考える(2019.1.23)
外国人材に関与する雇用企業や人材会社、行政書士等は、入管法等のリスクに晒されています。マーケットが勃興期であり、支配的な大手がおらず、大小入り混じった群雄割拠の局面だけに、ライバルを蹴落とすための誹謗中傷も日常茶飯事です。ある行政書士法人は、昨年末、正式な取材を受けることなく、一方の言い分だけでゴシップ記事を書かれてしまいました。謂れのない言い掛かりだったため、内部では報道元に対する抗議や訴訟を提起する声も聞かれました。・・・
Vol.331 偽造在留カードが氾濫する!(2019.1.22)
2018年は「偽造在留カード」が氾濫した年でした。偽造カードの所持や行使などに関する全国の摘発件数は昨年10月末までに523件に上っています。最多だった一昨年1年間の400件を既に超え、2013年の5倍近くに増加。中でも、偽造された在留カードを所持していたなどとして、入管難民法違反容疑で摘発されるベトナム人らが全国で急増しているのが特徴的です。ベトナム人の摘発は、2013年は0件でしたが、2017年は163件で2016年の51件から3倍超に急増しています。・・・
Vol.317 違法派遣で罰金200万円!(2018.12.26)
ニセコ町の「ヒルトンニセコビレッジ」で、就労資格のないベトナム人を不法に働かせたとして、入国管理法違反(不法就労助長)の罪に問われた人材派遣会社社長の判決が下りました。懲役1年6カ月・執行猶予3年・罰金200万円。裁判官は「入国管理行政への悪影響は大きく、刑事責任は軽視できない」と判示しました。ベトナム人7人を10ヶ月間、ホテルに派遣して清掃業務に従事させたことが、重大な犯罪であると断ぜられたのです。しかし、今回の事件でホテルは罪に問われませんでした。・・・
Vol.308 派遣先でも逮捕される時代(2018.12.12)
12月初、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で入国させたベトナム人3人を東北地方の工事現場に派遣し、資格外の単純労働をさせたとして、入国管理法違反(不法就労助長・斡旋)の疑いで、東京都の人材派遣会社社長(派遣元)や建設会社社長(派遣先)ら8人が逮捕されました。人手不足の現場や工場に、「技術・人文知識・国際業務」を派遣している業者は数多く存在しますが、「現場研修」の余地は少ないので、ほとんどが不法就労。この事件では、「派遣先」も摘発されました。・・・
Vol.306 偽造カードは1万円で買える(2018.12.10)
11月26日、職務質問を切っ掛けに、メガソーラー建設の工事現場で働いていた中国人の男女11人が入国管理法違反(不法残留・旅券不携帯)の容疑で逮捕されました。さらに調べていくと、同じ工事現場で働いていた中国人の男女46人が失踪したこともわかりました。これらの中国人は、千葉県の下請業者が雇用しており、元請会社に提出された「在留カード」の写しには、「永住者」や「定住者」と在留資格が記され、就労制限の有無の欄も「就労制限なし」と記載されていたといいます。・・・
Vol.304 『年末特別警戒』に備えよ!(2018.12.6)
11月下旬あたりから不法就労の摘発が立て続けに報じられています。不法就労助長・不法残留の疑いで、三重県でスナック店を経営している台湾人女性とタイ人女性ら3人逮捕されたほか、埼玉県でもエステ店の中国人経営者ら女性3人が不法就労助長・資格外活動で摘発。栃木県でも、不法就労助長の疑いで風俗店従業員の男性が逮捕されています。また、埼玉県では、解体業者の社長と中国人の妻が、不法滞在している中国人男性を解体工事現場などで働かせたとして逮捕されました。・・・
Vol.296 なぜ日立は摘発されないの?(2018.11.26)
11月半ば、技能実習生に目的外の「産業廃棄物処分場業務」をさせたとして、不法就労助長の疑いで、技能実習生受入団体の役員と産廃会社役員ら3人が逮捕されました。2017年2~3月頃、「とび職種」の在留資格しか持たないベトナム人男性5人を、産廃処分場を運営する会社役員の2人に紹介。会社役員2人は同年2月頃から2018年10月にかけ、実習生5人を処分場で不法に就労させたといいます。そのほかにも、10月半ばには、技能実習生を、ホテルの清掃員として違法に斡旋・・・
Vol.291 またまた派遣で入管法違反(2018.11.16)
不法残留を知りながら中国人男女2人を工場に派遣して働かせたとして、人材派遣会社社長と名古屋市在住の中国人が入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕されました。両容疑者が共謀して、不法残留した中国人の男女を作業員として、富山県小矢部市にある工場で働かせていたようです。この食品工場は伊藤ハムの子会社が運営。伊藤ハムは、「在留、就労状況は確認していたが不法との認識がなく、このような事態が発覚し大変驚いている。チェック体制をより強化していきたい」と答えました・・・
Vol.284 大企業はリスクが小さい?(2018.11.7)
外国人材を紹介するビジネスに数多くの企業が参入していますが、入国管理法を十分に理解しているか否か甚だ疑問です。少なからぬ企業は、「大企業への紹介であれば問題ないだろう」と思い込み、自ら入国管理法を学ぶことなく、外国人材を紹介していますが、かなり大きなリスクを冒しています。大企業の人事部の役目は「採用」であって、「コンプライアンス」ではないので、入国管理法に詳しい人事担当は稀。問題が起きないように業者が諸対策を講じるのは当たり前と思っています。・・・
Vol.275 同じ資格外活動なのに?(2018.10.25)
10月19日、法務省は、技能実習生を計画にない東京電力福島第1原発事故の除染作業等に従事させたとして、建設会社3社について、3年間の実習生受入停止や注意喚起の措置を講じたことを発表。政府は、外国人実習生に除染作業を行わせることを禁止する方針を示していますが、除染作業が短期間だった先については注意喚起にとどめました。法務省は「除染は技能実習の趣旨にそぐわない」との見解を示しているものの、入国管理法に照らせば、明白な「資格外活動」。・・・
Vol.264 大企業だと雇止めで許される?(2018.10.10)
今春以降、技能実習生を「資格外活動」で不法就労させていたことが相次いで報じられました。そんな中、日立が、該当する技能実習生20人に対して、実習途中の解雇を通告。実習計画の認定が得られず、在留資格が更新されなかったとして、解雇予告手当(1ヶ月分の給料)を支払ってお払い箱にしました。技能実習生たちは収まりません。新幹線の排水パイプ付けなど「本来の『電気機器組み立て』技能が学べない単純作業ばかりだった。私たちに非はなく不当だ」と訴える構えを見せています。・・・
Vol.261 許可に浮かれてはいけません(2018.10.4)
資格外活動などで2017年に在留資格が取り消された外国人が前年比91人増の385人に上り、過去最多になりました。在留資格別では「留学」が最多の172人とほぼ半数を占めています。具体的には、「留学生が学校を除籍された後に,アルバイト又は犯罪行為(詐欺・窃盗等)を行って在留していた」とか「留学生が学校を除籍された後に,3ヶ月以上本邦に在留していた」という事例が紹介されています。留意すべきは、「技術・人文知識・国際業務」が第3位にランクインしたこと。・・・
Vol.248 製造業派遣で資格外活動(2018.9.17)
製造業への外国人派遣ビジネスが絶好調です。「派遣スタッフの就業者数が前年比4割増」とか「就業者数が2万人を超えた」「派遣先も登録者も右肩上がり」など景気の良い話が聞こえてきます。中には、中国の大学と提携して現地の学生を採用し、日本企業に派遣する企業すら出てきました。機械を使った実習研修を実施し、工場などの製造スタッフとして取引先の企業に派遣する予定だと言います。人手不足に苦しむ製造業のニーズが強いのは事実です。しかし、問題は「在留資格」。・・・
Vol.224 在留カードは預かってよい?(2018.8.14)
8月1日、保有していた「在留カード」とキャッシュカードの名義が異なっていたため、あるベトナム人男性は、他人名義のキャッシュカードを譲り受けた疑いで逮捕されましたが、その後の捜査で、誤認であったことが判明。釈放された後、自分の「在留カード」を携帯せず、他人の「在留カード」を提示したとして、改めて逮捕されました。「在留カード」の不携帯は入国管理法違反であり、罰金刑(20万円以下)に相当します。現場で問題となるのは、「在留カード」を預かることの是非。・・・
Vol.216 行政書士が職業を紹介?(2018.8.2)
紹介や派遣のマーケットが拡大しているので、新規業者が多数参入しています。市場が活性化することは良いことなのですが、問題はコンプライアンス。外国人の紹介や派遣は、職業安定法・労働者派遣法・入国管理法という難解な法令の連立方程式を解いていく作業です。例えば、「副業で30万円以上稼いでいる講師もいる」として4000人の外国人が登録している「フラミンゴ」。講師と顧客の契約をアレンジしているだけという立場なのでしょうが、入国管理法違反に抵触しています。・・・
Vol.214 マイナンバーで摘発する!(2018.7.31)
安倍政権は、外国人労働者の大幅受入れに舵を切りましたが、「入管や警察による入管法違反の摘発が緩むのではないか」と期待すると痛い目に遭います。実際、「骨太の方針」には、自民党の一部から治安悪化の懸念が出たことを踏まえて、「法務省、厚生労働省、地方自治体等が連携の上、在留管理体制を強化し、不法・偽装滞在者や難民認定制度の乱用・誤用者対策等を推進する」という一文が加えられました。また、当局者の意向を反映した新聞記事を見れば、「管理強化」のオンパレードです。・・・
Vol.209 ブローカーは信じちゃいけない(2018.7.24)
月に不法残留のベトナム人を白馬村のホテルに斡旋したとして理容業を自営していたブローカーが逮捕されましたが、別の容疑で今月再送検されました。その容疑とは2016年12月にベトナム人労働者の「在留カード」のコピー1通を改変し本物と装ってホテル関係者に提出し行使したというもの。在留期間や許可年月日等を偽造していたようです。このブローカーから紹介を受けて働かせていた白馬村のホテルの会社役員2人も「在留カード」の実物で身分確認をしていなかったとして送検されました。・・・
Vol.206 芋蔓式捜査でブローカーも・・・(2018.7.19)
7月3日、外国人技能実習生を受け入れる監理団体幹部による不法就労斡旋事件で、ネパール人夫婦を幹部に紹介したとして、千葉県市川市のネパール人派遣社員が入国管理法違反(不法就労斡旋)の容疑で逮捕されました。「技能」の夫と「家族滞在」の妻を監理団体に紹介し、毎月、監理団体から1人あたり月5000円の報酬を受け取っていたほか、夫婦からも8万円の謝礼を受領していました。この事件は、昨年11月、不法就労で逮捕されたタイ人男女3人が切っ掛け。・・・
Vol.201 その結婚は本物か偽物か?(2018.7.11)
7月3日、店で働く外国人女性に「偽装結婚」をさせたとして、フィリピンパブの経営者が逮捕されました。日本人男性に報酬を与えて婚姻届を出させ、「日本人配偶者」の在留資格を取らせたのです。入管は、この手の「偽装結婚」を見破るため、同居の有無をチェックします。問題は本当の「結婚」で別居している場合。ある中国人女性は「偽装結婚」の疑いで逮捕されましたが、不起訴処分になりました。しかし、寝室が異なることを理由に、入管は在留期間の更新を認めず、強制退去処分に・・・
Vol.200 知らなかったことにすればいい?(2018.7.10)
週28時間を超えて、ベトナム人留学生3人を自身の経営するホテルで清掃業務等に就かせたとして、ラブホテルチェーン「ファイン」の運営会社会長ら役員3人が逮捕されました。会長は、「留学生の労働時間に上限があるとは知らなかった」と容疑を否認しましたが、社員らは容疑を認め、会長から「法律を知らなかったことにしろ」と口裏合わせを指示されたようです。週85時間も勤務していた留学生もいたようですが、そもそもラブホテルでの清掃業務に留学生を従事させた時点で違法です。・・・
Vol.186 芋蔓式捜査は有効で迅速!(2018.6.20)
6月12日、不法残留のベトナム人4人を清掃員として働かせていたとして、横浜市で派遣会社を営む会社役員が入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕・送検されました。捜査の発端は、5月24日午後、北海道警察が、倶知安町内のスーパーで万引した疑いで、ベトナム人男性を任意で聴取したこと。捜査の過程で、ホテルで働く従業員の寮として使われていた一軒家に出入りしていた外国人の集団を発見し、5月26日に、ベトナム人男女14人を現行犯逮捕しました。・・・
Vol.184 不法就労助長は摘発される!(2018.6.18)
神奈川県では、中国人の在留期間を延長するため虚偽の申請をしたとして、虚偽申請の疑いで、会社役員男性、その長男の行政書士、次男の会社役員が逮捕されました。昨年8月、東京入国管理局に虚偽の書類を提出し、中国人女性の在留期間を1年間延長させたというのです。中国人女性は「報酬と毎月の手数料を渡していた」と供述しており、容疑者が役員を務めるペーパーカンパニーで雇用している体裁を取り繕い、入管に虚偽申請する手口によって、47人から計700万円の報酬を得ていたようです。・・・
Vol.180 偽造カードの社員を派遣?(2018.6.12)
愛知県知立市の人材派遣会社の社長が、不法滞在のベトナム人3人を自動車部品製造工場などに派遣していた容疑で逮捕されました。3人のうち1人は、3月下旬、愛知県豊田市内で職務質問されたときに不法残留容疑で現行犯逮捕され、残り2人も同様に逮捕されたのですが、3人のうち2人は「偽造在留カード」を持ち、1人は他人名義の「在留カード」を所持していました。このため、当社長が、ベトナム人3人が不法滞在と知りつつ、彼らを雇って派遣したのではないかと疑われているのです。・・・
Vol.170 白馬のホテルで芋蔓式逮捕(2018.5.29)
北安曇郡白馬村のホテルに不法残留のベトナム人の男性2人を従業員として斡旋したとして、入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで、理容業を営む山田治也容疑者が逮捕されました。2人は留学や外国人技能実習で入国したといいます。警察は、この2人を含むベトナム人男女5人を不法残留の疑いで逮捕していましたが、このうちの男性1人を雇った疑いで、ホテルを実質的に経営していた男性を逮捕するとともに、会社役員ら4人を書類送検しました。・・・
Vol.137 難民指南の「日本の母」逮捕(2018.4.9)
愛知県警が年初に入国管理法違反容疑で逮捕したフィリピン国籍のヒガ・ルシア・グアリン容疑者は、就労先を求めて来日するフィリピン人たちの間で「日本の母」と呼ばれていました。難民申請の手続を熟知していたヒガ容疑者は、来日したフィリピン人や中国人、ベトナム人らに難民申請の方法を指南。マンションの住所を提供した上で働き口を紹介し、その対価で稼いでいたようです。ヒガ容疑者のマンションを住所地として難民申請をした外国人は昨年9月から今年2月まででなんと93人もいました。
Vol.105 人助けのつもりが法令違反に!(2018.2.21)
英語を教えて収入を得たい外国人2200人と、教わりたい日本人をマッチングする学習アプリ「フラミンゴ」を運営しているベンチャー企業があります。経営者は、「日本は外国人にとって生活しづらい。留学生の中には、睡眠時間を削って、時給が高い深夜バイトで食いつないでいる人もいます」と語り、時給1000円、週28時間でフルに働いたとしても11万2000円しか稼げない現状を批判。「日本で暮らす外国人がもっと稼ぐことのできる場をつくりたい」と思って起業したようです。
Vol.101 今後の流行は「偽装転勤」か?(2018.2.15)
2月2日、焼き肉用の網の洗浄工場で中国人を違法に働かせていたとして、韓国人で会社社長の朴聖熙容疑者とインターネット広告会社社長の全永博容疑者が逮捕されました。去年9月から先月まで朴容疑者が経営する千葉県市川市の焼き肉用の網の洗浄工場で中国人男性7人を違法に働かせたと見られています。全容疑者の会社は実体のないペーパーカンパニーで、中国の関連会社から転勤させるという名目で在留資格を得させたようです。ひょっとすると今後の流行は「偽装転勤」になるのかもしれません。
Vol.97 企業内転勤で資格外活動?!(2018.2.8)
「企業内転勤」で在留資格を得た中国人に「資格外活動」をさせたとして、福岡県のマッサージ店の経営者らが入国管理法違反容疑で逮捕されました。「企業内転勤」の在留資格を持つ中国人の女2人を店舗でマッサージ師として働かせたというのです。勤務していた中国人女性は、東京都の情報処理事業会社「ブライトアース」の中国の子会社から、同社に企業内転勤する名目で在留資格を取得。同社は活動実態がないペーパーカンパニーとみられ、同社の代表取締役も入国管理法違反容疑で逮捕されました。  
Vol.90 元入管次長の行政書士を逮捕!(2018.1.30)
1月24日、中国人女性が経営する大阪市西成区のカラオケ居酒屋について、運営会社の設立登記手続を無資格で代行した疑いで、大阪入国管理局元次長が逮捕されました。各紙の記事はほぼ同じですが、「見出し」が違いました。入管に対して遠慮する義理のないロイター通信は「大阪入国管理局の元次長を逮捕」とズバリ。入管と距離がある西日本新聞は「大阪入国管理局の元次長を逮捕 中国人の店不正登記疑い」と題しましたが、他紙は・・・。
Vol.71 ブローカーには絶対に近寄るな(2017.12.20)
2017年11月末、資格外活動幇助の疑いで、不法就労目的のタイ女性を受入先につなぐ「ブローカー」が逮捕されました。10月には、ベトナム人がSNSで集めた技能実習生を紹介した韓国人が捕まりましたし、7月にはクルーズ船で観光入国した中国人に職をアレンジした日本人が摘発されました。在留資格を不正に変更させて仕事先を斡旋したネパール人の仲介人や、失踪した技能実習生を囲い込んで300人近くに仕事を世話していた帰化中国人、留学生を自らが運営する人材派遣会社で働かせた日本語学校経営者、偽装難民の申請を指南したネパール人やベトナム人などが次々と捕まっています。
Vol.49 行政書士は法律のプロなのか?(2017.11.10)
他人名義でキャバクラ店の営業許可を申請して無許可営業を手助けしたとして、行政書士が逮捕されました。じつは、行政書士が逮捕された事例を拾い上げると、近年だけでも、入国管理法違反、司法書士法違反、弁理士法違反、電磁的公正証書原本不実記録・同供用、偽造有印私文書行使、建設業法違反、戸籍法違反、公選法違反、銃刀法違反、業務上横領、窃盗など、犯罪のオンパレード。「行政書士は頼れる街の法律家」と宣伝されていますが、法律家なのに逮捕される事例が多いのではお話になりません。
Vol.42 人材派遣会社営業部長も逮捕!(2017.10.23)
不法就労助長罪の容疑による逮捕が相次いでいます。10月18日にスーパーマーケットの採用担当者と紹介業者が逮捕されましたが、翌19日にも就労資格のない技能実習生を不正に労働させた容疑で、会社役員と韓国籍の会社員が逮捕されました。さらに、在留資格がないと知りながらベトナム人を物流会社で働かせていた疑いで、人材派遣会社の営業部長が逮捕されました。専門家であるはずの人材派遣会社営業部長は「外国人を雇ったことは間違いないが不法残留とは知らなかった」と容疑を否認しているようです。
Vol.41 採用担当者が逮捕されました!(2017.10.21)
就労資格のない外国人を東京都墨田区のスーパーマーケットで働かせていたとして、日本人男性2人が逮捕されました。逮捕された団体役員とスーパーの採用担当者は、不法残留や難民申請中のベトナム人を月に200時間以上働かせたと報じられています。団体役員は、ベトナム人を採用担当者の勤める会社に紹介し、管理費名目でこれまでに約320万円を受け取っていたようです。興味深いのは、団体役員が、「在留カードを確認していたので、不法就労とは知らなかった」と容疑を否認している点です。
Vol.2 資格外活動にはリスクがあります(2017.5.24)
大阪の加工食肉会社「フードアシスト」の社長が、本来の在留資格と違う内容の仕事で外国人女性を働かせたとして逮捕され、会社が書類送検されました。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で来日したネパール籍の25歳~32歳の女性5人を、同府河内長野市内の工場で勤務させたという容疑です。先月、留学生を週28時間超働かせた罪で焼き肉店が略式起訴され、罰金刑が課せられましたが、この事件もどうなるのか予断を許しません。高をくくることなく、今から対策を打っておくことをお勧めいたします。
Vol.1「週28時間超」で起訴される時代(2017.4.28)
留学生に法定上限を超える長時間労働をさせたとして、大阪区検は、不法就労助長の罪で、大阪市内で4店舗を運営する老舗焼き肉店「アジヨシ」を略式起訴しました。2015年1月~12月、市内の3店舗で、週28時間しか働けない外国人留学生をアルバイト従業員として雇い、法定上限を超える長時間労働をさせたとして、昨年12月に大阪府警が書類送検した結果です。区検は同様に書類送検された同社の社長ら7人については不起訴処分としましたが、賢明な経営者であれば、今から対策を打っておくべきです。
Vol.5 改正入管法による逮捕が出ました(2017.7.5)
今年1月に施行された入国管理法が適用されたことによる逮捕者が、全国で初めて出ました。中国人の在留資格を継続させるため、自分の事務所で働いているなどと嘘の申請をしたとして、元警察関係者の行政書士が逮捕されたのです。今年2月、依頼された中国人の在留資格を継続するため、自身の事務所で通訳などの仕事をしているなどと嘘の申請書を東京入国管理局に提出したようです。今後、この手の摘発が増えることに留意すべきです。行政書士は、入国管理法に詳しい専門家に依頼することをお勧めします。
Vol.408 認定証明書の偽造が始まる?(2019.5.20)
3月27日、日本語能力試験の自分名義の認定証明書1枚を偽造したとして、有印公文書偽造の疑いで、ベトナム人が逮捕されました。本物の証明書は、国際交流基金と日本国際教育支援協会が発行するのですが、中国等で顔写真や名前が入った認定証明書1枚を偽造したようです。「特定技能」においては「N4」が必要ですし、「技能実習」の「介護」においても2年目に「N3」が求められます。また、日本語学校では、日本語試験の合格率で「留学」の枠が決められるようになります・・・
Vol.345 偽造カードで芋蔓式捜査(2019.2.12)
1月31日、オーバーステイの中国人を不法に働かせていたとして、入管法違反容疑で、横浜市の内装業ら中国籍の男女3人が逮捕されました。改修工事現場等で在留期間を過ぎた中国籍の男女10人を内装工として働かせたという疑いです。容疑者ら3人は、空港などで中国人に声をかけ、偽造の在留カードを作るように指示。横浜市内の住居に住まわせた上で、就労以外の外出を禁じていたといいます。昨年11月に偽造在留カードを所持した容疑で、中国籍の男女12人が逮捕されたのですが・・・
Vol.341 在留カード読取装置を購入?(2019.2.5)
在留カードの偽造拠点とみられるワンルームマンションの一室が家宅捜索され、偽造された在留カードなど5000点が押収されました。1枚当たり70元(約1100円)という破格の安値で、2ヶ月間で1000枚以上を製作したようです。気になったのは、「外国人を雇用する事業所には中小企業も多く、『偽造を見破るチップの読み取り機を設置するなどの設備負担を嫌い、導入しないところもある』(関係者)」と指摘して、あたかも読み取り装置を持たない雇用主が悪いかのような記事があったこと。・・・
Vol.299 一蘭事件を教訓に活かせ!(2018.11.29)
1年前、外国人の就労をハローワークに届け出ていなかったとして、豚骨ラーメン店「一蘭」の本社や「道頓堀店別館」が家宅捜索されました。今年3月には、留学生を「週28時間」を超えて勤務させていた容疑で、社長や店長ら計7人と法人「一蘭」が書類送検され、罰金刑が課されました。その一蘭では、「週28時間」に注意するよう毎月指導しており、全国70店舗の中で問題があったのは道頓堀店だけ。「週28時間超」の留学生10人の中には、「学校が長期休暇中」と虚偽申請した者もいました。・・・
Vol.251 一蘭と串カツだるまの共通点(2018.9.20)
豚骨ラーメンチェーン「一蘭」が大阪市内の店で外国人留学生を不法就労させたとして、大阪区検は、法人としての同社と社員4人を入管難民法違反罪で略式起訴しました。大阪簡裁が罰金(30万~50万円)の略式命令を出して決着。ハローワークに届けずに外国人を雇用したとして、雇用対策法違反でも書類送検されましたが、社長が起訴されることはありませんでした。2017年11月末にガサ入れされて大々的に報道され、今年3月に書類送検。今回の決着に至るまで、1年の歳月が経過しました。・・・
Vol.191 一蘭は中国で処罰されるか?(2018.6.27)
中国の刑法は、犯罪行為を「質」と「量」で捉えます。「質」とは「何を犯罪とするか」という構成要件のことで、「量」とは社会に与える影響(盗んだ金額や行為の悪質さ)を指し、「質」と「量」が揃って初めて「犯罪」になります。中国では、「法律違反=犯罪」ではなく、お金を盗んだとしても少額だと「犯罪」にならないのです。一方、日本の刑法は「犯罪」を「質」だけで捉えますから、何をしたかだけで「犯罪」かどうかが決まり、「量」は関係ありません(量刑の部分で情状酌量はある)。・・・
Vol.176 偽造在留カードが1500枚!(2018.6.6)
茨城県警は、偽造在留カードを提供したとして、中国籍とベトナム国籍の男女15人を逮捕しました。首謀者とみられる中国人は約1400万円の収益を得たようです。オーバースティの外国人から、ブローカーを通じてSNSで注文を受けると、顔写真を付けて中国国内の工場に発注し、国際宅配で受け取っていました。偽造カードの大半は、就労制限のない「定住者」。1枚あたり5,000円~20,000円で30人近くのブローカーが売り捌き、茨城県内だけでなく栃木や神奈川など11都府県で販売されました。・・・
Vol.145 一蘭摘発は他人事でない!(2018.4.19)
ラーメン「一蘭」の不法就労助長に関する解説記事が経済誌に掲載されました。「永住者」は問題ないとか、「就労ビザ」の場合「活動」が限られているとか、「留学」だと週28時間超はダメという基礎知識を説明した後で、「もし外国人の不法就労が行われた場合、法人や社長だけでなく、現場レベルの責任者も刑事責任を問われる可能性が高い。社長よりも、現場責任者である社員が厳しく刑事責任を追及された事例もある」と警告しました。しかし、この解説では、実際にどう対処すべきか分かりません。
Vol.119 偽造在留カードは重罪でない?(2018.3.13)
2月下旬、偽造の在留カードや学生証等を販売し、500万円を売り上げたベトナム人男性2人が逮捕されました。偽造在留カードは、国外に発注して中国から客に発送した模様ですが、各々自分名義の偽造カードを所持した疑いと、アルバイトの面接を受ける際に偽造カードを提出した疑いがかけられています。偽造カードを使用した者は1年以上10年以下の懲役に処せられますし、使用目的で偽造・変造された在留カードを所持した者も、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
Vol.117 警告したのに罪に問われる(2018.3.9)
人気ラーメンチェーン「一蘭」が外国人留学生10人を不法就労させたとして、社長・労務担当社員・店長ら計7人と法人としての同社が、入国管理法違反(不法就労助長)容疑で書類送検されました。「留学」の在留資格で認められている法定の週28時間を超えて働かせた疑いだといいます。最長で週39時間以上働き、月21万円を得た留学生もいたようです。「一蘭」では、各店舗の従業員の勤務時間を本社で管理できるシステムになっていましたが、法令遵守は徹底できませんでした。
Vol.115 一蘭が不法就労助長罪に!(2018.3.7)
昨年11月末に家宅捜索を行った人気ラーメンチェーン「一蘭」に関し、大阪府警は外国人留学生らを違法に働かせたとして、不法就労助長の疑いで社員らと法人を書類送検する方針を固めました。本社で労務管理を担当する社員らがベトナム人留学生らを大阪の店舗で週28時間を超えて働かせたという疑いが持たれたようです。ハローワークへの届出違反という「判定勝ち」を固めた上での摘発でしたから、大阪府警の「負け」はなかったわけですが、「叩けばホコリが出るだろう」という読みが的中した形です。
Vol.103 定住者の在留カードに注意!(2018.2.19)
昨年12月、偽造在留カードを使った容疑でベトナム人男性2人が入国管理法違反で逮捕されました。2人は技能実習生でしたが、オーバースティになりSNSを通じて偽造在留カードを3万円で購入。在留資格の欄には就労に制限のない「定住者」と記されていました。一方、今年2月、偽造在留カードの密輸を企てたとして、中国人留学生が逮捕されました。北京から羽田空港に入国する際、偽造在留カード93枚を密輸入しようとしたようです。スーツケースからはデータ未入力のカードが1150枚も出てきました。
Vol.93 一蘭は同情してもらえるのか?(2018.2.2)
2017年11月29日、人気の豚骨ラーメン『一蘭』が、外国人の就労をハローワークに届けていなかったという雇用対策法違反容疑で、道頓堀店別館だけでなく、福岡市の本社に家宅捜索を受けたという事件は、飲食業界に衝撃を与えました。焼肉店店長は、「昔は不法就労があれば店側は警察に呼ばれて、油を絞られる程度で済んでいました。今はそうはいきません。自分たちも刑罰の対象になりますから」と説明しながら、「外国人労働者は書類をチェックします」と語り、自己防衛の重要性を指摘しています。
Vol.70 在留カードは現物を確認せよ(2017.12.19)
ベトナム人男性が「在留カード」を偽造して使用した事件が露見しました。在留期限が切れた男性は在留期限が残っている「在留カード」を借用し、「在留カード」の写しを偽造。その写しを利用してアルバイトをしていました。偽造されたのは「在留カード」そのものではなく、「在留カード」の画像データ。カードそのものを偽造しなくても、アルバイトの採用面接で提出するのは「在留カード」の写しだったので、画像をプリントして提出すれば「在留カード」そのものは必要なかったと供述しています。
Vol.67 一蘭ショックに対応できるか?(2017.12.14)
留学生アルバイトを雇っている企業が、「一蘭ショック」に戦々恐々です。2017年11月末、大阪府警が、人気ラーメン店「一蘭」の店舗で働いていたベトナム女性を資格外活動の疑いで逮捕したことをきっかけに、当該店舗だけでなく、福岡にある本社の家宅捜索を行ったニュースは、全国を駆け巡りました。NHKを始めとして、日本テレビ、産経新聞、読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞など大手はすべて扱ったと言っても過言ではありません。毎日放送は、家宅捜索の様子を実況中継していました。
Vol.61 ハローワーク届出洩れで摘発!(2017.12.5)
2017年11月29日、豚骨ラーメン店の一蘭が摘発されました。大阪府警は現場となった道頓堀店だけでなく、福岡市にある本社まで家宅捜索。不法就労したベトナム女性は3月に専門学校を除籍されたのに4月以降も働いていましたが、「在留カード」を確認するだけでは、学校を除籍されたか否かは分かりません。だから、一蘭に「不法就労助長罪」を適用して立件するのは骨が折れます。そこで出て来たのが、外国人が就労することをハローワークに届け出ていなかったという「雇用対策法違反」容疑。
Vol.58 ラーメン一蘭がガサ入れされる(2017.11.30)
とんこつラーメンチェーンの「一蘭」で働いていたベトナム人女性が入国管理法違反(資格外活動)の疑いで逮捕されました。女性は「悪いことだと知りながら働いていた」と容疑を認め、大阪府警は大阪市中央区の店舗や福岡市の本社を家宅捜索し、他にも不法就労している従業員がいないか調べた上で、組織的な関与の有無を捜査するとしています。同社については、外国人を雇い入れた際に必要な届け出を怠っていた雇用対策法違反の疑いもあり、雇用記録を押収して詳しく調べると報じられています。
Vol.24「偽造カード」に気を付けよう!(2017.9.16)
偽造の「在留カード」が出回っています。当初は中国人の偽造が目立ちましたが、ここ数年はベトナム人やインドネシア人の摘発も増えています。在留資格欄を「永住者」「日本人の配偶者等」という就労制限のない資格に書き換える手口が多いようです。本物は傾けると絵柄の色が変化しますしICチップが入っています。でも、極めて精巧な「偽造カード」があるのも実情。雇用主ができるのは「在留カード等番号失効情報照会」で確認し、いまの「在留資格」を得た経緯や背景をヒアリングすることです。
Vol.7 串カツだるまはさらし者にされる(2017.7.27)
7月26日、留学生に法定時間を超えて働かせたとして出入国管理法違反の罪に問われた串カツ店「だるま」の運営会社と、同社の店舗統括部長の判決が出ました。裁判官は求刑通り同社を罰金50万円、部長を同30万円とする有罪判決を言い渡し、「会社は不法就労を助長しないよう組織的に取り組むべきだったのに利益を優先させた。責任は重大だ」と指摘しましたが、略式命令で終わっていたものをわざわざ公判にして晒し者にしたわけです。こんなことをされたら、人事担当役員は溜まったものではありません。
Vol.6 串カツだるまは略式を却下された(2017.7.18)
人気串カツ店「串かつだるま」が留学生を不法就労させた事件は、大阪区検が3月に略式起訴して終結する予定だったのですが、大阪簡裁が公判を開くという異例の展開になりました。このため、裁判所に社長が出廷し、「店舗運営の考えが甘かった。恥ずかしい思いで反省している」と謝罪させられ、店舗統括部長は「アルバイトが不足し、労働時間を短くすると店舗運営に支障が出ると思い、すぐには改善できなかった」と供述。「たかが週28時間オーバーでしょ」と思っていると、とっても痛い目に遭いそうです。
Vol.488 入管の裁量は大きすぎる?(2019.9.11)
外国人を収容する施設に係る苦情や批判が絶えません。医療体制の不備や病人の放置、収容者の自殺、収容期間の長期化など、課題は山積しています。長崎県の大村入国管理センターでは6月末にハンガーストライキ中の収容者が死亡しました。痛みがあると訴えても、入管職員から「まだ生きているじゃないか」と言われたり、過去には、収容者の脈が止まっているのを職員が確認していながら、『詐病』と判断したケースさえあったといいます。入管法に違反した外国人の収容や退去強制は・・・
Vol.479 入管法を知らないと危険です(2019.8.29)
毎年6月は「不法就労外国人対策キャンペーン月間」として、入管法違反が集中的に摘発されます。今年も関連記事が紙面を賑わしました。中でも驚いたのは、偽造在留カードを所持していた不法残留者を大阪入管の要請で雇った人材派遣会社の中国人社長が、兵庫県警に逮捕された事件です。しかしながら、皆さんの周りでも、類似の事件は十分に起こり得ます。先日、弊協会会員の親族Aが、短期滞在で来日していた友人Bに、家業を手伝ってもらっていたところ、Bが傷害事件を起こして・・・
Vol.475 入管職員の不法就労助長罪?(2019.8.23)
6月24日、ベトナム人の不法就労を助長したとして、兵庫県警が入管法違反容疑で逮捕した中国人男性について、神戸区検は、不法就労斡旋の罪で略式起訴。神戸簡裁は、罰金40万円の略式命令を出しました。2018年4月と6月、不法残留などで就労できないベトナム人2人を、確認をせずに人材派遣会社「ワールドビジネスパートナー」に紹介し、結果として、県内の工場に作業員として派遣させた罪です。この中国人男性は、同社の元従業員で、同社社長とともに逮捕されました。・・・
Vol.461 当局の言うことを軽々に信じるな(2019.8.2)
技能実習先から逃げてきたベトナム人を就労させた疑いで逮捕された人材派遣会社の社長が、入管から採用要請があったと主張した問題で、社長は、「要請がなければ、雇用は絶対しない。危ない橋は渡れない」と語りました。これが、もし事実であれば、入管が不法就労を助長したことになります。これに対して入管は、「不法就労の事実が明らかな外国人の雇用継続を指示することはない」として全面否定。これが当局の実態です。権力を笠に着て、無理筋の要請をしておきながら・・・
Vol.459 親子離れ離れは米国だけじゃない(2019.7.31)
2018年4月から、米国政府が不法入国者の取り締まりを強化したため、メキシコとの国境から不法入国して拘束された親子が引き離される事案が相次ぎ、「児童虐待ではないのか」という声が沸き起こり大騒動になりました。今では、トランプ大統領ですら、不法移民の親子を引き離す政策を再開することはないと明言しています。この間日本では、子どものいる非正規滞在外国人を入管が拘束し、施設に収容する際、子どもを親から分離して児童相談所に保護を依頼する事案が急増。・・・
Vol.456 入管に協力したら逮捕された?(2019.7.26)
6月3日、不法滞在のベトナム人を工場に派遣したとして、不法就労助長の疑いで逮捕された派遣会社の中国人社長は、入管捜査の協力者だったようです。昨年6月頃、雇用して派遣予定だったベトナム人が不法滞在ではないかと疑い、大阪入管に相談。入管の担当者から、「適切な時期に一斉に摘発したい」と言われ、雇用を継続して摘発に協力するよう求められたため、雇い続けました。それなのに逮捕されたので、「不当逮捕だ」と主張。結局、この社長は、6月5日の夜に釈放されました。・・・
Vol.426 入管は特高警察のままなのか?(2019.6.13)
収容者に対する非人道的扱いが、全国の入管で蔓延しているという批判が止みません。歴史を振り返ると、戦前は、特高警察を所管する内務省が、警察行政の一環として入国管理を担っていました。敗戦に伴い、占領軍によって内務省が解体され、特高警察も解体されましたが、大日本帝国において朝鮮人らを取り締まっていた官吏たちの多くは、公職追放を免れたため、入管業務の従事者として引き続き雇用されることになりました。そういう状況下、旧特高関係者が少なからぬ比率を占めていたため・・・
Vol.417 日本人が京都に行かない?(2019.5.31)
2018年に京都市内の主要ホテルに泊まった日本人客数は前年比9.4%減で、4年連続のマイナスになりました。河原町から四条大橋を通って祇園、東山に至る一角は連日、歩道を埋め尽くさんばかりの外国人観光客でごった返しており、足の踏み場もないほど。錦市場は、地元の高齢者らが外国人観光客に追い出された感じです。路線バスは時間通りに運行されず、宿泊施設の建設ラッシュで「京都らしさ」が失われるなど、「観光公害」や「オーバーツーリズム」が喧伝されています。
Vol.402 人質司法に屈しないために(2019.5.10)
3月8日に、108日間の拘留の後、カルロス・ゴーン前日産会長の保釈が認められたと思ったら、4月4日に再逮捕。これが、「自由の見返りに自白を強要する人質司法」の恐ろしさ。海外からは「人権無視」「時代錯誤」「第三世界のようだ」「前近代的」「中世のような規則」と侮蔑されており、WSJ紙は、「カルロス・ゴーンよ、気をつけろ。日本は自白させるためなら何でもする。日本では容疑者が自らの『悪い行い』を認めることでやっと自由への道のりが示される。・・・
Vol.401 入管庁は『共生』を目指す?(2019.5.9)
4月1日、法務省の外局として「出入国在留管理庁」が発足しました。外国人労働者の受け入れ拡大を推進する中で、司令塔的な役割が期待されています。山下法務大臣は開庁式で、「共生政策はわが国の将来像にも影響を与える重要なもの」と激励し、記者会見した佐々木長官は、「新しい時代に外国人との共生という、新しい社会をつくっていく」と意気込みを語りました。ところが法令を見ますと、入管法第1条は、「本邦に入国し、又は本邦から出国するすべての人の出入国の・・・
Vol.392 警察は無理やり自白させる?(2019.4.18)
3月19日、偽装結婚をして在留資格の更新を申請したとして、入管難民法違反の罪に問われた千葉県の男性とフィリピン人女性の夫婦に、東京地方裁判所が無罪を言い渡しました。2014年に結婚した2人は、2018年に妻の在留資格を更新する際に、婚姻関係を続けていると嘘の申請をしたとして、入管難民法違反の罪に問われていました。裁判官は「婚姻の実態があった」と判断してくれましたが、警察の捜査は、完全な決め付けでした。女性は「自白」すれば夫は助かると思い・・・
Vol.389 入管が人権擁護を強制する?(2019.4.15)
3月12日、14カ月にわたり東京入管に収容されているクルド人の難民申請者が体調悪化を訴えたものの、入管は何ら対応せず、心配した家族が呼んだ救急車を2度も追い返すという事件がありました。過去に必要な診療を受けさせずに、収容者を死亡させた事例があるだけに、批判が高まっています。この問題の根が深いと感じざるを得ないのは、加害者である入管の責任官庁が、人権擁護を担当している法務省だという喜劇的な事実です。基本的人権を守る役割を担っている官庁が・・・
Vol.352 入管は無法地帯なのか?(2019.2.21)
大村入国管理センターで一昨年、男性職員が中国人男性に「ボケ」「あほんだら」など暴言を発し、規則違反行為で厳重注意処分を受けていたという事実が発覚。続いて、東京入国管理局の施設に収容中のクルド人難民申請者が昨年5月、職員に抵抗したとして取り押さえられた際、首に怪我をしたことがわかりました。さらに、大阪入国管理局に収容中の韓国人男性が施設外の歯科医院で2016年に治療を受けた際、同意なく7本以上抜歯され、精神的苦痛を受けたなどとして・・・
Vol.327 入管は嘘をついてもよい?(2019.1.16)
大阪入管は、施設の収容者に薬を渡す時間を間違え、それを隠すために投薬時間の記録を書き換えたとして、処遇部門に勤務する50代の男性職員を減給1カ月の懲戒処分にしたと発表しました。男性職員は書類送検され、大阪地検が虚偽有印公文書作成・同行使罪で不起訴処分(起訴猶予)にしたといいます。職員は昨年6月16日午後1時ごろ、かぜの症状を訴えた収容者に薬を渡して飲ませたのですが、その後、「救急常備薬投与簿」に投与時間を午後3時と偽って記入したといいます。・・・
Vol.300 6人部屋に17人収容?(2018.11.30)
大阪入管の収容施設で、暴れた外国人男性の収容者17人を6人部屋に閉じ込め、約24時間にわたり施錠したことが明らかになりました。入管は、自由時間が終了しても、部屋の一つに大勢の収容者が集まったままで、居室に戻るように命じても動かなかっただけでなく、職員に暴言を発し、窓やドアを叩くなど暴れたため、部屋を閉鎖したとの主張しています。収容者らは「狭い部屋への監禁」と非難しますが、入管が説明しているとおり、仕方のない処置だったのかもしれません。・・・
Vol.269 警察は証拠を偽造する?(201810.17)
10月11日、愛知県警の警部補と巡査部長が虚偽有印公文書作成・同行使で書類送検されました。2人は、別の署員が職務質問したフィリピン人男性が不法残留にあたると判断。入管難民法違反(不法残留)で現行犯逮捕し、捜査書類を作成したのですが、男性が不法残留を裏付ける旅券等の書類を持っていなかったため、同法違反(旅券不携帯)容疑で現行犯逮捕したように装い書類を再作成。巡査部長は男性の目の前で当初の捜査書類を破り捨てており、同席した通訳の指摘によって問題が発覚。・・・
Vol.265 『外国人庁』が必要です!(2018.10.11)
法務省は、来年4月に「入国在留管理庁」を新設するため、入国審査官や入国警備官など536人の増員を求めました。「管理」を主旨にした「庁」が立ち上がります。じつは、入国管理局を「庁」に格上げする構想は、以前から提言されていました。2004年4月、経団連が「外国人庁」あるいは「多文化共生庁」の創設を求めたのを皮切りに、2009年12月には、外国人集住都市会議が外国人関連の施策を一元的に担う「外国人庁」の設置を求めて緊急提言しました。・・・
Vol.249 この際全部出しちゃえば?(2018.9.18)
「入国・在留審査要領」の開示において、黒塗りにした部分が透けて中身が読める状態になっていたことが発覚しました。マスコミは、法務省がミスをしたと責め立てていますが、問題視すべき点を完全に間違っています。情報公開法は、不開示情報を除いて、行政文書の開示を義務付けています。しかし、「犯罪の予防…その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」を「不開示情報」としているため・・・
Vol.229 入管に対して実力行使?(2018.8.21)
安倍政権が打ち出した新たな「外国人労働者受け入れ策」を巡って、百家争鳴の状況になっています。そうした議論や報道が、建設的で具体的な政策論の醸成につながっていけばよいのですが、8月16日の夕方、27歳の日本人男性が、トラックを運転して東日本入国管理センターの敷地内に侵入。中央ホールの自動ドアのガラスを割るという事件が勃発しました。警察に出頭した容疑者は、建造物侵入や器物損壊などの疑いで逮捕されましたが、動機は報道されていません。・・・
Vol.217 『入管庁』に格上げする?(2018.8.3
政府は、法務省入国管理局を「入国管理庁」に格上げすることを検討しています。日本語教育や医療面での支援もあると説明されていますが、「受け入れを増やすからこそ、入国管理を強化したい」という想いがビンビン伝わってきます。中国は、今年3月、「国家移民管理局」を立ち上げ、基本方針として「サービスの最適化」を掲げています。韓国は、今年5月、「管理」という単語がマイナスのイメージを与えるとして、「出入国管理事務所」を「出入国・外国人庁」に名称を変更しています。・・・
Vol.190 入管は3000円でも許さない!(2018.6.26)
l 東京入国管理局成田空港支局で勤める20歳の男性職員が、同僚の財布から現金を盗んだ容疑で逮捕されました。成田空港内にある職員用の男子更衣室で、ロッカーにあった同僚職員2人の財布から3000円を盗んだ疑いが持たれています。入管側から被害届があり、警察が防犯カメラの映像を確認したところ、犯行の様子が映っていたようです。入管職員による盗みは確かにニュースですが、3000円が見当たらないだけで、入管が大騒ぎしたという事実のほうがもっと驚きでした。・・・
Vol.177 入管は外国人を虐待する?(2018.6.7)
大阪入国管理局で職員に押さえつけられた際に右腕を骨折したとして、収容中のトルコ人男性が、国に450万円の損害賠償を求めて提訴しました。2017年7月、鎮痛薬の服用時に確認のため口を開けさせようとした職員の態度に腹を立てた男性が本を壁に投げつけたところ、職員7~8人が男性を別室へ連行し、転倒させて右手をひねり上げ、後ろ手に手錠をかけられ押さえつけられたというのです。男性が激しい痛みを訴えたところ、病院に搬送されて右上腕骨折と診断され、2日後に手術を受けました。・・・
Vol.174 不法就労対策キャンペーン!(2018.6.4)
タクシー会社「日の丸交通」が外国人ドライバーを増員しています。11カ国出身の23人が在籍し、今後も積極採用の方針です。同社社員でポーランド出身のファビオラさんは、マスコミの露出度も高いのですが、在留資格はおそらく「永住者」。その場合、何も問題は生じません。乗務員業務は単純労働とみなされて、「技術・人文知識・国際業務」の許可が困難なので、他の外国人社員は、「観光業務に従事する高度人材」として「国際業務」の在留資格で申請しているはず。・・・
Vol.162 黒塗り報道が報じなかったこと(2018.5.17)
外国人の在留資格を審査する際のマニュアルを法務省入国管理局が開示した際、電子データの「黒塗り」部分が外せる状態だったため、当該情報がインターネット上に流出したことが分かりました。これに対して、上川法務大臣は「誠に遺憾」と述べています。しかし、情報公開法は、「公にすることにより、違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれがあるもの」以外は開示せよと定めています。審査の公平性を担保するためにもすべて公開すべきではないでしょうか。
Vol.156 入管なら虚偽も許される?(2018.5.9)
東京入国管理局では、トルコ人男性収容者が虫垂炎の手術後、患部の痛みを訴えたのに職員が約1カ月間、診療を受けさせず放置した上、長期間、医師の診療を受けさせなかった事実を隠すため、手続文書に虚偽の発症日を記載していました。元々虫垂炎を発症した時も、激しい腹痛を訴えたにもかかわらず、職員が「容態観察」として20時間以上、診療を受けさせず、膜炎を併発させました。医療関係者からは「診療が遅れていたら腹膜炎から敗血症になり死に至る可能性もあった」との指摘も出ています。
Vol.126 佐川改竄事件と入管行政(2018.3.23)
「官邸」と「官僚」の権力闘争という観点から、「前川前次官の反乱➡厚労省データ捏造事件➡佐川改竄事件」という流れを眺めると、立法・司法・行政を牛耳ってきた「官僚」たちによるマネジメントの綻びを感じます。これまで「官僚」は大臣すら軽視してきました。各省庁の「官僚」のトップが集まる事務次官会議が政府の最高意思を実質的に決定してきたという経緯もあります。こうした「官僚主権」に業を煮やした「政治家」たちは「政治主導」の流れを創り、「官邸」が人事権を握り始めます
Vol.124 入管は何でもありなのか?(2018.3.20)
大阪入管の職員が、不法残留でベトナム人男性の収容手続を取った際、裁判所の令状や本人の同意を得ず、アパートへ強制的に立ち入り、パスポートを捜索したとして男性本人と妻から住居侵入等の疑いで告訴されましたが、大阪地検は、嫌疑不十分で不起訴としました。本当に裁判所の令状なしに踏み込んだとすれば、とんでもない蛮行です。家宅捜索は、基本的人権を侵害する行為なので、令状なしに勝手に実施することは認められません。
Vol.85 入管審査はAI化されるのか?!(2018.1.23)
2018年は「AI(人工知能)」が本格化する年になるのかもしれません。教育・婚活・保険・小売・工場・酪農・広告・医療・不動産など活用範囲が広がり、採用面接でもAI化が進みました。注目すべきは、官公庁での利用です。農林水産省ではAIで食品流通を効率化し廃棄ロスを削減する計画に着手しますし、経済産業省では国会答弁への活用に挑戦しています。栃木県宇都宮市ではAIで移住相談に応じていますし、道路管理や保育施設の割り振り・戸籍業務などに活用する地方公共団体も出てきています
Vol.77 入管審査が多忙を極めている(2018.1.11)
入管審査が多忙を極めています。在留資格変更の業務量を見ると、2017年10月に受理した申請件数は全国合計で5万件を超え、9月を2割以上上回っただけでなく、前年比+60.2%もの増加を示しました。東京入管の前年比(+45.7%)もかなりの高水準なのですが、名古屋の+74.4%はもとより、福岡・高松・仙台・札幌に至っては2倍を超えています。入国審査官も懸命に処理しており、同月の処理件数は前年比+36.5%を記録しましたが2万件にすぎず、同月末の在庫は3万件・前年比+81.3%に達しました。
Vol.75 2018年の入管行政を予測する(2018.1.9)
2017年11月時点における完全失業率が2.7%と24年ぶりの低水準になったことが端的に表しているように、日本国内は完全雇用の状態になっており、経営者や雇用者からみると、「人手不足」は危機的な水域に入っています。ところが、日本銀行は、物価上昇率が目標の2%に達しないのは「人手不足の度合いが不十分だからだ」と公言し、当局は、「雇用供給の削減」という愚かな政策を大々的に推進しようとしています。「人手不足」の上に、さらに「人手不足」を加速させようというのです。
Vol.159 入管に通報すれば報償金!(2018.5.14)
入国管理法第66条は、「第62条第1項の規定による通報をした者がある場合において、その通報に基いて退去強制令書が発付されたときは、法務大臣は、法務省令で定めるところにより、その通報者に対し、5万円以下の金額を報償金として交付することができる」と定め、入管に対する通報を奨励しています。ちなみに同法第62条第1項は、「何人も、第24条各号(退去強制事由)の一に該当すると思料する外国人を知つたときは、その旨を通報することができる」としています。
Vol.84 ウティナン判決に見る入管リスク(2018.1.22)
不法滞在のタイ人女性の子として日本で生まれ育ち、東京入国管理局から強制退去処分を受けた甲府市の男子高校生ウティナンさんが、1年間の在留特別許可を得ることになりました。彼は、不法滞在発覚を恐れて母親と共に国内を転々とした後、支援団体の協力で中学2年から登校を始め、現在は高校3年生。滞在許可を求めて東京入管に出頭しましたが、強制退去処分になったため、処分取消を求めて提訴しましたが、地裁・高裁で敗訴。最高裁への上告を取り下げ、東京入管に再審査を求めていました。
Vol.57 行政書士はAIに駆逐される?(2017.11.29)
46.7%の人が「行政書士は、将来、AIやロボットに置きかわる」と予想しています。また、会計監査係員、税務職員、行政書士、弁理士などは、「機械にとって代わられる可能性が高い職業」と指摘する研究者も多いようです。また、「簡単な行政手続・登記手続は行政書士の力を借りなくても自分でできることが増えている。これらの申請もITの力や個人番号制度の利用でもっと簡単に誰でもできる時代が来る。そうなると社会的に不必要になるのは、士業の連中である」と語る実務家もいます。
Vol.48 審査は標準処理時間を超える!(2017.11.8)
入管による審査の「標準処理期間」は「2週間~1ヶ月」と公表されています。また、海外在住の外国人が在留資格認定証明書の交付を求める場合は「1ヶ月~3ヶ月」。この長さは、審査実務の現場感覚とは大きく懸け離れているので、法務省が公表している「在留審査処理期間」で確認してみると、在留資格変更に関して一番長いのは「経営・管理」で48.2日。「標準処理期間」の最大値を5割以上超えています。入管が、「技術・人文知識・国際業務」に33.3日も費やしていることには留意が必要です。
Vol.35 入管の裁量権は万能なのか?(2017.10.6)
強制退去とした入管の処分は違法として取消しを求めた訴訟において、イラン人男性が勝訴しました。不法入国した男性は日本でブラジル人女性と結婚し、長女を含めた家族3人で住んでいました。判決は「強制退去させれば日本で生活の基盤を持ち日本で暮らすことを希望する家族と離れて暮らすことになり、重大な不利益を及ぼす。家族の不利益を軽視し男性に不利な情状のみを重視した処分は裁量権を逸脱している」としました。この判例は、入管の裁量権にも一定の限度があるという事実を示しています。
Vol.23 入国管理法を理解していますか?(2017.9.15)
「技術・人文知識・国際業務」を取得した韓国人正社員は、日本人正社員と同じ業務であれば何でもできるのでしょうか? 中華料理のコックとして「在留資格」の許可を得た中国人は店舗が忙しくなった場合、ホール係の代わりに来店客から注文を取れるでしょうか? ネパール料理の料理長として「在留資格」を得たネパール人料理長は雇用主が亡くなった場合に店長業務を担えるでしょうか? 入国管理法はかなり難解な法律ですが、法律違反の有無を判定する裁判長は「知っていて当然である」と一刀両断です。
Vol.21「私は知らなかった」は有罪です(2017.9.13)
雇用主が絶対に知っておくべきは、入国管理法第73条の2第1項です。留学生を週28時間超働かせただけで、「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金」に課されてしまうを知らない雇用主は少なくありません。しかし留意すべきは、続く第73条の2第2項。「知らないことを理由として、同項の規定による処罰を免れることができない」と明記しており、「不法就労であることを知らなかった」という言い訳を封じているのです。「知らなかった」と言い張っても裁判では無罪になりません。
Vol.20 入管は留学生アルバイトを憎む(2017.9.11)
今回の入国管理法改正では、留学生のアルバイトに関して、厳しい内容が含まれています。これまで在留資格が取り消されるのは、「留学」の場合、「学校に通う」という「主たる活動」が3ヶ月を超えて行われないときに限られていたのですが、改正後の入国管理法では、「学校に通う」という「主たる活動」を行っていないときに、アルバイトという「資格外活動」を行っただけでOUTになるのです。学校に在籍していても、授業に出ずにアルバイトばかりしていれば、在留資格が取り消され、強制退去にもなり得ます。
Vol.14 入国審査官は超多忙なのです!(2017.9.2)
法務省は、2018年度概算要求において、入国審査官の増員約300人を要求しました。外国人観光客の出入国が一段と増えると推測されるため、入国審査官を2015年度からの5年間で約1,000人大幅増員するという計画はあるものの、増員の中心は、新千歳・羽田・成田・中部・関西等の空港が予定されていますから、在留資格変更の許可業務を担当する入国審査官の増員は、+5%程度と見るべきでしょう。一方、在留資格変更申請に関する受理件数は、前年比2割増。入国審査官は激務になるばかりなのです。
Vol.13 裁判官は不法就労を憎むのです(2017.8.31)
昨春、「留学ビザ」のベトナム人を週28時間を超えて働かせたとして、「スーパー玉出」が書類送検されましたが、裁判において会社100万円・人事部長70万円の罰金が科されました。裁判長は、「外国人の不法就労は我が国の出入国管理政策の根幹に反するものということができ、このような外国人による不法就労を容易にさせる不法就労助長行為は、外国人の就労活動の適正な管理を図ろうとする入国管理法の趣旨を没却するものであって、我が国の出入国管理秩序の根幹を乱す悪質な行為である」と一刀両断でした。
Vol.9 取り調べの罠に気を付けましょう(2017.8.14)
始めからストーリーありきで、自白を求めて脅し付ける「決め付け捜査」。入国警備官や警察は、「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金」というストライクゾーンを狙って、事前にストーリーを組み立てた上でやってきます。あなたの落ち度を探し、不備を見付け、あなたが罪を認める自白を求めて脅し付けてきます。この決め付けに対抗するためには、事前の準備が欠かせません。入国管理法を熟知し、合法性を立証するための証拠を作って保管するだけでなく、合法性に対する確信を培っていく必要があります。
Vol.8 許可率が高い入管はどこなのか?(2017.8.1)
2016年における各地方入管の許可率(在留資格変更)が明らかになりました。トップは周南(山口県)で、審査件数126件のうち不許可は1件だけ。ほとんどの変更申請が許可されています。第2位は鹿児島で、第3位は高松でした。その一方、最下位となったのは和歌山で、トップの周南とは12.7%もの差があります。ワースト2位は宮崎で、ワースト3は宇都宮でした。少し広げた首都圏で見ると、トップは甲府で、最下位は品川。JRで2時間移動しただけで、8.2%も許可率が異なるのです。
Vol.3 マクリーン裁判を再考しましょう(2017.5.28)
入国管理法における法務大臣の広範な裁量権を認めたマクリーン判決は有名ですが、マクリーンが勝訴した東京地裁の判決文は、あまり知られていません。改めて読み返してみると、東京地裁判決の方が法の正義に適っており、デモに参加しただけで「政治活動」であると騒ぎ立て基本的人権を無視した入管側に軍配を上げた最高裁の弱腰が際立つように感じます。特に最近、トランプ政権になり、米国の司法が、行政の行き過ぎをリアルに牽制している姿を見せ付けられると、そのたびに彼我の違いを思い知らされます。
Vol.490 日本版DACAを導入せよ!(2019.9.13)
日本で生まれ、日本で育ったローレンスは、15歳の時、東京入管から母親と一緒に日本を出るよう命じられました。ガーナ人と結婚したフィリピン人の母親は日本で彼を出産。離婚後、日本人男性と再婚して在留資格を得たのですが、男性が病気で亡くなると、母子ともに在留資格が更新されず不法滞在に。裁判に訴えましたが、「処分は社会通念に照らして著しく妥当性を欠くとは言えない」と退けられ、控訴も棄却されました。彼は、日本人と同じように暮らしていますが・・・
Vol.483 鵜飼は『技人国』に当たるか?(2019.9.4)
コリヴォー・ラリッサ・カテリンさんは、外国人初の鵜匠として、「嵐山の鵜飼」で活躍しています。彼女は、2016年、嵐山の人力車運営会社「えびす屋」に入社し、外国人観光客の窓口担当として働いたと言いますから、「留学」から「技人国」に在留資格を変更したのでしょう。その後、嵐山で観光向けの鵜飼を行っていることを知り、鳥が魚を捕まえさせるという間接的な漁法に興味を持って、「鵜匠になりたい」と思い立ちました。2017年7月から2年間も鵜匠を務めています。・・・
Vol.471 一流の外国人は来日しない?(2019.8.19)
移民に関する議論を聞いていると、①日本はアジアにおいて最も「魅力的な国」である、②ドアを開ければ優秀な外国人が大勢来日する、③来日した外国人は日本での永住を望む、という「暗黙の前提」を感じるときがあります。日本が「出稼ぎ先」として、ある程度魅力的なことは否定しませんが、中国や韓国や台湾と比べて圧倒的に優位かと言えば疑問です。また、「出稼ぎ先」ではなく、「永住先」として日本を選ぶ外国人は、まだまだ少数派でしょう。現場では、「本当の高度人材は・・・
Vol.449 大本営発表を鵜呑みにするな(2019.7.17)
5月30日、「N1ビザ」の告示が公布されました。新聞各紙は、「留学生の就職、宿泊・外食でも」「飲食業も可能に」「専門外の接客業OKに」など入管の振り付けのまま記事を書いています。「技術・人文知識・国際業務」でも許可されてきたのに、「これまでは宿泊や外食や小売では許可されなかった」という書き振りです。しかも、このビザで「数千人」が就労するという大本営発表を垂れ流す体たらく。N1の合格率は約30%ですから希望者が2万人いれば数千人になるはず・・・
Vol.443 移民は『移民』と呼ぶべきだ?(2019.7.8)
中川正春・衆議院議員が、2012年に内閣府特命大臣(共生社会)に就任した際に「移民基本法を作りたい」と発言したら抗議が殺到。その後、「外国人材」という言葉に言い換えたそうですが、それだけ「移民」という語感に反発する人が多かったということなのでしょう。しかし、その結果、「移民」という言葉はタブーとなり、日本政府は、実習生や日系人などの裏口で受け入れながら日本社会を維持してきました。完全な「二枚舌」です。その結果、「そこにある不都合な現実」を・・・
Vol.440 ヘイトスピーチは沈静化する?(2019.7.3)
ある監理団体が、来日直後の外国人実習生に1カ月間、日本語や生活習慣を教えるための研修施設を大阪府摂津市に建築することを計画しました。1500世帯が暮らすこの地区では反対運動が勃発。「住環境の破壊ダメ!絶対!」「子ども達の安全・安心を守れ」というのぼりが、住宅の軒先ではためき、「地区の真ん中に外人がどんと来られたら困る」「不法就労や犯罪に走る可能性がある」などと不安の声が渦巻きます。反対署名も1万筆近く集まりました。今も建設は見通せません。・・・
Vol.434 横綱白鵬は帰化できるのか?(2019.6.25)
「外国人を受け入れるか否か」という問いの裏側には、「日本人とは何か?」という難題が存在します。「外国人(=外国国籍)は受け入れない」という主張は、「日本人(=日本国籍)は受け入れる」ことを含意し、「日本人」と認定されたら、受け入れることになるからです。この点で、テニスの大坂なおみ選手の「二重国籍」や白鵬の「帰化」は、重要な争点を提供します。「帰化」の対象には比較的容易になり得るので、実質的な審査基準はともかくとして、表面的なハードルは高くありません。・・・
Vol.432 社保未払いは不許可になる?(2019.6.21)
4月26日、法務省は、「出入国在留管理基本計画」を発表しました。入管政策の指針となる重要な公文書なのに、報道各社のコメントがほとんどないのは、分厚くて読みたくないからなのかもしれません。じつは、基本計画には、「特定技能外国人の受入れに関する審査に当たっては,受入れ機関における社会保険制度上の義務及び納税義務の履行状況を確認することとし,一定程度滞納等をした受入れ機関については特定技能外国人の受入れを認めないこととする」と明記されています。・・・
Vol.422 結局自治体に丸投げか?(2019.6.7)
自治体に対するアンケートによれば、外国人の適正処遇に関して懸念を表明する向きが47%と半数近くを占め、適正処遇を「確保できる」と「どちらかといえばできる」の計20%を大きく上回っています。生活支援については、「多くの企業は外国人受け入れのノウハウがない」として、国や県などによる後押しが必要との意見が散見されます。国としてのリーダーシップを発揮せずに、押し付けるだけの現状に自治体の不満は高まるばかり。外国人住民の受け入れ体制に関する調査でも・・・
Vol.398 オーバーワークは恩赦できる?(2019.4.26)
スイスには不法就労者が76,000人いるとされ、そのうち13,000人がジュネーブ州に住んでいると言われています。そのジュネーブでは、2015年に地元当局が始めた不法就労者合法化事業「パピルス・プロジェクト」に基づき、不法就労者3,500人に就労許可を発行しました。1,757人が審査中で、却下されたのはわずか7人でした。反対する政党も一部にありますが、現在のところは、概ね肯定的に受け止められているようです。一方、日本では、退去強制手続中の外国人に関する長期収容が・・・
Vol.393 イチローは『外国人』だった?(2019.4.19)
3月21日、イチロー選手が引退を発表しました。会見で「アメリカでは僕は外国人ですから。このことは外国人になったことで人の心を慮ったり、痛みが分かったり、今までなかった自分が現れたんですよね。体験しないと、自分の中からは生まれないので、孤独を感じて苦しんだことは多々ありました。その体験は大きな支えになると思います」と語ったことが話題となり、SNSでは、「人生に一回はマイノリティーの立場を経験してみるのが良い」など支持する投稿が相次ぎました。・・・
Vol.388 なぜ素直に感謝しないの?(2019.4.12)
改正入管法を巡る昨秋の臨時国会は、最悪の凡戦でした。移民なのに「移民ではない」と言い張る与党が「筋金入りの嘘つき」ならば、ヒドイ事例ばかりあげつらって揚げ足取りに専念する野党は「批判ばかりの毒舌家」。「ウソつき」と「毒舌家」の争いに呆れ果てたというのが経営者たちの本音だと思います。どのような主張を展開するにせよ、議論の土台は、現実を素直に直視すること。私たちの生活は、農業、漁業、工場などのあらゆる分野で外国人に支えてもらっています。・・・
Vol.381 移民受入で日本が壊れる?(2019.4.3)
外国人労働者の受入増に反対する論者が反撃の機会を窺っています。「社会が分断化される」「日本社会が壊れる」「日本人の美徳が損なわれる」「日本文明が死ぬ」など、言葉も激しさを増してきました。もちろん、外国人を受け入れることによって、無視できない摩擦は生じます。軽視できない問題も数多く発生するでしょう。悲惨な事件が起こるかもしれません。しかし、だからと言って、「外国人は受け入れるべきでない」と決め付けるのは短絡的です。それは、「殺人に使われたから・・・
Vol.378 根拠もないのに外国人排斥?(2019.3.29)
厚生労働省は、外国人労働者の受け入れが拡大するため、健康保険から給付を受けられる扶養家族について、日本国内に居住していることを原則にします。現行制度では、外国人労働者の扶養家族が日本に生活の拠点がなくても健康保険から給付を受けられましたが、自由民主党内で「医療費が膨張する」「保険にただ乗りされる」との懸念が表明されたため、国内居住を要件に加えた上で、市町村が、加入者の資格の取得や失効について企業や語学学校に確認できるようにする方針です。・・・
Vol.376 良く調べてから記事にしてほしい(2019.3.27)
「法務省、コンビニの外国人雇用を緩和」という記事のタイトルを見て小躍りしました。「大手コンビニの一部による熱意ある陳情が功を奏して、『技術・人文知識・国際業務』の業務範囲に関する解釈が緩和されたのかも?」と期待したからです。当記事は、「コンビニなど小売業で急増する外国人店員の大半は・・・留学生だ。法務省は留学生を引き続き正規採用したいという業界の声に応え、今春に告示改正と呼ばれる手続きを取る」と指摘し、「入国管理法改正で恩恵がなかった職種に・・・
Vol.375 日本語能力は高いほどよい?(2019.3.26)
介護分野の日本語要件が緩和されます。介護は2017年11月に技能実習の対象に加わりましたが、➀入国時にN4の合格が必要で、②2年目に入る際にN3の合格が義務付けられていたため、人気が集まらず、昨年10月末時点の来日者数は247人に留まっていました。この状況に危機感を覚えた日本政府は、技能評価試験に合格した場合、➀日本語を継続的に学ぶ意思を表明し、②介護の習熟のために必要な日本語を学ぶ、という条件を満たせば、N3の合格を義務付けないことにしました。・・・
Vol.364 母国語で説明しなさい!?(2019.3.11)
経済新聞の記事を読んで仰天しました。「労働条件、母国語で説明を 外国人雇用指針を改定」という見出しで、「賃金などの労働条件を示す際、母国語で説明するなど外国人の理解を促す」「健康診断などの際にも母国語で説明することを求めた」とあったからです。そんなことが義務付けられたら、ベトナム人を正社員として初めて雇う際に、通訳を手配しなければならず、コストと手間が馬鹿になりません。疑問に思ったので、厚生労働省が公表した外国人雇用指針の改定案等を確認すると・・・
Vol.361 赤ん坊を捨てたら日本人?(2019.3.6)
新生児を民家の敷地に遺棄したとして、保護責任者遺棄の疑いで、中国籍の技能実習生が逮捕されました。泣き声を聞いた通行人が、ポリ袋に入れられていた男児を発見。命に別条はありませんでした。容疑者は自宅で1人で男児を出産したといい、「会社に知られたら、日本にいられなくなってしまう。日本人の家に赤ちゃんを置けば育ててくれると思った」と供述しているようです。この事件を契機に、改めて「外国人労働者」を「人」として扱わない「技能実習制度」に批判が集まっています。・・・
Vol.355 日本語教育は企業任せ?(2019.2.26)
日本語指導が必要な外国籍の児童生徒は約3万4千人で、この10年で1.5倍に増えたといいます。日本語でコミュニケーションできなければ、日本で生活するのに不自由するのは当たり前なのですが、現時点において、「外国人に対する日本語教育」に関する法律はありません。そこで、超党派の議員たちが、この国会で「日本語教育の推進に関する法律」を成立させようとしています。大変結構なことだとは思いますが、国がしっかりとやってくれるのかと思ったら・・・
Vol.349 日本は起業大国になれるか?(2019.2.18)
政府は、留学生の起業希望者に「特定活動」の在留資格を与え、最長1年の滞在延長を認める方針です。日本で学んだ知識や経験をもとに、世界に羽ばたくビジネスを日本で創業したり、日本に残って出身国との橋渡し役になることを期待していると言います。お役所仕事なら、「外国人起業活動管理支援計画」を策定するように、ペーパーワークでよいのですが、本当の「起業」は、予想外の災いと戦い続ける「試練」です。「起業」において、当初計画の通りに成功する事例など皆無。・・・
Vol.338 大坂なおみと二重国籍問題(2019.1.31)
1月26日、大坂なおみ選手がテニスの全豪オープンで優勝しました。「日本人初の全豪OP優勝」「日本人初の世界ランキング1位」「東京五輪金メダル有力候補だ」などマスコミは大騒ぎ。大坂選手が「謙虚」で「抹茶アイスが好き」であり、「朝ごはんに、コンビニのおにぎりを食べたこと」などから、「彼女は日本人だ」という共通認識が醸成されてきたのかもしれませんが、日米の二重国籍である彼女はハイチ人の誇りでもあります。日本の国籍法によれば、彼女は22歳になる今年秋までに・・・
Vol.321 法務省は受入増大に反対?(2019.1.7)
散々揉めた挙句に成立した改正入管法ですが、じつは、外国人労働者の受け入れ拡大に対して、担当省庁の法務省が反対しているという噂があります。「法務省は法案成立に積極的でない」「法務省内部では拒否反応が強い」「法務省は、規制は大好きだが緩和は嫌いだ」など、耳を疑うような内容です。実際、69名もの外国人実習生が亡くなっていたという悲惨なデータが参議院で明らかになったのは、改正案の成立を邪魔したいと願う法務省内からのリークという説まであるようです。・・・
Vol.302 自治体は共生に頭を抱える!(2018.12.4)
入国管理法改正案を巡り、外国人住民の多い太田市や大泉町など全国15市町で作る「外国人集住都市会議」は、山下法務大臣宛てに多文化共生の推進を求める意見書を提出しました。「生活者としての支援」という視点から、日本語教育の支援、社会保険の加入促進、共生を推進するための「外国人庁」の設置などを求め、「外国人は労働者であるとともに生活者であることが十分に認識されない中、中長期的な共生施策を伴わない外国人材受け入れは地域社会に大きな混乱を招く」と警告しています。・・・
Vol.289 社会保険はどうすべきか?(2018.11.14)
山下法務大臣は、「悪質な社会保険料の滞納者に対しては在留を認めないことを検討している」と述べ、在留期間の更新を審査するための指針を改定する意向を示しました。現行のガイドラインは、許可・不許可の考慮事項として「納税義務の履行」などを挙げ、2010年4月からは申請時に窓口で保険証の提示も求めていますが「提示できないことで資格変更や期間更新を不許可とすることはない」との立場でした。今後は、社会保険料を滞納している外国人には在留を認めない方向になると思われますが・・・
Vol.283 上から目線で人は来ない!(2018.11.6)
在留資格「特定技能」を新設すると、外国人労働者が大勢訪れるという想定で議論されがちですが、本当にそうでしょうか。既に数多くの日本企業では、技能実習生の労働に頼る構図ができあがっていますが、「技能実習」の評判が素晴らしいかと言うと決してそうではありません。日本で働いていた中国人の技能実習生たちは自国の経済発展とともに急減していきました。それに代わって増えたのが、ベトナム人です。2012年におけるベトナム人の出稼ぎ先を見ると、日本は第4位に過ぎませんでした・・・
Vol.280 世論は外国人受入OK?(2018.11.1)
これから、外国人労働者の受け入れを拡大する制度を含んだ改正入国管理法が国会で議論されますが、世論の受け止め方は、おおむね好意的なようです。日本経済新聞・読売新聞・時事通信では、賛成が過半数となり、毎日新聞でも、「賛成」が47%と「反対」の32%を上回りました。ただし、「移民」については区々。日本経済新聞では、日本での永住に関しても、賛成が過半数を占めましたが、毎日新聞においては、「永住を認めるべきだ」の40%が「永住を認める必要はない」の38%と拮抗。・・・
Vol.276 日本維新の会が正論を吐く!(2018.10.26)
10月24日に召集された臨時国会では、外国人労働者の受け入れ拡大のために新たな在留資格を創設する入国管理法改正案を巡り、徹底審議を求める野党は、召集前から「会期延長」を取り沙汰するなど対決色を強めています。反対一色に見える野党の中で、片山虎之助・日本維新の会共同代表が、個人的な意見と断りながらも、「移民政策をどうするのか、きちんと正面から議論する時が来ている」と正論を吐きました。「人手不足で日本の経済社会が動かなくなってきている。・・・
Vol.256 日系人でも共生できない?(2018.9.27)
2018年6月末の在留外国人数は263万7251人で,半年前に比べて75,403人増加し、過去最高を記録しました。300万人の大台を超えるのは時間の問題です。増えるのはよいとして、問題は受け入れ方でしょう。というのは、これまで日本は、血縁関係のある「日系人」の受け入れにすら失敗しているからです。在日日系社会が直面している現実は甘くはありません。日系人は35歳で孫を持ち、少なからぬ子供たちは学校から落ちこぼれて不良化します。・・・
Vol.254 外国人に美容師は無理?(2018.9.25)
「技能」は、悩ましい在留資格です。広い範囲で認められるように思われがちですが、入国管理法上は、調理、建築・土木、製造・修理、宝石・毛皮加工、動物調教、石油探査、パイロット、スポーツ指導、ソムリエしか認められていません。これら以外の「技能」は、在留資格では何の価値も持たないのです。このため、外国人の美容師は、日本の国家資格を取得したとしても、日本では働けません。腕前はプロでも、在留資格がないので帰国するしかないのです。・・・
Vol.244 どこが起業促進なのか?(2018.9.11)
「在留資格」に関する記事は、役人から説明された内容の一部を切り貼りしただけの粗悪品が多いので極上品は少ないのですが、「外国人起業家向けビザ 規制緩和 シェアオフィスも」には呆れました。「経営・管理」の取得を緩和するため、「一定の条件を満たした起業家にはシェアオフィスでも在留資格の取得を認める方針だ」という報道です。「事務所」の定義は、「日本標準産業分類一般原則」が準用されており、「年単位で賃貸されたシェアオフィスはダメ」という法はありません。・・・
Vol.241 入国在留『管理』庁が発足(2018.9.6)
来春、入管が5000人を超える「庁」に格上げされます。その名称は「入国在留管理庁」。安倍政権が「移民政策ではない」と公言している以上、「移民庁」は無理だとしても、「入国在留庁」や「外国人庁」がベターだとは思いますが、「在留」が入っただけ、報道されていた「入国管理庁」よりはマシ。しかし、だからと言って、安堵すべきではありません。部署として、「出入国管理部」のほかに、「在留管理支援部」を設けると報じられていますが、ここに本音が透けて見えます。・・・
Vol.239 技能実習生よりも留学生!(2018.9.4)
8月下旬、菅義偉官房長官は、「外国人材がいなければ日本経済は回らないのが現実だ」と指摘し、「日本語を習得し、日本の良き理解者になった留学生が就職できずに失意の思いで国に帰る。そうしたことは避けるべきだ」と述べました。さらに、「卒業した留学生が日本に残って就職するのは36%にとどまっている。希望者の大部分が日本で働ける制度をつくるため、業種の幅をさらに広げるような在留資格をつくりたい」と語りました。全国外国人雇用協会は、当面の活動方針として・・・
Vol.228 移民政策はウソだらけ?(2018.8.20)
安倍首相は「移民政策はとらない」という呪文を唱えています。「移民」を「入国の時点で永住権を有する者」と定義し、「移民政策」を「国民人口に比して一定程度のスケールの外国人、その家族を、期限を設けることなく受け入れることで国家を維持していく政策」だと説明していますが、国連では「通常の居住地以外の国に移動し、少なくとも12か月間当該国に居住する人」のことを指し、EUでは「3か月以上EU圏内に留まるEU市民権を持たない人」と定義しています。・・・
Vol.222 外国人起業家は増える?(2018.8.10)
マスコミでは、「外国人起業家を呼び込んで日本経済を活性化する」という話がよく出てきます。ゲーム・アニメの翻訳や日本文化の紹介サイトの運営を手掛けるスペイン人社長やレストランでの食事代の一部を寄付するサービスを提供するベトナム人社長、ECサイトを運営するウクライナ人社長、翻訳のクラウドソーシングを商う米国人社長、資産管理アプリを開発するオーストラリア人社長、eラーニングサービスに特化した中国人社長など、魅力的な起業家たちが紙面を飾ります。・・・
Vol.219 日本が食い物にされる?(2018.8.7)
日本に大量の外国人を受け入れるということになると、良くも悪くも、様々な問題が続々と表面化してきます。というのは、日本における現行の諸制度が「日本には日本人しかいない」という前提で設計されているからです。以前より、「偽装結婚」をして在留している外国人が「遺族年金」を狙っているとか、中国の家族を扶養していることにして税金を軽減しているとか、中国人が中国の病院で出産する場合も出産一時金を支払うのは行き過ぎだ、という話は出ていました。・・・
Vol.213 外国人との共生は可能か?(2018.7.30)
安倍政権は、外国人労働者の大幅受入増を決定しました。総じて賛成論が多いものの、「外国人との共生」に関しては、準備不足や懸念を表明する向きが多いのも事実。「仲介業者による中間搾取を防ぐ仕組みの整備、日本語学習や医療面の支援なども必要だ」「外国人を一時的な労働者とみなしての受け入れは禍根を残す」などの意見に対して真摯な回答が求められます。また、「人として受け入れる」のか「労働力として使う」のかという大きな政治判断が求められています。・・・
Vol.211 攘夷派の反撃が始まる!(2018.7.26)
安倍政権は「外国人労働者の受入拡大」に踏み切りました。世論は、総じてポジティブですが、攘夷派はいずれ反撃に出ます。現時点の反対論は、「すぐ外国人労働者に頼るのは安易だ」「人口減少対策として外国人に依存するのは問題の先送りだ」「根本的な問題は解決しない」という「問題は解決しない論」と、「移民受入は実質賃金を引き下げる」「移民を入れると企業の生産性が上がらない」「人手不足だからこそ労働生産性が上がる」という「人手不足は受容すべき論」が主流。・・・
Vol.208 「移民大国」の自覚を持て(2018.7.23)
「特定技能」による外国人労働者の受入拡大が打ち出される3ヶ月前、70人を超える自民党議員が参加し、「地域の農林水産業振興促進議員連盟」が発足。会長に就任した竹下亘・自民党総務会長は、その時点ですでに、「農業の将来を考えると、移民政策も含めて国会でも議論し、国民のコンセンサスを確立する必要があります。今は実習生として受け入れていますが、このままでいいのか。放置しておくと不法就労が増えます。外国人ゼロではもう農業はやっていけません」と断言していました。・・・
Vol.197 コンビニは本当に単純作業?(2018.7.5)
外国人留学生がいなければ、コンビニは24時間営業を維持できません。全国のコンビニでは、留学生が4万人働いており、東京の深夜帯だと6~7割の店舗で外国人が就業しています。本来、留学生は「勉強」が本文であり、「就労」することは不可。アルバイトは「裏口=資格外活動」で特別に認められています。世界に通用する日本の製造業を代表するのがトヨタなら、日本の非製造業を代表するのはコンビニ。しかし、そのコンビニを支えているのが、「裏口入学の留学生」だとすれば悲しい限り。・・・
Vol.188 イタリア新政権でEUが瓦解?(2018.6.22)
ヨーロッパが揺れています。10日に、地中海を渡り欧州に向かう難民ら630人を乗せた船の入港をイタリアのサルビーニ副首相が拒否。11日にスペインが人道的な見地から同国への入港を認めると、サルビーニ氏は「イタリアの勝利」と勝ち誇りました。これに対し、仏のマクロン大統領が12日に「イタリアは責任感が欠如している」と批判すると、イタリアは13日に予定されていた経済財政相の訪仏を取りやめ、15日に予定されていた仏伊首脳会談の中止も示唆。難民問題の深刻さを物語る出来事でした。・・・
Vol.165 日本商工会議所が吠える!(2018.5.22)
4月26日、日商は、現制度では「単純労働」と見られがちな業務に従事できる「中間技能人材」という在留資格を創設すべきという意見書を公表しました。政府が提唱する「特定技能」よりはマシですが、「単純労働」に外国人を押し込めてしまうという意味で、「悪手」と言うべきでしょう。それよりも、同じ意見書に記されている「わが国の大学等を卒業した外国人留学生が引き続き日本で就労できるよう、卒業生に特化した在留資格を創設」のほうが筋の良い施策です。
Vol.149 移民の議論は始まるのか?(2018.4.25)
経済団体「新経済連盟」の三木谷浩史代表理事は、「移民受け入れの議論を始めるべきだ」とぶち上げ、「移民基本法」の制定を働きかけ、受入目標の設定を求めていく方針を明らかにしました。その半年ほど前、単純労働者を含む非技術的分野の受け入れに関して「検討の場」を早期に設置するよう政府に求めた日本商工会議所は、自由民主党と人手不足の解消が急務だとの認識で一致。高村正彦自由民主党副総裁は「人手不足は経済成長の阻害要因になっている」と応じました。
Vol.147 パソナが入管を動かす!?(2018.4.23)
人材派遣のパソナグループは「パソナ総合研究所」を開設。塩崎恭久前厚生労働大臣を招聘し、「専門性の高い外国人高度人材の確保や労働力不足を解消するためにも移民制度を構築すべき」との認識を表明しました。アドバイザリーボードは錚々たる顔触れで、「社会のあり方の変革に向けた“発信”を行ないます」とぶち上げた以上、何か仕掛ける肚でしょう。これまでもパソナは、国家戦略特区の枠組を活用しながら、地域を限定した家事支援や就農に関して、外国人労働者の受け入れを勝ち取ってきました。
Vol.138 「介護」が大暴れしています(2018.4.10)
「介護」が大暴れしています。まず、「技能実習」の枠内に「介護」を入れました。その上で「在留資格」に「介護」を新設し、5年までの在留を認めて更新可に。これで「永住者」にも変更可能です。さらに、昨年12月8日に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」において、3年以上の実務経験に加え、実務者研修を受講し、介護福祉士の国家試験に合格した外国人には在留資格「介護」を認める方針を打ち出しましたから、帰国前提の「技能実習」で来日した外国人が永住できる道が拓かれました。
Vol.135 国よりも地公体に期待する(2018.4.5)
日本人として生まれても外国籍を取ると日本国籍を失うとする国籍法の規定は憲法違反だとして、欧州在住の元日本国籍保持者ら8人が国籍回復を求める訴訟を東京地裁に起こします。国籍法は「日本国民は、自己の志望によって外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」として、二重国籍を認めていません。このため、二重国籍となった場合、22歳までか取得後2年以内の国籍選択が義務づけられています。現在の日本の法制は、人々が国境を越えるようになっている「現実」に対応していません。
Vol.128 「ズルズル移民」で良いのか?(2018.3.27)
2月下旬に、安倍首相が外国人労働者の受入拡大をぶち上げたことを契機に、「移民に関する議論」が俄かに活発化しています。渋々であれ、積極的であれ、現実的には「移民受入」は致し方ないという世論が優勢という感じもしますが、「いわゆる移民は受け入れない」という建前を崩さないままだと、ズルズルと外国人が増えることになります。そうなると、本来必要な日本語教育や社会規範の修得を国として講じることができません。じつは、この「ズルズル移民」。日本の専売特許ではありません。
Vol.123 「しずお農場」より「技人国」!(2018.3.19)
北海道士別市の「しずお農場」では、経営者自らベトナムに赴き、実習生候補の面接を行ないました。その結果、給料のピンハネや斡旋料を取られないからということで3人の募集に150人が殺到し、優秀な若者を採用できたと言います。さらに、日本語検定合格による昇給制度を導入して、日本語能力を磨かせるだけでなく、賃金を日本人並みの20万円に設定しました。ある評論家は、これを「ドイツ式」として称賛し、他企業も真似したほうがよいと推奨しています。
Vol.106 日系4世が働けば解決する?(2018.2.22)
法務省は、海外在住の日系4世の若者に、就労できる「特定活動」の在留資格(最長5年間)を与える新たな制度を導入することを決定しました。日本語能力試験N4レベルの語学力などが条件で、18~30歳を対象に年間4000人を受け入れる計画です。日系2世や3世は「定住者」の在留資格で自由に働けますが、4世は、日本に住む3世と暮らす未成年で未婚の実子のみ「定住者」として長期滞在が認められ、原則として就労はできませんでした。
Vol.98 新宿区新成人の外国人は5割(2018.2.9)
東京23区の「新成人」8万3400人のうち、8人に1人に当たる1万800人余りは外国人です。新成人に占める外国人の割合は、新宿区で45.7%と半数を占めているほか、豊島区で38.3%、中野区で27%と、23区のうち6つの区で、その割合は20%を超えています。5年前と比較すると、日本人が1.05倍でほぼ横ばいで推移している中で、外国人は2.54倍。区ごとに見てみると、江戸川区が2.1倍、新宿区が2.2倍、北区が2.9倍、豊島区が3.4倍となっており、中野区に至っては、なんと5倍の増加率です。  
Vol.68 「創業準備ビザ」は吉報です?(2017.12.15)
日本経済新聞は、「経済産業、法務両省はアジアなどの外国人起業家を呼び込むため、2018年度にも全国で『創業準備ビザ』と呼ばれる新たな在留資格を認める調整に入った」と報じました。もしも、この報道が事実なのであれば、会社登記や事務所賃借などの条件不足で「経営・管理」が許可されなかった外国人たちにとって吉報になり得ます。実務において、事務所や資金等のハードルで苦しめられている申請人が多数存在するからです。ただし、入管の実際の運用を見てみないと何とも言えません。
Vol.59 小池都知事は入管政策が苦手?(2017.12.1)
2017年1~6月に難民認定を申請した外国人は8561人と過去最多を更新。入管は「誤った形で就労等を意図する外国人に伝わり、難民認定制度を乱用または誤用する者の増加につながっている」と主張しています。その一方、難民認定の運用が狭量すぎるとして「サンクチュアリ・シティ」を提言する声もあります。そんな中、小池東京都知事が「国際金融都市・東京構想」を打ち出しました。性的マイノリティーであるLGBTの同性パートナーが在留資格を得やすくなるよう国へ働きかけていくと宣言しました。
Vol.56 飲食業は「技人国」じゃない?(2017.11.27)
茨城県の農家が、不法就労助長の容疑で逮捕されました。「資格外活動違反」に相当するのだと思われますが、「資格外活動」という専門用語は、世の中的にはあまり知られていません。そもそも、この「活動」という概念が分かりにくい。「ビザさえ下りれば、何をやってもいい」というポジティブな捉え方から、「とにかく単純労働はダメ」というネガティブな思考まで、人それぞれなのですが、出所不明の噂話や聞きかじりの断片的な知識で決め付けている人が多いのも事実です。
Vol.53 入管行政は複雑骨折していく!(2017.11.20)
在留資格制度の行方を占う上で、破天荒な事態が進行しています。それは、国家戦略特区制度における外国人の農業就労です。国会答弁で当局は、対象外国人は「高度人材ではない」と認めていますから、素直に受け止めると、「単純労働の外国人は受け入れない」という大原則を転換したようにも見えます。さらに言うと、対象外国人に関して、技能実習制度の修了者を想定しているので、「日本の技術を海外に移転する」という技能実習制度の建前を放棄したようにも感じられます。
Vol.39 参政権よりも在留資格を論じよ!(2017.10.18)
「希望の党」は、政策協定書に「外国人参政権に対する反対」を盛り込みました。外国人参政権は、長年来の政治的な争点であり、憲法改正においても議論が分かれています。現行憲法は、国政への参政権を認めていませんが、地方参政権まで禁止するものではないと解されており、川崎市や広島市のほか、北海道の市町村では、住民投票に外国人も参加できる住民投票条例を制定。でも、日本に在留している大多数の外国人が求めているのは、参政権などではなく、基本的人権の尊重と在留資格の安定性です。
Vol.31 「技人国」で現場研修ができる!(2017.9.23)
9月22日、「『クールジャパン』に関わる分野において就労しようとする留学生等に係る在留資格の明確化等について」が公表されました。「現場研修」について、従来は「採用当初のOJTは,業務習熟のために必要な研修として認められます。他方で,OJTの期間が当該外国人の在留期間の大半を占めるような場合には認められません」という概念的な指導でしたが、現場研修(単純作業)が「技術・人文知識・国際業務」の範囲内であることを複数の事例で認めたという点で「画期的」です。
Vol.30 在留資格の戦略で将来が決まる!(2017.9.22)
日本フランチャイズチェーン協会が「外国人技能実習制度」の対象職種にコンビニの店舗運営を加えるべく申請するようです。人手不足に焦る気持ちは分かりますが、極めて筋が悪い戦略です。正々堂々と入管を説得し、「技術・人文知識・国際業務」を勝ち取った企業の努力を無にする悪手でもあります。この点、際立っているのが、外国人従業員100人を目指す日の丸交通。観光業務に従事する高度人材として、「国際業務」という在留資格を取得させた上で乗務以外の部門への配置も検討するといいます。
Vol.27 アニメで在留資格が出るのか?!(2017.9.19)
「アニメやデザイン、調理などを学ぶ外国人留学生が卒業後に日本で就職しやすくなるよう、在留資格を緩和する」という報道がありました。入管審査の現場を知らずに政策を論じるとこういうことになります。求人企業がいるのかという根本的な疑問だけでなく、運用上の基準である「月給20万円」をクリアできるかという問題もあるのですが、入社当初の研修期間に限り認めていた単純業務を中長期計画の提出を条件に一定期間認める方向に議論が進むのであれば、悪い話ではないのかもしれません。
Vol.25 外国人なしで日本は成り立つのか(2017.9.17)
東京入管の審査が厳格化しています。専門学校における専攻と業務の関連を極めて厳しく追及し、申請者本人に対して電話で質問を浴びせるなど、2年前であれば許可された事例が不許可のオンパレード。偽装難民を一掃するという方針の余波が通常の在留資格変更の判断に影響しているように見えます。地方に目を転じると、外国人が増えなければやっていけない市町村が激増しており、少子高齢化はアジア全体の問題。こんな対応をしていると、アジアの人々が来日しないようになってしまわないか心配です。
Vol.15 今こそ「河野私案」を再考する(2017.9.3)
いまから10年以上前の2006年に公表された「今後の外国人の受入れに関する基本的な考え方」(通称、「河野私案」。)を知っている方はいらっしゃるでしょうか。「河野私案」は、来たる人口減衰を踏まえた上で、あるべき入国管理制度を真正面から検討した意欲溢れる報告書でした。法務副大臣としてプロジェクトチームを立ち上げ、各方面からのパブリックコメントを踏まえた上で策定された「河野私案」は、いま読み返してみても色褪せることなく、現在の入管行政の問題点を的確に指摘しているように思えます。
Vol.484 されど『技能実習』は死なず?(2019.9.5)
「技能実習」に係る外国人の人権問題が絶えません。福井県の繊維工場で火災が発生し、ベトナム人技能実習生が1人亡くなりました。今治タオルの縫製工場でベトナム人技能実習生たちが低賃金かつ劣悪な労働環境で働かされている様子をNHKが伝えたことが大きな波紋を呼んでいます。広島市の実習受け入れ先から「強制帰国」させられたとして、インドネシア人実習生が監理団体などを提訴したことも報じられました。しかし、「技能実習」が廃止されることはないでしょう。・・・
Vol.480 特定技能の初年度は数百人?(2019.8.30)
「日系4世ビザ」は、懸念されたとおりになりました。制度導入から約1年経ったのに、在留資格を得たのは43人(6月17日時点)で、法務省が喧伝していた4000人の約1%。サンパウロの人材企業では、「条件が厳しすぎて申請者が少なく、4世の募集はしていない」と打ち明けます。日本語能力の資格や家族の帯同を認めていない点などが敬遠された理由です。このままだと、「特定技能」も同じ結末を辿る公算大。申請してみると分かりますが、必須となっている書類がやたらと多く・・・
Vol.466 特定技能は期待通りだったか?(2019.8.9)
「特定技能」は、期待の大型新人でした。昨秋は、その指名を巡って、陳情合戦が繰り広げられたものです。ところが、導入から2ヶ月半経った今では、昨秋の熱気はどこへやら。数多くの企業が「様子見」に転じたような静けさです。特に、「技能実習」に慣れ親しんでいる企業では、「特定技能」に乗り換えるのではなく、「技能実習」を堅持する方針を固めたようにも見えます。「外国人受入政策の司令塔を担う」と意気込んでいたはずの入管庁は、具体的な施策に踏み込もうとしません。・・・
Vol.455 大都市集中をどう回避する?(2019.7.25)
6月3日、自民党の「外国人労働力受入れに関する合同会議」が「特定技能」で働く外国人について、大都市圏への集中を防いで地方にも定着させていく観点から「思い切った対策を重ねて講じるべき」と提言しました。本気で大都市圏への集中を防ぎたいのであれば、オーストラリアやカナダのように、在留条件に居住地域や就労地域の限定を設けるべきです。もしくは、「特定技能」の外国人が転職する際には、在留資格の変更許可が必要ですから、変更許可のガイドラインに・・・
Vol.452 入管庁は司令塔になれるか?(2019.7.22)
東電は、福島第一原発の廃炉作業について、入管に確認した上で、「特定技能」は受入可と判断。実際、「従たる業務」で従事することを禁じる法令はありません。そこで、特定技能外国人を受け入れる方針を打ち出したところ、批判の矢面に。入管は、「そのような回答をしたことはない」と否定に転じ、「所管省庁が判断すること」と責任を回避。5月21日には、厚労省が、慎重な対応をとるよう求める通達を発出したことを契機に、東電は、その翌日、受入凍結を公表しました。・・・
Vol.447 大山鳴動して鼠一匹なのか?(2019.7.12)
5月下旬、「特定技能」に係る試験結果が続々と公表されました。外食業の技能試験では347人が合格。宿泊業でも280人が合格し、介護でも84人の合格者が出ました。業界では、特定技能に特化したマッチングサイトを開設したり、日本語教育やトレーニングセンターに商機を見出すなど、一部で盛り上がりを見せています。しかし、これらは、外国人個人に対する必要条件に焦点を当てた試みにすぎません。じつは、「特定技能」は、従来の在留資格とは異なり、外国人個人の審査ではなく・・・
Vol.445 技能実習は特定技能に勝つ?(2019.7.10)
日本政府は、外国人技能実習制度の「宿泊業」について、現在は1年しか認められていない技能実習を2年目以降もできるように制度を改正することを決めました。この措置により、「宿泊業」で約3年の実習を経験すれば、新たな在留資格「特定技能」に無試験で移行することが可能になります。じつは、北大阪高等職業技術専門校は、3年間在留する技能実習生に義務づけられる「3級」の検定試験の対策講座を開講しています(計12時間の2日間コース)。つまり、表向きは・・・
Vol.436 特定技能は増やす気がない?(2019.6.27)
鳴り物入りで今年4月から導入された「特定技能」ですが、期待が大きかっただけに、「残念な感じ」が漂い始めました。その大きな原因のひとつは、推進役であるはずの入管庁が、「制度は創ったので後はよろしく」「試験関係は所轄官庁の問題だから、そっちに聞いてくれ」というスタンスを崩さず、当初公言していた「司令塔的な役割」をまったく果たしていないからです。とは言うものの、入管庁自体は、「外国人の受け入れは仕事が増えるだけなので増やしたくない」と本音では思っている・・・
Vol.435 外国人問題は日本人問題?(2019.6.26)
建設労働者にIDカードを保有させ、就労データを管理する「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の運用が始まりました。外国人にはCCUSの加入が義務付けられましたが、CCUSは、外国人のためのものではありません。元々は、技能を「見える化」することによって、技能に応じた賃金を保障することを通じて、建設労働者全体の処遇を改善するための仕掛けでした。処遇が改善されない原因の一つは、日給ベースで計算し、稼働日数によって月給が変動する「日給月給制」。・・・
Vol.429 初年度見込みは大幅未達?(2019.6.18)
4月26日、法務省は、新たな在留資格「特定技能1号」を初めて認定しました。今回認定された2人のカンボジア女性は、和歌山県の技能実習生。受け入れていた大阪府の農業関連会社が申請して、認められたといいます。「特定技能」の受け入れ人数は、初年度で32,800~47,550人と見込まれていましたが、この新しい在留資格を申請したのは27人だけ。初年度の見込みが正しいと仮定すれば、初月申請者の100倍の水準に相当する3,000人近い人数が6月以降毎月許可されていく・・・
Vol.427 特定技能は原発向きなのか?(2019.6.14)
4月18日、東京電力ホールディングスは、「特定技能」の外国人労働者を福島第一原発の廃炉作業などで受け入れる方針を明らかにしました。東電や協力企業の社員が1日平均で約4000人働いている職場では、現時点で約30人の外国人が放射線業務従事者として登録しているようです。人道主義的な批判はさておくとして、入管法的には、かなりリスキーな選択です。いかに指示したところで、原発に馴染みのない国にいるN4の外国人に被曝リスクを完全に理解させることは不可能。・・・
Vol.425 外国人が十分に理解できる?(2019.6.12)
同じ社内で外国人と働くことが増えると、問題になるのがコミュニケーションです。単に、言葉の意味の問題ではなく、文化の差異とか、考え方やアプローチの違いからくる勘違いなど、本気で一緒に仕事をしようと思えば思うほど、日々のマネジメントにおける悩みは深まるものです。中でも怖いのが、「理解していない」のに「ハイ」と応えるケース。同国人から、「何か言われたらハイと答えておけばいい」と教えられて、理解しようともせずに「ハイ」を連発する輩は少なくありません。・・・
Vol.419 アクセルとブレーキを両方踏む?(2019.6.4)
「特定技能」は、実務家の検証を経ることなく、既存制度の継ぎ接ぎの上に、雑多な要望を混ぜこぜにしてしまった在留資格なので、様々な部分で不都合が出てきます。離職する外国人の転職支援を義務付けるというのは、その最たる事例ですが、銀行口座や携帯電話でも政策の矛盾が表面化しています。「特定技能」では、すべての外国人の銀行口座を開設するように求めていますが、金融庁は、銀行に対して、マネーロンダリング対策を強化することを要請しており、安直な銀行口座の新設を戒めています。
Vol.415 国が関与すればうまく行く?(2019.5.29)
「特定技能」の議論に絡めて、「韓国に学ぶべき」と語る人たちは、「韓国のように、ブローカーの関与を排除し国が仕切るべき」と声高に主張します。しかし、韓国においても、外国人労働者の生活環境は厳しいままであり、性的暴行や給料不払など、日本の「技能実習」でお馴染みの光景が、「雇用許可制」の下で繰り広げられています。不法残留者や外国人犯罪が問題視され、外国人労働者に関するトラブルが社会問題化しています。国の関与で問題がなくなるのなら、「特定技能」の転職問題は・・・
Vol.413 外国人のことがわかってない(2019.5.27)
4月14日、日本国内で初めて「特定技能」の試験が行われました。宿泊業の試験が全国7カ所で行われたのですが、結局、全国で試験を申し込んだ761人に対して、実際には391人しか受験せず、申込者の半数程度(受験率51.4%)にとどまり、受験料を納付していない外国人も散見されました。外国人を雇ったことのある経営者であれば、「権利は主張するが、義務を果たすかどうかはわからない」という外国人労働者の性癖を痛いほど思い知らされています。・・・
Vol.407 外国人は常にかわいそうか?(2019.5.17)
「杉並外国語学院」と名乗る日本語学校が、ベトナム人から学費等を受け取り、行方をくらますという詐欺事件がありました。被害者は66人に上り、被害額は1人当たり約100万円。ベトナムの平均年収は約30万円と言いますから、被害者のショックは甚だしいはずです。法務省の認可を受けておらず、学校運営にも実態がなく、HPも盗用など、本当にヒドイ事件ですし、技能実習生に関する人権侵害についても、是正すべき点が多々あります。ただ最近気になるのは、事実の裏付け・・・
Vol.399 企業は悪と決め付けてよい?(2019.5.7)
3月29日、技能実習生の失踪や死亡について調査していた法務省のプロジェクトチームは、失踪者5218人のうち721人に、実習先による不正行為の疑いがあったとの報告書を公表しました。最低賃金割れや不当な残業、外出制限などの扱いを受けていたようです。確かに、技能実習制度を利用していた企業の一部に、極めて悪質な雇用主がいたことは事実です。しかしながら、今回導入する「特定技能」の雇用主が全員「性悪」であると決め付けて、本来「技能実習」に適用した上で・・・
Vol.394 日系4世の二の舞になる?(2019.4.22)
省令や運用要領を読み込むと、「特定技能」という在留資格は、「技能実習」で散々叩かれた法務省が、自らが責任を逃れたい一心で、すべての責任と義務を、雇用主と登録支援機関に押し付けた制度なのではないか、という邪推に襲われます。内心では、「特定技能の外国人なんて、別に入って来なくていい」と思っているから、雇用主の義務の範囲を広げ、責任を重くした上に、山盛りの書類提出を求めているのではないか、とすら感じてしまいます。例えば、「特定技能」の受入企業には・・・
Vol.387 特定技能には健康診断義務(2019.4.11)
フランスでは、移民を含むすべての人に対して、教育と医療を受ける権利を保障しており、移民局は「フランスの医療保険に必ず加入しなさい」と指導しています。低所得や無職の人には、保険料が免除され、ほぼ無料で医療を受けられる健康保険制度があるほか、不法滞在者向けの国家医療扶助というシステムまであります。どんな立場の人でも、人間として、医療から排除されない仕組みがあり、医療通訳も整備されています。日本では、今般、「特定技能」の在留資格を取得する外国人に・・・
Vol.384 行政書士でもわからない?(2019.4.8)
「特定技能」に関して、「行政書士でも分からない」という声が出ています。法務省や担当官庁の説明会に参加しても、「詳細があやふや」「詳しい内容が分からない」などの不満が募るばかりで、ほとんどの関係者が「特定技能」を理解しきれていない状況であると言っても過言ではありません。「特定技能」を理解することの難しさは、「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」を一読するだけでもわかります。参照条文が多く、禁止事項が山盛りに・・・
Vol.382 ブローカーと組むと免許剥奪?(2019.4.4)
海外の送り出し機関が「特定技能」で沸き立っています。「技能実習」と異なり、キックバックを求める監理団体と組む必要がなくなるため、日本の人材会社と提携できれば大儲けができると見込んで、メールや電話でセールス攻勢をかけています。「費用について,直接又は間接に当該外国人に負担させない」という部分も好感されており、「技能実習」と異なり、本人が搾取されないということで、自分勝手なバラ色のイメージが流布しています。しかし、改正入管法において・・・
Vol.373 移民か否かでは論評したのに?(2019.3.22)
改正入管法について、安倍首相が「いわゆる移民政策ではない」と言い張ることについて、昨秋から、マスコミや識者は、国連やOECDの定義を掲げて散々批判を繰り返し、「移民か否か」に関する自説を数多く垂れ流してきました。「いわゆる移民政策」という表現自体、定義が曖昧であり、明確な定義を示さないことによって、都合よくその場その場で解釈して逃げおおす「官僚答弁」の典型的な手法。安倍首相の論理に無理があることは明白です。未だに、この「移民禅問答」に・・・
Vol.371 日本人と同じに扱えばよい?(2019.3.20)
「特定技能」の外国人を雇う気満々の経営者も少なくありません。でも、「日本人と同じように扱えばいい」と思っていませんか? マクリーン事件の最高裁判決(1978年)においても、「憲法による基本的人権の保障は、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものと解すべきである」と判示されていますから、憲法上は「日本人同等でよい」ような気がします。じつはその考え方、「特定技能」については大間違い。というのは、今回の入管法改正で、アファーマティブ・アクション・・・
Vol.370 入管法に精通する法的素養?(2019.3.19)
東京行政書士会によれば、法務省は、入管への申請取次を登録支援機関に認める方針のようです。現在でも、企業や学校には、外国人社員や留学生に係る申請取次を認めているので、「登録支援機関には認められない」という理屈は見出し難く、そもそも行政書士の資格試験に入管法が入っていない以上、「行政書士は入管法の専門家だ」と主張するのも気が引けます。現実問題として、入管法に詳しくない申請取次行政書士が多数存在していることも事実ですし、東京行政書士会は・・・
Vol.369 セクハラの苦情は頭が痛い?(2019.3.18)
「特定技能」には、実務上の問題が数多くあります。例えば、受入企業には、「相談又は苦情の申出を受けたときは,遅滞なく,当該相談又は苦情に適切に応じるとともに,当該外国人への助言,指導その他の必要な措置を講ずること」が求められているのですが、法務省は、「当該機関の責めに帰すべき事由に該当する事由としては、例えば、相談、苦情に適切に対応しなかったことなどの理由で特定技能外国人が行方不明となる事態を発生させた場合を想定しています」と国会答弁。・・・
Vol.366 行方不明に弁護士が絡む?(2019.3.13)
盗みを働いた実習生でも、「誠実に働こうと思っていたのに」と告白すれば、悲劇のヒーローとして扱われるようになりました。そういうムードの中、「特定技能」は摩訶不思議な制度に。典型的なのが、「外国人の責めに帰すべき事由によらないで、雇用契約を解除される場合において、転職支援を行わなければならない」という義務と、「企業の責めに帰すべき事由により、外国人の行方不明者を発生させた場合、1年間、特定技能外国人を雇用できない」という罰則です。・・・
Vol.365 大学は受益者負担しないの?(2019.3.12)
昨秋の参議院法務委員会で、山下法務大臣は、受け入れる外国人労働者に関する日本語教育や研修などの費用について、「外国人に直接、間接に不当に負担させてはならないと法務省令で規定する」と断言しました。実際、公表された省令では、「一号特定技能外国人支援に要する費用について,直接又は間接に当該外国人に負担させない」と明記されています。マスコミにおいても「利益得るのは企業、なら責任を」とか、「外国人労働者を雇う企業に行政コストを負担させるべき」・・・
Vol.360 説明会に出てもわからない?(2019.3.5)
「特定技能」の説明会が法務省主催で全国開催されています。会場からの質問には、公表文書をなぞる程度の内容で応じるだけで、踏み込んだ問いには、「地方の労働局に問い合わせてください」「想定外の質問。今のところ未定だ」「決まっていないことがまだ多くある」と回答するなど、中身が煮詰まっていないことが露呈しました。そもそも、制度の説明が1時間弱ですから、枠組と手続を話して終わり。実務上の悩みには十分に答えてくれません。3月19日に開催予定の東京での説明会は・・・
Vol.359 行方不明が大問題になる!(2019.3.4)
「特定技能」は、実習生からの移行を数多く見込んでいますが、昨年の臨時国会では、技能実習制度において、長時間労働や低賃金が原因で失踪が相次いでいることが大問題となりました。それで法務省は、プロジェクトチームを設置。技能実習生の失踪原因などの調査結果を3月末に公表し、その結果に基づいて、制度改善のための具体的な提言をする方針であるといいます。この「失踪問題」の煽りを受けたのが「特定技能」。1人でも行方不明者を発生させてしまうと・・・
Vol.356 転職リスクと転職支援リスク(2019.2.27)
「特定技能」が解禁される4月が迫ってきました。地方からは、「気仙沼でイカの塩辛をつくっていた外国人労働者が、東京の総菜屋やパン屋に行ってしまう」「外国人労働者が地方から賃金の高い大都市圏に流出してしまう」「雇って育てても、結局は東京に行ってしまう」「東京や大阪など大都市圏に集中し、人手不足がより深刻な地方に向かわない」「地方で就職しても1年と持たない」という「転職リスク」が懸念されています。その一方、「転職支援リスク」は認識されていません。・・・
Vol.354 帰国旅費は企業で負担?(2019.2.25)
日本商工会議所は、改正入管法の省令で定めている帰国旅費の企業負担に対して、「本人が自己負担すべき」と反論しました。新聞などでは、さらりと「本人が帰国旅費を捻出できない場合は負担することを受け入れ先に義務付ける」などと一文で片付けていますが、実務的には結構頭の痛い問題です。条文は、「外国人が特定技能雇用契約の終了後の帰国に要する旅費を負担することができないときは,(企業が)当該旅費を負担する」と定めた上で、支援計画に関して・・・
Vol.346 小売りも『特定技能』参入?(2019.2.13)
日本スーパーマーケット協会の川野幸夫会長は、「特定技能」の受入業種に「小売業」も含めるよう関係省庁に要請していく意向です。業界を所管する経済産業省等に対し、他の小売業団体とも連携して、要請活動に取り組んでいく考えだと言います。しかし、「特定技能」の詳細は必ずしも明らかになっておらず、コスト高になるという懸念から、求人企業や国内で応募する外国人は限られるのではないかという見方が台頭しています。実際、受入業種である「外食業」では・・・
Vol.344 東京への集中をどう避ける?(2019.2.8)
「特定技能」に関する審査が法務委員会で再開されると、大都市圏への集中を避ける具体的な方法について質問が集中しました。在留外国人の居住範囲を制限する政策についてはオーストラリアやカナダに先例があり、現行入管行政の枠組の中で、在留外国人に許容する行動範囲を指定することができるので、やろうと思えば明日からでもできるのですが、法務省も国会議員も、人権侵害と批判されるのを恐れて、自分からは言い出しません。というのは、憲法に抵触する惧れがあるからです。・・・
Vol.335 法務省は『正義の役所』?(2019.1.28)
技能実習生と言えば、「失踪者」が多いということが広く知られるようになりましたが、昨年末に「死者」も多いという情報が飛び交いました。技能実習生の死者数は、2010年からの8年間で174人。そんな中、日本国際研修協力機構は、それまで公開していた死者数に関するデータを削除しました。改正入管法の国会審議において、法務省は、失踪動機で最も多かったのは「より高い賃金を求めて」で87%だったと説明していましたが、本当の最多は「低賃金」で67%だったことが判明。・・・
Vol.330 社会保険がチェックされます!(2019.1.21)
先月28日、法務省は、改正入管法の関連政省令案を公表し、「意見公募」を開始しました。新聞等では、「報酬額は日本人と同等以上」「報酬は預貯金口座に振り込む」「帰国旅費を工面できない場合は受入先が旅費を負担する」「対象者を18歳以上と規定」などが例示されているのですが、その陰で、とても重要な「入国管理法施行規則」の改正案が潜り込んでいました。それは、社会保険の加入状況の確認です。早晩、すべての在留期間の更新審査の際にチェックされる可能性があります。・・・
Vol.328 計算通りに来てくれるのか?(2019.1.17)
入国管理法が改正され、4月から「特定技能」で外国人労働者の受け入れが拡大されると喧伝されていますが、「外国の単純労働者にとって、日本は魅力ある働き場所ではない」「中国の山間部まで募集をかけないと集まらない」「韓国、台湾と日本の賃金格差も円安の進行でなくなった」「働き盛りの人が来日するわけだから家族が帯同できない在留資格では大変だ」「フィリピン人は移住を考えたとき、日本よりもカナダを選ぶ」など、「本当に来日してくれるのか」という疑問が噴出しています。・・・
Vol.325 建前でごまかすのは止めよう(2019.1.11)
改正入管法の議論では、「技能実習」の闇が露見しました。低賃金・賃金不払・労災・失踪という諸問題が解決されず、「特定技能も技能実習生の二の舞いになる」と懸念する声が聞かれます。実際、建設業では、「特定技能」の先駆けともいえる「技能実習」の延長が認められていますが、4割の企業で未払賃金等の問題が発覚しました。「技能実習」では「建前」が崩壊し、法令違反の塊となっています。「特定技能」では、建前と実態の乖離を縮小する効果が期待されていますが、果たして・・・
Vol.319 入管は攘夷派に同感する?(2018.12.28)
入国管理法の改正は決まりましたが、「拙速な外国人材の受け入れに、きっぱりNO!」「多民族共生社会や多文化社会は世界でも実現した試しのない空論だ」「新たな下層階級が日本にできて、重大な人権問題に発展する」「外国人単純労働者の受け入れは、日本人の生存権をも脅かす」「外国人同士の争いが、日本社会に別の新たな民族問題を引き起こす」「AI・ロボット・自動運転技術に徹底的な投資を行うことが先決である」など、攘夷派は巻き返しを図って意気軒昂です。・・・
Vol.316 外国人は地方に行け?(2018.12.25)
「特定技能」については、大都市圏に外国人が集中しないような措置を講じることになりました。地方の最低賃金が大都市圏よりかなり低い(東京都985円・鳥取県762円)ので、外国人労働者が都市部に集中するという懸念に応えたものです。実際、入国管理法には、居住地あるいは行動地域を制限する仕組みがありますから、その方式を準用すれば、居住地あるいは就労地を制限することは簡単にできます。類似の政策は、オーストラリアやカナダで先例があり、無理筋というわけではありません。
Vol.315 受入コストは誰が負担する?(2018.12.21)
外国人労働者の受入れを拡大する改正入管法に関連し、年末までに、「外国人の受け入れ共生のための総合的対応策」が策定されることになっています。識者たちからは、「基本は“生活者”として受け入れていくことを考えるべき」「外国人労働者を仲間として受け入れ、その人権を最大限に尊重する多文化共生社会を創っていく」などの意見が寄せられていますが、受け入れるためのコストを誰が担うのかという点については、国に期待する声が多いようです。・・・
Vol.313 特定技能は認定OKとなる!(2018.12.19)
海外居住者に関する在留資格の認定申請について、「短期滞在」と「永住者」だけを対象外としている入国管理法の建て付けから言えば、「特定技能」についても「可」とするしかないと見られていましたが、日本政府が、アジアを中心とした8カ国で日本語試験を実施するほか、「農業」の特定技能試験(1号)について、ベトナム・中国など海外7カ国で実施するなど、例外扱いではなく、「認定申請可」であることが確認されました。じつは、「技能実習」関係者にとって、かなりのダメージです。・・・
Vol.311 特定技能も虚偽に塗れる!(2018.12.17)
入国管理法の改正案が成立しました。内容のほとんどが政省令に丸投げなので、「特定技能1号」に必要な「相当程度の知識または経験」は、特定技能試験でどのように判定されるのかが全くわかりません。筆記なのか実技なのか、誰が合否を判定するのかという具体的な仕組みについては、「法務省令で定める」というだけ。3年間の経験がある技能実習生は、試験を受けずに「特定1号」へ在留資格を変更できるので、それと同等の「技能」を求めるということなのでしょう。・・・
Vol.305 技能実習は法令違反だ!(2018.12.7)
「技能実習」の延長線上に「特定技能」を設計した時点から危ぶまれていたことではありますが、法案審議の中で「技能実習」の筋悪さが際立ってきました。しかし、不可思議なのは、「技能実習」における労働基準法違反は責め立てるのに、「技能実習法(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)」違反を咎める声がないということです。技能実習法第9条第1号は「修得等をさせる技能等が、技能実習生の本国において修得等が困難なものであること」と明記しています。・・・
Vol.301 入管に丸投げすればよい?(2018.12.3)
入国管理法改正案は衆議院を通過しました。自民党議員ですら「いくらでも問題点は出てくる」と自白するスカスカの内容です。山下法務大臣は、特定技能1号で求められる「相当程度の知識または経験」を、「監督者の指示を理解し、正確に業務を遂行することができる、自らの判断で業務を遂行できる能力」としましたが、説明を求められると、「所管省庁が緊密に連絡を取り合った上で今後決めていく」とかわしました。経団連が求める「判断基準の明確化」や「プロセスの透明化」は無視された形です。・・・
Vol.298 野党は対案を提示すべきだ!(2018.11.28)
野党議員の有志が、入管法改正案への対案をまとめました。現行の技能実習制度を温存する政府案に対し、技能実習制度を段階的に廃止して、新たな「外国人一般労働者受け入れ制度」を創設する案です。産業や地域毎に総量規制を設けた上で、職業選択の自由や家族の帯同を認めます。最初から労働者として在留できるよう日本語教育や社会保障などの受け入れ態勢を整備し、所管省庁の垣根を越えて生活支援に責任を持つ「多文化共生庁」を創設するという内容になっています。・・・
Vol.297 飲食業界は自殺する気か?(2018.11.27)
入国管理法の表面しか眺めていない論者は、「特定技能」に、「外食」が入り、「コンビニ」が外れたことをもって、「外食の勝ち・コンビニの負け」という短絡的な記事を書いていますが、入管行政の現場はもう少し複雑です。外食業界を所管する農林水産省は、「受け入れるのは店長・チーフレベルの人材」と宣ってハードルを上げているらしく、外食業の業界団体「日本フードサービス協会」はそれに盲従して、「アルバイトのような存在ではなく、一定レベル以上の人材を集めていく」などと公言・・・
Vol.293 技能実習を廃止できるか?(2018.11.20)
法務省の国会提出資料に誤りが見つかりました。技能実習生の調査に関し、「87%が『より高い賃金を求めて』失踪した」との説明でしたが、その割合が「67%」だっただけでなく、失踪動機の「低賃金」「契約賃金以下」「最低賃金以下」の3つを合算して「より高い賃金を求めて」と解釈したものであったことが判明。「許しがたい改竄」だとして野党が猛反発。新設する「特定技能」は、「技能実習」の延長という色彩が強いだけに、「技能実習」における問題と不手際は、そのまま・・・
Vol.286 受入上限は設けないのか?(2018.11.9)
外国人労働者の受け入れを拡大する入国管理法改正案を巡り、11月1日、山下法務大臣は「数値として上限を設けることは考えていない」と述べました。「客観的な指標で人手不足を確認し、国内人材の確保などを行ってもなお外部人材の受け入れが必要と認められる業種に限り、人手不足の状況に応じた数の外国人材を受け入れる」と説明。状況によっては受け入れの一時停止もありうるとし、「実質的な判断で上下するので上限規制は設けない」と語りました。・・・
Vol.279 自民党劇場に一喜一憂?(2018.10.31)
入国管理法改正案について、自民党の中で激論が戦わされています。10月22日に政府案の説明を受けた自民党法務部会では、23~25日に業界団体等から意見を聴き、26日には法案を了承する運びだったのですが、移民政策や治安の懸念、受入規模の明示や総量規制の必要などを問う意見が出たため、結論を持ち越し。29日の法務部会では了承されたものの紛糾。マスコミは「自民党劇場」に振り回されている感じです。内部分裂かのごとく報じられていますが、さすがに自民党は老練。・・・
Vol.272 野党は政府案を批判する?(2018.10.22)
臨時国会が10月24日に召集される運びとなり、安倍政権が打ち出した外国人労働者の受け入れ政策に対して、野党から批判の声が挙がり始めました。立憲民主党の枝野幸男代表は、「事実上の移民政策」と批判し、「堂々と受け入れるかを議論せず、なし崩し的にやるのは最悪だ」と主張しています。しかし、立憲民主党は、「国民との約束」の中で、「人種や性などによる違いを尊重し、社会を彩る多様性こそが、その社会を豊かで、活力あるものにするのです。多様性は、強さです」と謳っています。・・・
Vol.270 どの業界が自民党に強いのか?(2018.10.18)
10月12日、新しい在留資格の骨子が公表されました。対象となるのは、「不足する人材の確保を図るべき産業上の分野」とされています。候補に挙がっているのは、農業、介護、飲食料品製造業、建設、造船・舶用工業、宿泊、外食、漁業、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造、電子・電気機器関連産業、自動車整備、航空の14分野と言われていますが、これら以外の業界は黙っていません。自民党も、来年度は、統一地方選(4月)や参院選(7月)がありますから・・・
Vol.268 『特定技能』は転職できる!(2018.10.16)
10月12日、来春、新設される在留資格「特定技能」の骨格が示されました。「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種の資格を創設。「1号」は相当程度の知識と経験保有者が対象ですが、在留期間は通算5年が上限で、家族の帯同は不可。ただし、所管省庁が定める一定の試験に合格すれば「2号」に移行でき、家族帯同や在留期間の更新が可能になります。画期的だったのは、「特定技能」の外国人に「転職」を認めたこと。これは、マーケットを劇的に変えるインパクトを内包しています。・・・
Vol.259 日本語なんてどうでもいい?(2018.10.2)
介護職に関しては、「特定活動(EPA)」「介護」「技能実習」という在留資格に加えて、「特定技能」が新設されます。「技能実習(介護)」では、9割のEPA受入施設が日本語能力試験N3以上を求めたことを受け、「入国時N4・1年以内N3」という基準を定めましたが、これが大不評。ベトナム政府は「日本に行っても1年で帰国となると社会問題になる」として消極的。人手が集まらない現場は「言葉が通じなくても行動で示してくれればいい」「大切なのは心だ」として、日本語基準の緩和を求め始めました。・・・
Vol.253 国連人権理事会に物申す!(2018.9.24)
8月16日、国連人権理事会は、「日本政府は福島第一原発事故の除染作業で搾取され、被曝している数万人にも及ぶ除染作業員を至急保護すべく行動すべきだ。除染作業員には外国人労働者や亡命希望者、ホームレスが含まれている。我々は、被曝リスクについて騙して作業に従事させるという搾取について深く懸念している」という声明を発表しました。これに対して日本は、「政府として真摯に対応してきたにもかかわらず、特別報告者が一方的な情報に基づいて声明を出したことは遺憾だ」と抗議。・・・
Vol.250 『特定技能』が動き出す(2018.9.19)
「特定技能」が動き始めました。菅義偉官房長官は「既に多くの業種から受け入れの意向が示されている。今後現場のニーズを踏まえて幅広い検討が行われていく」と述べて、「建設」「介護」「農業」「宿泊」「造船」という当初の5業種に限定しないことを断言しました。「製造」(産業機械・素形材・電気電子等)や「水産」「食品加工」が有力と報じられています。「特定技能」の産みの母ともいえる「技能実習」は77職種を対象にしていますが、創設された1993年4月の時点では17職種でした。・・・
Vol.235 技能実習機構は無能なのか?
三菱自動車・日産に続いて、日立でも、技能実習生が「資格外活動」を行っている疑いが発覚しました。「外国人技能実習機構」は、技能実習適正化法に違反している可能性があるとみて検査に入ったと言いますが、これで厳しい処分が出ないとすれば、留学生アルバイトの週28時間超過だけで、逮捕や書類送検の憂き目に遭っている経営者や店長がかわいそうすぎます。こういう輩を懲らしめるために、既存の「国際研修協力機構」とは別に、わざわざ新設したのが「外国人技能実習機構」。・・・
Vol.221 『技能実習』が『留学』に勝つ?(2018.8.9)
7月になって、文部科学省の科学技術・学術政策局長と国際統括官が収賄罪容疑で立て続けに逮捕されました。一つだけ明らかなことは、文部科学省の影響力が極めて弱いものになるということです。本来であれば、今秋の国会で「日本語教育推進基本法」が成立することに伴い、「日本語教育」の所管省庁として、大学・専門学校だけでなく、日本語学校を含めて牛耳る予定だったのに、法務省が「入管庁」を新設して、文部科学省の権益をごっそり持っていきかねない状況になっています。・・・
Vol.210 経産省が受入拡大に走る!(2018.7.25)
安倍政権が6月15日の「骨太の方針」に「一定の専門性を有し、即戦力となる外国人材に関し、就労を目的とした新たな在留資格を創設する」と明記したことを契機に、様々な業界が動き出しました。どうも、当初報道されていた建設、農業、介護、造船、宿泊の5分野では収まりそうにありません。マスコミは、「食料品製造、鋳造、金属プレスなどを追加する見込み」「非製造業では漁業などを念頭に置く」「サービス業など業界が求める分野については幅広く対象にしていく」などと報道。・・・
Vol.205 「特定技能」と「技能実習」(2018.7.18)
政府が6月に公表した「骨太の方針2018」の目玉は、外国人労働者の受け入れを拡大する新しい在留資格「特定技能」ですが、報道内容を精査すると、「技能実習」の延長として設計される可能性が高く、仕上がりが心配です。というのも、「技能実習」の実態を見ると、実習計画にない除染作業をさせたり、月給6~8万円で200時間を超える時間外勤務をさせて300万円の賃金を未払いしたり、残業をさせて計画倒産したり。耐えられなくなった技能実習生は、職場から失踪して、犯罪に手を染めます。・・・
Vol.183 「特定技能」で一体どうなる?(2018.6.15)
安倍首相が「一定の専門性・技能を持つ即戦力の外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを早急に構築する」と宣言し、「特定技能」の新設が決まりました。50万人超の外国人労働者を受け入れる改革を評して、「ベルリンの壁が崩壊した」という声も。就業している留学生(26.0万人)と技能実習生(25.8万人)を合わせた規模の人数(就業者の約4割)を数年間で受け入れるというのですから、大胆な政策であることは間違いありません。ただし重要なのは、制度の中身です。・・・
Vol.181 特定技能試験は利権になる(2018.6.13)
日本政府は、在留資格「特定技能」を新設して単純労働を担う外国人を受け入れるようですが、この政策は、日本の入国管理政策に物凄く大きな変化をもたらします。というのは、「特定技能」の許可を得るためのハードル(日本語試験と技能試験)がものすごく低いからです。日本語能力の基準は原則、日本語能力試験の「N4」。建設と農業については、「N4」すら求めません。「除草剤を持ってきて」という質問に該当する写真を選択できればOKというのですから試験などないも同然。・・・
Vol.179 それでも技能実習が好き?(2018.6.11)
三菱自動車が2016年以降、岡崎製作所で受け入れたフィリピン人技能実習生65人のうち33人を実習内容とは異なる仕事の現場で働かせていたことが明らかになりました。溶接技能の習得が目的であったのに、車体の組み立てや、実習計画より簡易な溶接を日常的にさせていたようです。提出した実習計画は完全な虚偽。法務省が厚生労働省と調査に入ることになりました。そして、三菱自動車と同じような虚偽事件が日産自動車でも発覚しました。技能実習の現場は、あまりにも杜撰で悲惨で欺瞞です・・・。
Vol.175 「特定技能」は筋が悪い?(2018.6.5)
安倍政権は、最長5年の「技能実習」を終えるなどした外国人が、さらに最長で5年就労できるように、「特定技能」という在留資格を新設する方向を打ち出しました。外国人労働者の本格拡大に舵を切ったと見てよいでしょう。しかし、「技術移転を通じた国際貢献という建前もかなぐり捨て、労働力確保のためのなりふり構わぬ制度案」とか「10年間、家族の呼び寄せも認めず、その後の永住申請も認めない。労働者の人権保障も多文化共生も考慮しない」という批判が湧きおこっています。・・・
Vol.172 除染作業は「技能実習」?(2018.5.31)
ベトナム人の技能実習生が、原発の除染作業に携わっている実例が続々発覚しています。ベトナムには原発自体が存在しておらず、「日本の技術を移転する」という大義名分が全く当てはまらない業務です。その上に搾取するのですから最低最悪。原発事故による帰還困難区域での建物解体工事に従事した技能実習生には1日あたり6600円の危険手当が支払われるはずなのに、1日あたり5000円近くピンハネされ、累計で160万円も搾取されていました。しかも、賃金台帳が改竄されていたというのです。・・・
Vol.161 自民党は移民賛成に傾く?(2018.5.16)
田村憲久元厚生労働大臣が、4月下旬のテレビ番組で、「毎年30万人、40万人、人口がこれから自然減なんですよね。生まれる数と亡くなる数を見ていくと。それをどれだけ外国人でカバーするか、全員その方々を『移民』という形、『永住権』でカバーするというのはナンセンスだと思う。日本人が就かなくなった、または人が足らないという分野に関しては管理をする中で一定期間で帰っていただくという形で回していく方が文化の軋轢があるとかいろんなことは起こらないのではないか」と述べました。
Vol.152 茨城は詐欺師だらけなのか?(2018.5.1)
技能実習が「日本の優れた技術をアジアの若者に伝える国際貢献」であるという建前を本気で信じている人は誰もいません。2017年における技能実習生の失踪は、過去最高の7,089人となりました。ある中国人実習生は、「逃亡する実習生はみんな知っていることですが、茨城は在日中国人の詐欺師だらけです。知人の紹介以外は慎重になったほうがいいです。茨城で騙されたり逮捕されたりは、ほんと多くて悲惨です」と証言しています。つまり、「在日中国人が中国人を陥れる」構造があるというのです。
Vol.141 技能実習生大国を目指す?(2018.4.13)
政府は、最長5年間の「技能実習」を修了した外国人に、さらに最長5年間就労できる「特定技能」という在留資格を与える方針です。技能実習生は「特定技能」と合わせて、最長10年間働き続けられることになります。技能実習制度は既得権益と化しており、多くの政治家がその利権に預かっています。技能実習制度を否定することが難しいことは分かりますが、技能実習制度が「インチキの塊」というのは周知の事実。「ダメなものはダメ」と観念して根本的に改革しなければ、事態は改善されないのです。
Vol.132 出稼ぎなのに仕送りを受ける(2018.4.2)
ハノイ郊外の農家を父に持つあるベトナム人女性は、送り出し会社で1年ほど日本語を勉強した後、来日しました。約130万円かかった費用は、両親が借金をして工面しましたが、家賃を引かれても月約9万円が手取りとして残る計算で、3年間働けば貯金ができる見込みでした。日本では、食堂を運営する会社に雇われて、学校の食堂などで働きましたが、仕事がない時が多く、給料は時給制で、寮費を引かれると手取りが15,000円の月も。日々の食費にも困り、父親から計20万円を仕送りしてもらったといいます。
Vol.127 移民政策は取りません!?(2018.3.26)
2月20日に外国人材の受入拡大に向けた制度検討を安倍首相が指示したことを受け、その3日後にはタスクフォースの初会合が開催されました。①在留期間に上限を設けることと②家族の帯同を認めないことを条件に、入国管理法改正等を含めて受入拡大を検討すると言います。この矛盾をいち早く見抜いたのが、希望の党の奥野総一郎衆院議員。「専門的、技術的分野の外国人を積極的に受け入れる」と明言しながら、いわゆる「移民政策」は採らない、とする政策の矛盾点を突き、「質問主意書」を投げ掛けました。
Vol.109 在留資格制度は改善される?(2018.2.27)
2018年2月20日の経済財政諮問会議において、安倍晋三首相は、専門的な知識や技術を持つ外国人労働者の受け入れ拡大を検討するように指示しました。入国管理法を改正して在留資格の対象を拡大することをも含めて、この夏にまとめる「骨太の方針」に盛り込む方針です。近年にない朗報です。しかし手放しでは喜べません。というのは、安倍首相が「家族の帯同は基本的に認めない」と釘を差しているからです。日商の提案を受けた形で、韓国の「雇用許可制」に似た制度を新設する思惑を感じます。
Vol.99 韓国の真似をしても成功しない(2018.2.13)
技能実習制度の問題を指摘する識者が増えてきました。韓国に学べという論調も見られます。かつて韓国は、現在の日本と同様、実習の名目で「裏口」から労働力を補っていました。仲介業者に多額の費用を払って訪韓する実習生はより良い給料を求めて大量に失踪。そこで韓国は「外国人労働者は受け入れない」という建前を捨て、「正面」から受け入れる「雇用許可制」を2004年に導入。仲介業者の搾取を撲滅し、韓国語能力試験の得点だけがハードルになったので、日本に行くよりも稼ぎが良くなりました。
Vol.82 技能実習はやはり奴隷制度だ!(2018.1.18)
技能実習生として働いた縫製会社を逃げ出したミャンマー人女性の家族が、母国の送り出し機関から失踪防止目的の違約金を支払うよう、損害賠償請求訴訟を起こされました。当事者の女性は2015年に来日し、派遣先の縫製会社でミシン工として最長16時間/日働き、月給12万円を受け取っていましたが、腸の病気で手術した結果、残業ができなくなって帰国を迫られたため、逃げ出したようです。日本政府は、法律によって、こうした違約金契約を禁じていますが、まったく効果がないことが判明しました。
Vol.81 日本の近未来は介護業界に聞け(2018.1.17)
「介護」にまで技能実習制度を拡張することについては、「対人サービス」として初めての受入れとなるだけでなく、在留中に国家資格に合格した場合に「介護」の在留資格で在留し続ける措置が検討されているなど、実質的な「移民」の大々的な受入れが始まるとして批判する声があります。しかし2025年には、介護職が253万人必要と予測されている中で、介護福祉士の資格が取得できる専門学校や大学の入学者数は定員の45.7%と過去最低。日本人だけで介護サービスを維持することは不可能です。
Vol.79 コンビニ業界は入管戦略を誤った(2018.1.15)
実習先からいなくなる技能実習生が急増しています。2017年前半の半年間で3205人が失踪し、史上最大規模になる勢いです。法務省幹部は「遺憾だ。分析しないと何が原因か示せない」と洩らしたそうですが、技能実習という制度自体が「筋の悪い偽装」なので、問題が生じるのは当たり前。本来であれば、「筋の悪い偽装」であることを認めた上で入管制度の改革を打ち出すべきですが、そういう気配は一向に見られません。ところが、この「筋の悪い偽装」に今頃になって参戦を表明したのがコンビニ業界。
Vol.69 やっぱり技能実習は茶番です!(2017.12.18)
技能実習制度については、2017年11月から技能実習適正化法が施行され、正常化が期待されていますが、実態を見ると、広島市の食堂運営会社に受け入れられたものの、手取りは雀の涙で、待遇の改善を求めた途端に帰国させられたり、片目を失明する労災に遭いながら、自主退職扱いにされて、十分に補償を受けられなかったり。パワハラやセクハラや賃金未払が横行しており、悲惨な事例が後を絶たず、毎年5000人以上が失踪しています。
Vol.55 日本の将来は韓国を後追いする(2017.11.24)
1993年韓国は「産業研修生制度」を導入しました。「産業研修生制度」では、研修生に対する人権侵害が頻発し、職場からの失踪、不法滞在が増加。2002年に不法滞在の比率が6割超に達するなど社会問題化したため、2004年に「雇用許可制」へと転換。転職を制限するという大枠を維持しながら、韓国と相手国との間で二国間協定を結んで、政府の直接管理下に置くことにより、中間搾取を排除しました。この「雇用許可制」への転換は、一時高く評価されましたが、近年、深刻な病状を再発させています。
Vol.51 技能実習の膨張が歪みを産む!(2017.11.15)
平成25年3月、広島県のカキ養殖加工会社で勤務していた中国人の実習生が経営者ら9人を殺傷する事件がありましたが、今年7月にも熊本県警が20代の女性を刃物で襲って負傷させたとして強盗殺人未遂の容疑でベトナム人実習生を逮捕しました。警察に摘発された実習生は、平成24年に331人でしたが、平成28年には1387人に達しました。群馬県では、現時点で失踪した実習生が82人に上っており、昨年1年間の計88人を上回る見込みです。入国から1年半以内での失踪が64%を占めています。
Vol.46 技能実習制度は黒転白になる?!(2017.11.1)
入国管理法を学び技能実習の実態を知れば、この制度が筋悪であるということは誰でもわかります。だから良心ある人たちは「人材不足を補うためのものではない」と嘘をつき、コンビニの店舗運営を技能実習の対象とすることに反対します。ある弁護士は「技能実習制度には根本的な欠陥があり、多くの人権侵害事件を引き起こしている」と非難し、「コンビニ店舗運営の社員教育のためなら企業内転勤や研修の制度を使うべきだし、留学生のアルバイトを卒業後に雇用するという方法もある」と指摘します。
Vol.45 JITCOは無罪でTATOOは有罪?(2017.10.30)
職場でのパワハラが原因でうつ病を発症したカンボジア人の技能実習生が労災認定されましたが、そういう惨状等を改善するために国が設けた宿舎の規定は公表から3カ月で反故にされました。鳥取県の繊維企業は、外国人技能実習生に違法な長時間労働を課したため書類送検され、ある部品メーカー社長は「若い人を雇っても将来に責任は持てない」と割り切り、自分の代で工場を畳む決意をしながら、技能実習生の採用で人繰りを凌いでいます。こんな外国人雇用で企業の未来が明るくなるわけがありません。
Vol.43 技能実習の資格外活動は不問?(2017.10.24)
NC旋盤の作業に関して、裁判官は「『技術』の在留資格に見合う活動に関する規定は曖昧であり,『技能実習2号』の対象職種であっても『単純』に分類されるなど,入国管理法上の専門的技術又は知識を要する業務は,社会通念上の専門性,技術性との認識と異なっている」とする原告の主張を退け、現場監督者が「単純作業である」と評価したことと原告が「初心者であっても1週間でできるかもしれない」と陳述したことを根拠に、NC旋盤の作業を「資格外活動」であると認定しました。
Vol.38 入管行政の周りは偽装だらけ?(2017.10.16)
10月初、店舗で働くフィリピン人の女と金を貸した客や店員らを「偽装結婚」させたとして、パブの経営者が逮捕されました。今年上半期に難民認定を申請した外国人は過去最多の8561人となり、前年比1.7倍の増加でしたが、多数の「偽装難民」が紛れ込んでいると報じられています。そのほかにも、就労目的の「偽装留学生」や「偽装滞在」が問題視されているなど入管行政の周りは「偽装」だらけ。しかし、冷静に見れば、そんな「偽装」などちっぽけに見えてしまう巨大な「まやかしの制度」があります。
Vol.34 技能実習より技人国を活用せよ(2017.10.4)
日本の少なからぬ産業や日本人の豊かな生活が、技能実習生によって支えられているという事実は否定できません。その一方、岐阜や愛知の縫製業者が実習生に対する賃金が最低賃金を大きく下回っていたり、職場から大量失踪したり、実習生を使っていることが理由で、2020年の東京オリンピックで日本の農産物が料理に使えないという深刻な問題が発生しています。この背景には、ある公的機関がピンハネしているため、技能実習生に皺寄せが行くという事情があるのですが、あまり報道されていません。
Vol.22 入国管理制度に嘘はないのか?(2017.9.14)
法律や行政に嘘やインチキがあると「法」は信頼を失い、法治国家は機能しません。その意味で日本は失格です。というのは、法律と行政に大きな3つの嘘があるからです。まずは「自衛隊は軍隊ではない」という嘘。次に「パチンコは博打ではない」という嘘。最後に「技能実習は単純労働ではない」という嘘です。法令は「技能実習」について「申請人が修得しようとする技能、技術又は知識が同一の作業の反復のみによって修得できるものではないこと」と定めていますが、実態は単純作業ばかりなのです。
Vol.476 移民はオール・オア・ナッシング?(2019.8.26)
「外国人」を巡る議論を大別すると、嫌いだから排斥するという「感情論」、人手不足だから必要という「算盤論」、かわいそうだから助けるべきという「人道論」の3つがあり、それぞれが相容れないところで論争しています。ただし、日本経済を支えている製造業は、海外各国に販社や工場を構えて売り上げや利益を上げているわけであり、そこで働いているかなりの数の日本人は、現地では「外国人」です。また、その製造業の商品を買っていただいているお客さまは「外国人」です。・・・
Vol.469 世界中の収容所で問題発生?(2019.8.15)
人権侵害という批判が根強い収容所における外国人の処遇に関しては、近年、収容期間の長期化が問題視されています。1年半以上の収容が急増する中で、隔離した件数や戒具を使用した件数が増えています。ただし、外国人の収容者に対する処遇に問題があるのは、日本だけではありません。米国では、罵詈雑言を浴びせて移民を車でひいた米国境警備隊員や、児童移民に対する不当な扱いが話題になっています。オーストラリアでは、難民施設における収容者による自殺未遂が相次いでおり・・・
Vol.441 国は移民支援を怠ってきた?(2019.7.4)
4月16日、22年ぶりに公立の夜間中学が埼玉県川口市に開校しました。入学試験はなく、県内に住む16才以上で、在留資格があれば、日本語がまったく出来なくても入学が可能です。現在、夜間中学があるのは、9都府県に33校。夜間中学に通う全生徒1687人のうち8割の1356人が外国人です。日本国憲法は、子どもに小中学校の教育を受けさせる就学義務を保護者に課していますが、義務があるのは「国民」で、外国籍の子どもは対象外。義務教育年齢の外国人のうち1万6000人以上が・・・
Vol.409 偽装難民のブローカーはOK?(2019.5.21)
2018年に難民認定を申請した外国人は、前年比▲47%の10,493人。就労目的の申請を防ぐために、昨年1月から入管が適用した運用厳格化が奏功したのだと思われます。難民認定されたのは42人で前年の20人より増えたほか、人道的な理由で日本滞在が許可された外国人も40人いました(前年45人)。人権派の方々は、「庇護された比率は未だに1%未満だ」と批判しますが、明らかな「偽装難民」が数多く跋扈している現実を見ると、入管だけを責めるのは筋違いのような気もします。・・・
Vol.405 医療費未収金をどうする?(2019.5.15)
厚生労働省の調査によると、昨年10月において、外国人患者を受け入れた全国1965の病院のうち、2割近くの372病院で医療費が回収できていないことが分かりました。未収金は約3000件発生しており、1病院あたりの平均金額は約42万円でしたが、21病院では100万円を超え(最高は1423万円)、被害総額は1億円近くでした。悩ましいのは、不払いの主犯に違いないと見込まれていた外国人旅行者が、件数ベースでは23%に過ぎず、在留外国人が77%も占めていたこと。・・・
Vol.396 不法移民を助けると犯罪?(2019.4.24)
昨年12月、イタリアで、人道的理由による難民の滞在許可を廃止する法律が制定されました。戦争や政治的迫害以外の理由による難民に対して居住許可や身分証明書の発行ができなくなり、多くの難民が不法滞在状態に陥ることになります。この法律に対して、「憲法に謳われている人権を侵害する」と主張して、パレルモ市長が反旗を翻します。政府高官は、「不法移民を助けるものはイタリアを憎んでいる」と述べ、法的手段に訴える方針を表明。市長たちは受けて立つ構えです。・・・
Vol.385 外国人を差別してしまう人たち(2019.4.9)
コンビニの外国人店員の拙い日本語が話のネタになっています。タレントの中居正広が冠番組で、「『お釣り千円で』って言ったら、『ずりせんですか? ちょっとすいません。店長さん、店長さん。ずりせん。ずりせん。なんですか?』って言ってた」と発言したことが「差別」とされ、話題になりました。一方、ある芸人が、新宿のファミリーマートで、「特定のお客様から人種差別と言わざるを得ない発言がありました。今後このようなことがあれば、差別として強力に抗議いたします。・・・
Vol.329 国連移住グローバルコンパクト(2019.1.18)
外国人労働者の人権を軽んじていると非難轟々の安倍政権ですが、じつは、入管法改正の裏側で、移民の人権を保護する国際的な動きに協調していました。それは、「国連移住グローバルコンパクト」への賛成です。世界の移民は2億5800万人(総人口の3.4%)ですが、難民と異なり、国際的なルールがありませんでした。昨年12月19日、国連総会は、移民保護等を目的とする初の枠組みであるこの決議を採択します。日本は米国と袂を分かち賛成に回ったのです。・・・
Vol.323 天皇が外国人受け入れに言及!(2019.1.9)
12月23日、天皇陛下は、「今年、我が国から海外への移住が始まって150年を迎えました。この間、多くの日本人は、赴いた地の人々の助けを受けながら努力を重ね、その社会の一員として活躍するようになりました。こうした日系の人たちの努力を思いながら、各国を訪れた際には、できる限り会う機会を持ってきました」と日系人の苦労を偲び、強い思いを語られました。続いて、「そして近年、多くの外国人が我が国で働くようになりました。私どもがフィリピンやベトナムを訪問した際も・・・
Vol.322 外国人の不正はあるのか?(2019.1.8)
入管法改正による外国人労働者受け入れ拡大の機運が高まると、「外国人による健康保険の不正を正せ!」という声が自民党を中心に沸き起こりました。市区町村の調査権限の強化や写真付きの在留カードの提示を求めることに加え、海外に居住する被扶養者を保険から外すことが検討されています。しかし、2018年1月から市区町村の国保窓口で疑いがあれば入管に通報することになったものの、2018年5月末時点までに通報された件数は2件で、いずれにおいても不正は確認できませんでした。・・・
Vol.314 ゴーン逮捕は外国人排斥か?(2018.12.20)
日産自動車の会長であり、ルノーや三菱自動車をも束ねていたカルロス・ゴーン氏が逮捕されてから1ヵ月が経過しました。報酬の虚偽記載については、「支払は確定しておらず、期待権にすぎないため、記載義務はない」「投資家の判断に大きな影響を与える重要事項とは言えず、虚偽記載といえる水準にない」など様々な議論がありますが、それらは専門家と今後の成り行きに任せるとして、この事件が海外からどう見えるかについては留意しておく必要があります。・・・
Vol.290 日本人とは何者なのか?(2018.11.15)
トランプ米大統領が、大統領令によって、米国で生まれた子どもに自動的に市民権を与える『出生地主義』を転換させるという考えを表明しました。市民権を得た移民が祖国の親族を呼び寄せる「移民の連鎖」を断ち切るとして、大統領選時から唱えてきた考えです。日本は、トランプ氏が理想とする「国籍制度」である「血統主義」を採用。日本国籍を取得するには、父か母かが日本人でなければならず、外国で生まれた場合は一定の手続きを取らないと日本国籍を取得することができません。・・・
Vol.288 『外国人お断り』が増える?(2018.11.13)
入国管理法の改正がどうなるかはともかくとして、従来以上に、日本人が外国人と接触する機会は増えてくると思われます。果たして、そのとき、日本人が「おもてなし」の精神を貫けるかどうかというと少し不安があります。実際、各種のアンケートでは、「外国人が多いマンションは、日本人の7割が住むのをためらう」と答えていますし、三重県伊賀市の調査では、賃貸住宅の仲介で「家主から外国人については断るように言われた」ことがあるのは78.6%にも上ります。・・・
Vol.281 拙速論は説得性がない!(2018.11.2)
予期されたことではありますが、安倍政権の「特定技能」に対して、野党やマスコミから「拙速だ」「腰を据えた議論を」などの「拙速論」が出てきました。反対するのであれば、「日本語基準はこうすべき」とか「この条件を充たす場合は家族滞在を認める」などの対案を述べるべきなのに、具体策は一切出さずに、長々と審議することを求めています。「特定技能」が美しいとは決して思いませんが、現状維持が最善ではない以上、何らかの対案を出すのが野党としての責務ではないでしょうか。・・・
Vol.266 日本語教育はどうする?(2018.10.12)
外国人労働者の受入拡大に備えて、新たな「日本語能力テスト」が導入されます。「職場で円滑に意思疎通する実践的な力」を重視するという名目で、電話応答やスケジュール確認など仕事で使用する語彙や表現を出題し、外国人の受入条件として活用する模様です。理屈はこねていますが、要するに、現在の「日本語能力試験」が難しすぎるという批判に応えたのでしょう。興味深いのは、日本語能力テストを所管するのが「国語施策・日本語教育」を担う「文化庁国語課」ではなく・・・
Vol.258 偽装難民はいなくなったか?(2018.10.1)
今年1~6月に日本で難民申請した外国人は、5586人にとどまり、前年同期比から▲35%となりました。難民申請者が減少したのは8年ぶりです。2010年3月以降、難民申請をする人が急増。2010年は1202人でしたが、2017年には1万9629人にまで膨れ上がりました。このため、入管は、今年1月から、申請から2カ月以内に書面審査を進め、「借金取りから逃げてきた」など「明らかに難民に該当しない」と判断した申請人に対しては、就労を認めない方針で臨みました。・・・
Vol.238 150年前のほうが近代的?(2018.9.3)
失踪した技能実習生や偽装留学生を評して、「出稼ぎ目的とはケシカラン」と論じる人もいるのですが、明治元年から20世紀の半ばまでに、日本は100万人を超える「移民」を送り出しました。元々彼らのほとんどは、3~5年働いて故郷に帰ることを目的とした「出稼ぎ」でした。来日している外国人の「出稼ぎ」たちは、当時の「日本人移民」に似た境遇にあります。異国における当時の日系人の苦労を偲んで涙するのであれば、来日している「出稼ぎ」たちの暮らし向きにも手を差し伸べるべきでしょう。・・・
Vol.231 偽装難民にビザはやらない!(2018.8.23)
8月上旬、就労資格のないフィリピン女性2人をパブで雇用したとして、フィリピンパブの韓国人経営者が逮捕されました。ホステスだった女性2人は昨年12月に入国。「集団レイプの被害に遭った」と主張して、名古屋入管に対して難民認定申請中でした。現時点においても、「偽装難民」は少なからず生息しているようです。マスコミでは、難民問題を巡る欧米における混迷を嘆いたり、難民支援に好意的な主張が目立ちますが、日本の入管が気にしている気配はありません。・・・
Vol.203 入管は裁判所よりも偉い!(2018.7.13)
2007年8月、難民認定を求めて入管を訴え、2011年3月に勝訴が確定したスリランカ人男性が、改めて難民申請したところ、再度不認定になったため、2015年8月に2回目の訴訟を起こしました。この男性は、少数民族のタミル人。政府軍との内戦で、義兄が殺されただけでなく、政府から反政府武装勢力に協力しているのではないかと疑われたため、2006年秋にやむなく出国。兄や妻・次女は他国で難民認定されています。結局、東京地裁による7月5日の判決においても彼が再び勝訴しました。・・・
Vol.196 弁護士が偽装難民を指南?(2018.7.4)
世界の難民が過去最高の6850万人になりました。しかし、世界中で排外的な動きが目立ちます。難民に厳しいのは、米国のトランプ大統領だけでなく、欧州でも反難民の勢力が力を増しています。ハンガリーでは、難民支援を「犯罪」とする法案まで準備しました。かくいう日本も入管が排斥の旗を振っています。2017年は、過去最高の2万人が難民申請しましたが、認定したのは20人。満足しない入管は、就労目的の「偽装難民」を排除するために、今年1月にさらなる厳格化策を導入しました。・・・
Vol.146 戦争難民は難民ではない!(2018.4.20)
内戦が続くシリアから逃れて来日したものの、「難民」と認められなかったシリア人男性が国を訴えましたが、敗訴しました。原告は、「この判決に従えば、世界中のシリア難民が難民と認定されない。化学兵器も使用された。そこから逃げてきた私の状況を全く理解してもらえなかった」と主張しており、弁護士やジャーナリストも「戦乱を逃れて国を離れたシリア人が難民でなければ、だれが『難民』と認められるのか!」と憤ります。気持ちは分かるのですが、入国管理法の条文はそうなっていません。
Vol.134 派遣会社は確信犯なのか?(2018.4.4)
静岡県焼津市の人材派遣会社と社長夫婦が、就労資格のないフィリピン人を水産加工会社に派遣したとして不法就労助長の疑いで書類送検されました。日本有数の水揚げ量を誇る焼津においても水産加工業の人手不足は深刻で、派遣会社の男性社長は、「働かせれば働かせるほど利益になる。法律違反と分かっていたが利益を優先させた」と供述したといいます。この事件が発覚したのは、派遣されていたフィリピン国籍の男女8人が就業していたことがバレたのが発端。8人のうち6人が「偽装難民」でした。
Vol.122 偽装難民狩りが本格化する!(2018.3.16)
東京入管と名古屋入管は、昨年11月6日~12月1日を「集中摘発努力期間」と定めて、不法残留や資格外活動などの入国管理法違反を厳しく取り締まりました。その結果、摘発した外国人は計341人。その27.5%に当たる94人は難民認定申請者でしたが、摘発された後に、そのうちの80人が難民認定申請や不認定への異議申立を取り下げたといいます。難民認定申請者94人のうち81人は、申請してから6カ月未満なのに働いており、法務省は「94人の大半が就労目的の申請だったといえる」と分析しています。
Vol.111 難民申請2万人・認定は0.1%(2018.3.1)
2017年に難民認定を申請した外国人は、前年比80%増の1万9628人となり、7年連続で過去最多を更新しました。その一方、難民として認めた人数は前年から8人減の20人。約20,000人の申請に対して、難民認定率は0.1%で、1,000人に1人の確率です。直近の統計で比較しますと、カナダ、米国、ドイツ、英国、フランスは遥か彼方であり、最も難民に厳しいイタリアですら遠い存在。韓国と比べても異常な低さであるという事実は否定できません。日本は韓国より人道的でないと見られているのです。
Vol.110 スポーツ界は移民を讃える?(2018.2.28)
平昌冬季五輪が閉幕しました。今回の米国チームには、アジア系アメリカ人が大勢参加。日本人の両親を持つフィギュアスケートの長洲未来選手は、米国で生まれた正真正銘の米国人です。米国人女性初のトリプルアクセルを決めて注目を集めたのですが、偉業を讃えようとした大手新聞紙の記者が「Immigrants: They get the job done(移民は仕事を成し遂げる)」とツイートしたところ、「人種差別だ」という炎上を引き起こしました。スポーツ界においても「移民」は微妙な問題なのです。
Vol.96 KKKが讃える日本の難民政策(2018.2.7)
米国の白人至上主義の秘密結社「KKK」の地区リーダーが、集会の演説において、「日本人はナショナリズムを信奉しています」「日本は2015年に難民を27人しか受け入れませんでした」「私は一部の白人文化よりも、日本の文化を尊敬します」「白人が弱くなっているからです。恥ずかしいことです」とし、日本の難民政策を称讃しました。1月15日から、入管は、KKKから称賛された難民政策をさらに厳格化することを決定しました。KKKが日本の難民政策をさらに称讃することは間違いないのでしょうが・・・。
Vol.83 入管行政を読むなら産経を読め(2018.1.19)
毎日新聞は「川口のクルド人」という特集を組み、日本最大のクルド人集住地区である川口市を取り上げ、難民認定を求める彼らの声を代弁しました。行間からは入管行政に対する批判が滲み出ています。同様のスタンスを採るのが朝日新聞。母国の内戦から逃れ、人道配慮で日本に暮らすシリア男性が妻子を呼び寄せられずに悩んでいる姿を記事にするなど、反入管の立場が明らか。その対極にあるのが産経新聞。難民に対する恩情を感じさせる記事は少なく、移民についても排斥的な論調が目立ちます。
Vol.80 ついに偽装難民最期の日は来た(2018.1.16)
2018年1月12日、法務省は、難民申請後2カ月以内に書面審査によって、申請者を「難民の可能性が高い:Ⓐ」「明らかに難民に該当しない:Ⓑ」「同じ理由での再申請:Ⓒ」「ⒶⒷⒸ以外:Ⓓ」の4種類に区分した上で、Ⓑ・Ⓒ・Ⓓ(再申請に限る)には在留資格を与えず、審査と並行して、強制退去手続を進めることを文書で公表しました。Ⓓ(再申請を除く)に関しては、申請の6カ月後以降に在留資格を与えますが、実習先を逃げた技能実習生や退学した留学生らの就労は認めない方針です。
Vol.66 有事の難民に対応できるのか?(2017.12.13)
2017年11月23日、秋田県由利本荘市で、北朝鮮から漂着した男性8人が発見されました。このような漂着者は珍しくありません。11月15日にも、石川県の能登半島沖で北朝鮮国籍の男性3人が救助されています。同時期に山形県鶴岡市でも漂着船が発見されていますし、今年1月に福井県美浜町、昨年12月には青森県深浦町と新潟県佐渡市、同11月には京都府舞鶴市で、それぞれ1隻ずつの漂着船が発見されています。今回の8名は帰国を望んでいるので、中国等を経由して帰国させることになると思われます。
Vol.60 難民申請者には絶対に近寄るな(2017.12.4)
「難民申請」した外国人を就労資格がないのに解体現場で働かせたとして、入国管理法違反(不法就労助長)容疑で、解体業の経営者らが逮捕されました。無許可で就労した疑いで、インド人とバングラデシュ人の男性6人も逮捕されています。一方、兵庫県では、口紅など化粧品61点を盗んだとして、ベトナム国籍の男女3人が逮捕されました。3人はいずれも留学ビザで入国し、現在は「難民申請」中だといいます。要するに、「偽装難民」は「悪者」で、その関係者も「悪者」だというのです。
Vol.54 難民申請中を雇うと狙われる!(2017.11.21)
「難民申請から6ヶ月以内の外国人の就労」を摘発する事例が目立っています。今年2月にベトナム人を工場に派遣したとして人材派遣会社の代表取締役が逮捕されたことを皮切りに、5月にはミャンマー人を不法に働かせたとしてビル管理会社会長が摘発され、7月にはフィリピン人夫婦を働かせた疑いで清掃会社の代表取締役が捕まり、10月にはベトナム人を不法に働かせたとしてスーパーの採用担当が逮捕されました。11月上旬にも、入国管理法違反の疑いで、京都府の人材派遣会社役員らが逮捕されています。
Vol.47 難民申請者は急にいなくなる?(2017.11.6)
入管が申請6ヶ月後から一律に日本での就労を許可する現在の運用を撤廃することを決めたため、年間1万人を超す申請者はほとんどが就労できなくなりそうです。今後は申請2ヶ月以内に簡易審査を行い、在留資格が「留学」や「技能実習」の申請者のほか「短期滞在」の申請者のうち申請理由が「母国で借金取りに追われている」などの「明らかに難民に該当しない申請者」、そして、不認定となったにもかかわらず申請した「再申請者」については、在留期限後、強制収容される扱いに変更されるようです。
Vol.33 武装難民と偽装難民が悩みの種(2017.10.1)
麻生太郎副総理兼財務相が、北朝鮮で有事が発生すれば日本に武装難民が押し寄せる可能性に言及し、「警察で対応できるか。自衛隊、防衛出動か。じゃあ射殺か。真剣に考えた方がいい」と発言したことが物議を醸しましたが、「難民が船に乗って間違いなく漂着する。不法入国で10万人単位。どこに収容するのか」という指摘は間違っていません。入国者収容所の定員は2000人に満たないからです。ただでさえ「偽装難民」に悩まされているのに、「武装難民」まで漂着したら、入管はお手上げです。
Vol.29 ユニクロの真似をしてはいけない(2017.9.21)
ミャンマーから隣国バングラデシュに脱出したロヒンギャ難民が37万人に達する中、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井社長は100万ドルの個人寄付を申し出ました。ユニクロは、2015年11月、3年間で総額1000万ドルを国連に資金援助するとともに、国内外で難民100人を雇用することを公表するなど難民支援を積極的に打ち出しています。それでは、ユニクロを見習って難民を雇用すべきでしょうか。それは、あまりお勧めしません。
Vol.26 入国管理法は移民を受け付けない(2017.9.18)
シリアは、2011年、アサド政権が民主化を求める市民のデモを弾圧したことを切っ掛けに内戦に突入。反アサド派に外国から過激派が加わる一方で、「イスラム国」が支配地を広げるなど混乱を極めています。逃げる人々の波は、2015年「欧州難民危機」となって世界を揺るがしました。それに対して日本は、5年かけて留学生150人を受け入れるという方針を公表。入国管理法は、「永住者」としての「難民」を受け入れられない体系になっているので、苦肉の策として「留学」での受入にした背景があります。
Vol.18 難民問題は対岸の火事ではない(2017.9.7)
ミャンマーでは、少数派のイスラム教徒であるロヒンギャの武装勢力に対して、治安部隊が掃討作戦を断行しているため、住民の被害が拡大しており、隣国のバングラデシュに避難したロヒンギャは、12万人を上回りました。日本のマスコミは、人道的な立場から早急な解決を求めるコメントを発していますが、日本におけるロヒンギャ問題を知らないのではないでしょうか。群馬県の館林市には、亡命してきた200人近くのロヒンギャの人々が「無国籍」のまま、就労許可を与えられることなく放置されています。
Vol.4 難民雇用はとっても危ないのです(2017.6.16)
偽装難民のミャンマー人にホテルの清掃をさせていた会社の経営者が逮捕されました。じつは、4月下旬に家宅捜索が入った瞬間に、雇われていた約60人のミャンマー人は、あっという間に連絡が取れなくなったといいます。このため同社は、業務に大変な支障をきたし、大事な取引先を失いました。その上に逮捕されたのですから、泣きっ面に蜂。ただ、気を付けるべきは、難民申請者に頼っていたために、逮捕される前の時点でビジネスが回らなくなっていたということ。難民申請者を雇うのは本当にリスキーです。
Vol.481 専門学校45校は日本人ゼロ(2019.9.2)
長らく「大学・冬の時代」と言われてきましたが、これから訪れるのは、「専門学校・厳冬の時代」になりそうです。少子化で大学が苦しいのは否定できませんが、この比較にならないほどの寒波が専門学校に吹き荒びます。この四半世紀の間に、大学は250校増加しましたが、専門学校は249校も減少しました。少子化に対処しようとした大学が、専門学校が得意としていた看護・医療・IT・機械などの分野に攻めてきたため、専門学校の集客力が弱体化したためです。今後は、それに加えて・・・
Vol.478 『留学生30万人計画』の終焉(2019.8.28)
留学生の大量失踪事件は、東京福祉大学が初めてではありません。2001年には酒田短大で留学生の不法就労が事件化し、七尾短大でも問題が露見しました。2002年には萩国際大で風俗店での不法就労が発覚。2004年に城西国際大に関して「幽霊学生」の疑惑が報じられ、2011年には青森大で大量除籍が問題視されるなど、過去から類似の問題は指摘されてきました。ただし、過去の類似事件においては、あくまでも個別の大学の問題として処理されたため、「留学生30万人計画」の是非について・・・
Vol.468 留学生には転校支援しない?(2019.8.14)
定員超過の留学生を入学させていた東京福祉大系列の「保育・介護・ビジネス名古屋専門学校」で、在留が認められず30日以内に帰国するよう告げられる留学生が増えています。入管庁による在留期間更新の審査が厳格化しているためで、中には、出席率70%でダメと言われたケースもあるようです。本件で、一番悪いのは専門学校であり、次に悪いのは、監督せずに放任していた県や入管。アルバイトに精を出していた留学生に罪はないとは言いませんが、悪者としてはせいぜい三番手です。・・・
Vol.462 ついに東京福祉大に鉄槌が下る!(2019.8.5)
6月11日、文科省と入管庁は、3年間で1610人の行方不明者を出した東京福祉大に対して、新たに入学する「学部研究生」への「留学」の在留資格付与を認めない方針を示しました。さらに、各大学に対しては、毎月、所在不明や退学、除籍になった留学生数を文科省に報告することを義務付けます。同省の指導後も改善しない場合は、「在籍管理非適正大学」として法務省に通告され、改善するまでの間、新規に入る留学生への「留学」の在留資格の付与が停止されます。・・・
Vol.457 アルバイト先が摘発される?(2019.7.29)
6月6日、東京福祉大学系列の「保育・介護・ビジネス名古屋専門学校」において、定員を大幅に超える留学生を受け入れているという疑いが浮上し、愛知県が立入調査を実施しました。「国際教養学科」には約2100人(定員の約9倍)、「国際ビジネス情報学科」には約800人(同約10倍)を入学させたと報じられています。東京福祉大学並みに批判の対象になっているのが日本語学校。「悪の権化」のように描写する記事が出回り、良心的な運営の日本語学校まで叩かれています。・・・
Vol.431 偽装留学生を根絶やしにする?(2019.6.20)
日本語学校修了者の7割以上に対して、日常会話レベルの日本語能力試験に合格することを求めることになりそうです。3年連続で下回った場合は受け入れ禁止の対象に。具体的には、言語力を6段階で評価するCEFR(欧州言語共通参照枠)で下から2番目の「A2」レベル以上。ただ、「A2」は、日本語能力試験で言えば「N4」相当ですから、まじめに授業を受けて勉強している留学生であれば、さほど問題にはなりません。問題は授業に出ない留学生。全生徒の出席率については・・・
Vol.412 『タコ部屋』なんて知らないよ(2019.5.24)
東京福祉大学における失踪留学生の事件が、マスコミで大きく取り上げられています。すでに文部科学省と法務省も動き始めましたから、何らかの処分が下されるのだろうと推察されます。ただ、日本のマスコミは、「叩いても良い」という判断を下すと、「真実の報道」ではなく、「エンターティンメントとしてのでっち上げ」を始めるという悪い癖があります。ある週刊誌は、「いろんな国の人が集まり“タコ部屋”みたいな中で勉強します」というべトナム人研究生の告白を紹介しています・・・
Vol.410 留学生アルバイトは激減する?(2019.5.22)
4月5日、柴山昌彦文部科学大臣は、問題となっている東京福祉大学に限らず、退学・除籍・所在不明や不法残留となった留学生が一定の数を超える複数の大学に対して調査を行っていることを明らかにしました。具体的な調査先としては、日本経済大学の名前が挙がっています。今回の留学生失踪事件は、東京福祉大学1校だけの問題では収まらなくなってしまったようです。「留学生30万人計画」は数合わせに終わり、「留学生50万人計画」などが打ち出される見込みもほぼ無くなりました。・・・
Vol.406 留学生ビジネスに異変あり?(2019.5.16)
日本語学校の経営にとんでもない逆風が吹き始めました。昨年末に公表された「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」によれば、在校生の日本語能力試験の結果を公表するように義務付けられるほか、その合格率によっては「留学ビザ」の対象校から外されるだけでなく、在校生が検挙された場合には、当局のブラックリストに掲載されて、各種のビザ審査に活用されることになります。実際、昨年から一部の国からの留学生に関しては、既にビザの許可率が著しく下落しています。・・・
Vol.403 東京福祉大だけではない?(2019.5.13)
3月26日、文部科学省は、留学生700人が行方不明になっている問題で、法務省と連携して、東京福祉大学に立ち入り調査を行いました。また、同月29日には、全国の大学に対し、除籍者・退学者の「理由」についても報告を求めました。東京福祉大は、「本来なら大学合格が難しい、成績が悪かった学生を研究生制度によりたくさん救ってきた」と主張しましたが、柴山文部科学大臣は、「留学生の在留期間を延ばすため名目上、研究生として受け入れているのではないか」と一蹴。・・・
Vol.391 留学ビザは締め上げられる?(2019.4.17)
東京福祉大学が「研究生」として受け入れた留学生700人が所在不明となった事件が大騒ぎになっています。授業に数回出席するだけで来なくなるケースも多く、「偽装留学生」と知りながら受け入れていた疑いも浮上しています。「不法就労の温床になり得る」という指摘もあり、今後、当局が厳しく対応していくことは火を見るよりも明らか。実際、今年1月1日時点の不法残留者は5年連続で増加しており、そのうち4,708人が「留学ビザ」で、前年比14.8%も増えています。・・・
Vol.383 留学生の失踪は問題ない?(2019.4.5)
早稲田大学に次ぐ5000人の留学生が在籍している東京福祉大学で、700人の留学生が行方不明になりました。「研究生」として入学した2700人の留学生のうち、4分の1以上が所在不明となり、大学から除籍されました。「失踪」と言えば、「技能実習」というのが定番でしたが、今後は「留学」が問題になるかもしれません。不法残留者の推移を見ると、筆頭の「短期滞在」を除けば、「技能実習」の次が、「留学」で増加傾向にあります。「特定技能」の場合、1人でも・・・
Vol.379 卒業したアルバイトに要注意!(2019.4.1)
2月26日、入国管理法違反(資格外活動)の疑いで、契約社員のベトナム男性(22)が逮捕されました。昨年10月以降、佐賀県鳥栖市内の飲食店で契約社員で働き、在留資格に属していない報酬を受ける活動を行ったという容疑です。男性は「留学」の在留資格を持っていましたが、昨年9月に福岡市の専門学校を退学になっていたため、「資格外活動」であるアルバイトに従事する権利を失ったのに、アルバイトをしていたというものです。留学生のアルバイトは、本来の在留資格を・・・
Vol.362 バスケ留学生はビザ取消?(2019.3.7)
国際バスケットボール連盟(FIBA)が、日本の高校でプレーする留学生について、「留学目的」ではなく、「競技目的」での来日であると判断したため、18歳以下の国際移籍に関する規則を順守するよう、日本協会に昨年11月に通達したことが明らかになりました。FIBAは、18歳未満の移籍に関しては、十分な教育環境の提供やFIBAの若手支援基金に対する1人当たり3000スイスフランの寄付などを条件としています。昨年6月、コンゴ民主共和国から来た延岡学園高の留学生が・・・
Vol.358 N1じゃないと日本語はダメ?(2019.3.1)
関係者が期待していた「特定活動」の素案がまとまりました。日本の大学や大学院を卒業した留学生の就職先を広げるための施策なのですが、接客業など日本語を主体的に使う業務について、「特定活動」を与える際に日本語能力試験で最もレベルが高い「N1」を条件にしたと聞き、実務経験豊富な「N2」以上で十分と考えている現場を無視した決定に呆れ果てました。そのほか報じられた「在留資格の改革」は、中小企業に就職する外国人留学生の在留資格に関する手続を簡略化するといいながら・・・
Vol.351 留学生の採用は増えない?(2019.2.20)
就職支援会社大手のディスコは、2018 年度に外国人留学生を「採用した」企業は予定を含めて全体の 34.1%、また2019 年度の採用を見込んでいる企業は 53.1%に上り、外国人の採用が着実に広がっていると指摘しました。ただ、過去の調査を遡ると、「採用見込み」と答えた企業の割合は、2016年を境に反転。また、「採用した」と答えた企業の割合も2016年をピークに下がっているだけでなく、「採用見込み」と答えた企業の割合に遥かに届かないことがわかります。・・・
Vol.350 成功事例も報道してほしい!(2019.2.19)
2018年10月末の外国人労働者が146万人を超えました。在留資格でみると、「技能実習」が30.8万人で、「留学」が29.8万人と、「永住者」の28.7万人を抜き去りました。もちろん「技術・人文知識・国際業務」の21.4万人を遥かに上回っています。「技能実習」と「留学」が1位と2位で、両者を合わせれば4割以上を占めているので目立つのは仕方ありませんが、マスコミではヒドイ事例ばかりが報じられ、技能実習生や留学生アルバイトは完全なマイナスイメージです。・・・
Vol.342 偽装留学生をどう考える?(2019.2.6)
外国人労働者に係わる問題に詳しく、丁寧な取材を基に、緻密で切れ味鋭い記事を書く優れたジャーナリストがいます。日本においては、この分野のナンバーワンと言っても過言ではなく、記事を読むたびに、新しい情報や鋭い切り口に勉強させられることが少なくありません。ブータンの留学生を巡る諸問題やその裏事情、偽装留学生を産み出す構造を切り取って見せる手腕は見事の一言に尽きます。批判している主旨も一々ごもっとも。ただ、読後感が今ひとつスカッとしません。・・・
Vol.340 『留学生』と『特定技能』(2019.2.4)
298,980人の外国人留学生が、昨年5月時点で在籍していたことが分かりました。「留学生30万人計画」の達成は確実になりましたが、文部科学省からは、その後のビジョンが聞こえてきません。「偽装留学生」という批判が高まり、入管庁が管理強化に走る中で、「特定技能」が認められた手前、「留学生50万人計画」なんて掲げるべきではないという政策判断なのでしょう。しかし、日本に求められているのは実務的な解決策。新在留資格の「特定技能」で海外から大量に呼び寄せるのは・・・
Vol.324 留学先は米国から日本へ?(2019.1.10)
ビザの厳格化に走るトランプ政権の下で、2017年度において米国の大学に入学した海外留学生の数は前年比▲6.6%。2年連続の減少です。米国で学ぶ留学生は100万人を超える規模。留学生が支払う授業料等は420億ドル(約4兆7660億円)と言いますから、財務状況が悪化する大学が出てくるかもしれません。留学生が米国を選ばない理由のナンバーワンは「留学ビザ」ですが、「米国に歓迎されていない感覚」や「米国における身体的安全」という指摘も多かったようです。・・・
Vol.309 日本語学校を悪者にする?(2018.12.13)
11月25日、留学生総勢600名を擁する日本語学校の理事長が自宅で殺害されました。怨恨による犯行の可能性についても捜査されているようです。入国管理法改正の渦中で、「"出稼ぎ”を食い物に…バブルに沸く日本語学校業界」「借金漬けの留学生、介護のバイトやめられず」など、日本語学校を犯罪者扱いする記事が増えているだけに、心が重くなります。しかし、日本語学校が、アジアの人々に「ジャパニーズ・ドリーム」を与えており、少数ながらも成功者がいることも事実。・・・
Vol.307 留学生を活かす人事とは?(2018.12.11)
経団連は、就活の日程ルールを廃止することを決めました。「徒弟制度的な育成計画では求められる水準に届かない」「外国人材や留学生の採用が困難」として、新卒一括採用のあり方にも問題を投げかけています。終身雇用とOJTを前提に、採用時に担当業務や配属先を限定することなく、会社が業務と配属を指示する日本独自の「新卒一括採用+メンバーシップ型雇用」が時代に合わなくなってきたので、世界標準である「通年採用+ジョブ型雇用」に切り替えざるを得なくなったということでしょう。・・・
Vol.294 留学生が激減する?(2018.11.21)
東京入国管理局が、留学生の在留資格審査を厳格化しはじめました。今年の4月期は77.7%が許可されましたが、10月期は65.6%の交付に留まった模様です。国別にみると、バングラデシュが58%から3%へ、スリランカが51%から3%へ、ネパールが48%から8%へ、ミャンマーが74%から20%へと激減しています。日本語学校は、今年8月711校にまで急増し、10年前の1.8倍になりましたが、突然の交付激減に、経営不振に陥る日本語学校が出かねない勢いです。・・・
Vol.277 留学生の就職は難しい?(2018.10.29)
2017年に外国人留学生が、日本国内での就職を目的に行った在留資格変更許可申請に対し、入管は、2万2419人を許可しました。2016年より2984人増えて過去最多となりましたが、許可率は2年連続で減少し、80.3%まで落ち込みました。2011年の93.9%と比べると13.6%ポイントの大幅下落。許可率低下の一因は、専門学校の留学生増加。専門学校の場合、学習内容と就職先での職務内容の関連性が重視され、厳しく審査されがちだからです。じつは、学歴別にみると、・・・
Vol.257 なぜ留学生が罰せられるの?(2018.9.28)
大阪市の観光系専門学校「日中文化芸術専門学校」は、2017年時点で定員(418人)超えの560人が在籍。今年5月には580人に達しました。「主に日本人が対象」「留学生は一部」とし、府の認可を受けて3年前に開校したのですが、蓋を開けると95%が留学生。大阪府が是正を求めても対応が鈍く、業を煮やした大阪入管が「定員超過を認めない」と通告。7月以降に期限切れとなった同校の留学生は資格更新ができなかったと報じられました。この専門学校は、昨秋から一部の行政書士の間で噂に・・・
Vol.245 菅長官すら入管に屈する?(2018.9.12)
菅義偉官房長官が「留学生の希望者の大部分が日本で働ける制度をつくるため、業種の幅をさらに広げるような在留資格をつくりたい」と宣言し、最近頑なな運用になっている「技術・人文知識・国際業務」の運用が緩和されるのか?と思いきや、月給25万円以上で日本語を使う職場で働く「本邦大学卒業者」という「特定活動」を新設することで決着しそうです。日本経済新聞によれば、初任給25万円以上の会社は、日本全国で89社しかありません。これで「就労支援」は無理でしょう。・・・
Vol.202 大学院に行っても無駄?(2018.7.12)
日本人にとって、大学院(特に文系)というのは、学界を目指す人か、社会に出たくない人というのが相場なので、大学院に行っても年をとるだけで「就職に有利になる」という話はほとんどありません。ところが中国は逆で、学業成績が良い大学生は大学院を目指すのが当たり前。中国では文系・理系を問わず、大学院卒の方が就職に有利なので、就職のために大学院を目指すので、大学院入試も大学受験並みに競争が激しいようですが、日本の大学院は不人気なので「ガラガラ」の状態。・・・
Vol.192 学校が違法労働に加担する?(2018.6.28)
昨年、学校関係者の間で話題になった動画があります。動画には、教室の後ろで留学生10数人が集まり、ポーカー賭博に興じている様が映っていました。教室の前方では授業が行われているのですが、机の上には1000円札や小銭が無造作に置かれていて、前を向いて授業を聞いているのは女子生徒1人だけ。これじつは、ある専門学校の授業風景なのです。日本語学校では、出稼ぎ目的の「偽装留学生」が横行しており、「学校が違法労働に加担している」と糾弾しているジャーナリストもいます。・・・
Vol.189 治療目的で留学する?(2018.6.25)
安倍政権は、単純労働を賄うために50万人の外国人労働者を追加で受け入れることを決断しました。これからは、「攘夷グループ(外国人排斥派)」から、外国人を受け入れた場合のマイナス面が強く喧伝されるようになります。例えば、訪日外国人による医療費不払い問題。けがや病気で病院を受診した外国人患者が医療費を支払わない事案が続出しています。外国人患者を受け入れた病院のうち35%で医療費未払いが発覚しており、かなり高額に上っているケースもあります。・・・
Vol.182 入管と文科省の闘いが始まる(2018.6.14)
国内で生活する外国人に対する日本語教育の充実を目指す「日本語教育推進基本法」が制定される流れになりました。国と地方自治体に対して日本語を教育する責務を負わせた画期的な法律です。とはいえ、上述した美しい政策理念はともかくとして、入管にとって、この法律は頭痛の種。現在入管は、「留学ビザ」の権限を一手に握っているため、法律上「私塾」の扱いにすぎない日本語学校を支配下に置いていますが、この牙城に、文部科学省が挑戦してくるかもしれないからです。・・・
Vol.167 留学生減で大学が死ぬ!(2018.5.24)
日本の18歳人口は、1966年における249万人(団塊の世代)がピークでした。大学受験者数のピークは進学熱が高まった1992年で、当時の18歳人口は205万人(団塊ジュニアの世代)。ところが、2017年度に18歳人口は120万人とピーク比半減。2018年以降は加速度的に減少し、2024年頃までに大学入学者数(60万人)は1割減、2040年には2割減少して、入学定員が10万人も余剰になるという試算があります。こうなると、大学の死活問題になることは必至。このことを「2018年問題」と呼びます。・・・
Vol.154 新聞配達は不法就労だ!(2018.5.7)
新聞配達の現場では、不法就労が慢性化しているとようです。新聞配達は、留学生の労働力なしでは回らない典型的な職場のひとつ。配達以外に広告の折り込み作業もあり、週28時間以内ではとても終わりません。ひどいのが残業代の扱い。残業代を払うと、「週28時間超」の不法就労を認めたことになるので、「週28時間以内」という制限を逆手に取り、残業代を支払わないのだといいます。技能実習生に関しては、残業代の未払い問題が頻繁に報道されていますが、新聞配達の奨学生もそうだというのです。
Vol.143 偽装留学生の暴露は続く?(2018.4.17)
佐賀県鳥栖市の日本語学校「日本文化教育学院」で不当な退学処分を受けたとして、スリランカ国籍の男性が損害賠償を求めた訴訟において、原告の男性は、留学前に担当者の女性や同校の理事長らから「仕事は二つできる」「月200時間は働くことができる」と説明されたと主張しました。スーパー玉出、串かつだるま、一蘭などで、週28時間超のアルバイトが発覚して書類送検されており、業界では、「東京オリンピックが来るのだから、建設業界のように特別措置も考えるべき」という声が上がります。
Vol.139 正規就労が2割未満の現実(2018.4.11)
日本国内で雇用されて働く外国人労働者は127.8万人、外国人を雇用する事業所は19.4万事業所にのぼり、いずれも過去最高を記録しています。日本国内の全就業者のうち約51人に1人が外国人であり、2009年と比較すると約2.2倍の増加になっています。産業別には、宿泊業、飲食サービス業が最も高い依存度(25人に1人が外国人)になっています。他方、これを「在留資格」で見ると、「技術・人文知識・国際業務」など就労を目的とした「就労ビザ」で働いているのは全体の18.6%にとどまっています。
Vol.116 日本の大学はなめられている(2018.3.8)
一部の日本の大学や大学院において、教授に対する「煙酒作戦」(贈り物によって成績等を優遇してもらおうとする行為)が、中国人留学生等の間で蔓延しているという指摘があります。特に、地方の大学や都内の新設校においては、日本人の入学生が激減する中、定員割れを補充してくれる外国人留学生はとても大事な「上客」です。それで、一部の留学生は、「留学生だから大目に見てもらえる」という甘えを持ってしまうのだというのです。「なめられている」と言っても過言ではないでしょう。
Vol.107 偽装留学生が世にはびこる!(2018.2.23)
ブローカーから「日本に留学すれば月20万~30万円は簡単に稼げる」と唆され、150万~200万円もの借金を抱えて、出稼ぎ目的で来日した「偽装留学生」を含めて、留学生の数は29万1164人になりました。この5年間で増えた留学生のうち、ベトナム、ネパール、パキスタン、ミャンマー4カ国だけで8割。。留学生が働く現場は、コンビニや飲食店だけでなく、弁当などの製造工場、宅配便の仕分け、ホテルやビルの掃除、新聞配達など。もはや留学生の労働力なしでは成り立たない職場も多いようです。
Vol.102 留学生30万人計画は達成?(2018.2.16)
2017年5月1日時点において、国内の大学や日本語学校に在籍する外国人留学生は26万7042人となり、前年よりも11.6%増加し、過去最多を記録しました。今年も同程度の増加を示すことになると仮定すれば、今年5月に、外国人留学生の数は29万8019人になります。こうなると「留学生30万人計画」まで、あとたった1981人ですから、おそらく目標の2020年を1年前倒しして、2019年には「30万人」の大台を達成するものと思われます。
Vol.91 偽装留学生の実態は隠せない!(2018.1.31)
元勤務先の日本語学校を相手取り、損害賠償訴訟を起こした日本語教師がいます。学校が提携するベトナムの日本語学校に派遣されていたのですが、「まるで自分が、奴隷貿易の片棒を担いでいるような気持ちでした」と当時を振り返り、「どう考えても、今の状態は異常です。日本語学校を正常なものにするためには、現場を知る教師がもっと声を上げるべきだと思います」と語りながら、自らの学校が「偽装留学生」を受け入れ、違法就労を黙認していることに対する罪悪感を表明しています。
Vol.76 週28時間超で懲役2年の有罪(2018.1.10)
経営する日本語学校の外国人留学生を週28時間を超えて働かせたとして、入管難民法違反罪(不法就労助長)に問われた清掃作業員派遣会社社長に懲役2年・執行猶予3年が言い渡されました。法人としての派遣会社は罰金100万円(求刑罰金100万円)となりました。裁判官は判決理由で「17人もの留学生を取引先に派遣して労働に従事させた組織的な犯行で、強い非難に値する」「多いときには許可された時間の約2倍働かせた。違法になると説明せずに留学生に合意させた」と指摘しています。
Vol.74 偽装難民の次は偽装留学生だ!(2018.1.5)
2017年は「偽装難民」に大鉈が振るわれました。出入国管理政策懇談会が「難民認定制度の見直しの方向性」を打ち出す頃合いを見計らって、2014年秋頃からスタートした「偽装難民キャンペーン」はじわじわと広がり、2015年2月に偽装申請を指南していたネパール人が逮捕されると一気に加速。入管は、同年9月に「難民認定制度の運用の見直しの概要」を取りまとめ、悪質ブローカーの摘発実績を積み重ねながら、世論の熟成を待ち、2017年央から一挙に「偽装難民狩り」を本格化させた感じがします。
Vol.64 偽装留学生の実態が発覚する!(2017.12.11)
スリランカ人留学生の男性が学費滞納を理由に退学処分になったことに対し、日本語学校に慰謝料254万円を求めて提訴しました。男性は2016年、同校を「母校」とするスリランカの日本語研修学校で「仕事は二つできる」「時給800円で月200時間稼げる」と説明を受け、現地での仲介手数料や1年分の学費60万円のため150万円を借金しました。当初は弁当工場と運送会社を掛け持ちし、月20万円を稼ぎ、借金返済のため10万円を母国に送金していましたが、入管から指摘されて仕事が減ってしまいました。
Vol.62 専門学校は慎重に選びましょう(2017.12.6)
韓国のマスコミが報道した製菓専門学校は、生徒550人のうち80人を韓国人が占めており、韓国人の入学希望者が毎年120人に上ります。ところが、調理師やパイロット等などサービス職は10年以上の韓国での実務経験がなければビザの発給を受けられないため、ほとんどの生徒が卒業後に日本で就職する夢を諦め、韓国に戻っているようです。じつは、そういう事情にあるのは、この製菓専門学校だけではありません。専門学校に対しては、入管の審査が厳しく、就労ビザが取りにくいというのが実情です。
Vol.50 偽装留学生は摘発されていく?(2017.11.13)
11月から入管が「偽装難民」に対する処罰を本格化する、というニュースが発信されましたが、「偽装難民」の次は、「偽装留学生」が処罰の対象になりそうな雲行きになってきました。全体の6割超を占める中国やベトナムなど5カ国からの留学生の一部が、実際は“出稼ぎ”を目的とした「偽装留学生」化している実態を問題視した法務省入国管理局は、受け入れ審査の厳格化を求める文書を各地方の入国管理局に発付し、不法就労や不法滞在の温床となっている現状の適正化に乗り出すようです。
Vol.463 ノルマも出世も不要になったのか?(2019.8.6)
三井住友銀行で始まったノルマ廃止が広がりを見せています。三井住友銀行の前身である住友銀行と言えば、厳しいノルマ管理と信賞必罰で有名な行風だったので、銀行界には衝撃が走りました。証券界では、「ノルマ証券」とまで呼ばれた野村證券が、「猛烈営業」に頼る路線を転換するとのこと。蓋を開けてみれば、ノルマを基準とした評価を止めて、ボーナスを減額するという深謀遠慮で終わるのかもしれませんが、マネジメントとしては分水嶺を渡ったという感じがします。・・・
Vol.420 外国人の育成には苦労する?(2019.6.5)
2018年10月末時点の外国人労働者数が146万人となり、この10年間で約3倍に増え、外国人比率も2%を超えましたが、オフィスで一緒に働いているという企業は、まだ少数派かもしれません。外国人労働者が、工場などの現場ではなく、日本人と同じように職場で働くようになると、従来の日本人向けの業務運営では立ち行かなくなることが実感できるようになります。外国人労働者の育成に携わった日本人の8割以上が「苦労した」と回答した調査があります。その理由を見ると・・・
Vol.372 介護問題は賃上げで解決?(2019.3.21)
「2025年問題」と呼ばれる難問があります。2025年は人口の多い「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者になる年。後期高齢者が増えれば、それに比例して要介護者も増えます。各地方公共団体も人材確保に動き始めました。介護事業者の人手不足は本当に深刻。特別養護老人ホームは、割安なので入所希望者が多いのですが、所定の職員数が確保できないため、受け入れられないというケースが頻発しています。全産業の平均月給が304,300円なのに、訪問介護員の平均月給は・・・
Vol.326 受入体制は整っていない(2019.1.15)
東京商工リサーチの調査によれば、「人手不足」を感じている日本企業は約7割に達し、外国人を「雇用したい」企業は5割を超えているようです。現在雇用している企業は約3割で、雇用を検討しているのは1割超なのですが、その対象はというと「技能実習」が35.2%で、「日系人・永住者・日本人の配偶者等」が22.7%。「技術・人文知識・国際業務」などは11.6%にすぎません。業種別でみると、農・林・漁・鉱業で「技能実習生」が8割超で突出し、建設業64.9%、製造業52.3%・・・
Vol.318 兵隊よりも下士官候補?(2018.12.27)
日本企業で働く外国人のマインドセットは、日本人とは異なります。専門性を度外視してチームワークでの成果を競う日本型は、専門スキルの存在を前提にJob Descriptionで働くスタイルとは異質。不明確なキャリアパスに不安になり、年次主義に不満を覚えて、出世が遅い現実に直面すると、外国人は転職していきます。長くても3年以内のキャリアアップやスキルアップを求める外国人に年功序列型の人事体系は向きません。かと言って、外国人に合わせれば、・・・
Vol.312 法律改正では解決しない?(2018.12.18)
政府は、新在留資格「特定技能」で受け入れる外国人労働者数は、2019年度に最大4.8万人になると試算しています。実際、ロイターの調査では、77%の企業が「特定技能」の新設を「歓迎する」という結果が出ました。日刊工業新聞社のアンケートでも、外国人労働者の受け入れに62.1%が「賛成」し、「特定技能」にも51.7%と過半数が賛成しています。ところが、北海道では、約7割が外国人労働者を雇用する考えがないという調査結果が出ており、京都市のアンケートでも同様の結果が出ました。・・・
Vol.271 自衛隊も人手不足に悩む!(2018.10.19)
自衛隊が窮地に陥っています。自衛官の応募者数は、33,534人(2013年)から27,510人(2017年)に減少。採用数は4年連続で計画を下回り、兵隊レベルの充足率は73.7%。6.5%だった女性自衛官の比率を9%に引き上げ、募集の年齢上限を26歳から32歳に引き上げますが、このまま採用難が続けば、国連PKO活動を止めざるを得ないという声も。それもそのはず。日本国内は、正社員の不足を訴える企業が過半数。人手不足倒産が前年比4~5割増で、求人難による倒産は倍増。・・・
Vol.267 留学生を戦力化できるか?(2018.10.15)
安倍政権は、外国人労働者の受け入れ拡大へ大きく舵を切りました。今後、日本企業は、国内で外国人を本格的に活かすことが求められます。ところが報道されるのは、最下層で「部品」として活用する事例ばかり。経営職への抜擢や管理職への昇進は話題にのぼりません。短期間での昇格や高給を求める優秀な外国人材は、年功序列賃金の下で昇給・昇格基準が曖昧なまま、長時間労働を強いられることには耐えられません。給与水準が母国よりも低ければ、日本企業で頑張る価値はゼロ。・・・
Vol.262 日本人女性すら活かせない(2018.10.5)
女性の就業率は、過去最高の70%を記録し、就業者数も過去最多の2962万人に達しました。女性の失業率は、男性の2.5%を下回る2.3%。政府は、2022年度末までに子育て世代の女性(25~44歳)の就業率を80.0%に高める目標を掲げていますが、この比率はすでに76.7%ですから、それほど余力はありません。つまり、女性の就労率が上がっても、人手不足問題は解消しません。しかも、女性の活用方法を見ると、非正規が主で、役員や管理職への登用は遅れています。・・・
Vol.246 日本は選ばれるのか?(2018.9.13)
マスコミでは、未だに「ビザを緩めたら外国人がどんどんやってくる」という前提で議論している識者がいて面食らうときがあります。確かに、今のところ、東南アジアの労働者にとって、日本は「稼げる国」の代表格。しかし、経済格差は縮小する一方であり、中国・韓国・台湾は「人材輸入」の競合国に台頭してきています。建設業では、外国人なしでは現場が回らないにもかかわらず、待遇が改善されません。かつて大多数を占めていた中国人たちは、日本を選ばなくなりました。・・・
Vol.220 外国人を戦力化できるか?(2018.8.8)
経済学者やエコノミストなら、「日本人が減る以上、外国人材を受け入れるべきだ」と唱えるだけでよいのですが、外国人を雇う経営者は、雇う以上、戦力化しなければなりません。外国人は、厳然たる事実として「日本的な企業文化」を共有していません。教育や研修や選抜によって文化を共有できる外国人のみを受け入れるという選択肢はなくはありませんが、実務的には、明文化した「自社の企業文化」を採用時に提示した上で「異文化を受容する」という方向に舵を切らざるを得なくなります。・・・
Vol.199 サッカーは外国人枠を撤廃?(2018.7.9)
スポーツは「社会の縮図」です。日本社会に「在留資格」があるように、スポーツにも「外国人枠」があります。「日本人選手を強化するために、外国人枠を撤廃せよ」と説く開国派と「外国人枠が緩和されたら、日本人の出場機会がなくなる」という攘夷派の論争は、「日本経済のために外国人労働者を受け入れよ」と説く開国派と「外国人を受け入れたら、日本人が働く職場が奪われる」という攘夷派の論争と瓜二つです。そんな中、サッカー界では、「外国人枠」撤廃の動きが表面化。・・・
Vol.166 ダイバーシティ本番がくる!(2018.5.23)
「ダイバーシティ」とは、多様な人材を巧みにマネジメントすることを意味します。しかし日本企業の場合、強固な「おじさん社会」が形成されているので、「ダイバーシティ=女性活用」という趣旨で語られる場合が少なくありません。そんな日本でもすでに4割近くが外国人と仕事をしており、外国人と関わる機会が今後増えると予測している人が7割もいます。外国人と一緒に働くことについては賛否相半ばしているようですが、IT系のベンチャーでは、社員の過半数が外国人という日本企業も出てきました。
Vol.160 人手不足で企業が殺される?(2018.5.15)
人手不足が深刻化しています。この5年間で求人数は25%増えましたが、求職者は25%減りました。飲食店ではランチをやめたり、開店時間を短縮したり、閉店したりする例が目立ちます。昨年におけるコンビニの休廃業・解散・倒産は206件で最多記録を更新しました。賃上げをしても、その分を価格に転嫁できないため、人手不足が景況感にも影を落とし始めています。ある工務店の経営者は、「このままだと人手不足に殺される」と嘆いています。
Vol.136 日本企業数は半減すべきか?(2018.4.6)
生産年齢人口が2015年から2060年までに3264万人減るから、企業数も現在の約352万社から131~204万社に減らすべきと主張するエコノミストがいます。かつて1企業あたりの社員数が25人だったのが、現在16人程度であることを問題視し、最低賃金を引き上げて零細企業を淘汰し、大手に統合すべきと論じます。しかし、「日本では人口減少に伴い需要自体が減るので、作っても買う人がいなくなります」と指摘しておきながら、需要増について語らないのは、エコノミストとして邪道なのではないでしょうか。
Vol.131 高齢者と女性だけで対処できる?(2018.3.30)
空前絶後の「人手不足」の状況下、安倍政権は、高齢者と女性の社会進出を促すことで、「働き盛り世代」の人口減少のマイナスを相殺しようとしています。事実として、高齢者に関しては、定年や再雇用で収入が減る「60歳の崖」を緩やかにする動きが広がってきました。安倍首相が施政方針演説で「女性が輝く日本」を創ると明言したのは2013年2月ですが、女性就業者が2859万人に上るなど、働く女性は5年間で200万人増えました。子育て期に就業率が下がる「M字カーブ」現象も解消されつつあります。
Vol.121 外国人が日本に来なくなる?(2018.3.15)
日本で働く外国人労働者は128万人に達しました。外国人労働者比率は2%にすぎませんが、もはや外国人なしには、少なからぬ産業界はまともに稼働できなくなっています。ところが、日本の「働く国としての魅力」は、61カ国の内、52位にとどまっており、「労働時間が長い」「人事考課が分かりにくい」「昇進が遅い」という問題点が挙げられています。先進国の中でとりわけ給料が良いわけでもなく、アジア諸国との賃金格差は急速に縮まっています。上海よりも平均給料が低いという指摘もあります。
Vol.120 人口減と企業減を軽視する?(2018.3.14)
会社数も社員数も増大しないのにオフィスビルがどんどん建っていきます。住民が急増するわけでもないのにシェアハウスが増築されています。2020年までには現在のオフィスストックの10%に相当する床面積が市場に供給されるというから凄い。じつは、日本人人口の減少よりも怖いのが日本企業数の減少。1980年代に530万社超だった日本企業の数は380万社を割り込み、ピークから▲30%前後。それに対し、日本人人口は2006年1月のピークから▲1.2%。生産年齢人口もピークから▲12.9%にすぎません。
Vol.118 人手不足で事故が多発する?(2018.3.12)
建設業における労働災害での年間死亡者数は3年ぶりに増加に転じる模様です。1月~9月の死亡者数は225人で前年比+10%。最も多いのが墜落・転落ですが、人手不足と労働災害死亡者数の関係が気になります。2011年度頃までは人手が充足するに伴い、死亡者数が減っていたのですが、2013年度以降は、建設投資1兆円当たりの建設業就業者数が20年前と同じ水準にまで落ち込みました。当時の死亡者数は年間800人。人手不足が現場に無理を強き、安全確認の人手が足りず、事故件数が増えているのです。
Vol.114 人手不足倒産が加速する?(2018.3.6)
2017年の倒産件数が8年振りに増加する中で、「人手不足倒産」が106件の大幅増加となりました。仕事は増えているのに働き手が足りないので仕事を受けられずに事業継続を断念せざるを得ない、という現象が全国各地で発生しています。象徴的なのがコンビニです。国内市場が飽和状態となる中で競争が激化し、人手不足も経営に追い打ちをかけています。昨年の倒産件数は5年連続で増加して51件と過去2番目に高い水準。休業・解散と倒産を合わせると年間で初めて200件を超えました。
Vol.95 働く外国人18%増の128万人!(2018.2.6)
日本の企業で働く外国人労働者は127万8670人と既往最大値を更新しました。国別では中国人が最も多く37万2000人、次いでベトナム人が24万人、フィリピン人が14万6000人となっていますが、特にベトナム人は一昨年と比べて+40%近く増えています。産業別では「製造業」が38万5000人、清掃などの「サービス業」が18万9000人、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの「卸売業、小売業」が16万6000人となっており、留学生と技能実習生だけで40%以上を占めています。
Vol.89 中国人社員に忠誠心を求める?(2018.1.29)
日本企業は採用において、特殊技能ではなく、学力・自己管理能力・協調性を重視し、新卒者を好みます。これは「会社が新卒社員を研修して一人前に育てていく」という方針に基づくものですが、「自分で何とかする」という中国人のキャリア形成の考え方とは真逆。一方、日本企業は、「苦労して育成した人材が辞めたらどうしよう」と常に懸念しています。一人前に育てる方針は、一定の「忠誠心」を前提にしているのですが、「中国では、少しでも給料が良ければすぐに転職する」のが現実だからです。
Vol.78 どこもかしこも人手不足で大童(2018.1.12)
コンビニが加盟する業界団体「日本フランチャイズチェーン協会」が、外国人技能実習制度の新たな職種として、コンビニの運営業務を加えるよう、国に申請するようです。そんな中、日本政府は、介護現場で新たに受け入れる外国人の技能実習生が介護福祉士の国家試験に合格した場合、日本で働き続けられるように在留資格の制度を見直す方針を決めました。また、パイロット不足に直面した国土交通省は、外国人操縦士の在留資格緩和に動き出しています。どこもかしこも人手不足で大童です。
Vol.65 偽装の建前か・現実の共生か?(2017.12.12)
アジアの中で、日本は「高度外国人材にとって最も魅力がない」ようです。世界では63カ国中51位。日本政府は、「日本版高度外国人材グリーンカード」を創設して、最短で在留期間1年での永住許可申請を可能にしたことを喧伝してきましたが、世界から全く相手にされていません。一方、人手不足が深刻な地方では、外国人との共生が始まっています。観光客だけでなく、外国人の経営する店が増えてきたため、長野・白馬駅前では、横文字の看板が目立つようになりました。
Vol.44 ヒト不足倒産がやってくる!?(2017.10.26)
2017年度上半期の企業の倒産件数は前年同期比で9年ぶりに前年を上回りました。景気が良い都市圏では人が採用できない零細企業が倒産し、景気が悪い地方では人手不足倒産が起きにくくなっています。広告費をかける体力がない中小企業では社員やバイトが抜けていき、オペレーションが回りません。時給を上げて引きとめようとしても人件費は増える一方で、オーナーは休日もなしに出勤しなければならない。結局、どこかの段階で破綻してお店を畳むしかなくなるという負の連鎖が起きているのです。
Vol.19 外国人材活用が生き残る肝になる(2017.9.8)
有効求人倍率は7月に1.52倍となり、バブル期の1.46倍を超え、1974年2月以来43年5カ月ぶりの高水準となりました。2.8%を記録した7月の完全失業率においては、女性の失業率が1993年5月以来の低水準。少なからぬ企業は、将来の人手不足を見越して、長期で雇える正規社員の雇用を拡大していますが、働き盛りの日本人は年間60万人近く減少しており、人手不足で苦しむ日本企業が日々1700社も生まれることを示しています。稀代の人手不足を乗り切るためには、外国人材の活用が不可欠です。
Vol.10 留学生は年功序列を嫌うのです(2017.8.18)
マスコミでは、外国人留学生の就職事情に関する誤った情報が、未だに数多く流れています。「入社後は、日本人とまったく同じようにキャリアを歩んでもらうことを確認しています。年功序列や終身雇用の考え方も含めて納得できるかを聞きます」などという建前論では、優秀な外国人は誰も入社しません。3ヶ月毎の実力評価で、先輩を1年で追い抜けると思うのが、彼らの「常識」であり、「年功序列」や「年次による人事」という気が遠くなるような長期競争は、彼らの想像を超えています。
Vol.491 外国人が日本を支えている(2019.9.17)
日本人の人口(2019.1.1現在)は10年連続で減少し、1億2478万人になりました。去年1年間に生まれた日本人は92万人と過去最少を記録した一方で、死亡数から出生数を引いた自然減は過去最大の44万人。子どもを産む年代の女性が激減しているので、少子高齢化は止まる気配がありません。日本人の生産年齢人口(15~64歳)は7424万人と61万人減り、日本人全体の59.5%しかいません(過去最低)。その一方、外国人の生産年齢人口は15万人増えて227万人。・・・
Vol.487 観光業の行く手は険しい?(2019.9.10)
観光業の振興は、アベノミクスにおける数少ない成功例です。高めの数値目標を掲げて、観光ビザを緩和し、クルーズ船を誘致して、地方の観光資源に光を当てるとともに、ホテルの建設ラッシュで関連業界を潤しました。歴代の産業政策の中でも出色の出来栄えですし、この成功がなかったら、安倍政権は窮地に追い込まれていたかもしれません。ただし、本当の試練はこれから。弊害が目立つ京都を筆頭に、「観光公害」や「オーバーツーリズム」という指摘が、全国各地で沸き起こっています・・・
Vol.482 景気は危険水域に突入する?(2019.9.3)
政府が消費税増税を断行することがほぼ決定したため、今後、経営者たちの「守りの姿勢」はさらに強固になっていきます。日銀短観や各種のアンケートでも、景気の弱さが露わになってきました。これまで3回実施された消費税増税の場合、庶民の関心は「駆け込みで買ったほうが得かなぁ?」とか「駆け込み消費の後の景気はどうなるの?」という関心が主でした。しかし、今回は、駆け込み消費の議論などではなく、多くの庶民は「そんなことを議論できる懐具合ではない!」と思っており・・・
Vol.474 不動産は人口減に勝てない?(2019.8.22)
人口が右肩上がりの時代に築き上げられたビジネスモデルは、これから訪れる本格的な人口減で、崩壊していきます。この大変化に対応できない企業も破綻していきます。注目すべきは不動産業界。居住者が確実に減っていく中でも、新築物件を建てて販売しなければ儲からないビジネスモデルに深く組み込まれてしまっているので、従来のやり方を止めることができません。不動産業界は、日本人人口が減少し、全国的に空き家が激増する中で、個人投資家を煽った仮需でごまかし・・・
Vol.472 最低賃金引き上げ論の矛盾(2019.8.20)
安倍政権は、最低賃金に関して、「より早期に全国加重平均が1000円」という方針を明示し、立憲民主党は「5年以内に全国一律で1300円」という公約を掲げました。本来なら、個々の企業に賃金を自由に設定させた上で、労働者における転職の自由を阻害するような悪質な経営者を厳罰に処すればよいだけの話なのですが、最低賃金を引き上げて、経営者や雇用者を締め付けていくという愚かな経済政策が実施されることが既定路線となりました。最低賃金引き上げという政策の背景には・・・
Vol.467 日本を救うのはITやAIなのか?(2019.8.13)
少なからぬ経済学者は、人口減の話になると、「移民を受け入れなくとも省力化投資で賄える」とか「労働生産性を上げるためにIT投資すべき」などと軽々しく論じます。しかし、システムに詳しいわけでもなく、経営をしたこともないのに、よくもそんな戯言が言えるものです。きっと、日本企業や日本国が、どれだけIT投資で失敗してきたのかを知らないのでしょう。無論、有効に活用できれば、ITもAIもロボテックスも、生産性向上に大きく寄与することは間違いありません。・・・
Vol.465 アベノミクスは増税で絶命する?(2019.8.8)
6月11日、安倍政権は、「骨太の方針」の素案を公表し、今年10月に消費税率を10%に引き上げると明記しました。自民党も、同じ内容を参院選のマニフェストに書き込みましたから、一時期盛り上がりを見せた「消費税増税延期策」の可能性は極めて低くなりました。景気の足元は極めて弱く、税率引き上げ時に通常見られるはずの「駆け込み需要」すら見られないのではないかという雰囲気が漂い始めました。誤った経済政策の効果により、倒産件数も着実に増加してきました。・・・
Vol.453 消費者はチョイ高も許さない?(2019.7.23)
3月の景気動向指数が低下し、6年2カ月ぶりに景気の基調判断が「悪化」に転じました。「アベノミクスの効果は終焉した」という感じがしますが、その後公表されたGDPは、消費と設備投資が不振であったにもかかわらず、大幅な輸入減に助けられ、2期連続のプラスになりました。エコノミストの間では悲観派が急増していますが、政府は景気回復の旗を降ろしていません。しかし、「チョイ高商品」が全く売れない現実を直視すれば、「景気は悪い」と判断せざるを得ません。・・・
Vol.450 人手不足は手抜きでしのぐ?(2019.7.18)
無責任な経済学者やエコノミストは、未だに「人手不足は賃上げすれば解決する」と主張していますが、経営の現場には、「量(労働量)」と「価格(賃金)」以外にも大事な変数があります。それは「質(サービスの品質)」です。建設現場がわかりやすい事例です。建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに、2017年には498万人と3割弱も減少。恒常的な人手不足に見舞われています。レオパレス21のアパートでは屋根裏の界壁がないことで世間を賑わし、ダイワハウスでも・・・
Vol.448 経済学は移民をどう考える?(2019.7.14)
「移民」に係る議論は感情論になりがち。異文化に対する懸念を煽る「攘夷派」と人道主義一辺倒の「開国派」は水と油ですから、交わりようがありません。エコノミストも、極論どうしの論争に煽られて、イデオロギーに塗れた論調に陥りがちです。この点、「経済学」がどう論じているかというと、移民肯定派が大勢ですが、「移民は米国のGDPを増やすが、移民以外の米国人が得る利益は小さい」とか「第1世代と第3世代の移民は、コストが税収を上回る」という主張もあります。・・・
Vol.446 観光業は持続成長できるか?(2019.7.11)
日本は、2017年に観光収入の世界ランクでトップテン入りしました。2013年には21位でしたから大躍進と言ってよいでしょう。観光客数も、2010年に第30位、2014年第22位だったのが、世界12位ということなので、経済政策としては大成功だったと言えます。これに気を良くした日本政府は、2020年に訪日外国人数4000万人、2030年6000万人を目指していますが、「オーバーツーリズム」や「観光公害」という指摘が急増している中で、永続的な右肩上がりを達成できるか疑問です。・・・
Vol.444 最低賃金2000円という虚妄(2019.7.9)
安倍政権は、地方の所得水準を引き上げて、「アベノミクス」の果実を全国に波及させるという名目で、最低賃金を全国平均で1000円に引き上げる方針です。山本太郎参議院議員の「れいわ新選組」は「最低賃金1500円」を掲げ、現場を知らない経済学者は「最低賃金2000円」を主張します。自民党が弱い選挙区の最低賃金は低水準ですし、「全国一律1000円」を掲げる共産党のお株を奪う側面もあるので、政治的には正しいのですが、最低賃金の引き上げで失敗した韓国を無視しています。・・・
Vol.442 終身雇用は消えてなくなる?(2019.7.5)
経団連会長が「終身雇用を前提とすること自体が限界になる」と口火を切ると、経済同友会代表幹事も「終身雇用は制度疲労を起こしている。もたない」と呼応し、トヨタ自動車の社長も「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言しました。追い込まれたというべきなのかもしれませんが、ついに、日本の大企業が「終身雇用」の改革に乗り出します。「日本的経営」と呼ばれてきた雇用慣行は終焉を迎えます。国境や業種を超えたグローバルな競争が厳しさを増す中・・・
Vol.439 日本企業は給料が低い?(2019.7.2)
日本企業の給与が、欧米どころか、アジアより見劣りするようになりました。日本企業の場合、大卒の初任給は20万円台でボーナスを合わせて年収300万円前後が相場ですが、シンガポール企業であれば、初任給で年収600万円がオファーされることもあります。中国企業ファーウェイが、日本の新卒エンジニアに初任給40万円を提示したことも話題になりました。日本の給与水準は、OECD 35カ国中18位。上位のルクセンブルクやスイスはもとより、米国、ドイツ、フランスに劣後。・・・
Vol.437 働き方改革は『働くな改革』?(2019.6.28)
平成時代、日本の国際的地位は一貫して低下しました。GDPの規模で言えば、当初、中国は取るに足らない存在でしたが、2010年に日本に追いつき、今では2倍近い規模になりました。日本の1人あたりのGDPは米国より高く、生活も豊かでしたが、あっという間に逆転され、かなり差がつきました。ところが、未だに日本人は「日本は経済大国であり、日本人は優れている」という思い込みから抜け出せていません。残業の上限規制を導入し、GWを10連休にしました。・・・
Vol.428 衰退を防ぐには移民しかない?(2019.6.17)
世界的に著名な投資家であるジム・ロジャーズは、「若者は日本から出ていくべきだ。国の借金が天井知らずに増え、人口が減少している。これは簡単な算数だ。足し算と引き算ができればわかる。問題は悪化する一方だ。50年後に誰がこの借金を払うのか。私ではない。他の誰も払わないだろう。だから若者には解決策がない」と説き、昨年秋に日本株をすべて売却したことを明らかにしました。唯一の望みとして、「移民を歓迎した国は成功して繁栄している」と指摘しましたが・・・
Vol.423 消費税増税で景気が死ぬ?(2019.6.10)
4月18日、自民党の萩生田幹事長代行は、10月の消費税増税に関し、景気次第で延期もあり得るとの考えを示しました。「景気はちょっと落ちている。6月の日銀短観で、この先は危ないと見えてきたら、崖に向かってみんなを連れて行くわけにはいかない。違う展開はある」と述べたのです。この発言を巡って永田町は大騒ぎ。菅官房長官は、「リーマン・ショック級の出来事が起こらない限り引き上げる予定だ」と火消しに回り、日本商工会議所の三村明夫会頭は「信じられない」と批判しました。・・・
Vol.421 5人に1人が70歳以上!(2019.6.6)
2018年10月1日時点の日本の人口は、前年比▲26万人の1億2644万人で8年連続の減少となりました。減少数・減少率ともに1950年以来、過去最大で、70歳以上が総人口比で初めて2割を超えました。5人のうち1人が70歳以上であり、4人で1人の高齢者を支えています。遠くない将来、70歳以上が4人に1人になり、3人に1人に向かっていくのは必定であり、そうなったときに2~3人で1人の高齢者を支えられるのか、という誰も否定できない厳然たる難問がそこに控えています。・・・
Vol.418 ルックイーストと言われても?(2019.6.3)
92歳にして政権に復帰したマレーシアのマハティール首相は、「ルックイースト政策」を再度提唱し、「物事に失敗した時に恥ずかしい、忸怩たる思いだと感じることは日本人の中に染みこんでいる。そして期待や信頼に応えるためにさらに一生懸命の努力を重ねる。こうした美徳をマレーシア人が見習うことこそが成功への道である」と力説しました。「最近の日本人社員は転勤を嫌がり、アルバイトよりもやる気がない」とか「アルバイトはバイトテロを起こす」という事実を知ったら・・・
Vol.414 賃上げすればバスは走る?(2019.5.28)
最近、「人手不足は労働条件が酷い会社の泣き言だ」とか、「人手不足を解消したいなら賃金を上げればいい」という現実を無視した短絡的な議論が幅を利かせています。そういう論者たちは、佐賀県に行き、昭和自動車の社長に対して、自説を唱えていただきたいと思います。昭和自動車は、佐賀県内で運行するバス26路線の再編を検討しています。バス運転手の3割以上が60歳を超えており、若手の補充も見込めません。50万円の入社祝い金を講じて、年に40~50人を雇っていますが・・・
Vol.411 300万人市場が開花する?(2019.5.23)
2018年末時点の在留外国人数は273万1093人となり、過去最多を更新しました。政府は、在留資格「特定技能」の創設による就労拡大の新制度で、5年間で最大約34.5万人の受け入れを想定していますから、5年後には300万人の外国人が日本に住んでいることが予測されます。300万人という規模は、第10位の静岡県には届かないものの、茨城県を超える水準であり、福井・徳島・高知・島根・鳥取の5県分に匹敵する人口ですから、今後、在留外国人をターゲットにした市場は・・・
Vol.404 『最賃引き上げ』という宗教(2019.5.14)
近年、日本の経済政策は、荒唐無稽なものに成り果てました。「物価を上げれば、景気は良くなる」という宗教が失敗し、「労働時間を短縮すれば、生産性は向上する」という戯言がとんでもない誤りだと気付きつつあるにもかかわらず、今度は、「最低賃金を上げれば、生産性が上がる」という邪教を広めようとする宣教師たちが増えています。最低賃金を引き上げて、経済を悪化させた韓国の失政を見れば明らかなのに、「うまくやれば大丈夫」という根拠不明のご託宣を垂れ流しています。・・・
Vol.397 値上げでよくなるはずなのに?(2019.4.25)
焼き鳥チェーン大手の鳥貴族は、「全品均一価格」で急成長してきましたが、2014年の上場以来、初の赤字決算に転落する模様です。2017年10月に、人件費や食材の仕入れ価格の高騰を理由に、全品280円均一から298円均一への値上げに踏み切ったのですが、4カ月後の2018年1月から客数減が顕著になり、値上げが一巡した後もズルズルと縮減しています。既存店売上高は、2019年1月時点で13カ月連続の前年割れになりました。値上げを機に客離れが起き、客数が減少して・・・
Vol.395 メイドインジャパンとは何か?(2019.4.23)
今年2月、資生堂は、福岡県における新工場設立を発表。ライオンは香川県で、ユニ・チャームは福岡県で、日清食品は滋賀県で、各々新工場を稼働する予定です。このように大企業の一部で製造拠点を国内に回帰させていることを以て、「Made in Japan」というブランド価値が復興しているというノスタルジックな記事が散見されるようになりました。日本の「匠の精神」が再評価されているというのです。しかし内実を覗くと、「Made in Japan」であっても、「Made by Japanese」では・・・
Vol.377 アホな政策で企業が殺される(2019.3.28)
愚かな経済政策は、経営者に過度な負担をかけ、死に至らしめます。直近で言えば、「働き方改革」とか「最低賃金の毎年引き上げ」ということになるのだと思います。経済と経営のメカニズムを熟知しない素人たちが、万人受けを狙って、「残業時間を減らして、時給を上げれば、生産性が向上して、経済は良くなる」という宗教を流行らせて、法律まで作ってしまいました。その結果はと言えば、大企業の「働き方改革」を実現させるために下請企業で残業が増え、1人で対応していた仕事に・・・
Vol.368 お上の景気判断を信用するな(2019.3.15)
毎月勤労統計の不正調査で、2018年の実質賃金の大半がマイナスになる可能性があることがわかりました。アベノミクスが成功しているという裏付けとされてきた証拠の重要部分が否定されたことになり、大騒ぎになっています。お上は、「第2次安倍政権発足とほぼ同時に始まった景気拡大局面が、戦後2番目の長さとなった」と自画自賛していましたが、「そんなに景気良くないよね」という庶民感覚の方が正しかったことが立証された形です。そもそもアベノミクスは・・・
Vol.348 日産自動車は大丈夫か?(2019.2.15)
2月3日、日産自動車は、欧州向けのSUVの次期モデルの生産について、英国工場から九州工場に切り替えると発表。英国のEU離脱が迫る中、EU向けの乗用車輸出に10%の関税がかかる懸念もあり、合理的な判断という気もしますが、九州工場で生産して輸出するというのは少し奇妙です。英国工場では数百人の雇用増が見込まれていたので、九州工場でもその程度の雇用増が必要。ところが日産は、技能実習生を200人以上使っており、昨年6月にその不正使用が発覚したばかり。・・・
Vol.336 景気は後退期に入った!(2019.1.29)
昨年の人手不足倒産は、前年比22.0%増の387件と最多記録を更新しました。昨年12月の景気ウオッチャー調査では、家計・企業・雇用の3部門が揃って悪化し、全体の景況感が2017年3月以来の低水準に低下。「生活意識に関するアンケート調査」でも、個人の景況感DIは▲32.0と、6年ぶりの低水準で、アベノミクスが始動する直前の水準にまで落ち込んでいます。昨年12月に発表された日銀短観では、3カ月先の「業況判断DI」が現状よりもかなり悪化する見通しになっています。・・・
Vol.334 経営者を殺せば良くなる?(2019.1.25)
入管法改正が成立して以来、攘夷派の矛先は、外国人を雇用する経営者に向かっています。「改正入管法はブラック企業を延命させる」「消滅しかかっていたブラック企業が復活する」「無能な経営者、低生産性の企業には廃業してもらえばいい」「業界の新陳代謝が遅れ、経営効率の悪い中小企業が生き残る」などとして、外国人に頼らざるを得ないような企業は破綻してしまえばよいと説きます。こういう主張を展開する評論家は、得てして、自ら多数の従業員を雇用してビジネスを運営した体験がありません。・・・
Vol.320 2019年の日本経済を予測する(2019.1.4)
2018年は、「労働者不足」が表面化した年でした。経営者たちは人口が毎年40万人減るという逆風の中で守りに徹しています。経営者が守りに徹すれば、賃金や待遇が大幅に改善されることはありませんから、就労者も守りに徹します。そして、就労者=消費者が守りに徹すれば、値上げを織り込んだ戦略は失敗に終わります。そうなれば、ますます経営者は守りを固めます。そういう中で「人手不足倒産」が増加してきました。この膠着状態を打破しなければ、日本経済は復活を遂げません。・・・
Vol.303 外国人増で賃金が下がる?(2018.12.5)
外国人労働者の受入増に対して、「労働需給が緩和されるから反対」という声が散見されるようになりました。大別すると、①「人数が増えると賃金が下がる」という素朴な「労働需給論」、②「生産性の低い企業は破綻すべき」とする「破綻推進論」、③「AIやロボット化で人手不足は解消される」とみる「AI万能論」に分かれます。これらの論者の過ちは、「賃上げ➡消費増➡売上増➡利益増➡賃上げ」という経済の好循環を思い描いており、賃上げが現状打破の端緒になるとみていることです。・・・
Vol.292 日本人は生産性が低い?(2018.11.19)
経営の現場を知らない経済学者の中には、「人手不足なのに賃金が上がらないのはなぜだ?」と悩んでいる人々が少なくありません。そのため、「ただでさえ賃金が上がっていないのに、こんな状況下で外国人労働者を入れると、賃金が上がらなくなってしまう」と騒ぎ始めた輩もいます。しかし、就業者1人当たりのGDPを眺めると、2000年度820万円➡2005年度824万円➡2010年度794万円➡2016年度830万円➡2017年度820万円ですから、労働生産性が上がっていないことを確認できます。・・・
Vol.285 評論家たちは沖島へ行け!(2018.11.8)
「外国人労働者を入れると、低賃金労働者を前提とするビジネスモデルが変革しないから反対」という声が一部から出ています。中には、「経営者が極限まで追いつめられれば、生産性向上の道が開ける」という勇ましい声も。しかし、ビジネスモデルを大きく変革するためには、①対象とする市場が今後大きく成長するので投資に見合うこと、②一段上の生産性のレベルに労働者が成長する見込みがあること、③その投資を行う場所としてその地が最適であること、という条件が必要です。・・・
Vol.273 地価上昇に小躍りするな!(2018.10.23)
7月1日時点の基準地価は、商業地が+1.1%の上昇に転じ、全用途でも27年ぶりに下落から上昇に転じました。ニセコ、祇園、歌舞伎町、雷門に象徴される「外国人パワー」の寄与で地価が上昇しました。一方、「外国人パワー」を拒否する国もあります。住宅価格が10年で2倍に跳ね上がったニュージーランドは、外国人による中古住宅の購入を禁止しました。マレーシアでも、ジョホールバルでの巨大開発で外国人が不動産物件を購入することを禁じる方針を明らかにしました。・・・
Vol.263 オリンピック前にコケるのか?(2018.10.9)
9月の日銀短観で大企業の業況判断指数が悪化しました。製造業は3期連続の悪化でリーマン・ショックの影響が響いた2009年3月以来の低迷。非製造業も、訪日外国人客の減少が響き、2年ぶりに悪化に転じました。無論、楽観的に見れば、日米の貿易摩擦はひとまず小康状態。原材料高は世界景気の好調による需給逼迫の反映と見れば、「凶」ではありません。台風や地震による悪影響も一過性でしょうから、円安が進めばプラス面が多く、「心配する必要はない」という見方もできます。・・・
Vol.255 観光頼みには限界あり!(2018.9.26)
台風21号の直撃で関西国際空港が一時閉鎖され、日々刻々と復旧が図られているものの、関西経済に与えたダメージは、かなりのものがあるようです。大阪城の来館者が半減し、黒門市場が閑散となり、ホテルのキャンセルが大量発生するなど一部では悲鳴に近い声も上がりました。北海道地震の影響で観光離れが起きたり、西日本豪雨や大阪北部地震の影響で韓国からの旅行客が前年よりも減るなど、観光業は、ビジネスの本質上、環境変化による大きなアップダウンが避けられません。・・・
Vol.240 賃上げで景気は良くなる?(2018.9.5)
富裕国だったベネズエラが大変なことになっています。「21世紀の社会主義」を掲げ、賃上げや所得補填などで富裕層の富を貧困層に分配したところ経済が破綻。生活に困窮した人々が「移民」となって隣国に押し寄せています。この惨状を見た韓国の主要紙が「韓国もベネズエラの二の舞になる」として文在寅政権の経済政策を大批判。経営の現場を無視した賃上げ政策の撤回を求めています。「最低時給1000円」を掲げる「所得主導成長論」が想定していたシナリオは実現していないと指摘。・・・
Vol.237 いつの間にやら景気後退?(2018.8.31)
8月28日、政府は「月例経済報告」で、国内景気の基調判断を「緩やかな回復基調が続いている」として2ヶ月連続で据え置きました。「戦後2位のいざなぎと並ぶ景気回復になった可能性が高い」との認識を示しています。しかし、最前線で売上や顧客の動向を直視している経営者に聞けば、「戦後第2位の景気回復だ」と手放しで喜んでいる人など誰もいないでしょう。いつまで経っても消費者が財布のひもを緩めず、個人消費が盛り上がってこないからです。・・・
Vol.234 高齢者が働けば何とかなる?(2018.8.28)
5月の就業者数が、過去最高を更新しました。これまで最高だった1997年6月を21年ぶりに上回ったのです。この背景には、高齢者の就労があります。65歳以上で働いている人数は、2006年に500万人を突破し、2017年は807万人に達しました。この5年間で211万人も増加し、就業者全体の12%を占めています。調子のよいマスコミは、「アラ古希正社員100万人時代へ 団塊が戦力」「高齢者が人手不足救う」「45歳以上は金の卵」などと持ち上げていますが・・・
Vol.232 日本は本当にスゴイのか?(2018.8.24)
テレビを点けると、「日本はスゴイ」「日本はカッコイイ」「日本が好き」という番組のオンパレード。「勘違いが少なくない」「いつまでも過去の栄光にしがみついている」「ノスタルジーが過ぎる」という代物が少なくないのですが、きっと多くの視聴者は癒されたいと思っているのでしょう。その一方、経済政策はと言えば、「労働時間を少なくすれば、労働生産性が上がる」とか「人口が減れば生産性が向上する」「人手不足になればイノベーションが起こる」など、これまた筋違いのオンパレード。・・・
Vol.230 解説者は気楽でいいですね(2018.22)
外国人労働者の受入増に反対する論者たちは、自ら闘いのリングに上がることなく、お気楽な解説を垂れ流します。一部の大学教授たちは、「人口減少は生産性を向上させる」「国際競争力のない産業は淘汰させて、輸入で代替すればよい」などと主張。その主張が正しいとすれば、日本の大学は、国際競争力がない業界の代表格ですから、まずは大学を淘汰すべきでしょう。テレワークで対処すべきと語る論説委員は、自ら指揮を執って革新的な新聞社になり、お手本を見せるべきです。・・・
Vol.225 移民はプラスかマイナスか?(2018.8.15)
福岡市が留学生を受け入れる経済効果は年間230億円だそうです。屋台の効果は53億円で、福岡マラソンは25億円と言いますから、福岡マラソン10回分のプラス効果。外国人問題を語る際には「労働力」の観点が強調されがちですが、「消費者」や「納税者」の側面を無視することはできません。西欧15カ国の分析結果でも、「移民」は移住から5年以内に受け入れ国の経済にプラスに働くという結論が得られています。・・・
Vol.218 『老人大国』に未来はある?(2018.8.6)
2025年になると、医療費は現在の42.3兆円から57.8兆円へと膨らみ、健保組合の4分の1は解散の危機に。2030年代になると、3分の1が空き家になり、道路や橋、上下水道がボロボロに。2040年代、大学の倒産や統廃合が続出。大都市でも介護施設や介護サービスが不足していきます。2060年には高齢者が約4割。国民の8人に1人が認知症に。和歌山県や北九州市の人口が毎年消えていきます。そんな状況下、10年後の「日本」について中学生や高校生に尋ねてみると6割超が「不安」。・・・
Vol.215 子供の出生数は半減した!(2018.8.1)
今年1月1日現在の日本人の人口は、前年より37万人少ない1億2521万人でした。人口減少は9年連続で減少幅は過去最大。人口37万人と言えば、長野市・豊橋市・高崎市とほぼ同じですから、この規模の都市が1年で消滅するインパクト。さらにショッキングなのが出生数。昨年よりもさらに減少して95万人。1971年の日本では年間200万人が生まれていましたから、この50年弱で半分以下になっています。出生数半減という「悲惨な現実」を見れば、放置して何とかなる状況とは思われません。・・・
Vol.193 外国人なしには成り立たない(2018.6.29)
「首都圏の台所」である茨城県の現場で、出荷作業をしているのは高齢者と外国人。「農家の平均年齢は70歳。ほとんどの農家に実習生がいる。実習生がいなければ農業は続けられない」という声も。農業に従事している外国人の割合は、30代では約6人に1人、20代では約2人に1人に達しています。広島県は全国一の生産量を誇るカキの産地ですが、担い手不足が深刻な20代~30代では、漁業従事者の約2人に1人が外国人。高知県で伝統のカツオ1本釣りを担う3人に1人は外国人ともいいます。・・・
Vol.185 アベノミクスは賞味期限切れ?(2018.6.19)
「骨太方針」には、2019年10月の消費税率10%引き上げによる景気の落ち込みを回避するための対策が明記されました。安倍政権は、「それほど景気は良くない」という現実を認識しているのだと思います。2018年1~3月期の国内総生産(GDP)は、実質で前期比▲0.2%。2015年10~12月期以来、9四半期ぶりのマイナス成長でした。野菜やガソリンなど身の回り品の値上がりで個人消費が低調。生活実感に近い名目GDPを見ると▲0.4%、年率で▲1.5%の惨憺たる状況です。・・・
Vol.171 人口減少を放置するのか?(2018.5.30)
2017年10月1日時点の日本人は、前年より37.2万人少ない1億2465万人となりました。年間減少数は過去最大です。外国人(206万人)を含む総人口でも▲22.7万人減で、7年連続のマイナス。高齢者比率は27.7%を占め、過去最高を更新しました。人口減が続く地方を見れば、高齢者が過半数の「限界集落」が目立ち、共同生活を維持することが困難化。子供がいなくなり、小学校が閉校し、修繕が必要な橋すら着手できなくなっています。今後は、都市部の高齢化が深刻化してきます。・・・
Vol.157 2人に1人は老人になる?!(2018.5.10)
2045年に秋田県の高齢化率は50.1%に達し、2人に1人が老人になると予測されています。人口は2015年から▲41.2%も減少。青森県▲37.0%、山形県▲31.6%と東北地方の人口減が目立ちます。青森県今別町では7割も人口が減る見通しですが、その上を行くのが奈良県川上村。30年後に人口が8割減となり、1313人の村民が270人にまで減る見込みです。スーパーやガソリンスタンドが出て行ったため、いまは村が主体になって、移動型のスーパーを運営していますが、それも立ちいかなくなるでしょう。
Vol.151 自治体の半数が消滅する!(2018.4.27)
2010年から2040年の間に若年女性(20歳~39歳)の人口減少率が5割を超える市区町村は全体の半分にあたる896に及び、1万人未満になる523の自治体は消滅の危機に陥るといいます。人口が少なくなると、バスが来なくなり、高齢者は買い物や病院に行けない。病院自体の数が少なくなる。実際、2006年に財政破綻を表明した北海道夕張市では、小学校6校が1校に、中学校3校が1校になり、図書館・集会所・集会施設の大半を廃止しました。200床以上あった市立総合病院は、19床の診療所に変わりました。
Vol.133 将来への不安を解消せよ!(2018.4.3)
マスコミでは、「景気は良い」という論調が未だに主流ですが、安倍政権が求めている「3%の賃上げ」は実現できず、実質賃金は▲0.9%。これでは、誰も「手元にお金が増えた」とは感じません。売るほうも買うほうも価格にはシビアです。最大の要因は「将来への不安」。誰もが自分の生活に手一杯で、企業も将来の業績悪化を懸念しています。若者の約6割が「将来のことを考えると、今、お金を使うこと全般に積極的になれない」と答える中で、各企業も明るい将来の見通しを掲げることができません。
Vol.129 投資増なら生産性は向上?(2018.3.28)
経済学者の一部には、「人口が減っても問題はない。なぜなら、人手不足を補うためにIT投資が活発になり、労働者一人当たりの生産性が上がるからだ」と主張する方がいます。それが正しいのなら、過疎の村は生産性が向上するはずですが、そんな事例は聞きません。人手不足感は年々高まるばかりなのに、2017年の機械受注は5年ぶりの前年比割れになりました。人手不足が顕著な非製造業の弱さが目立つといいます。ローソンのように、人手不足に伴う設備投資が増加し、減益になった例もあります。
Vol.125 賃上げ3%にこだわる理由(2018.3.22)
「インフレ2%を達成する」として「異次元」の金融緩和を始めた黒田総裁は、達成時期を6回も先送りしましたが、批判されても「企業経営者に根付いたデフレマインドが問題である」として涼しい顔。要するに、経営者が賃上げをしないから「2%」にならないと強弁しています。黒田理論によれば、日本における労働生産性の上昇率は1%。この場合、実質賃金が1%上昇しないと生産性の向上分に見合いません。したがって、インフレが2%になるとすれば、3%以上の賃上げが必要になるという論理です。
Vol.108 安倍首相は現場の声を聞け!(2018.2.26)
2017年の現金給与総額は月平均で31万6907円で4年連続で増加しました。基本給を示す所定内給与は0.4%増の24万1228円、残業代を示す所定外給与も1万9565円と2年ぶりに増えたようです。しかし、消費者物価が原油価格の上昇などを受けて、2016年に比べて0.6%上昇したため、賃金の伸びを相殺し、2017年通年の実質賃金は2016年に比べて0.2%減り、2年ぶりのマイナスになってしまいました。物価の伸びに賃金の伸びが追いついていないのです。これで、どんどん消費が伸びるわけがありません。
Vol.104 過疎の村は生産性が上がる?(2018.2.20)
経済学者に人口減少が日本経済に与える影響を尋ねると、「1人当たりGDPはイノベーションで伸びる。供給側の事情を見ても行き詰まっている社会の方がイノベーションの動機は大きくなる」とか「労働力不足になると飲食店が自動食器洗い機を買うようになる。最新の皿洗い技術が広く使われるようになり、そうした投資が行われれば日本経済の生産性は大幅に向上する」と答えてくれます。要するに、人手不足になると省力化投資が増えて労働生産性が上がるから日本経済は成長するというのです。
Vol.100 誤った経済政策の悪影響は?(2018.2.14)
日銀によると、足もとの景気が1年前と比べて「良くなった」と答えた割合から「悪くなった」と答えた割合を引いた値は、▲11.9ポイントであったものの、マイナス幅は前回の調査より1.6ポイント縮小し、景気に対する受け止め方は改善。一方、暮らし向きに「ゆとりが出てきた」と答えた割合から「ゆとりがなくなってきた」と答えた割合を引いた値は、▲33.7ポイントとなり、前回の調査より1.8ポイント悪化しました。景気の受け止め方が改善したにもかかわらず、暮らし向きが悪化しているのです。
Vol.87 ご高説より具体的な対策がほしい(2018.1.25)
新春座談会では高齢の識者たちが登場し、「悲観的になるのではなく、対処法をどうするかを考えたらいい」「変えることへの強靱な意志を持たないと」などという一般論を展開しています。雇用問題に関しても、「女性と高齢者の就労を促進すれば、2030年でも約6400万人を維持できる」とか「定年は70歳を過ぎてもいい」という高説を述べた上で、「企業も意識を変えないといけない」と説教してくれるのですが、これらの識者たちのほとんどは、自ら創業して多くの雇用を維持した経験がありません。
Vol.86 自動小銃か・日本脱出か?!(2018.1.24)
投資家のジム・ロジャーズ氏は、「もし私がいま10歳の日本人ならば、AK-47(自動小銃)を購入するか、もしくは、この国を去ることを選ぶだろう。なぜなら、いま10歳の日本人である彼、彼女たちは、これからの人生で大惨事に見舞われるからだ」と予言します。「日本はGDPの240%、1000兆円を超す巨額赤字を抱えている。その上、猛烈なペースで進む人口減少社会に突入したため、借金を返済できない。30年後に40歳になる日本人には、老後を支える人もカネもない」と語ります。
Vol.73 日本人は棄てる・中国人は買う(2017.12.25)
中国人による「土地」購入が問題視されています。2017年11月、自民党「安全保障と土地法制に関する特命委員会」が意見聴取したところ、中国資本による北海道の土地買収が急速に進む実態を踏まえて、「主権国家の日本の中に別の国ができてしまう」という意見が開陳され、外資による土地購入の直接制限を求める意見が相次ぎました。「北海道は中国32番目の省になる」「北海道が中国の“北海省”になる日も遠くない」「これは武器を持たない、目に見えない戦争だ」などという言説も流されています。
Vol.72 日本人は2000人に激減する?(2017.12.22)
テレビや書店では、未だに「ジャパン・アズ・ナンバーワン」的な番組や書籍が目立ち、「上から目線」で中国を論じていますが、その認識は大きく誤っています。「世界に影響を与える人物ランキング」において、習近平主席が4位で、安倍首相は37位であるという世界の現実を直視すべきです。1億2700万人(2015年)だった日本の総人口は、40年後に9000万人を下回り、100年以内に5000万人を下回ると予測されています。200年後には1380万人、300年後には約450万人に減るとも言われています。
Vol.63 在留外国人の消費力に期待する(2017.12.8)
7~9月期のGDPは、7期連続のプラス成長となりました。2012年12月に始まった景気回復局面は、「いざなぎ景気」を超えることが確実となりました。上場企業 4社に1社が最高益になる見込みであり、日本経済は絶好調に見えます。しかし、売上高の増加要因は、輸出と値上げとM & Aであり、国内市場は拡大していません。「いざなぎ景気」では、民間消費が毎年10以上伸びていましたが、今回の景気拡大局面では0%台。アパレルや自動車は国内市場の縮小が止まらず、工場や店舗の閉鎖が続いています。
Vol.40 アベノミクスには期待できない!(2017.10.20)
日銀は「労働需給の引き締まりが続く中、賃金コスト吸収のための対応にも自ずと限界がある」とし賃金も価格も上がると見ていますが、戯言としか思えません。イオンの岡田社長は「脱デフレは大いなるイリュージョン」と喝破しましたが、現状は、需要増に牽引される「好景気」ではなく、単なる「人手不足」。需要が弱いから値上げしたらお客さまは離れるだけ。それを熟知しているから、経営者は値上げではなく、供給を絞っています。廃業する中小企業の約半分が黒字という異常事態を直視すべきです。
Vol.28 在留外国人が年金財政を救う!?(2017.9.20)
年金財政を1兆円改善させる方法があります。それは、厚生年金を支払った外国人に対して、在留資格の変更や在留期間の更新を認めるという政策です。留学生に対しても出席率80%以上を条件として、「週28時間以下」という上限を廃止し、厚生年金を納めたら「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更を認めることにすれば効果絶大。「永住者」でない在留外国人にとって厚生年金は支払う意味がありません。「年金を負担すれば在留資格を認める」というだけで、年金財政は劇的に改善します。
Vol.489 ビザ発給制限は必要ない?(2019.9.12)
7月1日、日本政府は、韓国に対するフッ化水素などに関する輸出の優遇措置を解除することを発表しましたが、「報復カード100枚のうちの1枚」とも噂されており、追加措置の一つとして「訪日ビザの発給制限」が挙がっているようです。マスコミでは、ビザなしでの滞在期間の短縮や、ビザなし渡航を不可とする案などが報道されていますが、報復措置の色彩が強く、「優遇措置の解除」と比べると、あまりエレガントとは言えません。じつは、正々堂々と実施できる手があります。・・・
Vol.477 主たる活動は自ら立証せよ!(2019.8.27)
6月21日、福岡入管は、「来日目的の立証がない」「10日間の観光日程が具体的でない」という理由で、大阪G20サミットに反対する韓国人活動家の入国を拒否しました。当人は、法務大臣への異議申し立てを行ないましたが、翌日却下され、韓国に強制的に送り返されました。入管法第7条第2項は、「上陸審査を受ける外国人は、同項に規定する上陸のための条件に適合していることを自ら立証しなければならない」と定めており、申請人に立証義務を課しています。・・・
Vol.386 訪日3000万人は大成功?(2019.4.10)
2018年の訪日外国人は、累計3119万人に達し、2020年の政府目標4000万人が射程圏内に入ってきました。その一方、「観光公害」も顕在化。京都市右京区の「竹林の散策路」では竹への落書きが問題となり、北海道美瑛町でも観光客に畑が荒らされポプラの木がダメになりました。金沢市の近江町市場では、観光客の急増で地元客が遠のいてしまいましたし、奄美大島南部の鹿児島県瀬戸内町ではクルーズ船の誘致に絡んで「自然が破壊される」として反対運動が起きました。・・・
Vol.278 インバウンドに日本を託す?(2018.10.30)
9月の訪日客数は前年比▲5.3%の215万9600人となり、5年8カ月ぶりに減少しました。大阪を襲った台風21号と北海道の地震がダブルで効きました。関西国際空港の9月の総旅客数は前年比▲47.9%と大幅減。2018年度上半期で見ても、国内・国際線を合わせた総旅客数は、前年同期比▲1.5%の1391万人にとどまり、7年ぶりに前年を下回りました。高島屋大阪店やフグ専門店「玄品ふぐ」、ラオックス等では、一時期、客数が2~3割減ったようです。訪日外国人数は・・・・
Vol.233 入国審査官はかわいそうだ!(2018.8.27)
2018年の訪日外国人は、8月15日に過去最速で2000万人を突破するなど急増していますが、最前線でチェックする入国審査官が増強されなければ、問題が生じることは避けられません。3月25日、成田空港では、待ち時間が3時間を超えました。入管は、審査待ちの間に顔写真撮影や指紋採取を完了できるようにし、日本人向けに自動化ゲートを導入しましたが、人手が足りないのです。一方で不法入国の手口が巧妙化し、手術を受けて指紋を偽装するケースがあるなど一時たりとも気が抜けません。・・・
Vol.227 インバウンドに喝を入れる!(2018.8.17)
和歌山県の高野山は、年間140万人が訪れる名所ですが、米国出身の僧侶が、宿坊を利用した外国人客がネットに書き込んだコメントに「喝」を入れ、話題になっています。「スタッフの対応が素っ気なかった」という批判に対し「何のためにここに来たんだ」と反論。「出されたベジタリアンフードは変な味だった」というコメントには「それは日本の精進料理なんだよ。F●CK YOU」と回答。観光客のマナーの悪さに辟易としていた人々の気持ちを代弁した面もあるかもしれません。・・・
Vol.194 民泊から攘夷が始まる?(2018.7.2)
安倍政権は、2025年までに外国人を50万人受け入れることを決めました。この報道を聞いて、「日本は外国人に優しくなる」と予測するのは早計です。実際は逆で、これから日本は外国人に対して厳しくなるでしょう。外国人の受け入れに反対する「攘夷グループ」は、これから「外国人はこんなに悪いことをする」という主張を声高にするようになります。日本人は、旅行客として一時的に日本を訪れる外国人にはとても優しいのですが、いざ日本に住むとなると、少なからぬ人たちが拒否感を示します。・・・
Vol.169 外国人が来日すると迷惑?(2018.5.28)
安倍政権は訪日外国人4000万人に向かってひた走っていますが、「負の報道」も増えてきました。民泊の陰の部分や、外国人観光客によるゴミ不法投棄・マナー違反もさることながら、外国人が病院で治療を受けた後に医療費を支払わないケースが多発しているというのは、ただでさえ赤字に苦しむ健康保険を危機に陥れる仕打ちなので、大問題としてクローズアップされるに違いありません。そうなれば、「観光客歓迎=外国人許容」のムードが「外国人排斥」の方向に一挙に反転する危険性もあります。・・・
Vol.168 医療保険で入国制限します!(2018.5.25)
日本滞在中に病気やけがで治療を受けた外国人旅行者が医療費を支払わずに帰国してしまう事例が急増。医療機関の35%では医療費の未払いを経験しており、医療通訳等の費用についても83%が請求していません。また、訪日客の3割が医療費をカバーする旅行保険に未加入という報道もあります。この状況を受けて、自民党のプロジェクトチームは、不払い経験のある訪日客の入国審査を厳格にし、再度の不払いの恐れがあれば入国を拒否する提言案をまとめました。・・・
Vol.164 ベトナム人は中国人より悪い?(2018.5.21)
2017年における外国人の犯罪検挙件数は、前年から3000件ほど増えて1万7000件余りでしたが、国籍別で見ると、ベトナム人の検挙件数が5140件で前の年の1.6倍に急増し、中国人を抜いて初めて最多となりました。刑法犯の9割近くが窃盗(4割が店舗での万引き)で、グループで見張りや実行役、盗品の運搬役などと役割分担し、ベトナムで人気の高い日本の化粧品や衣料品を大量に万引きして、本国に送るケースが多かったといいます。また、空き巣の摘発が365件(前年12件)と大幅に増加しました。
Vol.153 airbnbはガサ入れされるか?(2018.5.2)
3月下旬、訪日観光客向けに無許可で送迎する「中国式白タク」に加担したとして、中国の大手配車アプリ「皇包車」を運営する中国企業の関連会社「日本皇包車」を対象に家宅捜索が実施され、道路運送法違反の疑いで同社の前代表が逮捕されました。警察は、アプリ運営会社である「皇包車」と「都市型ハイヤー」の免許を持つ「日本皇包車」の役員が一部重複していることを重視。両社は一体であり、ハイヤーの運転手でない中国男性に配車したことが「白タク行為」にあたると判断したと見られます。
Vol.142 民泊は「悪」で決まりだ!?(2018.4.16)
大阪市は無許可の民泊施設を一掃するため、4月に「違法民泊撲滅チーム」を発足させます。市内の違法民泊は1万室を超えており、大阪府警と連携して取り締まりを強化。改正された「旅館業法」は、「民泊新法」と同時に6月に施行され、無許可営業の罰金が上限3万円から100万円にUP。立入検査の権限も明確化されました。「民泊新法」に対しては、6~7割の自治体が規制条例を作る方針です。住環境悪化を懸念する地元の声の背後の背後には、過剰規制とも言われる「旅館業法」の存在があります。
Vol.112 4000万人をおもてなしする?(2018.3.2)
2017年に日本を訪れた外国人旅行者は2869万人(前年比+19%)となり、5年連続で既往ピークを更新しました。観光ビザ発給要件の緩和や格安航空会社やクルーズ船の増便が要因と報じられています。日本政府は、2020年に4000万人に増やす目標を掲げていますが、毎年2割程度の増加ペースを維持すれば、達成できる見込みがついてきました。目標を達成するためには、欧米からの旅行者を増やしたり、日中だけでなく夜間も観光を楽しめる環境を整備したりすることが課題となると言われています。
Vol.94 ベトナム人は犯罪に走るのか?(2018.2.5)
ベトナム人による犯罪が増えています。茨城県では、空き巣に入り貴金属を奪ったとしてベトナム人3人が住居侵入と窃盗で逮捕されました。兵庫県でも同様の罪で1府3県で空き巣を繰り返し885万円相当の被害をもたらしたベトナム人の男5人が捕まりました。姫路市内のドラッグストアで万引を繰り返したベトナム国籍の男女3人が逮捕され、神奈川県では違法送金をした罪でベトナム男性が検挙されました。また、東京都や静岡県では、偽造された1万円札を使った罪でベトナム人が摘発されています。        
Vol.88 インバウンドに死角はないのか?(2018.1.26)
2018年の訪日外国人旅行者数が年間3200万人に達する見込みの中、新税の「国際観光旅客税」の税収が初年度から60億円も見込まれており、新聞やTVでは「インバウンド」の文字が「(訪日外国人)」という「脚注」とともに飛び交っています。しかし、その一方で、京都などでは従来見られなかった外国人観光客と地域住民との軋轢が生じているなど「観光公害」が発生していたり、華やかな「インバウンド報道」の陰であまり目立ってはいませんが、白タクやヤミ民泊の摘発が着実に増えています。
Vol.52 白タクも違法民泊も摘発される(2017.11.17)
訪日中国人客を相手に無許可でタクシー営業をしたとして、中国籍の男3人が道路運送法違反の疑いで逮捕されました。空港や観光地で訪日外国人客を相手にする「中国式白タク」に関する本格的な逮捕です。警察は、容疑者らの車が多くの荷物を持つ訪日客を乗せて関空と大阪市内を何度も行き来するのを確認し、白タクとして営業していると判断しました。中国語の配車アプリを介して、訪日客からの依頼を受けて営業していた「白タク」は7回にわたって関西空港から大阪市内に40人を運送したといいます。
Vol.37 通訳ガイド解禁は有利に働く?(2017.10.13)
6月に成立した「通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律」が来年1月4日に施行されます。従来、「通訳案内士」でなければ、有償の通訳ガイドは禁じられていましたが、来年からは無資格であっても対価をもらった通訳ガイドができます。無論、この制度変更には反対論もあります。ただでさえ、無資格の「闇ガイド」が跋扈し外国人観光客を食い物にした事例が目立っており、国会でも議論が白熱しました。この制度変更をビジネスと在留資格との関係で見れば、プラス面を期待することができます。
Vol.32 ヤミ民泊が外国人を排斥する?(2017.9.26)
「外国人観光客のインバウンドが凄い」という報道は、日本人の「外国人嫌い」を若干緩和しましたが、最近、インバウントのデメリットが取り沙汰されています。民泊の8~9割を占める「ヤミ民泊」は、ホテル・旅館業界からすれば営業妨害ですし、騒音などで迷惑を被る近隣住民は被害者です。民泊施設を利用して覚醒剤を密輸する事件も起きました。インバウンドで悪いことが起きているということになると、外国人労働者を含めて、「外国人排斥」のムードが一挙に醸成される危険性があります。
Vol.16 外国人の受入は犯罪を増やす?!(2017.9.4)
外国人犯罪に関する報道が増えています。実質的な外国人比率は1.9%なので、人口比に応じた数字であると評価することができないわけではありません。しかし、個別の犯罪における外国人比率に目を転じると、盗品等関係、強盗致死傷、強盗、殺人、薬事関係、傷害、窃盗、強姦が4.5%~8.3%の高水準。この数字を見ると、「外国人を受け入れると犯罪が増える」という入管や警察の主張を退けることは困難であり、日本では「外国人労働者を大々的に受け入れるべき」という議論にはならないと考えた方がよさそうです。
Vol.12 訪日外国人は犯罪者なのか?!(2017.8.29)
訪日外国人に絡む犯罪記事が取り上げられるようになってきました。「医療ツーリズム」に係る無免許手術や自家用車による「白タク営業」のほか、金塊の密輸入や偽造クレジットカードによる商品詐欺など、「日本は安全なのに、外国人に絡んで犯罪が多くなってきている」という印象が滲み出ています。警察や入管は、外国人絡みの犯罪が発生すると、マスコミに対して必要以上にプッシュします。結果的に、外国人排斥につながる世論が形成されてくると、外国人雇用に対する批判に飛び火してくる可能性があります。
Vol.11 外国人が健康保険を蝕んでいる(2017.8.23)
外国人に対する医療の充実化が叫ばれる一方で、「医療費不払い」という問題が浮上しています。観光で訪日したタイ人女性が急病に倒れ、運よく一命を取り留めたものの、手術等に要した治療費1800万円が宙に浮いてしまいました。旅行保険に加入しない訪日外国人が、病気やけがで病院にかかった場合、請求される高額の医療費を支払わないまま出国してしまうのです。わが国の健康保険は、少子高齢化を背景に構造赤字が問題視されているので、「外国人ただ乗り論」が出てくると、排外的な世論につながりかねません。
Vol.260 振り込め詐欺も人手不足?
帝国データバンクによれば、2018年7月において、「正社員が不足している」と答えた企業が7月として初めて過半数を超えました。人手不足で絶好調だった人材派遣業界も、派遣社員における実稼働者総数の伸びが明らかな鈍化傾向を示しており、スタッフの確保に苦慮しています。郵便局が郵便配達を平日だけにとどめることを検討する中、福山通運は、日曜日の企業向け配達の停止を決定しました。「人手不足」がいよいよ供給サイドのボトルネックになってきています。・・・
Vol.242 外国人の悪用 vs 日本の詐欺(2018.9.7)
自民党で「在留外国人に係る医療ワーキンググループ」が本格活動を開始しました。医療目的で入国する場合は、国民健康保険に加入できず全額自己負担となるため、目的を「留学」や「経営」と偽って国保に加入し、少ない自己負担で高額治療を受ける事案が増えているほか、海外での治療費を還付する海外療養費や出産育児一時金などの不適切な利用が目立つため、こうした外国人による「悪用」を撲滅するのが狙いです。国民健康保険の財政事情は良くなく、「悪用」は許し難い蛮行です。・・・
Vol.226 犯罪はベトナム人が格上?(2018.8.16)
在日ベトナム人の数は約26万人で、外国人全体の10%程度に過ぎませんが、外国人犯罪の3割をベトナム人が占めています。2017年に全国の警察が検挙したベトナム人の犯罪は5140件と前年から約6割増え、国籍別で中国人を抜いてトップになりました。この5年間で見ると3.5倍の急増。73万人いる在日中国人を凌駕するのですから、驚異の犯罪率です。ベトナム人に人気のSNSを見ると、犯罪絡みのアルバイトが多数掲載されています。月6万円前後で窃盗する実行役を募集したり・・・
Vol.187 地震で外国人が強盗する?(2018.6.21)
6月18日、大阪府北部で震度6弱を観測した地震の後、「在日外国人の窃盗・搾取・強盗にはくれぐれもご用心を」とか「外国人って地震に慣れてないから、真っ先にコンビニ強盗始めるか、空港に殺到するようです」などのデマがSNSに投稿されました。大阪府が「未確認の情報をむやみに拡散しないで」と呼び掛けるなど一騒動になりましたが、こうした差別的な投稿を非難する声も相次ぎ、「大きな地震や災害が起きると差別主義者がデマを流すのでご注意を」などの投稿があったことは救いでした。・・・
Vol.164 ベトナム人は中国人より悪い?(2018.5.21)
2017年における外国人の犯罪検挙件数は、前年から3000件ほど増えて1万7000件余りでしたが、国籍別で見ると、ベトナム人の検挙件数が5140件で前の年の1.6倍に急増し、中国人を抜いて初めて最多となりました。刑法犯の9割近くが窃盗(4割が店舗での万引き)で、グループで見張りや実行役、盗品の運搬役などと役割分担し、ベトナムで人気の高い日本の化粧品や衣料品を大量に万引きして、本国に送るケースが多かったといいます。また、空き巣の摘発が365件(前年12件)と大幅に増加しました。
Vol.153 airbnbはガサ入れされるか?(2018.5.2)
3月下旬、訪日観光客向けに無許可で送迎する「中国式白タク」に加担したとして、中国の大手配車アプリ「皇包車」を運営する中国企業の関連会社「日本皇包車」を対象に家宅捜索が実施され、道路運送法違反の疑いで同社の前代表が逮捕されました。警察は、アプリ運営会社である「皇包車」と「都市型ハイヤー」の免許を持つ「日本皇包車」の役員が一部重複していることを重視。両社は一体であり、ハイヤーの運転手でない中国男性に配車したことが「白タク行為」にあたると判断したと見られます。
Vol.142 民泊は「悪」で決まりだ!?(2018.4.16)
大阪市は無許可の民泊施設を一掃するため、4月に「違法民泊撲滅チーム」を発足させます。市内の違法民泊は1万室を超えており、大阪府警と連携して取り締まりを強化。改正された「旅館業法」は、「民泊新法」と同時に6月に施行され、無許可営業の罰金が上限3万円から100万円にUP。立入検査の権限も明確化されました。「民泊新法」に対しては、6~7割の自治体が規制条例を作る方針です。住環境悪化を懸念する地元の声の背後の背後には、過剰規制とも言われる「旅館業法」の存在があります。
Vol.112 4000万人をおもてなしする?(2018.3.2)
2017年に日本を訪れた外国人旅行者は2869万人(前年比+19%)となり、5年連続で既往ピークを更新しました。観光ビザ発給要件の緩和や格安航空会社やクルーズ船の増便が要因と報じられています。日本政府は、2020年に4000万人に増やす目標を掲げていますが、毎年2割程度の増加ペースを維持すれば、達成できる見込みがついてきました。目標を達成するためには、欧米からの旅行者を増やしたり、日中だけでなく夜間も観光を楽しめる環境を整備したりすることが課題となると言われています。
Vol.94 ベトナム人は犯罪に走るのか?(2018.2.5)
ベトナム人による犯罪が増えています。茨城県では、空き巣に入り貴金属を奪ったとしてベトナム人3人が住居侵入と窃盗で逮捕されました。兵庫県でも同様の罪で1府3県で空き巣を繰り返し885万円相当の被害をもたらしたベトナム人の男5人が捕まりました。姫路市内のドラッグストアで万引を繰り返したベトナム国籍の男女3人が逮捕され、神奈川県では違法送金をした罪でベトナム男性が検挙されました。また、東京都や静岡県では、偽造された1万円札を使った罪でベトナム人が摘発されています。        
Vol.88 インバウンドに死角はないのか?(2018.1.26)
2018年の訪日外国人旅行者数が年間3200万人に達する見込みの中、新税の「国際観光旅客税」の税収が初年度から60億円も見込まれており、新聞やTVでは「インバウンド」の文字が「(訪日外国人)」という「脚注」とともに飛び交っています。しかし、その一方で、京都などでは従来見られなかった外国人観光客と地域住民との軋轢が生じているなど「観光公害」が発生していたり、華やかな「インバウンド報道」の陰であまり目立ってはいませんが、白タクやヤミ民泊の摘発が着実に増えています。
Vol.52 白タクも違法民泊も摘発される(2017.11.17)
訪日中国人客を相手に無許可でタクシー営業をしたとして、中国籍の男3人が道路運送法違反の疑いで逮捕されました。空港や観光地で訪日外国人客を相手にする「中国式白タク」に関する本格的な逮捕です。警察は、容疑者らの車が多くの荷物を持つ訪日客を乗せて関空と大阪市内を何度も行き来するのを確認し、白タクとして営業していると判断しました。中国語の配車アプリを介して、訪日客からの依頼を受けて営業していた「白タク」は7回にわたって関西空港から大阪市内に40人を運送したといいます。
Vol.37 通訳ガイド解禁は有利に働く?(2017.10.13)
6月に成立した「通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律」が来年1月4日に施行されます。従来、「通訳案内士」でなければ、有償の通訳ガイドは禁じられていましたが、来年からは無資格であっても対価をもらった通訳ガイドができます。無論、この制度変更には反対論もあります。ただでさえ、無資格の「闇ガイド」が跋扈し外国人観光客を食い物にした事例が目立っており、国会でも議論が白熱しました。この制度変更をビジネスと在留資格との関係で見れば、プラス面を期待することができます。
Vol.32 ヤミ民泊が外国人を排斥する?(2017.9.26)
「外国人観光客のインバウンドが凄い」という報道は、日本人の「外国人嫌い」を若干緩和しましたが、最近、インバウントのデメリットが取り沙汰されています。民泊の8~9割を占める「ヤミ民泊」は、ホテル・旅館業界からすれば営業妨害ですし、騒音などで迷惑を被る近隣住民は被害者です。民泊施設を利用して覚醒剤を密輸する事件も起きました。インバウンドで悪いことが起きているということになると、外国人労働者を含めて、「外国人排斥」のムードが一挙に醸成される危険性があります。
Vol.16 外国人の受入は犯罪を増やす?!(2017.9.4)
外国人犯罪に関する報道が増えています。実質的な外国人比率は1.9%なので、人口比に応じた数字であると評価することができないわけではありません。しかし、個別の犯罪における外国人比率に目を転じると、盗品等関係、強盗致死傷、強盗、殺人、薬事関係、傷害、窃盗、強姦が4.5%~8.3%の高水準。この数字を見ると、「外国人を受け入れると犯罪が増える」という入管や警察の主張を退けることは困難であり、日本では「外国人労働者を大々的に受け入れるべき」という議論にはならないと考えた方がよさそうです。
Vol.12 訪日外国人は犯罪者なのか?!(2017.8.29)
訪日外国人に絡む犯罪記事が取り上げられるようになってきました。「医療ツーリズム」に係る無免許手術や自家用車による「白タク営業」のほか、金塊の密輸入や偽造クレジットカードによる商品詐欺など、「日本は安全なのに、外国人に絡んで犯罪が多くなってきている」という印象が滲み出ています。警察や入管は、外国人絡みの犯罪が発生すると、マスコミに対して必要以上にプッシュします。結果的に、外国人排斥につながる世論が形成されてくると、外国人雇用に対する批判に飛び火してくる可能性があります。
Vol.11 外国人が健康保険を蝕んでいる(2017.8.23)
外国人に対する医療の充実化が叫ばれる一方で、「医療費不払い」という問題が浮上しています。観光で訪日したタイ人女性が急病に倒れ、運よく一命を取り留めたものの、手術等に要した治療費1800万円が宙に浮いてしまいました。旅行保険に加入しない訪日外国人が、病気やけがで病院にかかった場合、請求される高額の医療費を支払わないまま出国してしまうのです。わが国の健康保険は、少子高齢化を背景に構造赤字が問題視されているので、「外国人ただ乗り論」が出てくると、排外的な世論につながりかねません。
Vol.473 香港市民は台湾に移住する(2019.8.21)
香港では、犯罪者を中国に引き渡すことを可能にする逃亡犯条例の改正を巡って、6月9日に、100万人以上が参加するデモが勃発し、同月16日には200万人にまで膨れ上がりました。香港政府はいったん条例を撤回し、沈静化を図っていますが、今後の動静には予断を許しません。そんな中で、香港支持を公言した台湾への移民が急増しています。台湾の居住権を得るには、約2000万円かかるとも言われていますが、今年1~4月には前年比40%増の約400人に達しました。・・・
Vol.438 スペインも反移民に転じる?(2019.7.1)
4月28日、スペインで総選挙があり、下院ではサンチェス首相率いる中道左派・社会労働党が第1党になりましたが、「不法移民は強制送還」「モロッコ国境に壁を作る」と公約する新興右翼政党VOXが24議席を獲得。独裁者フランコに関する苦い記憶があるので、有力な極右政党が出てこなかったスペインにおいて、極右政党が国政に進出したのは1978年の民主化以来初めてです。VOXは、EUに対して、国境検問の再開を廃止したシェンゲン協定の凍結を要求しています。・・・
Vol.433 カナダも反難民に転じるのか?(2019.6.24)
カナダが、自国以外の国で既に難民申請をした場合、カナダで再申請することを禁止する方針を固めました。米国で受け入れを拒否された難民申請者が国境を越えてカナダ国内に大量に流入していることが背景にあります。保留中の難民申請の数は20万件を超え、審理待ちに平均20カ月かかるのが現状。国境近くの自治体は、申請手続を待つ難民のために古いスタジアムや公民館を住宅施設として再利用していますが、この費用負担を巡って政府との間に軋轢が発生。・・・
Vol.400 ブローカー対策で頭を悩ます?(2019.5.8)
米国で「出産ツーリズム」が問題になっています。国籍取得に関して、米国では、親の国籍で決まる「血統主義」ではなく、出生地で決定する「出生地主義」を採用しているため、米国で出産することにより子どもに米国籍を与えたいと考える妊婦が後を絶たず、それを商売にしているブローカーもいるため、ひとつの産業になっています。一説によれば、毎年3~8万人が15,000~50,000ドルの費用(VIPは100,000ドル)を支払って、「出産ツーリズム」で訪米するとも言われています。・・・
Vol.390 移民に対して銃を乱射する?(2019.4.16)
3月15日、ニュージーランドで死者50人を出す銃乱射事件が起きました。イスラム教徒を狙った白人至上主義者は、侵略者である移民から逃れられる場所は残されていないことを世界に知らしめると語りました。人口474万人のニュージーランドは毎年6万~7万人の移民を受け入れており、欧州系住民が早晩7割を切ると見られています。先住民のマオリと共生する努力を続けてきた歴史もあり、少数派に寛容な社会として知られてきました。1893年に世界で初めて女性参政権を・・・
Vol.347 トランプ大統領が抱える矛盾(2019.2.14)
1月23日、ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王、米メキシコ国境に壁を建設するドナルド・トランプ米大統領の計画を「狂気の沙汰」と非難し、移民に対する「恐怖感によって私たちは苛立っている」と述べました。米メキシコ国境については昨秋以降、中米から米国を目指す移民集団の北上により、不法移民や国境壁建設を巡る議論が激化しています。興味深いのは、トランプ米大統領一族が経営するゴルフ場で、不法移民を雇っている疑いが浮上していること。・・・
Vol.339 米国がビザの緩和に転じる?(2019.2.1)
トランプ政権は米国人労働者の保護を名目に、H-1Bなど就労ビザ発給の審査を厳格化。IT業界からは優秀な人材の流出につながりかねないとの懸念が表明されていましたが、1月11日、トランプ大統領は、IT技術者など高度技能を持つ人を対象とした「H-1B」ビザを保有する在米外国人について、在留を保証するとともに「米市民権獲得の可能性も開ける」と表明しました。同月20日には、不法入国した若者の強制送還を免除する「DACA」を3年間延長する妥協案も示しました。・・・
Vol.333 カナダは移民100万人受入れ(2019.1.24)
「家族の虐待から逃れてきた。帰国すれば殺されるかもしれない」などとSNSを通して助けを求め、タイで保護されていたサウジアラビア人女性が話題になっていました。この女性は、イスラム教を捨てたと話しており、それが事実であれば、サウジアラビアでは死刑で罰せられる罪に当たります。カナダは、国連難民高等弁務官事務所の要請を受けて、この女性を難民として認定。カナダのトルドー首相は、「カナダは女性の人権のために立ち上がることの重要性を理解している」と述べました。・・・
Vol.310 中国の少子高齢化は半端ない!(2018.12.14)
日本以上に激しく急速な少子高齢化が、今後中国に襲い掛かります。「一人っ子政策」の影響で、25歳以下の世代では女性が男性より3000万人も少ないという歪な人口構成になってしまい、出産適齢期の女性が激減しているので、出生数を伸ばしようがありません。出生率の低下と平均寿命の延長を背景に、世界各国で少子高齢化問題が浮上していますが、中国の場合、出産適齢期の女性が少ないので、高齢化のスピードが他国よりも遥かに速いのです。親2人を介護せざるを得ない独身男性が激増・・・
Vol.295 経済政策が韓国を殺す?(2018.11.22)
韓国経済が疲弊しています。文在寅政権は、「所得主導成長論」を掲げて、「賃上げすれば景気は良くなる」という前提で経済政策を運営しました。2010年に4110ウォンだった最低賃金は2017年に6470ウォンになっていましたが、2018年に16.4%上昇(7530ウォン)させ、2019年にはさらに10.9%上昇させて8350ウォン(約835円)にすることを決定。その上、今年の7月1日からは労働時間の上限を、残業を含めて週52時間に短縮することを柱とした改正勤労基準法も施行。・・・
Vol.287 人道主義か法律違反か?(2018.11.12)
イタリア南部に、人口の4分の1が外国人というリア―チェという村があります。ゴーストタウン寸前だった村を救ったのがルカーノ氏。難民の人々を受け入れ、廃屋を修復して住居を確保しビザを手配しました。また、国からの助成金で地域通貨を発行して、織物やガラス細工などの技術を難民たちに教えて、自分たちで働いて、毎日の糧を得られる経済圏を構築しました。この成功により、2016年に「フォーチュン誌」で世界のリーダー50人のひとりに選ばれました。・・・
Vol.282 トランプ大統領と麻生財務大臣(2018.11.5)
中米ホンジュラスから米国を目指し、数千人規模のキャラバン(移民の集団)が徒歩で北上を続けています。ホンジュラスは、ギャングと麻薬密輸が横行する国で国民の多くが貧困に喘いでおり、米国で働き祖国に仕送りすることを夢見ています。これに対し、トランプ大統領は、国境に5200人の軍隊を派遣し、米軍部隊がキャラバンに発砲する可能性について「そうならないことを願っている」と述べる一方、群衆が投石等をした場合は「銃器による攻撃とみなす」と警告しました。・・・
Vol.274 イエメン難民を受け入れる!(2018.10.24)
韓国では、済州島に上陸して難民申請したイエメン人の集団が問題となってきましたが、481人の75%に当たる362人に1年間の滞在を許可し、就労することや国内を自由に移動することを認めました。思い切った判断であることは間違いありません。一部のイエメン人が、SNSに銃を持った写真を掲載していたことについても、「男として勇敢さを誇示しようと、銃を持って写真を撮った人もいれば、結婚式のお祝いの行事に出席し、他人の銃を借りて写真を撮る場合もある」として許容しました。・・・
Vol.252 スウェーデンも反移民へ?(2018.9.21)
9月9日、スウェーデンで総選挙が行われ、反移民を掲げる「スウェーデン民主党」が大躍進。ドイツ、オーストリア、ハンガリー、イタリアと続いてきた反移民の潮流は止まるところを知らないように見えます。スウェーデン(人口1000万人)は、移民に寛容な国でしたが、国民の4人に1人が移民系になる中で、2015年の難民危機に国民1人当たりで最大の移民(16万人)を受け入れたこともあり、「スウェーデン市民よりも移民を大事にするのか」という幅広い批判を呼び起こすことになりました。・・・
Vol.247 イタリアはEUを解体する?(2018.9.14)
イタリアがEUを激しく揺り動かしています。移民を乗せた救助船の上陸を拒否し、EUに受け入れの分担を要求。加盟国間の「平等な負担」を主張し、受入分担について決着しなければ、「EU拠出金の支払いをやめる」とまで言い出しました。イタリアは、EUの難民申請ルールの抜本的見直しを求めましたが、EUは6月末の首脳会議で結論を先送り。これに不満なイタリアは、「EU予算についての議論であらゆる手段を検討し、われわれにとって不都合なことを阻止する」と声高に叫びます。・・・
Vol.236 アマゾンはカナダが好き?(2018.8.30)
アマゾンは、50億ドル超を投じて、「第2本社」を建設し、最大5万人を雇用する予定です。誘致に計238の都市が名乗りを上げましたが、20都市までに絞られた候補地の中に、米国以外で唯一カナダのトロントが残りました。カナダのトルドー首相は、「カナダではどんな宗教でも人種でも全てのバックグラウンドの人々を歓迎する」と強く主張し、多様性と多文化主義、オープンでフレンドリーなコミュニティーと移民政策を「カナダの強み」としてアピールしました。・・・
Vol.223 シンガポールを真似できるか?(2018.8.13)
シンガポールでは、「少子高齢化」が社会問題となっています。2015年時点で17.9%という60歳以上の人口割合は、2050年には40.4%になると予測されています。出生率は1.24ですからかなり深刻です。東京23区とほぼ同じ面積の中に人口が561万人。外国人を受け入れて成長することを基本方針としており、労働人口の3分の1を外国人が占めています。女性の外国人ヘルパーが妊娠したり、工事現場の外国人労働者が怪我して働けなくなったら在留できなくなります。・・・
Vol.212 トランプ大統領は不人気?(2018.7.27)
日本においてトランプ米大統領は「悪役」です。トランプ氏の支持者はほとんどテレビに出てきませんし、ポジティブに評価する専門家にもお目にかかりません。流されてくるニュースはネガティブな内容ばかり。ところが、直近の世論調査によると、トランプ大統領の支持率は45%と就任以来最高になったと言います。マスコミ情報を鵜呑みにするのは危険です。「米キニピアック大による世論調査」に関する7月5日の報道を例に取りましょう。時事通信と共同通信のニュースが対照的です。・・・
Vol.207 韓国で「偽装難民問題」!(2018.7.20)
いま韓国は、「難民問題」で大騒ぎになっています。内戦下の中東イエメンから大勢の亡命希望者が来韓。「韓国のハワイ」として知られるリゾート地・済州島がビザ不要だったため、LCCの直行便があったマレーシアを経由して殺到しました。ノービザで入国した後に難民申請すると審査期間中は滞在できます。難民認定されなくても訴訟すれば最長3年の滞在が可能になるので、日本の「偽装難民問題」に類似した現象が突如沸き起こったのです。外国人排斥派の韓国人の怒りが爆発します。・・・
Vol.204 欧州は移民とともに漂う(2018.7.17)
EUが、難民問題で大揺れに揺れています。特に6月中旬から月末にかけては、これまでにないほど緊張感が高まりました。100万人を超える難民が押し寄せた2015年の難民危機を切っ掛けに、極右政党が勢力を増し、各国において反移民・反難民の政権が誕生しています。イタリアの新政権は、誕生するや否や、難民流入を阻止するための実力行使に出ます。地中海を渡って、イタリアに上陸しようとする難民を乗せた救助船の入港が拒否されると、EUが右往左往し始めます。・・・
Vol.198 ドイツも難民政策で揺れる(2018.7.6)
独メルケル政権が、難民問題で揺れています。メルケル首相率いるキリスト教民主同盟は、キリスト教社会同盟(CSU)と半世紀以上統一会派を組んでいるのですが、CSUが離脱しかねない政局になっています。CSUは、バイエルン州の保守政党なのですが、難民排斥を唱える極右政党「ドイツのための選択肢」が台頭。10月に控える州議会選挙で大敗する危険性を感じたCSUは、内相を務めるゼーホーファー党首が、一部難民を国境で送り返すという方針を打ち出し、メルケル首相と激しく対立します。・・・
Vol.195 国家でも親子は引き離せない(2018.7.3)
トランプ米政権が、5月に不法入国者の親子を分断してしまう「ゼロ・トレランス」(不寛容政策)を発表してから、2000人以上の子どもたちが移民の親から引き離されました。これに対し、「家族を引き離すな」「親子分断は子供の虐待」と抗議するデモが全米各地で発生。党派を超えて反対の輪が広がり、メラニア大統領夫人ですら支持できないことを公表。多くの州知事が国境に州兵を派遣する大統領令に造反し、航空会社も子どもたちの移動に協力できないと公言するなどの大騒動に。・・・
Vol.178 反移民が世界中に拡散?(2018.6.8)
イタリアで反移民政権が誕生し、スロバキアでも反移民を掲げる野党が第1党になりました。フランスは、不法入国に対して禁錮1年の処罰を導入する厳格な移民法案を検討しています。オーストリアでは、難民申請者に対し、携帯電話を当局に引き渡すとともに、最高840ユーロ(約11万円)の支払いを義務付ける法案を閣議決定しました。伝統的に「多文化主義」を掲げるオーストラリアでも、以前はタブーであった移民制限論が表面化し、実質的に年間の受け入れ枠を縮小しました。・・・
Vol.173 台湾は移民政策に踏み込む(2018.6.1)
5月15日、台湾は「新経済移民法」の草案を公開し、「高い専門性を持つ外国人」のみならず、「中程度の技術水準を持つ外国人」を受け入れ、年間183日以上7年間台湾に居住すれば永住ビザを認めるという方針を示しました。「中程度の技術水準を持つ労働者」は、「技術者や高度プロフェッショナル従業員の補佐、機械操作、組み立てなどに従事する労働者」を意味し、12万人不足しているとされていますが、受け入れる際の月給の下限を上位70%の水準に設定しました。・・・
Vol.163 移民問題で大臣が辞任!(2018.5.18)
4月29日、英国のラッド内務大臣は、「不法移民の国外退去に関して、内務省は目標となる人数を定めていない」と議会に説明していたことが事実と異なることが明らかになったため辞任しました。英首相に対し、数年間で不法移民の10%を退去させる目標を進言していたようです。英国では、カリブ海諸国から移民した人々たちが強制退去のリスクに直面していることが政治問題化。親の旅券で入国し、自身の旅券を持たない一部の子孫らが「不法移民」と誤認されたという問題が浮上していました。
Vol.158 中国が移民管理局を設立!(2018.5.11)
中国は、外国人の滞在・居住・永住や難民管理を担当させるため、公安部の下に「国家移民管理局」を新設する方針を示しました。中国在留外国人は84万8500人(2013年)ですから日本の半分程度に過ぎませんが、その段階で「中国で暮らし、働く外国人が増えてきており、移民管理サービスの需要が高まっている」として、「移民局」を設立する先見性には敬服せざるを得ません。その一方、日本は「移民」を否定しているので、先進国であれば当たり前の組織である「移民省」や「移民局」がないのです。
Vol.155 移民規制で経済が停滞!(2018.5.8)
米国では、IT技術者らが取得する「H-1Bビザ」の発給が厳格化。サンフランシスコのIT企業では、外国人の従業員を積極的に採用する先は8%にとどまり、外国人雇用を減らす企業が33%を占めたため、技術者の4割が米国を去ることを検討。米国経済は大きなダメージを被ると予測されています。EUから離脱する英国では、直近1年間で、EU域内からの純移入者が5年ぶりに10万人を下回り、移民流入を規制すれば、生産および雇用の伸び鈍化につながる可能性が高いとする報告書が公表されました。
Vol.150 中国人が日本人化する?(2018.4.26)
「精日」というネットスラングが中国で話題になっています。「精神的日本人」を指し、「自分は中国人だが精神的には日本人である」と主張する若者を意味するのですが、江蘇省南京市で旧日本軍の軍服を着たコスプレ姿で写真を撮りインターネットに公開した中国人男性が15日間拘留されるなど、旧日本軍の愛好家の行動が物議を醸しています。中国の王毅外相が「精日」のことを「中国人のクズだ!」と罵倒したことで話題になりましたが、国家を侮辱する者を厳罰に処す立法すら検討されています。
Vol.148 欧州で反移民が止まらない(2018.4.24)
4月上旬ハンガリーで総選挙が行われ、「反移民」を掲げる与党が大勝利を収めました。中欧、ポーランド、オーストリアで、「反移民」の流れが勢いを増しており、EU内の亀裂が広がる可能性があります。3月のイタリア総選挙ではポピュリズム政党の「五つ星運動」と極右の「同盟」が躍進。ドイツでも極右「ドイツのための選択肢」が最大野党に。フランスでも極右のルペン氏が昨年の仏大統領選で2番手につけました。こうした欧州の動向を例示し、「移民などありえない」と主張する人もいます。
Vol.144 スイスは不法就労者を救う(2018.4.18)
13,000人の不法滞在者を抱えるスイスのジュネーブ州は、2015年秋、長期不法就労者を合法化するという「パピルス・プロジェクト」を立ち上げました。合法化を申請する要件は、経済的に自立していることを証明すること、ジュネーブに連続して10年以上居住していること、基本的なフランス語が話せることなどであり、決して高いハードルではありません。これまでに、不法就労者1,093人が滞在許可証を受け取り、申請却下や国外退去となったのはたった4人だけといいます。
Vol.140 欧州で反移民が勢力を増す(2018.4.12)
2018年3月初、イタリアの総選挙において、EUに懐疑的で、移民に厳しい「五つ星運動」が第1党になりました。反EU・反移民を掲げる「同盟」を合わせると、下院の得票率は過半数を占めます。2013年以降、北アフリカからイタリア沿岸へと流入した移民は69万人を超え、貧困率が高まっています。この選挙では、イタリア初の黒人上院議員が誕生しましたが、皮肉なことに反移民を掲げる「同盟」の候補者でした。「差別主義の防波堤となりうる健全で管理された入国管理を支持する」と主張しています。
Vol.130 トランプ大統領は二枚舌なのか?(2018.3.29)
トランプ米大統領は、移民に関する「家族呼び寄せ制度」に反対し、合法の移民が家族や親戚を米国に呼び寄せることによる「連鎖移民」を攻撃しています。ところが、配偶者であるメラニア夫人は、「家族呼び寄せ制度」を利用して、スロベニアの両親に「永住権」を取得させたと報じられました。この制度こそ、トランプ大統領が「連鎖移民」として攻撃している対象そのもの。彼は、呼び寄せ対象を配偶者と未成年の子供に限定すべきと主張していたはずですが、夫人の両親だけは例外なのでしょうか。
Vol.113 海外情勢は入管に追い風か?(2018.3.5)
現在、米国で最も注目されている政策論争が「DACA」です。DACAとは幼少期に親に連れられ米国に入国した不法移民の若者を送還から猶予する措置のこと。トランプ大統領が撤廃方針を打ち出し、撤廃後の政策対応を巡り国中が大激論。米国には不法移民が約1100万人いると言われており、トランプ政権は彼らに対して厳しい措置を断行しています。今年の難民受入上限を昨年の11万人から4万5,000人に削減し、不法移民の取締りは厳格化され、2017年中の逮捕は前年より3割多い14万3000人に達しました。
Vol.92 入管政策で政府が閉鎖される!(2018.2.1)
予算が成立せず歳出の根拠が失われた場合に政府機関を閉鎖する「政府閉鎖」が米国で発生しました。移民政策を巡る与野党協議が不調に終わったことが原因です。争点となったのは不法移民への対応。トランプ大統領は、子どもの時に親に連れられて米国に来た不法移民の若者を強制退去にしない救済制度「DACA」を廃止する方針を表明したのですが、民主党は救済策の維持で合意できない限り、つなぎ予算案の採決に応じないと主張。トランプ政権や共和党は反発し、政府閉鎖に陥ったというのです。
Vol.36 世界情勢は入管を支持する!?(2017.10.10)
ドイツで反難民を掲げる新興政党が第3党に躍進しました。難民に寛大だった政府は厳格化に転じましたが、国民は納得しませんでした。オランダでは移民排斥を唱える党が第2党に。フランスでも反移民で知られる党首が大統領の決選投票に進みました。オーストリアでは「国を難民に奪われてはならない」と訴える党が浮上し、イタリアでも右派政党が台頭しています。米国は難民受入の上限を半減させ、不法移民が押し寄せているカナダは、「避難先としてカナダを当てにするな」と言い始めました。
Vol.17 日本はトランプを批判できない(2017.9.6)
9月5日、米国は、オバマ政権時代の合法的在留措置(DACA)を数カ月後に廃止することを決定しました。DACAとは、16歳までに米国に不法入国した30歳以下の若者を対象とする恩赦であり、2年間強制送還を免れられることに加え、就労資格も得られるので、対象者は「ドリーマーズ(夢見る人々)」と呼ばれています。日本のマスコミは、トランプ米大統領を批判していますが、彼らは、日本の入国管理法であれば、疑問の余地なく強制送還の対象。マスコミが垂れ流す報道を無前提に信じない癖を付けたいものです。
全国外国人雇用協会